ブロッコリーの摂取によりリラックス効果が得られる可能性を確認 ― 唾液中のオキシトシン量と脳波・心拍測定で効果を確認 ―

野菜摂取による心身への情緒的な効果を研究。9月17日(水)~19日(金)に開催の日本感性工学会でポスター発表

キユーピー株式会社

キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:髙宮 満、以下キユーピー)は、野菜摂取による心身への情緒的な効果を検証する研究において、ブロッコリーの摂取によりリラックス効果が得られる可能性を確認しました。本研究成果について、2025年9月17日(水)~19日(金)に開催された第27回日本感性工学会大会※1でポスター発表を行いました。

■研究の目的

野菜摂取が心身の健康に寄与しウェルビーイングの向上につながる可能性を探究する中で、マヨネーズとの相性が良く、2026年度から指定野菜になるブロッコリーに着目しました。本研究では、ブロッコリーの摂取が心身に与える情緒的・精神的な効果のメカニズムを、生体指標(オキシトシン※2測定、脳波・心拍測定)と主観評価で検証しました。

■結果の概要

・「幸せホルモン」として知られるオキシトシンの測定では、ブロッコリー摂取後に唾液中のオキシトシンの分泌が増加しました。併せて行った気分評価(主観評価)では、ブロッコリー摂取後に「うれしい」感情が増加し、「憂うつである」感情が減少しました。

・脳波測定では、対照の水に対しブロッコリーは、摂取時と摂取後にリラックスを示す値が(安静時からの比較で)有意に高くなりました。心拍測定では、水に対しブロッコリーは、摂取時に副交感神経の活動を示す値が有意に高くなり、自律神経のバランスが副交感神経優位へと傾くことが分かりました。

図1 脳波計装着イメージ

本研究から、ブロッコリーの摂取によりリラックス効果が得られる可能性が示されました。今後は、他の生体指標の測定や、他の野菜での検証も行い、野菜摂取とウェルビーイングの関係を科学的に追究していきます。キユーピーは今後も、野菜の新たな価値を発信し、社会課題解決に貢献していきます。

※1 第27回日本感性工学会大会 https://www.jske.org/conference/jske27/

※2 主に人と関わったり触れ合うときに分泌される幸せホルモンで、愛情ホルモンとも呼ばれる。やすらぎ感をもたらしたり、ストレスを低減する働きがある。

<研究背景>

現代はストレス社会と言われ、さまざまな心身の不調をもたらすリスクから、予防的に精神的なリラックスやリフレッシュを求めるニーズが高まっています。その解決策の一つに「食」があります。特に野菜摂取は、不安のリスク低減・幸福感との相関が報告されており※3,4、日常的にも取り入れやすい課題解決策です。

一方で、日本人の野菜摂取量は減少傾向にあります※5。キユーピーはこれまで、主に野菜の健康機能的な価値や、おいしく食べるための情報発信を行ってきました。これらに加え、野菜摂取がもたらす情緒的・精神的な価値と効果のメカニズムを明らかにすることで、野菜摂取不足や心身の不調といった現代社会の課題解決に貢献することを目指し、本研究を行いました。

※3 Stranges, S., et al. Major health-related behaviours and mental well-being in the general population: the Health Survey for England. BMJ Open 4, e005878 (2014).

※4 Radavelli-Bagatini, S. et al. Higher Consumption of Fruit and Vegetables Is Associated With Lower Worries, Tension and Lack of Joy Across the Lifespan. Front Nutr 9, (2022).

※5 厚生労働省 令和5年「国民健康・栄養調査」

<研究詳細>

■試験1:オキシトシン濃度測定

【方法】

ブロッコリーが「やや好き」または「好き」な成人14名の被験者に対し、加熱して一口大にしたブロッコリーを摂取してもらい、摂取前後の唾液中のオキシトシン濃度を測定しました。また、簡易気分調査票日本語版(BMC-J)による気分評価(主観評価)も併せて実施しました。

【結果】

安静時に比べてブロッコリー摂取後のオキシトシン変動率※6は有意に高いことが分かりました。これにより、ブロッコリー摂取によって、唾液中のオキシトシン分泌量が増加することが示唆されました(図2)。

同じ被験者に対して行った、ブロッコリー摂取前後の気分評価(主観評価)では、安静時に比べてブロッコリー摂取後は「うれしい」が有意に増加し、「憂うつである」が有意に減少しました(グラフなし)。

図2 オキシトシン測定結果(安静時と摂取後の比較)/外れ値となった3名を除外した。

※6 タンパクあたりのオキシトシン分泌濃度(pg/mg prot)を算出した後、安静時およびブロッコリー摂取前後における10分間の変動率を求めたもの。

■試験2:脳波・心拍測定

【方法】

加熱したブロッコリーと水を1:0.5でミキサーにかけたものをサンプルとしました。被験者にサンプル5gを口中で味わってもらい、摂取前後の脳波と心拍を測定しました。対照として水5gでも同様に実施しました。被験者は「野菜が嫌いではない」成人12名で、順序効果を考慮して6名は水→ブロッコリー、残り6名はブロッコリー→水の順番で試験を行いました。

脳波測定・解析については、株式会社ハコスコの青澤さおり氏にアドバイスをいただき、実施しました。

図3 脳波測定イメージ

・脳波測定:FocusCalm(BrainCo社製)を用い、本機専用の脳波解析アルゴリズム(非公開)にて算出されたMeditation(リラックス)の値を評価に用いました。

・心拍測定:ウェアラブル心拍センサ WHS-1(ユニオンツール社製)で測定し、副交感神経の活動を評価する指標としてHFnorm値を用いました。

【結果】

脳波については、摂取前(Pre)と摂取時(Eating)、摂取前と摂取後(Post)の差分の平均は、水に対し、ブロッコリーで、摂取時・摂取後とも有意にMeditation値が高くなりました(図4)。

図4 脳波測定結果 /Meditationの値を正規化し、平均値を算出した。摂取前との差を、水(対照)とブロッコリーで比較した。

心拍については、摂取前(Pre)と摂取時(Eating)のHFnorm値の差が、水に対し、ブロッコリーで有意に高くなりました(副交感神経活動が優位になりました)(図5)。一方、摂取後は有意差が認められませんでした(グラフなし)。

図5 心拍測定結果 /装着不良の2名、外れ値となった2名の計4名を除外した。


野菜の彩りで、食卓はもっと華やかに。

栄養バランスは理想に近づきより健康的な食生活に。
野菜にふれる楽しさに包まれて、心はもっと豊かに。
私たちはこれからも、
サラダの魅力を発信し続け、
世界の食と健康に貢献していきます。


参考:「サラダで人は幸せになれるのか? ── キユーピーが挑む、未来の食卓とウェルビーイングの可能性」PR TIMES STORY

https://prtimes.jp/story/detail/ZxWYymFKl2b

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会社概要

キユーピー株式会社

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URL
https://www.kewpie.com/
業種
製造業
本社所在地
東京都渋谷区渋谷1-4-13
電話番号
03-3486-3331
代表者名
髙宮 満
上場
東証プライム
資本金
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設立
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