Job総研『2024年 定年に関する意識調査』を実施 セカンドライフに経済不安8割 “一生はたらく”覚悟と悲鳴

〜 高齢社会の”理想と現実” 早期リタイア望むも定年制は必要7割 〜

Job総研(パーソルキャリア)

 転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研(※1)』は、606人の社会人男女を対象に「2024年 定年に関する意識調査」を実施しました。本調査は、はたらく意欲と定年への意識や定年の必要性とその理由、定年後の不安及び経済不安の有無とその内容、さらに定年後に必要な資金額とその貯蓄可不可や、はたらきたいと思う年齢、経済不安とはたらく意識の関係などを調査したものです。

【定年の必要性】

 昨今、「年収の壁対策」や「労働時間規制の緩和」など経済や労働環境の観点から、はたらきたい人が自由にはたらける状態を作っていく動きが見られています。年金受給に不安を覚え老後不安も強まる(※2)中、
2025年の4月に改正する「高齢者雇用安定法」で、すべての企業で希望者全員に「65歳まで」雇用機会の確保が義務付けられます。このような状況で、実際にはたらく社会人の定年に関する意識は変化しているのでしょうか。
 Job総研では606人の社会人男女を対象に、はたらく意欲と定年への意識や定年の必要性とその理由、定年後の不安及び経済不安の有無とその内容、さらに定年後に必要な資金額と貯蓄可不可や、はたらきたい年齢と意識などを調査した「2024年 定年に関する意識調査」を実施しました。

【調査概要】
調査対象者 :現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件  :全国/男女/20~50代
調査期間  :2024年10月9日〜10月15日
有効回答人数:606人
調査方法  :インターネット調査

【TOPICS】
・全体の38.6%が「定年前に辞めたい」 平均年齢は64.1歳 全体の74.6%が「定年は自分で決めたい」
・全体の74.6%が「定年は必要」 「区切りによるモチベーション維持」と「人生設計のしやすさ」が理由上位
・全体の80.6%が「定年後に不安あり」 全体の82.3%が「定年後の経済不安あり」
・具体的な経済不安は「年金額」「現在の生活レベルの維持」「収入源の喪失」が上位
・定年後に必要だと思う平均資金額は4,437.8万円 全体の43.9%が必要な資金は「蓄えられない」

【はたらく意欲と定年への意識】

 回答者全体の606人にはたらく意欲を聞くと、「定年前に辞めたい派」が38.6%で最多となり、「定年以降もはたらきたい」は34.5%、「定年で辞めたい」は26.9%でした。また、「定年は自分で決めたい」か「制度に従う」かについては「自分で決めたい派」が74.6%で過半数を占め、内訳は「とても自分で決めたい」21.1%、「自分で決めたい」30.1%、「どちらかといえば自分で決めたい」23.4%でした。

【定年の必要性とその理由】

 回答者全体の606人に定年の必要性を聞くと、「必要だと思う派」が74.6%で過半数を占め、内訳は「とても必要だと思う」19.6%、「必要だと思う」25.1%、「どちらかといえば必要だと思う」29.9%でした。定年は必要と回答した452人にその理由を聞くと、「区切りによるモチベーションの維持」が46.7%で最多となり、次いで「ライフプランが立てやすい」が42.9%、「職場のスムーズな世代交代」が38.7%でした。

【定年後の不安有無とその内容】

 回答者全体の606人に定年後の不安有無を聞くと、「不安がある派」が80.6%で大多数を占め、内訳は「とても不安がある」26.1%、「不安がある」31.7%、「どちらかといえば不安がある」22.8%でした。具体的な不安の内容を聞くと、「生活費や医療費への不安」が63.5%で最多となり、次いで「老後の生活設計」が52.8%、「健康問題による活動の制限」が41.3%となりました。

【定年後の経済不安有無とその内容】

 回答者全体の606人に定年後の経済不安の有無を聞くと、「経済不安がある派」が82.3%で大多数を占め、内訳は「とても経済不安がある」32.3%、「経済不安がある」28.7%、「どちらかといえば経済不安がある」21.3%でした。同回答者に具体的な不安の内容を聞くと、「年金額の不足」が56.8%で最多となり、次いで「現在の生活レベルの維持」が45.7%、「収入源の喪失」が42.2%となりました。

【定年後に必要な資金額と貯蓄可不可】

 回答者全体の606人に定年後に必要だと思う資金額を聞くと、平均が4,437.8万円、中央値が3,000万円、最頻値が3,000万円となりました。定年後に必要な資金の貯蓄可否については、「蓄えられない派」が43.9%で、内訳は「全く蓄えられない」14.3%、「蓄えられない」16.7%、「どちらかといえば蓄えられない」12.9%でした。

【はたらきたい年齢・経済不安とはたらく意識の関係】

 回答者全体の606人にはたらきたいと思う年齢を聞くと、平均が64.1歳、中央値が65歳、最頻値が65歳となり、はたらく意欲別では「定年前に辞めたい派」の平均年齢は59.2歳、「定年で辞めたい派」が63.5歳、「定年以降もはたらきたい派」が70.2歳となりました。経済不安を解消するためなら定年以降もはたらくかを聞くと、「はたらく派」が82.5%で大多数を占め、内訳は「絶対にはたらく」23.8%、「はたらく」29.2%、「どちらかといえばはたらく」29.5%でした。

※更に詳細な集計データは別紙「2024年 定年に関する意識調査 報告書」をご参照ください(※3)

【回答者自由記述コメント】

はたらく年齢は自分で決めたい趣旨のコメントが多く集まりました。

・会社の定年が今年から65歳に延長されましたが、現在56歳の自分は60歳で退職するつもりでいます
・65歳まで再雇用があるが、優秀な人材の場合さらに延長される事もあるので、狙いたい
・70歳を超えても現役の上司がいた。その姿を見て「定年=終わり」ではなく「新たなスタート」と感じた
・毎日疲れていて限界なので45歳くらいで辞めたい。65~70歳まで9-18時ではたらくと考えたら気が遠い
・ライフプランを決めて、私は「自分定年」を設定している。定年を区切りとして退職するのが望ましいです

※その他、定年に関するコメントは「JobQ Town」にて確認いただけます。

https://job-q.me/28669

【調査まとめ】

 今回実施した「2024年 定年に関する意識調査」では、全体の4割が「定年前」に辞めたい一方で、全体の3割が「定年以降」もはたらく意欲がある結果となりました。全体の7割が「定年は必要」と回答するものの、同等に、定年は「自分で決めたい」回答しており、定年のタイミングについては、柔軟性が求められていることが分かりました。定年が必要な理由では、モチベーション維持や、定年以降のライフプランの立てやすさが挙がるなど、”定年”という区切りによるメリットが見えました。

 定年を自身のタイミングで決めたいという意向には、定年後の不安が影響していると考えられます。全体の8割が定年後に不安を抱いており、生活費や医療費だけでなく、ライフプランの設計や健康問題による活動の制限など、経済面以外での不安も上位に挙がりました。定年後の”経済不安”の有無を聞くと、全体の8割が「ある」と回答し、具体的には、十分に年金が貰えないことや、資金不足による現在の生活レベルが維持できない可能性、安定的な収入源の喪失が挙がりました。そこで定年後に必要だと思う平均資金額を聞くと、約4,500万円となりましたが、その額は「蓄えられない」と全体の4割が回答しています。今年1月に実施したJob総研調査(※2)では、不安がなくなる老後資金は約4,000万円となりましたが、1年も経たないうちに理想額が500万円分増加しています。定年後の不安が顕著な中、はたらきたい平均年齢を意欲別に見ると、「定年前派」は59歳、「定年派」が64歳、「定年以降派」が70歳となりました。そして冒頭では「定年前に辞めたい派」が多数だったものの、経済不安を払拭するためには定年以降もはたらく意欲を示す人が増える結果となりました。
 本調査では、経済不安が強く定年後は4,500万円を必要とする声が挙がっていますが、政府がNISAを推奨している背景からも、今後は”はたらく以外”での収入源を見つけていく必要性があると考えられます。また、「定年」の存在が人生設計における1つの区切りとなるなど、はたらく個人にとって必要性が高いことがわかりました。しかし、実際にはたらく社会人は”定年前”(平均64歳)で辞めたいと考えているなど、法案改正後の年齢(65歳)とのギャップが少ない状況です。これらの結果から、各々の不安を払拭していけるように「定年」は個々人が選択可能な状態にするなど、”はたらく”に関する自由度を持たせることでの有効性も見える結果となりました。
 「明日の常識を、ココから。」をコンセプトとする『Job総研』では、世の中で当たり前とされている事を疑い、はたらき方に関連する様々な調査を実施してまいります。そしてリアルで透明度の高い情報を発信することで、個が活躍する社会の実現に向けて貢献してまいります。

パーソルキャリア株式会社 はたらく未来図構想統括部
JobQ部 コミュニケーション戦略グループ Job総研 PR担当

高木 理子(たかぎ りこ)

2020年からのインターンを経て2022年に新卒入社。コンテンツマーケティンググループ所属後、2023年に広報へ異動し"はたらく社会人や就活生"を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施するJob総研にて調査研究を担当。Job総研を通して「社会とつながる」を個人のビジョンに掲げ、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することではたらく社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的として活動している。

■(※3) 2024年 定年に関する意識調査 報告書
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/15656

■(※2) 2024年 老後資金の意識調査 報告書(2024年1月29日公開済)
https://job-q.me/articles/15522

■(※1)Job総研についてhttps://job-q.me/categories/job-souken >

『Job総研』は今後もキャリアやはたらくに関する調査を続けるだけでなく、調査で拾いきれない「社会・企業・個人」3つの観点からの声を収集することで、これまで以上に確立した取組を行ってまいります。その手段として、アンケート調査によって明らかにした事実をもとに、はたらく現場でのリアルな疑問を収集し、それに対する個人の回答も収集します。そして世の中で当たり前とされている事を疑い、明日の常識をココから見つけられるコンテンツとしての情報発信をしてまいります。


■JobQ Townについてhttps://job-q.me/ >
 「あなたが知りたい”はたらく”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQ Townの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。


■JobQ Town”はたらき方”に関するQ&A
https://job-q.me/tags/1497

パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >

 パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援ブランド「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。
当社のミッションについて:https://www.persol-career.co.jp/mission_value/

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会社概要

パーソルキャリア株式会社

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電話番号
03-6213-9000
代表者名
瀬野尾 裕
上場
未上場
資本金
-
設立
1989年06月