自動車保険の顧客の約半数が新たな保険契約を検討【J.D. パワー 2024年米国自動車保険契約顧客満足度調査℠】
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間4月30日に、J.D. Power 2024 U.S. Insurance Shopping Study℠(J.D. パワー 2024年米国自動車保険契約顧客満足度調査℠)の結果を発表した。
本調査は、年に1回、過去6ヶ月間に現在契約していない保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した人を対象に、契約検討プロセスにおける保険会社に対する満足度を測定するものである。18回目となる本年調査では、調査設計の変更が行われ、セグメントと評価スケールが変更されている。
米国労働省労働統計局消費者物価指数*¹ によると、米国の自動車保険の平均保険料は、2024年3月末までの過去1年間で22.2%上昇し、家計支出の他のどのカテゴリーよりも高くなっている。本年調査によると、この顕著な保険料上昇と総合満足度スコアの低迷が相まって、これまで以上に多くの人が新たな保険契約を検討している。回答者の約半数(49%)が、新しい保険プランを積極的に探していると回答した。
*¹ 引用:米国労働省労働統計局消費者物価指数(2024年3月)
https://www.bls.gov/news.release/cpi.nr0.htm#:~:text=Indexes%20which%20increased%20in%20March%20include%20shelter%2C,insurance%2C%20medical%20care%2C%20apparel%2C%20and%20personal%20care
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
自動車保険会社の切り替え率が上昇
回答者の約半数(49%)が、過去1年間に新しい保険契約を積極的に探したことがあると回答し、そのうち約3割(29%)が保険会社を切り替えている。保険会社の切り替え率はZ世代*² で最も高い。
本年調査の総合満足度は676ポイント(1,000ポイント満点)となった。
*² J.D. パワーでは、1946年より前に生まれた人をプレブーマー世代、1946-1964年に生まれた人をブーマー世代、1965-1976年に生まれた人をX世代、1977-1994年に生まれた人をY世代、1995-2006年に生まれた人をZ世代と定義している。Y世代の中で、特に1982-1994年に生まれた人をミレニアル世代と定義している。
EV所有者は高額な保険料に直面
EV所有者は、ガソリン車所有者よりも総合満足度が低い。EV所有者の総合満足度は663ポイントで、ガソリン車所有者より16ポイント低い。このギャップは、一般的にEVの保険料が同クラスのガソリン車よりも高いため、「見積り」ファクターや「保険料」ファクターの満足度が低いことに起因している。
保険会社は見積り時のUBIプログラム提案を控える
テレマティクスソフトウェアを使って顧客の運転スタイルを監視し、安全性と走行距離の指標に基づいて料金を算定するUBIプログラム(利用ベース保険)は本年の回答者の15%にしか提案されず、前年調査(2023年4月発表)の22%、2022年調査の20%から減少した。UBIプログラムに加入している顧客の「保険料」ファクターの満足度スコアは前年比わずか6ポイントの上昇にとどまり、前年調査の前年比32ポイントの上昇と比べて、上昇幅が大幅に低下した。
ディーラーやメーカーが提供する組み込み型保険への関心が高まる
回答者の35%が、自動車ディーラーやメーカーを通じて直接提供される自動車保険の一形態である「組み込み型保険(embedded insurance)」に関心があると回答している。
顧客獲得ファネルが市場シェアで重要な役割を果たす
米国自動車保険会社におけるマーケットシェア上位3社のうち、ステート・ファームとプログレッシブは、顧客獲得ファネルを通じて顧客獲得率を上昇させているが、ガイコは低下させている。つまり、本年調査では、ステート・ファームとプログレッシブがマーケットシェアを拡大したのに対し、ガイコのシェアは低下したことが分かった。
J.D. パワー インシュアランス・ビジネス・インテリジェンス部門 シニアディレクター
スティーブン・クルーソンのコメント
「ここ数年、自動車保険料の値上がりが続いているため、人々はもはやより良い保険に受動的に目を光らせているわけではなく、少しでも保険料を抑えるために、新しい保険会社探しに積極的である。しかし、全国的に保険料が上昇し、見積り段階でUBIプログラムを明確に提案する保険会社が少なくなっているため、人々は多くの選択肢を見つけることができていない。」
顧客満足度ランキング
第1位:Erie Insurance(エリー)(730ポイント)
第2位:Automobile Club of Southern California(AAA)(南カリフォルニア全米自動車協会)(705ポイント)
第3位:American Family(アメリカンファミリー)(702ポイント)
《J.D. パワー 2024年米国自動車保険契約顧客満足度調査℠概要》
年に1回、過去6ヶ月間に現在契約していない保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した人を対象に、契約検討
プロセスにおける保険会社に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で18回目の実施となる。今回は調査
設計の変更が行われ、セグメントと評価スケールが変更された。
■実施期間:2023年3月~2024年1月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:過去6ヶ月間に現在契約していない保険会社に自動車保険料の見積りを依頼した人(最終的に契約し
なかった人も含む)
■調査回答者数:10,003人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「保険料」(34%)、「契約内容」(23%)、「見積り」(22%)、「販売チャネル」(20%)となっている(カッコ内は影響度)。
*本報道資料は、現地時間2024年4月30日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-insurance-shopping-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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