Job総研による『2023年 就活実態調査』を実施 6割強が就活中に転職を計画 7割が5年以内に動く世代
〜 初任給は20万円で十分 収入よりやりがい重視派が多数 〜
【コロナ就活世代の価値観】
コロナ禍の影響を受けてオンライン中心の就活が当たり前になり、学生生活もオンライン授業などが取り入れられるなど、対面の機会が減ったことで就活への意欲や働くことへの価値観なども変化していることが予測されますが、現在就活をしている学生は今後の自身のキャリアや働くことへの価値観についてどのように捉えているのでしょうか。また昨今の物価高騰を受け、仕事に求める収入とやりがいの比重にはどのような影響が出ているのでしょうか。
Job総研では就活中の学生男女127人を対象に、将来の理想と不安やその内容、また働くことに対する考えや意欲及び、仕事に対する価値観とやりがいの概念、さらに初任給の理想額や、キャリアにおいて転職ありきか終身雇用を望むかなどについて調査した「2023年 就活実態調査」を実施しました。
【調査概要】 調査対象者 :全国 / 男女 調査条件 :就活中の学生 調査期間 :2023年2月8日~2月14日 有効回答数 :127人 調査方法 :インターネット調査 |
【TOPICS】 ・全体の80.4%が「将来の理想像がある」と回答する一方、73.2%が「将来に不安がある」を回答 ・記述回答による不安の理由では自身のキャリアや収入について漠然としたものが顕著 ・働くことに対して全体の65.4%が「楽しみ」と回答する中、22.0%が「働きたくない派」を回答 ・自身のキャリアにおいて64.6%が「転職ありきの考え」 一方全体の35.4%は終身雇用を希望 ・全体の56.7%が収入よりやりがいを重視 やりがいの概念は自身の成長、社会貢献、感謝されること |
将来に対する自身の理想像について聞くと、「明確にある」が24.4%で、「漠然とある」が55.9%になり、合算した80.3%は理想像が”ある派”の回答をしました。一方将来への不安の有無について聞くと、「とても不安がある」17.3%、「不安がある」19.7%、「どちらかといえば不安がある」36.2%を合算した、73.2%が”不安がある派”の回答をしました。
【不安の内容】
将来に不安があると回答した93人に不安の内容を聞くと自身のキャリアや収入に対するものが顕著でした。
【働くことへの考えと意欲】
働くことへの考えでは「すごく楽しみ」11.8%、「楽しみ」26.8%、「どちらかと言えば楽しみ」26.8%を合算した65.4%が”楽しみ派”の回答をしました。また働くことへの意欲では「すごく働きたい」14.3%、「働きたい」35.4%、「どちらかといえば働きたい」28.3%を合算した78.0%が”働きたい派”の回答をしました。一方で全体の22.0%になる127人中28人が”働きたくない派”を回答する結果になりました。
※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 就活実態調査 報告書」をご参照ください(※3)
【就職後の転職について】
就職後に転職を考えるタイミングについて聞くと、「計画的に転職をしていく」が36.3%で最多回答になり、次いで「1社でできるだけ長く働きたいので転職はしない」が35.4%、「自分に合っていないと感じたらすぐに転職をする」が28.3%の回答結果になりました。”転職をする派”を回答した82人に就職後に転職をする理想のタイミングを聞くと「5年目」が37.8%で最多回答になり、次いで「3年目」が24.4%で、全体的には5年以内の転職が70.8%という回答結果になりました。
【収入とやりがいについて】
仕事において収入とやりがいどちらを重視するかについては、「絶対にやりがいを重視」6.3%、「やりがいを重視」14.2%、「どちらかといえばやりがいを重視」36.2%を合算した、56.7%が”やりがい重視派”を回答しました。また”やりがい派”を回答した72人に対してどのようなことにやりがいを感じるかを聞くと、「自分の成長を実感できること」が54.2%で最多回答になり、次いで「仕事で社会貢献を実感できること」が48.6%、「関わった人から感謝をされること」が47.2%で、上位3つの回答結果になりました。
【初任給の理想と最低希望額】
初任給の理想額(記述回答から集計)を聞くと、最頻が25万円、平均が27.9万円、中央値が26万円になり、最低希望額では、最頻が20万円、平均が22.1万円、中央値が21万円の結果になりました。
【回答者自由記述コメント】
就活に関する様々なコメントが寄せられました
・オンラインが主流になり、地方の学生も都会の学生との差を感じにくくなった気がする ・転職ありきでキャリアプランを考えているので、内定は決まったけど3年後には転職する ・就活において給与も大事な条件だけど、やりがいを感じられるかが最も重要 ・自分のやりたいことが不明確なので、将来への漠然とした不安感がある ・終身雇用の感覚で就活していないので、5年以内の転職を踏まえて内定をもらった |
※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 就活実態調査 報告書」をご参照ください(※3)
【調査まとめ】
今回実施した「2023年 就活実態調査」では、全体の8割が将来の理想像があると回答しましたが、その中でも「明確にある」と回答したのは2割強にとどまり、「漠然とある」が5割強の内訳になっています。一方で7割が将来への「不安がある」と回答していて、その理由では「生計を立てられるほどの収入を得られるか」「業界内で活躍し続けられるか」など抱く不安も漠然としたものが大きく、自分のやりたいことが定まっていない分将来への不安を抱きやすい心理状態にあることが推測できます。
また就職して仕事をすることについては6割強が「楽しみ」だと回答している一方で、回答者全体の127人の中28人が「働きたくない」と回答しており、5人に1人が働く意欲が低い現状が見られました。
そして就活中の学生が、将来的に転職をどのように捉えているのかを聞くと、転職することありきで就活をしている割合が6割強に上り、就職する前から転職することを踏まえて企業選定をしていることがわかります。同設問では3割強が終身雇用を希望していることも明らかになりました。
就職してから転職する理想のタイミングでは7割が5年以内を回答していることから、これから就職をする世代にとって、転職することが当たり前の価値観で、むしろ転職しないことが不自然になっている世代といえます。このことからも、今後さらに転職市場が活発化することも予測できます。
仕事に求めることでは「収入よりもやりがい」の回答が5割強と過半数をこえ、そのやりがいを「自身の成長」「社会貢献」「感謝されること」と位置付けている傾向が見られました。収入については就活する上で理想とする初任給額を聞くと平均が27.9万円で、最低希望額は22.1万円となりました。
全体的には自身のやりたいことが定まっていないことから将来への不安はありつつも、基本的には働くことをポジティブに捉えている傾向が見られ、キャリアプランの中では就職後5年以内に転職を計画的に盛り込んでいく能動的な世代と言える結果になりました。しかし一方で、「仕事をしたくない」の回答も決して少なくないことから、働くことをネガティブに捉えている層も一定数いることも事実です。
今後JOB型雇用が進む日本において、この世代が仕事をもち社会進出する頃には終身雇用という概念は抹消され、新たな仕事への価値観が広がり、キャリアステップに転職の選択をすることが、今よりも更に当たり前になっていくことが予測できる調査になりました。
ライボでは今後も就職・転職・働き方などに関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。
株式会社ライボ 経営企画室
広報グループ長 兼「Job総研室長」 堀 雅一(ほり まさかず)
2021年にJob総研を立ち上げ、その後”働く社会人や就活生”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施。市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで働く社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的としている。
またJob総研の調査をもとに各大学で「キャリア設計」の授業を実施する他、多くのメディアでキャリアや働き方など社会との関連などを解説している
※取材についてのお問い合わせはプレスリリース最下部にある連絡先からお願いします
【(※3)2023年 就活実態調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/14840
【(※2)Job総研について】
Job総研は就職・転職やキャリア全般に関する研究や各種調査の実施により、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで就転職関連市場に貢献する事を目的とし立ち上げられました。
就職・転職・働き方・ランキング・働く女性など多数のジャンルで信頼できる情報を発信していくことにより、就転職活動に役立てていただくことや、キャリアに関する不安や悩みを解決する一助として”個が活躍する社会により良い選択の機会”を提供し就転職市場に貢献してまいります。
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