【2025年版|外国籍園児受け入れの最前線】97.2%が、外国籍園児の保育に難しさを実感、2024年比1.1ポイント増 食の好みから宗教まで、広がる「多文化共生保育」の課題
〜外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修を求める声多数〜
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、外国籍園児を保育した経験がある保育士108名を対象に、【2025年版】外国籍園児への保育課題に関する定点調査を実施しましたので、お知らせいたします。
なお、本調査では、2024年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。

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01|97.2%が、「外国籍園児の保育」に難しさを実感、2024年比1.1ポイント増、具体的な課題は、2024年に続き「指示が伝わらない」(50.5%)が最多
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02|文化の違いを感じた場面、「日本食の味付けに慣れていない」(44.4%)や「宗教の都合で食べられないものがある」(39.4%)が上位
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03|54.6%が、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修への参加経験なし(2024年比4.1ポイント減)、うち69.5%が、文化の違いを学ぶ研修への参加を希望
本調査のダウンロードはこちら:https://bit.ly/43LAgym
■調査概要
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調査名称:【2025年版】外国籍園児への保育課題に関する定点調査
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調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
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調査期間:2025年3月24日〜同年3月26日
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有効回答:外国籍園児を保育した経験がある保育士108名
※1|【2024年版】外国籍園児への保育課題に関する定点調査:2024年5月17日〜同年5月20日|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000043389.html
※2|合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っております。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がございます。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■97.2%が、「外国籍園児の保育」に難しさを実感、2024年比1.1ポイント増
「Q1.あなたは、外国籍園児の保育に関して、難しさを感じたことがありますか。」(n=108)と質問したところ、「かなりある」が54.6%、「ややある」が42.6%という回答となりました。

<2025年(n=108)>
・かなりある:54.6%
・ややある:42.6%
・あまりない:2.8%
・全くない:0.0%
<2024年(n=104)>
・かなりある:48.0%
・ややある:48.1%
・あまりない:2.9%
・全くない:1.0%
■外国籍園児の保育に関する課題、2024年に続き「指示が伝わらない」が最多
Q1で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q2.具体的に、どのような点に難しさを感じますか。(複数回答)」(n=105)と質問したところ、「指示が伝わらない」が50.5%、「話しかける言語が分からない」が47.6%、「保護者との連携が取れない」が47.6%という回答となりました。

<2025年(n=105)>
・指示が伝わらない:50.5%
・話しかける言語が分からない:47.6%
・保護者との連携が取れない:47.6%
・日本語・日本文化の教え方が分からない:44.8%
・集団生活・集団行動に馴染めない:31.4%
・他園児とコミュニケーションを取ろうとしない:21.9%
・日本食に馴染めない:20.0%
・宗教などで個別の対応が必要な場合がある:17.1%
・日本の歌や絵本に興味を持たない:13.3%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:1.0%
<2024年(n=100)>
・指示が伝わらない:56.0%
・保護者との連携が取れない:49.0%
・話しかける言語が分からない:42.0%
・日本語・日本文化の教え方が分からない:40.0%
・集団生活・集団行動に馴染めない:34.0%
・日本食に馴染めない:30.0%
・宗教などで個別の対応が必要な場合がある:29.0%
・他園児とコミュニケーションを取ろうとしない:22.0%
・日本の歌や絵本に興味を持たない:15.0%
・その他:7.0%
・わからない/答えられない:1.0%
■「友達とのトラブルがあった時に細かいことまで伝えづらい」や「母国語も身についていない場合、翻訳機など使っても通じない」などの声も
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に、難しさを感じる点があれば教えてください。(自由回答)」(n=104)と質問したところ、「友達とのトラブルがあった時に細かいことまで伝えづらい」や「母国語も身についていない場合、翻訳機など使っても通じない」など61の回答を得ることができました。
<2025年(n=104):自由回答・一部抜粋>
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言葉の壁が高い。
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友達とのトラブルがあった時に細かいことまで伝えづらい。
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文化が違うので認識から説明する必要があること。
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保護者に細かい点や持ち物についての説明が難しい。
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母国語も身についていない場合、翻訳機など使っても通じない。
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かなり前なので担任の自分がインドネシア語のテキストを高額で購入。自腹で担任任せはきつかった。
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文化の違いから下着をつけていなかったり、お風呂に入らない、ピアス、香水の匂いがきついなど。
<2024年(n=99):自由回答・一部抜粋>
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宗教の豚肉エキスなど難しく、市販のおやつを出すのに苦労しました。
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言葉の壁があり、行事や連絡事項など伝え方が難しい。
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3歳以下ならまだしも5歳以上だとある程度母国の文化や言葉が身についているため、教えるのが難しいし尊重したいと思う。
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英語ならまだ私自身もわかるが、ポルトガル語や中国語は子どもが話している言葉がわからずになかなかコミュニケーションを取るのが難しいと思う。
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宗教上の配慮や確認。
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日本に合わせられるようになれば良いと言うものではない。互いの文化を大事にしながらどう保育すれば良いのか。
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日本語が通じないので、コミュニケーションが難しかったです。
■91.7%が、外国籍園児の保育に「文化の違いを感じたことがある」と回答、2024年より5.2ポイント高い結果に
「Q4.あなたは、外国籍園児の保育に関して文化の違いを感じたことがありますか。」(n=108)と質問したところ、「かなりある」が45.4%、「ややある」が46.3%という回答となりました。

<2025年(n=108)>
・かなりある:45.4%
・ややある:46.3%
・あまりない:7.4%
・全くない:0.9%
<2024年(n=104)>
・かなりある:45.2%
・ややある:41.3%
・あまりない:13.5%
・全くない:0.0%
■文化の違いを感じた場面、「日本食の味付けに慣れていない」「宗教の都合で食べられないものがある」「化粧やピアスをしている」が上位
Q4で「かなりある」「ややある」と回答した方に、「Q5.具体的にどのような場面で文化の違いを感じましたか。(複数回答)」(n=99)と質問したところ、「日本食の味付けに慣れていない」が44.4%、「宗教の都合で食べられないものがある」が39.4%、「化粧やピアスをしている」が32.3%という回答となりました。

<2025年(n=99)>
・日本食の味付けに慣れていない:44.4%
・宗教の都合で食べられないものがある:39.4%
・化粧やピアスをしている:32.3%
・お箸を使うのが苦手:29.3%
・玩具等の私物やおやつを持ってくる:21.2%
・宗教の都合で出来ないことがある:20.2%
・母国語以外を話そうとしない:20.2%
・その他:5.1%
ー保護者の価値観が違うので他の家庭への配慮の必要性を感じていないようだった
ー集団行動が難しい
ー片膝立てて座る
ーすぐ服を脱ぐ
ー自由な教育を求められた
・わからない/答えられない:2.0%
<2024年(n=90)>
・化粧やピアスをしている:41.1%
・宗教の都合で食べられないものがある:41.1%
・日本食の味付けに慣れていない:38.9%
・お箸を使うのが苦手:32.2%
・宗教の都合で出来ないことがある:31.1%
・母国語以外を話そうとしない:25.6%
・玩具等の私物やおやつを持ってくる:22.2%
・その他:10.0%
・わからない/答えられない:2.2%
■「宗教食の種類の多さ」や「体調不良の捉え方が違う」などの場面も
Q5で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q6.Q5で回答した以外に、文化の違いを感じた場面があれば教えてください。(自由回答)」(n=97)と質問したところ、「宗教食の種類の多さ」や「体調不良の捉え方が違う」など53の回答を得ることができました。
<2025年(n=97):自由回答・一部抜粋>
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宗教食の種類の多さ。
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多文化を受け入れてくれない、また意識がない。
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食事、荷物、洋服などのやり取りも難しい。
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行事に興味を持たない。
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とにかく厚着をさせる。
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体調不良の捉え方が違う。
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貸し出しした衣服を洗濯せずに持って来たこと(伝えていなくても洗濯して持ってこられる家庭しかこれまではなかったので、感覚の違いを感じました。)衣服の決まり事や年末年始のお預かり時間の変更など細かい連絡が伝わりにくいこと。
<2024年(n=88):自由回答・一部抜粋>
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生活習慣や時間についての考え方などが合わない。
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列に並ばない。
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服装の感覚。
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調味料の違い。
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お祈りをしないといけない。
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食文化、生活習慣の相違等多方面で違いを感じる。
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興味をもつ玩具や絵本などが異なる。
■54.6%が、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修への「参加経験なし」、2024年から4.1ポイント減少
「Q7.あなたは、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修に参加したことがありますか。」(n=108)と質問したところ、「ある」が45.4%、「ない」が54.6%という回答となりました。

<2025年(n=108)>
・ある:45.4%
・ない:54.6%
<2024年(n=104)>
・ある:41.3%
・ない:58.7%
■69.5%が、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修への参加を希望
Q7で「ない」と回答した方に、「Q8.あなたは、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修が欲しいと思いますか。」(n=59)と質問したところ、「非常にそう思う」が18.6%、「ややそう思う」が50.9%という回答となりました。

<2025年(n=59)>
・非常にそう思う:18.6%
・ややそう思う:50.9%
・あまりそう思わない:28.8%
・全くそう思わない:1.7%
<2024年(n=61)>
・非常にそう思う:14.7%
・ややそう思う:60.7%
・あまりそう思わない:23.0%
・全くそう思わない:1.6%
■外国籍園児の文化の違いを学ぶ研修を求める理由、「色々な関わり方の例を知りたい」や「自分ではどう学んだらいいかわからない」など
Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q9.あなたが、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修が欲しい理由を教えてください。(自由回答)」(n=41)と質問したところ、「色々な関わり方の例を知りたい」や「自分ではどう学んだらいいかわからないから」など29の回答を得ることができました。
<2025年(n=41):自由回答・一部抜粋>
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どう保育をしていけばいいのか分からないから。
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翻訳機能のある機材などを園の方で用意してもらうべきなのか、どういう点に気をつけて声かけをするべきか?など。
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色々な関わり方の例を知りたい。
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保護者に大切な連絡が伝わりにくく子どもが困ることになる。
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日本では当たり前だが、他国ではタブーとされているものなど。
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価値観を押し付けない為。
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自分ではどう学んだらいいかわからないから。
<2024年(n=46):自由回答・一部抜粋>
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知識を得たいから。
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視野を広げたいため。
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伝え方や対応の仕方、関係性を上手く築くために役立てたい。
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担当クラスに外国籍の子どもがいるから。
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外国籍の子どもの育ちや特性を知りたいから。
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日本の生活を押し付ける形でいいのか食事面など。
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異文化を学ぶため。
■60.2%が、日本の文化を正しく伝える研修への「参加経験なし」、2024年から6.1ポイント減少
「Q10.あなたは、日本の文化を正しく伝える研修に参加したことがありますか。」(n=108)と質問したところ、「ある」が39.8%、「ない」が60.2%という回答となりました。

<2025年(n=108)>
・ある:39.8%
・ない:60.2%
<2024年(n=104)>
・ある:33.7%
・ない:66.3%
■60.0%が、日本の文化を正しく伝える研修への参加を希望
Q10で「ない」と回答した方に、「Q11.あなたは、日本の文化を正しく伝える研修が欲しいと思いますか。」(n=65)と質問したところ、「非常にそう思う」が12.3%、「ややそう思う」が47.7%という回答となりました。

<2025年(n=65)>
・非常にそう思う:12.3%
・ややそう思う:47.7%
・あまりそう思わない:36.9%
・全くそう思わない:3.1%
<2024年(n=69)>
・非常にそう思う:11.5%
・ややそう思う:49.3%
・あまりそう思わない:30.4%
・全くそう思わない:8.7%
■日本の文化を正しく伝える研修を求める理由、「自分で伝えられるスキルが欲しい」や「外国人向けに対してだけではなく、日本人の子供に向けて伝えていける糧になる」など
Q11で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q12.日本の文化を正しく伝える研修が欲しい理由を教えてください。(自由回答)」(n=39)と質問したところ、「自分で伝えられるスキルが欲しいから」や「外国人向けに対してだけではなく、日本人の子供に向けて伝えていける糧になるので」など23の回答を得ることができました。
<2025年(n=39):自由回答・一部抜粋>
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自分で伝えられるスキルが欲しいから。
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日本の文化をそもそも自分が正しく身につけているかが不安だから。
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外国人向けに対してだけではなく、日本人の子供に向けて伝えていける糧になるので。
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伝統行事や由来を自分があまり知らなくて困るから。
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気持ちを分かち合いたいから
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普通に行っていることが文化なので説明が難しいと思うものもあるから。
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子どもに伝えていかなくてはいけないから。
<2024年(n=42):自由回答・一部抜粋>
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日本の文化を正しく理解しているか自分自身不安があって、間違った教え方をしないか不安だから。
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日本とはどんな国なのか、改めて考えてみると自信がないから。
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教えるためにはまず自分が知りたい。
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理解していないと伝えられないから。
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日本の保育所の行事を伝えることが難しい。入学式や卒園式など大事な行事だと言うことを伝えても伝わっていないことが多い。
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行事の由来などを伝える時に役立つ。
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せっかく日本で生活しているのだから伝えてあげたい。
■まとめ
今回は、外国籍園児を保育した経験がある保育士108名を対象に、【2025年版】外国籍園児への保育課題に関する定点調査を実施しました。
まず、97.2%(2024年比1.1ポイント増)が、「外国籍園児の保育」に難しさを感じており、具体的な課題としては、2024年に続き「指示が伝わらない」(50.5%)が最多となりました。また、2024年より5.2ポイント高い91.7%が、外国籍園児の保育に「文化の違いを感じたことがある」と回答しており、文化の違いを感じた場面として、「日本食の味付けに慣れていない」(44.4%)や「宗教の都合で食べられないものがある」(39.4%)、「化粧やピアスをしている」(32.3%)を挙げています。さらに、外国籍園児の文化の違いについて学ぶ研修への参加経験がない保育士は54.6%(2024年比4.1ポイント減)で、うち69.5%が、文化の違いを学ぶ研修への参加を希望していることが分かりました。
今回の調査では、多くの保育士が外国籍園児の保育において言語や文化の違いによる難しさを感じながらも、「国籍の違いに関係なく、すべての子どもに十分な保育を行いたい」という強い思いを抱いていることが明らかになりました。グローバル化が進み外国にルーツを持つ子どもたちが増える中、保育現場では多様性を認め合い、互いの文化を尊重するインクルーシブな環境づくりが求められています。とりわけ、保育士自身が異文化理解を深め、同時に自国の文化への理解を高める研修を充実させることが、文化の架け橋となる保育を実現するために欠かせません。こうした取り組みを通じて、多様な背景を持つ子どもたちが安心して学び育つ場を提供していくことが重要です。
本調査のダウンロードはこちら:https://bit.ly/43LAgym
■「子ねくとラボ」について

「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。
事業名 :子ねくとラボ
事業責任者 :末廣 剛
サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス
・保育施設向け研修&巡回サービス
・保育専門実証実験 コーディネートサービス
・スタートアップ支援サービス
■会社概要
会社名 :株式会社 明日香
設立 :1994年8月30日
代表取締役:萩野 吉俗
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F
事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
■地方自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
■保育に関わる人材の派遣・紹介
(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
■訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、地方自治体の委託業務)
■保育施設向け研修・巡回支援
■新規保育事業の開発及びコンサルティング
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