特許取得の「Vパレ™」を採用した独自のユニットロードシステムで、積み込み・積み降ろしの作業時間を約87.5%短縮!
「内装材」に特化したパレットを導入し、物流課題に対応

◆WEBサイト:https://www.sangetsu.co.jp/information/detail/20250718112047.html
株式会社サンゲツ(本社:愛知県名古屋市、代表取締役 社長執行役員:近藤 康正)は、社会課題としての重要性が高まる持続的な物流体制の強化に向けて、内装材の物流プロセスを大幅に効率化するユニットロードシステムの実効性を確認しました。当該システムにおいては、トラックへの積み込み・積み降ろし作業時間を、約240分から約30分へと約87.5%短縮しています。さらに、その中核をなす回転式パレットは、重量物・異形物である「内装材」に特化した「Vパレ™」として、関連特許3件を取得しました。なお、本取り組みは、経済産業省が主導する「物流効率化に向けた先進的な実証事業」の採択案件となります。
取り組みの背景:自社における物流課題と、物流2024年問題への対応
当社が内装材の主力商品として取り扱う壁紙は、調達先のメーカーより約50mの巻き物状の荷姿で入荷され、その長辺は約90㎝、重量は約20kgに及びます。従来の調達物流において、メーカーでのトラックへの積み込みと、当社ロジスティクスセンター(以下、LC)での積み降ろしは、ドライバーの手で一本ずつ「バラ積み・バラ降ろし」が行われ、その作業には1運行あたり約240分もの時間を要していました。また、巻き物状の壁紙を輸送時には縦積み、入庫時には横積みにするなど、人力での作業負荷も高い状況でした。
一方、外部環境においては、自動車運転業務の時間外労働の上限規制が適用された「物流2024年問題」をはじめ、物流業界全体における労働環境の変化や人手不足の慢性化、そして輸送能力の低下が深刻な社会課題となっています。
当社は、これらの喫緊の課題に対応するため、2024年6月に経済産業省が主導する「物流効率化に向けた先進的な実証事業」に参画。当該事業の補助事業者に採択され、物流の効率化と持続性向上を目指した取り組みを進めてまいりました。
取り組みの成果:サプライチェーン全体の効率化とドライバーの負担軽減
採択事業名称:「ユニットロード(パレット)システムによる持続可能な内装仕上げ材のサプライチェーンを実現」
成果:トラック積み込み・積み降ろしにかかる作業時間を約87.5%短縮(約240分から約30分に削減)
当社は、調達物流における作業効率化と荷役時間の削減を目的に、パレット輸送システムを検討。サプライチェーンマネジメントの一環として、調達先からの輸送、庫内荷受け、搬送、格納までを一気通貫でカバーするユニットロードシステムを導入しました。このシステムは、回転式パレット「Vパレ™」と回転フォークリフトを組み合わせることで、スピーディかつ効率的な「パレット積み・パレット降ろし」を実現するものです。これによりドライバーの負担を大幅に軽減するとともに、トラック積み込み・積み降ろしにかかる作業時間を約87.5%短縮(約240分から約30分に削減)することに成功しました。


回転式パレット「Vパレ™」に関する特許の概要
当社は、ユニットロードシステムのコア技術である回転式パレット「Vパレ™」の構造について、3件の特許を取得しました。この回転式パレットは、当社ロジスティクス部門の社員が「搬送時と保管時における商品の積み方を変えられるパレット構造」というアイデアを考案したことが導入のきっかけとなっています。2つの底面にフォークリフトのフォーク挿入孔を備えた設計により、「パレット積み・パレット降ろし」を実現し、効率的かつ安全な物流システムを構築します。なお、これら3件の特許は補完関係にあり、当社は今後も知的財産に関して強固なポートフォリオを築いてまいります。
【回転式パレット「Vパレ™」に関する3件の特許】

特許番号 |
特許第7699305号 |
発明の名称 |
パレット |
出願日/公知日 |
2024年3月25日/2025年6月26日 |

特許番号 |
特許第7659120号 |
発明の名称 |
パレットおよびパレットを用いて物品を搬送および保管する方法 |
出願日/公知日 |
2024年10月30日/2025年4月8日 |

特許番号 |
特許第7592925号 |
発明の名称 |
パレットおよびパレットを用いて物品を搬送および保管する方法 |
出願日/公知日 |
2024年7月10日/2024年12月2日 |
同システムは、現在、全国8カ所のLCのうち、旗艦拠点である北関東LC(埼玉県久喜市)と中部LC(愛知県稲沢市)で導入を進めており、今後は全国のLCへの拡大を目指しています。
当社は、「品切れなく広域に即時配送を可能とする在庫・配送・物流機能」を、「スペースクリエーション企業」への転換に向けて強化する機能の一つとして位置付けています。物流業界が直面する労働力不足や長時間労働といった深刻な課題に対し、これからも持続可能な体制の維持と強化を推進してまいります。
■物流効率化に向けた先進的な実証事業について
https://logiefficiency-meti.jp/
■関連ニュースリリース 「物流効率化に向けた先進的な実証事業」への採択に関するお知らせ 2024/06/26配信
https://www.sangetsu.co.jp/information/detail/20240625141618.html
◆株式会社サンゲツについて
壁装材、床材、ファブリックを中心に、人々の暮らしを彩る商品を生みだし、快適な空間を創造するインテリア総合企業。企業理念に掲げる「すべての⼈と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」というPurposeのもと、「誰もが明⽇の夢を語れる世界」の実現のため、事業の中心である「空間創造」を通じて社会課題の解決に取り組み、経済価値と社会価値の創出につなげていくことを目指しています。
社名:株式会社サンゲツ(Sangetsu Corporation)
代表者名:代表取締役 社長執行役員 近藤 康正
売上高(連結):2,003億円(2025年3月期)
本社所在地:愛知県名古屋市西区幅下一丁目4番1号
https://www.sangetsu.co.jp/
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