C Space Tokyo「顧客体験価値(CX)ランキング TM 2021」「顧客体験価値」によるランキングTop50を発表

  • 第1位「星野リゾート」、第2位「ワークマン」、第3位「サントリー」
  • 業種別では「専門店」「食品・飲料メーカー」「飲食店」が高い評価を獲得
  • 上位ブランドの特徴は、「志向力:ブランドの目指す姿が明確で、顧客が実感できるほど徹底されている」「俊敏力:スピード感があり、顧客の期待を超え続ける迅速な動きができている」「共創性:顧客の声に真摯に向き合うだけでなく、顧客とともに体験づくりができている」

インターブランドジャパンのグループの一員であるC Space Tokyoは、顧客体験価値(CX:Customer Experience)のランキングを発表しました。
本ランキングは、顧客視点でのすべての体験を通じたブランドの「顧客体験価値(CX)スコア」を数値化し、分析しており、本年度で3回目となります。商品やサービスの機能や性能などの機能的価値だけでなく、そのブランドや企業に関わるすべての体験を通じて顧客が経験する、喜びや満足感などの情緒的価値まで含めた総合的な価値を数値化しています。
これまでC Spaceがグローバルで行ってきた「顧客体験価値(CX)」の分析を通じて、顧客体験価値(CX)を高めるには「私向けのものだと思える」「私にとって意味がある」「オープンで、正直である」「私の立場で考えてくれる」「いい気分にさせてくれる」の5つの情緒的な要素を顧客に感じてもらうことが重要だということが明らかになっています(5 Emotional Cues)。

本件のプレスリリース
https://prtimes.jp/a/?f=d92-20211206-968f5768b09bc18a9086e475884e83b5.pdf

顧客が求める体験価値の5つの要素(5 Emotional Cues

「顧客体験価値(CX)ランキンキング™️」は、顧客が求める体験価値の5つの要素を数値化し、顧客視点でのすべての体験を通じたブランドの現在を可視化することを目的としています。本年度は、過去2回の実績をもとに、調査時期による季節要因の平準化を図るため、調査実施を年2回とし、調査対象者数を引き上げ、それによってブランド想起者の最低人数を2倍以上に引き上げるなど、より精度を高めた「年間ランキング」としてリニューアルしています。

「顧客体験価値(CX)ランキング TM 2021」考察 ※ “ ”内は実際の回答者のコメント
1.With/Afterコロナの環境下の1年で変化した顧客の心理
With/Afterコロナとなったこの1年では、「星野リゾート(1位/+0.71)」「帝国ホテル(4位/+0.61)」「スターバックスコーヒー(6位/+0.60)」など「おもてなし」や「ホスピタリティ」に定評がありつつ、新しい価値を生み出しているブランドが躍進しています。星野リゾートのマイクロツーリズムの提唱や、帝国ホテルのサービスアパートメントの提供開始など、新たな価値を提供し続けていることで、顧客体験価値を高め続けていると考えられます。また、「ワークマン(2位/New)」「ニトリ(8位/New)」が、はじめて上位にランクイン。“欲しいものが” “ほかより安く”しっかりした機能で提供とされている(ワークマン)、“必要なもの”が “安くて質が高くて” “そろっている”( ニトリ)と、With/Afterコロナ時代のライフスタイルにあった提供価値が顧客に受け入れられたブランドが躍進しています。

2.ブランドの「志向力」、変化をとらえ迅速に対応する俊敏、顧客との「共創性」が、高い顧客体験価値を提供できているブランドに共通する要素
コロナ禍を受けてのニューノーマルが常態化したこの1年で、顧客の心理を捉える要素にも、昨年とは違った特徴的な変化が見られます。商品やサービスの機能的な便益だけではなく、企業が掲げる「パーパス」や経営者の姿勢を体験価値として評価するコメントが多く見受けられ、企業やブランドの「志向力」を顧客が支持する傾向が顕在化しているのが今年の特徴です。また、変化をとらえ迅速に対応する「俊敏力」や顧客との「共創性」が確認されるブランドが上位に名を連ねることも、今年の特徴です。

志向力」: ブランドの目指す姿が明確で、顧客が実感できるほど徹底されている
星野リゾート(1位/+0.71):“ホテルのコンセプトが明確です。高いが満足、特別感を演出したホテル内での暮らし喜び、驚きを提供している。思い出に宿泊し、ホスピタリティを感じる”(40代男性)、“星野リゾートだからこその魅力を感じる”(40代男性)など、ブランドの目指す姿が明確で、提供するサービスや従業員一人一人に浸透していることが評価されています。
味の素(9位/+0.21):“家族の健康や豊かな心を育てる為に必要な、食事の為に美味しく、栄養のあるものを作っている企業だと思うので”(30代女性)、“健康的な生活を送る上で、食生活が大切だということを、商品やTVCMなどを通して伝えてくれていると思うから”(40代女性)、“eat well live well のキャッチフレーズに共感 全ての思いが込められてる” (50代女性)というコメントに見られるように、味の素の存在意義「食と健康の課題解決」が顧客に伝わって評価されていることがうかがえます。

俊敏スピード感があり、顧客の期待を超え続ける迅速な動きができている
丸亀製麺(16位/NEW): “その時のご時世にあった販売方法にとりくんでいる”( 30代女性)、 “期間限定メニューの再発売など、利用者の意見を採用した企画を数多くおこなっている”( 20代男性)など、新しいテイクアウトの迅速な全店舗展開などをはじめとしたサービス提供のアジャイルな対応を多くの顧客が評価しています。
Google(19位/NEW): “世の中の事情に合わせてどんどん変わってゆくから”(20代男性)、“顧客が望むサービスをいつの間にか⁈提供している”(60代女性)など、顧客のニーズをいかに先回りして、答え続けていくかということが良い顧客体験価値につながってます。

「共創性」顧客の声に真摯に向き合うだけでなく、顧客とともに体験づくりができている
花王(10位/+0.40): “日頃からお客様の商品の感想や要望をちゃんと聞いてくれて、少しでも使いやすくなるような商品の改良を行ってくれる” (40代女性)、“Yahoo!知恵袋で公式のカテゴリーマスターとして一般人の薄毛に対する悩みや髪のケアに対する悩みに回答しているところをよく見かけるからです。また、一時期自分が薄毛なのではないかと不安になった時も花王の公式アカウントが回答をしてくれました”(20代男性)など、顧客を巻き込み、ともによい体験を創っていく姿勢が評価されています。
無印良品(15位/+0.55): “顧客の要望を聞いて商品を改良し続けている。生産工程と価格の見直し(値下げ)をよくしている”(30代女性 )、“消費者のニーズに合わせて細かく商品を改良していってくれるから”(40代男性)、“客の要望などを反映して早めに改良して商品化しなおすところ”(40代女性)など、消費者のニーズを聞いて理解し、反映して商品や価格を見直し続けている姿勢が高い評価を得ました。

​3.顧客体験を、生活者が顧客になってから、つまり購入体験及び商品・サービス体験中心にとらえるのではなく、顧客になる前からの広い領域の中で考えるべきである
ブランドの体験は顧客になる前から始まっており、ブランドのパーパスや経営者の姿勢など、購入・使用体験に関わらない体験も、顧客体験価値に大きな影響を与えています。そのため、商品・サービス体験や購入体験だけでなく、より広い真のカスタマージャーニーの視点で顧客体験をデザインしていく必要があります。星野リゾートや帝国ホテルなど、ランキング上位ブランドの中には4割以上が「ノンユーザー」であるブランドが存在し、「お客さまの気持ちや求めることを、よく理解している」と、たったひとつのブランドを想起する際に、自身が体験していないブランドを挙げる人が多く存在しています。このことは、狭義の購買に関わる顧客体験だけでなく、潜在顧客も含めた広い意味でのカスタマージャーニーを捉えることが求められています。



C Space 顧客体験価値(CX)ランキングTM 2021 (1位〜50位)


2021年は35人以上から想起されたブランドを対象にランキング (2021年は10,507人中35人以上、2020年は3,626人中12人以上)
https://cspace.com/tokyo/cx/


CXスコア算出方法及び スコアと購入意向の関係
CXスコアは、「好きなブランド」や「優れた顧客体験を提供するブランド」を直接質問した結果ではありません。一般消費者に「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」ブランド/企業をまず頭に思い浮かべてもらい、そのブランドについて「顧客が求める体験価値の5要素」を具体的な項目に分解した21項目を評価してもらいます。同様に、「顧客の気持ちや求めることをあまり理解していない」ブランド/企業を思い浮かべてもらい、そのブランドについても21項目を評価してもらい、それらの数字からなる合成変数としてブランドのCXスコア(-10〜 +10)を算出しています。2021年は35人以上から想起されたブランドのみをランキングの対象としています。また、CXスコアと購入意向の有無には強い関係性が見られます。

< CXスコアと購入意向の関係性>


調査概要
  • 調査時期:2021年6月、10月
  • 調査対象者:インターネットモニター登録の18歳以上の一般個人(男女)
  • 回答数:計 10,507人(6月 5,420人、10月 5,087人)※2020年 3,626人
  • 調査手法:インターネットリサーチ
  • 対象者属性:


C Space について
C Spaceはグローバルに展開する「カスタマー・エージェンシー」です。世界的な企業に対して、経営に顧客視点を組み込む支援を行い、Customer Inspired Growth(=顧客によってインスパイアされるビジネス成長)をもたらしています。C Spaceのクライアントは、顧客との継続的な関係を活かしてより良い顧客体験を生み出すことで、顧客にとって必要な存在であり続けます。世界で450名のスタッフを擁するC Spaceはボストンおよびロンドンに本社を置き、ニューヨーク、サンフランシスコ、メキシコシティに続く第6の拠点として、2019年に東京でC Space Tokyoを設立しました。C Space Tokyoはインターブランドジャパングループの一員です。C Spaceについての詳しい情報は https://cspace.com/tokyo/ をご覧ください。

インターブランドについて
インターブランドは、1974年ロンドンでの設立以来、40年以上にわたり、常に世界をリードするブランディング専門会社として、戦略、クリエイティブ、テクノロジーの組み合わせにより、クライアントのブランドとビジネス双方の成長を促進する支援を行っています。
社会環境の不確実性が増す一方で、選択肢はかつてないほど豊富となりイノベーションのスピードが加速を続ける時代の中で、顧客の期待はビジネスよりも速く動き、価値観も変化し多様化しています。変化を続ける人々のインサイトの奥に潜む真理を探求し、その想いや期待するところをいち早く捉え、期待を超える体験を提供することを決断し、実践すること。インターブランドではこうした決断と実践のアクション(Iconic Moves™️)が必要だと考えています。
インターブランドではISO(国際標準化機構)により世界で最初にブランドの金銭的価値測定における世界標準として認められた「Brand Valuation™(ブランド価値評価)」をはじめとする先端的な分析手法を用いる戦略チームと、数多くの受賞歴と高い創造性を持つクリエイティブチームが一つのチームとなり、分析から戦略構築、クリエイティブ開発、社内外エンゲージメント、そしてブランドを経営指標に取り入れ組織革新を実現するサポートまで、全ての流れを自社のリソースで完結しプロジェクトを推進します。
インターブランドジャパンについて
インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次ぐ、インターブランド第3の拠点として、 1983年に東京で設立されました。「カスタマー・エージェンシー」として、オンラインコミュニティ運営、顧客との共創ワークショップなどを通じて経営に顧客視点を組み込む支援をグローバルで展開しているグループ会社 C Space(本社:ボストンおよびロンドン、国内拠点:東京都渋谷区)とともに、日系企業、外資系企業、政府・官公庁など様々な組織・団体に対し、トータルなブランディングサービスを提供しています。インターブランドジャパンについての詳しい情報はhttps://www.interbrandjapan.comをご覧ください。

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会社概要

URL
https://www.interbrandjapan.com
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門3-2-2 虎ノ門30森ビル 4F
電話番号
03-6632-5300
代表者名
並木 将仁
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
1983年10月