千葉大学がRE100達成を目指す長期ビジョンを宣言した「サステナビリティレポート2020」を発行
~75人の学生が編集に携わり、COVID-19の影響で学長インタビューもオンライン~
国立大学法人千葉大学は、2040年までに消費電力量のすべてを再生可能エネルギー電力で賄うこと(RE100)を目指す長期ビジョンを宣言した「サステナビリティレポート2020」を2020年9月30日(水)に発行しました(https://www.chiba-u.ac.jp/general/approach/environment/index.html)。
- 千葉大学のサステナビリティレポートについて
千葉大学は国際規格ISO14001を学生主体で取得、継続しており、その活動を学生の実務教育の機会ととらえているため、2004年度から発行している環境報告書(2019年より「サステナビリティレポート」)も、環境ISO学生委員会の学生が編集長・副編集長を務め、学生が手分けして原稿の構成・取材・執筆・校正を行って原案を作成しています。教職員の校正の後、デザイン専攻の学生がデザインを行い、学生委員会の編集部が進行管理を行うことで、約1年をかけて完成に至ります。今年は16人の編集部、58人の執筆担当者、1人のデザイナーの計75人の学生が関わって制作しました。本レポートは9月30日(水)に冊子で発行したほか、大学Webサイトにて公開しました。
本日公開した「千葉大学サステナビリティレポート2020」
https://www.chiba-u.ac.jp/general/approach/environment/index.html
- 2020年版の特徴
本レポートで初めて、千葉大学は2040年までに、消費電力量のすべてを再生可能エネルギー電力で賄うこと(RE100)を目指すことを宣言しました(本編p.11)。
COVID-19の影響と対応
取材や執筆作業が本格化した4月から、COVID-19の影響で編集作業をオンラインに切り替え、例年対面で行っている、環境ISO学生委員会の委員長による学長インタビューもオンラインで実施しました(本編p.4-5)。
また、 SDGsの理念に沿って「『誰一人取り残さない』形での新型コロナウイルス感染症対応を目指して」という特集記事を作成し、附属病院での患者受け入れ状況や教育の学生支援について記述しました(本編p.12)。
SDGsの達成に貢献する研究・教育、学生活動の社会的側面を充実
「サステナビリティレポート」と名称を改定した2019年版で、環境分野だけではない社会的な側面として初めて、SDGsに対する5つの取り組みを掲載しましたが、今回は11の取り組みを取り上げました(本編p.45-50)。また、読者の皆様に千葉大学のSDGsに対する取り組みが明確に分かるよう各ページにSDGsのアイコンを掲載しました。
環境配慮として2019年版と比べてレポート全体を16ページ削減
ページ構成や文章量の見直しに力を入れ、2019年版比16ページの削減を実現しました。また、印刷部数は必要最低限とし、FSC認証(注1)の用紙使用や植物油インキの使用など、印刷の工程における環境配慮を行い、さらに、印刷・製本に使用する電力(306.97kWh)は、バイオマス発電(注2)のグリーン電力(注3)で賄いました。
- 各章の主な内容
はじめに
学長からのメッセージ、特集:長期ビジョン、特集:新型コロナウイルス感染症対応、2019年度受賞実績、
環境・エネルギー方針、千葉大学の環境マネジメントシステムの概要 など
第1章 総合大学としての特色を活かして~SDGsに貢献する人材の育成~
SDGs・環境に関する最先端の研究、大学の環境教育、附属学校における環境教育・活動 など
第2章 サステナブルキャンパスを目指して~4つの柱で快適なキャンパスライフを~
「脱炭素」「循環型」「自然共生」「安心安全」の4つの側面からの環境活動と成果、
大学に関連する事業者の環境配慮活動について
第3章 千葉大学が誇る学生主体の環境活動~大学から、地域・社会・世界へ~
特集:2019 年度に行った挑戦、企業と連携した取り組み、地域社会との交流、国内・世界への発信 など
第4章 誰一人取り残さない社会の実現に向けて〜SDGsの社会的側面の取り組みについて〜
ダイバーシティ推進、教育・研究における社会的な取り組み、学生のボランティア・国際協力活動 など
第5章 環境・エネルギーマネジメントシステムの運用状況
内部監査、環境目的・目標の達成度評価、法規制の順守状況、物質収支、環境会計 など
第6章 環境報告書の基本項目
第三者意見、環境報告ガイドライン対応表、編集後記
- 編集長のコメント
編集作業を通じて、 SDGsの達成に向けた取り組みについて深く考えることができました。また、読者を意識することにより、自分以外の人の視点で物事を考えることの大切さを学びました。本レポートを通して、千葉大学の活動への理解を深めていただき、SDGsの達成に向けた取り組みの促進に貢献できたら幸いです。
- デザイナーのコメント
千葉大学がSDGs の目標に向けて多くの人たちと協力し合いながら、活動を行ってきたということを伝えられるようなデザインを目指しました。テーマは人と人との「繋がり」です。 SDGsの各目標のカラーで、手を繋いだ人型のアイコンをメインイメージに使用しています。また、このテーマには、新型コロナウイルスが猛威を振るう中で、地域さらには世界全体で繋がり合い、協力していけたらという意味合いも込めています。
- 用語集
適切な森林管理が行われていることを認証する「森林管理の認証(FM認証)」と森林管理の認証を受けた森林からの木材・木材製品であることを認証する「加工・流通過程の管理の認証(CoC認証)」の2種類の認証制度です。NPOであるFSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)が運営する国際的な制度です。
(注2)グリーン電力・グリーン電力証書
グリーン電力とは再生可能エネルギーで作った電気のことで、発電された電気としての「環境価値」を備えたものです。グリーン電力の環境価値を証書化して、「グリーン電力証書」として取引する仕組みがあり、証書を購入した企業などは、自らが使用する電気が再生可能エネルギーによって発電されたものとみなすことができます。
(注3)バイオマス発電
バイオマス発電とは、木材や植物残さ等のバイオマス(再生可能な生物資源)を原料として発電を行う技術のことです。原料は、木質系、農業・水産系、食品系など生物由来の幅広い有機物です。燃焼した場合にも化石燃料と同様にCO2が発生しますが、植物はそのCO2を吸収して生長し、バイオマスを再生産するため、トータルで見ると大気中のCO2の量は増加しない(カーボンニュートラル)と見なすことができます。
- 過去の実績
2015年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000015177.html
2017年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000249.000015177.html
2018年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000335.000015177.html
2019年度 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000398.000015177.html
- 千葉大学環境ISO学生委員会とは
千葉大学において学生主体で環境活動を行っている学生団体。千葉大学がISO14001の取得に動き出した2003年に発足し、2005年の取得以後も、大学の環境マネジメントの運営組織の一部としてEMSの運営を担ってきました。毎年1~3年生まで約200名が所属。内部監査員や環境報告書の作成のほか、エネルギー班、紙班、ごみ班、堆肥化班、学内緑化班、構内美化班、学外教育班、環境報告書班など、活動の内容に応じて20ほどの班や担当があり、環境負荷削減の意識啓発活動や、小中学校幼稚園への環境教育活動、緑化や堆肥化といった活動、エコグッズの作成など、幅広い活動を行っています。近年ではSDGsの達成を目指して、企業と連携したプロジェクトもいくつか実施しています。また、2009年にNPO法人格も取得し、NPO法人として企業と協力して里山保全活動を行ったり、地域の学校へ環境出前授業を行ったりしています。
公式サイト http://chiba-u-siso.xrea.jp/chibasiso/
- 本件に対するお問い合わせ先
千葉大学環境ISO事務局
kankyo-iso@office.chiba-u.jp
Tel:043-290-3572
◆千葉大学の環境への取り組み
https://www.chiba-u.ac.jp/general/approach/environment/index.html
https://www.keiyobank.co.jp/ir/eco_project/chiba_u_csr.html
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