Job総研による『2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜』を実施 9割が景気不安 首相交代で経済回復期待6割

~ 切実な国民の声 生活圧迫続き”減税と賃上げ”に注目 ~

Job総研(パーソルキャリア)

 転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研(※1)』は、282人の社会人男女を対象に「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜」を実施しました。同調査は現在の景気への印象や賃上げ実感の有無、また現在の消費意欲や景気不安の有無とその理由、さらに景気不安による結婚・出産意欲への影響とその年代別・男女別割合、そして総裁交代による景気回復への期待及び期待する項目などを調査しました。

【賃上げと物価高】
 先日の自民党総裁選で新首相が誕生したことにより、今後の経済対策に改めて注目が集まっています。さらに10月1日から新たに値上げをした商品やサービスが増えただけでなく、実質賃金は直近プラスに転じたものの、26カ月連続のマイナスを記録しており(厚生労働省の毎月勤労統計調査より)、賃上げが物価高に追いついていない状況は明らかです。また、このような状況で、実際にはたらく社会人の賃上げや物価高、景気への意識や実態はどのようなものになっているのでしょうか。
 そこでJob総研では、282人の社会人男女を対象に、現在の景気への印象や賃上げ実感の有無、また現在の消費意欲や景気不安の有無とその理由、さらに景気不安による結婚・出産意欲への影響とその年代別・男女別割合、そして総裁交代による景気回復への期待及び期待する項目などを調査した「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜」を実施しました。

【調査概要】
調査対象者 :現在職を持つすべての社会人
       JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件  :全国/男女/20~50代
調査期間  :2024年8月28日〜9月2日
有効回答人数:282人
調査方法  :インターネット調査

【TOPICS】
・全体の74.2%が現在「景気の悪さを実感」 実感する理由は「気軽にお金を使えない」が1位
・全体の56.8 %が「賃上げ実感なし」女性が男性よりも実感なし 全体の54.6 %が「消費意欲あり」
・全体の91.2%が現在「景気不安あり」 不安1位は「物価が上昇しても賃金が追いつかないこと」
・全体の93%以上が景気不安は「結婚・出産意欲に影響」 男女別では男性の「影響あり派」が多数
・全体の58.5%が総裁交代による「景気回復に期待」 期待内容の上位は「減税・賃上げ・子育て支援」


【現在の景気への印象】
 回答者全体の282人に現在の景気への印象を聞くと、「景気の悪さを実感派」が74.2%で過半数を占め、内訳は「景気の悪さをとても実感」20.6%、「景気の悪さを実感」26.6%、「どちらかといえば景気の悪さを実感」27.0%でした。景気の悪さを実感すると回答した209人にその理由を聞くと、「娯楽などに気軽にお金を使えない」が66.0%で最多となり、次いで「自身の節約志向が強まっている」が46.9%、「外国人観光客の増加」が28.2%と、上位3つの回答となりました。

【賃上げの実感】
 回答者全体の282人に現在の賃上げの実感を聞くと、「実感がない派」が56.8%で過半数を占め、内訳は「全く実感がない」34.8%、「実感がない」12.1%、「どちらかといえば実感がない」9.9%でした。男女別の回答では「賃上げ実感がない派」は女性の方が多く67.0 %、男性は51.4 %となりました。

【現在の消費意欲】
 回答者全体の282人に現在の消費意欲を聞くと、「消費意欲がある派」が54.6%で過半数を占め、内訳は「とても消費意欲がある」4.2%、「消費意欲がある」12.8%、「どちらかといえば消費意欲がある」37.6%でした。消費意欲があると回答した154人にその理由を聞くと、「購入したいものがある」が42.2%で最多となり、次いで「普段から必要品のみ購入している」が31.8%、「生活水準を変えたくない」が30.5%と、上位3つの回答となりました。

※更に詳細な集計データは別紙「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜報告書」をご参照ください(※2)


【現在の景気不安とその内容】
 回答者全体の282人に現在の景気不安を聞くと、「不安がある派」が91.2%で過半数を占め、内訳は「とても不安がある」25.9%、「不安がある」31.6%、「どちらかといえば不安がある」33.7%でした。同回答者に今の日本経済で不安を覚える項目を聞くと、「物価の上昇に賃金が追いつかない」が73.8%で最多となり、次いで「年金だけでは老後の生活費が足りない」が62.1%、「税負担による家計負担の増加」が59.2%と、上位3つの回答となりました。

【景気不安による結婚・出産意欲への影響】
 回答者全体の282人に景気不安による結婚への影響を聞くと、「影響する派」が93.7%で過半数を占め、「影響しない派」は6.3%でした。同回答者の282人に景気不安による出産意欲への影響を聞くと、「影響する派」が94.4%で過半数を占め、「影響しない派」は5.6%でした。「結婚への影響あり派」の年代別回答では、20代が98.4%で最多となり、次いで50代が95.9%、40代が91.1%、30代が91.0%の結果になりました。「出産意欲への影響あり派」の年代別回答では、20代が97.0%で最多となり、次いで50代が95.9%、40代が95.6%、30代が91.0%の結果になりました。

【男女別の景気不安の影響】
 景気不安が「結婚に影響する派」の男女別回答では、男性の「結婚に影響する派」が95.0 %で最多となり、次いで女性が90.7 %となりました。景気不安は「出産意欲に影響する派」の男女別回答では、男性の方が多く95.6 %、女性は92.7 %となりました。

【総裁交代による景気回復の期待】
 回答者全体の282人に総裁交代による景気回復への期待を聞くと、「期待する派」が58.5%で過半数を占め、内訳は「とても期待する」15.6%、「期待する」14.9%、「どちらかといえば期待する」28.0%でした。同回答者に次期総裁に期待する項目を聞くと、「減税」が41.7%で最多となり、次いで「広く賃上げが行き渡る支援」が35.6%、「安心して出産・育児ができる支援」が32.5%と、上位3つの回答となりました。

※更に詳細な集計データは別紙「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜報告書」をご参照ください(※2)

【回答者自由記述コメント】

景気や経済について、実生活の不安を象徴するコメントが多数集まる結果となりました

・高齢者や低所得者層への支援が手厚く、現役世代への支援がほぼない。やるなら平等に行うべき

・高齢化が進み昔と違い若手世代の税金負担がすごいため、国民に寄り添うようなお金の流れにしてほしい

・生活必需品等の高騰が大きく何を買うにも値上げ。節約するところが限られ、生活が苦しい

・政府が投資を推進しているが今の状況だと余裕のある人は少ない。老後は自己責任なんて、不安しかない

・給料は上がらないのに物価と光熱費はどんどん上がっていく。このままだと生活が本当に苦しいです

※その他日本経済(賃金と物価)に関するコメントは、下記「JobQ Town」にて確認いただけます。
 https://job-q.me/28537


【調査まとめ】
 今回実施した「2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜」では、全体の7割が現在「景気の悪さを実感する」と回答し、「娯楽などに気軽にお金を使えない」ことや「節約志向の強まり」が関係する結果となりました。また、全体の6割が現在「賃上げの実感がない」と回答していますが、全体の半数が「消費意欲がある」と回答しており、その理由では「購入したいものがある」や「普段から必要なものだけを購入している」、「生活水準を変えたくない」が上位回答として挙げられました。実生活的な負担は感じるものの消費意欲がある回答結果から、日常的な我慢がうかがえる結果となっています。

 負担や我慢が続く中、全体の9割が現在の景気に「不安あり」と回答しています。特に「物価高に賃金が追いつかないこと」や「年金・老後費用不足への不安」、「税負担による家計圧迫」、「少子高齢化による労働力減少」が不安な項目として挙げられている状況です。これらの経済的将来不安が少子化に大きく影響する可能性の裏付けとして、全体の9割が「景気不安は結婚・出産意欲に影響する」と回答しています。年代別回答では「結婚への影響あり派」・「出産意欲への影響あり派」ともに20代が最多となっており、男女別ではともに男性の割合が多い結果となりました。男性は女性よりも「賃上げ実感がある」ものの、景気不安は「結婚及び出産意欲へ影響する」意識が強い結果から、男性の中での”大黒柱意識“が潜在的に存在する可能性も見受けられました。また男女間で賃上げの実感差が出ている結果は、男女の賃金格差を裏付けになっていると考えられます。
 このように景気不安が強まる中、全体の6割が今回の総裁交代によって「景気回復を期待する」と回答しており、次期総裁には「消費税や所得税などの減税」や「広く賃上げが行き渡る支援」や「安心して出産・育児ができる支援」を期待しています。その他にも若年層や現役世代への支援や光熱・生活費の値下げも求められています。
 本調査を通して「賃上げが物価高に追いつかない」状況による現場の我慢や実生活の負担がこれまで以上に強まっている傾向が見られました。特に現役世代である20代が景気による結婚・出産に対して最も不安を感じている状況は、今後も少子化が助長されるだけでなく日本経済の成長に関わってくると考えられます。しかし次期総裁への期待も一定見られたことから、減税や賃上げなど現場が求めている適切な支援や対策を行うことで将来の経済不安も払拭できる兆しが見える調査結果となりました。

 「明日の常識を、ココから。」をコンセプトとする『Job総研』では、世の中で当たり前とされている事を疑い、はたらき方に関連する様々な調査を実施してまいります。そしてリアルで透明度の高い情報を発信することで、個が活躍する社会の実現に向けて貢献してまいります。

パーソルキャリア株式会社 はたらく未来図構想統括部
JobQ部 コミュニケーション戦略グループ 広報 Job総研担当高木 理子(たかぎ りこ)

 2020年からのインターンを経て2022年に新卒入社。コンテンツマーケティンググループ所属後、2023年に広報へ異動し"はたらく社会人や就活生"を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施するJob総研にて調査研究を担当。Job総研を通して「社会とつながる」を個人のビジョンに掲げ、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することではたらく社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的として活動している。

■(※2) 2024年 日本経済の意識調査〜賃金・物価編〜報告書
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます

https://job-q.me/articles/15609

※「2024年 日本経済の意識調査〜少子化編〜」は10月7日(月)9:30公開予定です

■(※1)Job総研についてhttps://job-q.me/categories/job-souken >

 『Job総研』は今後もキャリアやはたらくに関する調査を続けるだけでなく、調査で拾いきれない「社会・企業・個人」3つの観点から、これまで以上にはたらく現場のリアルな声を収集してまいります。その手段として、アンケート調査によって明らかにした事実をもとに、はたらく現場でのリアルな疑問を収集し、それに対する個人の回答も収集します。そして世の中で当たり前とされている事を疑い、明日の常識をココから見つけられるコンテンツ(※2)としての情報発信をしてまいります。

■JobQ Townについてhttps://job-q.me/ >
 「あなたが知りたい”はたらく”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQ Townの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。
■JobQ Town”給与・賃金”に関するQ&A
https://job-q.me/categories/corporate/salary

パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >

 パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。
当社のミッションについて:https://www.persol-career.co.jp/mission_value/

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会社概要

パーソルキャリア株式会社

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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング9F
電話番号
03-6213-9000
代表者名
瀬野尾 裕
上場
未上場
資本金
-
設立
1989年06月