人材流出を防ぐ鍵は“健康支援”だった──企業が知るべきプレコンセプションケア
【実施レポート】 山梨県主催・企業向けプレコンセプションケアセミナー|離職防止・女性活躍に向けた制度づくりとは

山梨県(知事:長崎幸太郎)と住友生命保険相互会社(取締役代表執行役社長:高田 幸徳)は、令和7年10月14日、甲府市内にて企業向けセミナー「人的資本経営セミナー ~プレコンセプションケアが企業にもたらす価値とは~」を開催しました。企業の人事・労務、DE&I、女性活躍推進などの担当者を対象に、従業員の健康支援とライフデザインの重要性を学ぶ機会を提供し、37社46名が参加しました。
プレコンセプションケアとは?
将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと。個人のライフプラン支援にとどまらず、企業の健康経営や人的資本経営の観点からも注目されています。
当日は、住友生命保険相互会社両立支援コーディネーター・健康経営アドバイザーの成山育弘氏から、キャリア支援にプレコンセプションケアの視点を取り入れることが、離職防止や女性管理職の育成につながるといった説明がありました。また、山梨県からは支援制度の説明なども行われました。
セミナー参加者からは、「プレコンセプションケアに関する知識が非常に深まった」との声が多く寄せられ、セミナーを通じて理解が大きく進んだことがうかがえました。
実際に、「すぐに取り組みたい」と回答した企業が16%、「具体的な取り組みを考え始めた」が43%にのぼり、半数以上の企業が前向きな姿勢を示しています。
「相談したい」が11%という結果からも、プレコンセプションケアへの関心の高まりが見て取れます。
<参加者アンケ―トから>

■セミナー内容
【講演】「人的資本経営セミナー~プレコンセプションケアが企業にもたらす価値とは~」
・講師 住友生命保険相互会社 両立支援コーディネーター・健康経営アドバイザー 成山 育宏 氏
・動画講師 株式会社ファミワン 不妊症看護認定講師 西岡 有可 氏
【制度紹介】山梨県が実施している支援制度について
<講演>
離職防止と女性管理職育成の鍵は「プレコンセプションケア」

成山氏の講演では、企業がプレコンセプションケアに取り組む意義や、職場で実施できる具体的な支援策について、動画を交えて分かりやすく紹介されました。
若手社員の間では「育休を取りたい」という意識が当たり前になりつつあるため、キャリアマップを交えた研修を行うことでプレコンセプションケアへの意識の変化、行動変容に繋げていくことが大切と伝えていました。
また、不妊治療中の方の約半数が抑うつ状態を抱えているというデータも紹介され、管理職には安全配慮義務の観点からも不妊治療と仕事の両立についての知識と理解が求められること、相談しやすい職場環境づくりの重要性が強調されました。
<制度紹介>
調査から見えた現状と、山梨県が進める支援施策とは

山梨県の担当者からは、県内の妊娠・出生に関するデータの説明に加えて、令和7年度に実施した「山梨県不妊治療に関する調査」の結果を紹介しました。
調査では、不妊治療と仕事の両立に悩む方が多く、不妊治療休暇制度の導入や拡充など、両立支援を求める声が多数寄せられていることを説明しました。
あわせて、県の取り組みとして、このようなセミナーの開催に加え、プレコン健診(※)の実施や、SNSを活用した悩み相談サービスなどを紹介し、企業にもこれらの施策を積極的に活用してもらいながら、プレコンセプションケアをともに進めていきたいという思いを伝えました。
※プレコン健診
職場の健康診断もしくは提携の医療機関等において、将来の妊娠に備えた現在の健康状態を調べるプレコン健診
■山梨県が目指す未来
山梨県では、すべての世代の方がプレコンセプションケアについての知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザインや、将来を見据えた健康管理を実践できる“やまなし”の実現を目指しています。
プレコンセプションケアは、従業員の未来を守るだけでなく、企業の持続的な成長にもつながる取り組みです。
今こそ、健康支援の視点を企業の制度設計に取り入れるタイミングです。
お問い合わせ先
山梨県 総合県民支援局 子育て・次世代サポート課
TEL:055-223-1425
Mail:kosodate@pref.yamanashi.lg.jp
すべての画像
