仕事終わりに私たちはどこに寄り道してから帰宅しているのか。2024年2月のデータを用いて無意識の行動に迫る
※本プレスリリースはレイ・フロンティアが運営する「Rei Frontier Tech Blog」の転載となります。
Rei Frontier Tech Blog:https://tech-blog.rei-frontier.jp/entry/2024/06/03/095153
1. 外出先から帰宅まで
先日公開した「週末の寄り道先ブログ」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000011357.html)が好評だったため、範囲を広げ平日も追加で調査を行いました。
前回は週末ということでそれぞれが目的地へ向かい、その帰りにどこかへ寄り道するようなイメージでしたが、今回のブログでは「平日に大半の方はお仕事をしている」と仮定して午後からの寄り道先を、時間別、曜日別、目的地別に調査してみました。
弊社に蓄積されているデータを用いて、無意識の行動や傾向について考えてみましょう。
2. 調査元データ
データは弊社アプリ「SilentLog」から匿名化されたものであり、推定情報に基づいています。
SilentLog:日々の歩数や移動などの位置情報と写真を自動的に記録するライフログアプリ
※データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます
<データ概要>
調査対象期間 | 2024年2月の全曜日(午後の移動データのみ)を対象 |
調査対象エリア | 47 都道府県 |
調査対象者 | 期間内に帰宅の履歴があるユーザー ※外出していないなど帰宅のデータがない方は除外 |
調査対象者数 | 調査期間中の対象ユーザーデータを100とした時の比率 |
推定年齢 推定居住地 | 弊社アプリSilentLogより収集したデータに独自の機械学習推定処理を利用 |
<寄り道の定義>
今回の調査で扱う「寄り道」の仮定 | 「職場 or 最長滞在場所」から自宅の経路における以下の条件に合致する滞在地を寄り道先とする。 ・午後(12時~23時59分)の移動を対象 ・3分以上60分未満の滞在 ・1分あたり平均20歩以上 |
除外される例 | ・営業など移動ばかりの人 ・自宅に帰らない人 ・長時間滞在(目的地であって寄り道先とは考えない:飲み会など) ・3分以上滞在するがほとんど歩かない(カフェで時間つぶしなど) ・直帰「職場 or 最長滞在場所」から自宅の経路において寄り道がない(検知されない)経路の場合 |
今回の調査で扱う「直帰」の仮定 | [職場 or 最長滞在場所] から自宅の経路において寄り道がない(検知されない)経路を直帰とする。 |
滞在場所について | 自宅・職場:推定データ 最長滞在場所:自宅、職場以外の滞在のうち、1時間以上の滞在場所 |
寄り道先の業種 | 寄り道先とOSM(OpenStreetMap)データとのPOIマッチングによるOSMカテゴリ値 ※GPSのズレで寄り道先や商業施設に違いがある可能性がございます。 ※OSMカテゴリは登録した方の情報で表示されるため表記ブレがある可能性がございます。 |
OSM(OpenStreetMap):誰でも自由に地図を使えるよう、みんなでオープンデータの地理情報を作るプロジェクトです。地図のWikipediaとも言われています。
【結果まとめ】
・平日と比べ土日の寄り道比率が高いという結果となった
・年代別・都道府県別で見ても女性の方が若干多く寄り道をしている
・平日と週末だけでなく、平日の中でもそれぞれに寄り道先の特徴が見られた
3. 調査対象について(都道府県・年代・性別)
今回もはじめに、SilentLogユーザー全体を調査しました。
寄り道と直帰のユーザーを比較したところ、寄り道比率(全対象日)は10.0%でした。
次に、曜日別で見ると土曜、日曜の寄り道比率が高くなっています。
平日の中でも水曜と木曜の寄り道率が若干低いです。
週末は時間的な余裕などから寄り道する確率が高くなると推測。
平日は食料品や日用品の買い物などルーティン的な寄り道の数が多いようです。
調査期間中に寄り道データのある10.0%の対象ユーザーデータを100とした時の比率で【都道府県別】【年代】【性別】をそれぞれグラフ化しました。
【都道府県別】
SilentLog利用ユーザー数に比例した結果となり、関東首都圏のユーザーが多いです。
【年代別】
50代が最も多い結果となりました。
【性別】
男性が3/4を占めています。
4. 寄り道してる人ってどんな人?
【都道府県別】
島根県、富山県、青森県、岩手県、山形県、秋田県、新潟県、徳島県、長野県、岡山県
など、主に自動車が主要な移動手段と考えられる地域で寄り道率が高い結果となりました。調査対象期間が2月の冬ということで、たまたまかもしれませんが今回の結果では日本海側、東北地域が寄り道率が高くなる傾向でした。他の季節で調査して差異を見るのもおもしろそうですね。
※島根県、富山県、青森県の3県は、調査対象人数が少ないためブレが大きい可能性があります
【年代別】
対象ユーザー全体では50代が多かったですが、寄り道ユーザーの結果から40代、60代の寄り道率が若干高いです。年代別でも女性の寄り道率が比較的高い結果となりました。
※10代、70代はサンプル数が少ない関係で今回の分析から推測はできませんでした
【性別】
対象ユーザーは全体で男性が3/4を占めていましたが、寄り道ユーザーの結果から女性の方が寄り道率が若干高く、曜日別でも女性がほぼ全曜日で高い結果となりました。
5. 曜日別の寄り道先ってどんなところ?
【曜日ごとの寄り道先ランキング】
曜日ごとに対象者を100とした場合の寄り道先トップ15の割合を出してみました。
※前回の「週末の寄り道先ブログ」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000011357.html)と重複する「金曜日」「土曜日」「日曜日」は画像掲載数の都合で割愛させていただきます。週末の分析につきましては前回の「週末の寄り道先ブログ」をご覧ください。
<月曜日>
<火曜日>
<水曜日>
<木曜日>
どの曜日も「デパート・モール」「商業施設など」「店舗」といった買い物ができる場所への寄り道が多いことがわかりました。
平日は「駅」が常に上位にランクインしていることから通勤などで電車利用が多いと推測します。
曜日ごとに特徴のある寄り道先をオレンジ色のグラフ、「病院」を水色のグラフにしています。
平日は水曜を除き「保育園・幼稚園」がランクインしています。
これは、働き世代が退勤後にお子さんを迎えに行っているのだと推測します。
「病院」が月曜と水曜に上位へランクインしていることから、病院が土日お休みの関係で月曜に駆け込む方や、水曜のノー残業デーに合わせて通院している方もいるのかもしれません。
【曜日と時間別の寄り道先ランキング】
次に時間ごとにどこへ寄り道しているかトップ3でまとめてみました。
※前回の「週末の寄り道先ブログ」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000183.000011357.html)と重複する「金曜日」「土曜日」「日曜日」は画像掲載数の都合で割愛させていただきます。週末の分析につきましては前回の「週末の寄り道先ブログ」をご覧ください。
<月曜日>
月曜日は夕方まで「保育園・幼稚園」「デパート・モール」「工場・倉庫」「観光地」などさまざまな場所が1位にランクインしています。2月は月曜に祝日があったことからこのような結果になったのかもしれません。
夕方あたりから「商業施設」「駅」が1位にランクインしていることから、お出掛けしている方もお仕事の方も買い物で寄り道しているのだと推測できます。
<火曜日>
火曜日は「ドラッグストア」が1位にランクインしている時間帯が多いです。
緊急で必要なものやちょっとした日用品の買い出しで利用しやすいドラッグストアですが、データからも寄り道先スポットとして立ち寄りが多い場所だとわかりました。
<水曜日>
水曜日は昼過ぎから「デパート・モール」の立ち寄りが多く見られました。
お客様先へのお土産など仕事途中での買い出しに出ている可能性も考えられます。
「ファストフード店」は火曜でも12時台で1位でしたが、水曜も同様にランチで寄り道している様子が見られます。
<木曜日>
木曜日は他の平日と違い、「スポーツ施設」が1位にランクインしていました。
週末に向けて木曜を運動のルーティンに組み込んでいる方が多いのかもしれません。
23時台に「スーパーマーケット」が1位なのも興味深いです。
6. まとめ
今回は週末だけでなく、全曜日の寄り道について調査してみましたがいかがだったでしょうか。
平日は保育園・幼稚園が多くランクインしていたり、休み明けの月曜や週の真ん中である水曜に病院への寄り道がみられたりなど曜日ごとの特徴が出ていたように感じます。
※ データはあくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます
今回の調査でもPOIマッチングを活用して寄り道先を推定しましたが、GPSや基地局を使った移動データの収集は人混みや地下鉄、屋内や建物が密集しているところなど電波状況によってズレが生じるため、まだまだ完全一致できるほどの精度ではないことが課題です。しかし、将来的に自動運転の導入を目指し、今よりも精度の高い測位システムが導入されていくことでGPSや基地局による補正の精度が上がっていく未来に期待したいと思います。
レイ・フロンティアは今後も位置情報からわかる人の行動データを活用し、年代や地域ごとの特性や関心のあることなどを分析し、より効果的な施策やサービスの提供に貢献してまいります。最新技術を取り入れ、地域社会と協力しながら、より良い未来の構築に挑戦していきます。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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◾️レイ・フロンティア株式会社
「現実と仮想をつなぐ世界一のサービスを創る」をミッションとして、2008年に事業を開始し、現在は人工知能による位置情報分析プラットフォーム事業、行動分析支援、アプリ開発、新規サービス開発、実証実験支援の提供(OEM提供も含む)も手掛けております。
所在地:東京都台東区台東2-26-8 KSビル 3階
代 表 者:代表取締役 田村建士
設立:2008年
事業内容:
■人工知能による位置情報分析プラットフォーム「SilentLog Analytics」の開発・運営
1. スマートフォンアプリ向け 移動分析特化型のSDKの提供(データ分析、情報配信)
2. 移動データの分析ツールの提供(ペルソナ分析、移動情報の可視化)
3. クライアント向けスマートフォンアプリケーション企画・開発・運用
4. 自社アプリケーションの開発運営(SilentLog)
5. スマートフォンアプリおよびシステム導入に関わるコンサルティング事業
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