「n=1は80倍の共感を呼ぶ~柔軟剤編~」
柔軟剤の潜在的価値は「着心地が良くなること」、潜在的“不”は「香り選びの難しさ」
<調査背景>
アンケートやインタビューで「n=1」のキラリと光る原石を見つけたと思っても、それが本物の原石なのか、石ころなのか判断がつかないケースが往々にしてあります。そこで、「n=1」のポテンシャルを明らかにするために、カテゴリーエントリーポイントやパーセプションチェンジの観点を取り入れた調査を実施しました。
是非今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査は2つ行い、1つ目では「純粋想起(自由記述形式)」で意見を収集します。
その中から多数派の意見と少数派の意見を任意にピックアップし、2つ目の調査で「助成想起(複数選択形式)」で聴取しました。
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査対象:以下画像内に記載
有効回答数:1回目 1,000名、2回目 500名
調査実施日:1回目 2023年5月2日(火)~2023年5月8日(月)、2回目 2023年8月17日(木)~2023年8月19日(土)
◆「柔軟剤に関する調査」主な結果
◆柔軟剤の潜在的価値は、「着心地が良くなること」!? ◆柔軟剤の潜在的”不”は、「香り選びの難しさ」!? ◆柔軟剤の潜在的な利用シーンは、「部屋干しするとき」!? ◆n=1は80倍の共感を呼ぶ |
■柔軟剤の潜在的価値は、「着心地が良くなること」!?
Q.「柔軟剤」に対してどのようなイメージがありますか。ご自由にお答えください。(お答えは具体的に)
Q.「柔軟剤」に対してどのような良いイメージがありますか。(お答えはいくつでも)
※自由記述形式の回答は、アフターコーディング(AC)という選択肢化の処理をしています。
柔軟剤のポジティブイメージについて、自由記述形式と複数選択式による回答を並べてみたところ、自由記述形式では1%にも満たない少数意見であったものの、複数選択形式では多くの人が選択しているイメージがあります。
例えば、「着心地が良くなる」「香りが長続きする」「除菌・抗菌・殺菌してくれる」は、自由記述形式では極僅かな意見ですが、複数選択形式では20%~40%の人が選択しています。
これは、「誰も言っていないけど、言われてみれば、確かに!あるある!わかる!」といった状態を指していると思われます。
そういった意味で、これらは「潜在的なアタリマエ(潜在的価値)」だと捉えることができそうです。
■柔軟剤の潜在的”不”は、「香り選びの難しさ」!?
Q.「柔軟剤」に対してどのようなイメージがありますか。ご自由にお答えください。(お答えは具体的に)
Q.「柔軟剤」に対してどのような悪いイメージがありますか。(お答えはいくつでも)
※自由記述形式の回答は、アフターコーディング(AC)という選択肢化の処理をしています。
同様に、柔軟剤のネガティブイメージについて確認すると、「香り選びが難しい」「すぐになくなる」「コストパフォーマンスが悪い」「適量がわからない」が、言われてみれば不便・不満に思われている、潜在的な”不”であると捉えることができそうです。
■柔軟剤の潜在的な利用シーンは、「部屋干しするとき」!?
Q.「柔軟剤」をどのようなシーン・場面で利用しますか。ご自由にお答えください。(お答えは具体的に)
Q.「柔軟剤」をどのようなシーン・場面で利用しますか。あてはまるものをすべてお選びください。(お答えはいくつでも)
※自由記述形式の回答は、アフターコーディング(AC)という選択肢化の処理をしています。
同様に、柔軟剤の利用シーン・場面について確認すると、「部屋干しするとき」「汗をかきやすい衣類」「肌に直接触れるもの」「パジャマ」が、言われてみればそういうときに使っている、潜在的な利用シーンであると捉えることができそうです。
■n=1は80倍の共感を呼ぶ
最後に、n=1含む少数意見はどれほどの共感を呼ぶのか確認してみました。
まず、自由記述形式(n=1000)の回答比率に対し、複数選択形式の回答比率が何倍かを算出します。
次に、自由記述形式(n=1000)において、n=10以上(1%以上)とn=10未満(1%未満)に分類した上で、それらの倍数の平均値を算出して比べてみました。
結果、自由記述形式(FA)で
「n=10以上(1%以上)」の意見は、複数選択形式では10倍程度にとどまったが、
「n=10未満(1%未満)」の意見は、複数選択形式では80倍にも跳ね上がった。
もちろん、「n=10未満(1%未満)」の意見は、元々が少ないため倍数は大きくなりがちではありますし、今回の調査では数問での検証のためすべてにあてはまるというわけではないと思われますが、「n=1は80倍の共感を呼ぶ」可能性があるという示唆を得ることができました。
マーケティングリサーチの現場では、純粋想起やインタビューにおいて、たった一人の意見だからと採用することに迷われるケースは多いと思いますが、しっかりと定量的に検証することで、それが多くの共感を呼ぶトレジャーデータになりえると、自信を持っていただくきっかけになれば幸いです。
■同一内容を「冷凍食品」をテーマにしたコラムはこちら
https://column.neo-m.jp/column/marketing-research/-/3444/
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なうネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL :https://neo-m.jp/
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