共創プロジェクト型イベント「日本の食文化とわざの継承EXPO」開催決定

2026年2月1日(日)京都調理師専門学校にて開催

文化庁

文化庁では、地域の伝統産業や職人、学生、企業などが協働し、体験(つくる)と発信(伝える)を両軸に、文化を継ぐ意識を育てることを目的とした共創プロジェクト型イベントを企画し、その一つとして「日本の食文化とわざの継承EXPO」を、2026年2月1日(日)に、学校法人大和学園 京都調理師専門学校にて開催いたします。

文化庁では、令和7年度「食文化振興加速化事業」の一環として、地域に根ざした伝統産業や文化資源を活かし、次世代へと継承していくための共創的な取組を進めています。

近年、伝統産業や地域文化は後継者不足や需要の変化などにより、継承の危機に直面しています。一方で、地域の多様な文化資源や伝統技術は、現代の感性や新たな発想との融合を通して、新しい価値を生み出す可能性を秘めています。

そこで、「和食」、「伝統的酒造り」、「菓銘をもつ生菓子(煉切・こなし)」、「京料理」、「手揉み製茶」それぞれの”わざ”にフォーカスをあて、職人から直接学び、体験することができる共創プロジェクト型イベントを企画しました。

”わざ”を継承する次世代の方々をはじめ、多くの方々に日本の食文化の魅力と意義を体感していただき、未来へとつなぐ新たな担い手の育成を目指しています。

「日本の食文化とわざの継承EXPO」

2026年2月1日(日)に、京都調理師専門学校にて「日本の食文化とわざの継承EXPO」を開催いたします。本イベントでは、職人によるトークセッションや、京料理・手揉み製茶などの体験コンテンツを通じて、地域の担い手や来訪者とともに「文化を継ぐ」意義を共有します。

<イベント概要>

タイトル:

日本の食文化とわざの継承EXPO

開催日:

2026年2月1日(日) 9:00-16:00(全館開場10:00~)

会場:

学校法人 大和学園 京都調理師専門学校

(住所:京都府京都市右京区太秦安井西沢町4番5)

内容:

・”わざ”の職人によるトークセッション

・和食や京料理、和菓子のワークショップや、手揉み製茶の体験コンテンツ

・日本の食文化の”わざ”を感じられる物販や展示

など

URL:

https://www.bunka.go.jp/waza_japans_cuisine_heritage/

※詳細は、2026年1月8日(木)に改めてお知らせいたします。

日本の食文化と”わざ”がわかる動画を公開

受け継がれてきた日本の美しい食文化を厳選してご紹介。動画で、その魅力あふれる"わざ"の世界をぜひご覧ください。

※動画URL:     https://youtu.be/-858BVKy28w

※ショート動画URL: https://www.youtube.com/shorts/uaQx4C8LgIk

京都調理師専門学校で、出張授業「”わざ”継承者による特別講義」を開催

共創プロジェクト型イベントの第1弾として、11月24日(月)に学校法人 大和学園 京都調理師専門学校にて、出張授業「 ”わざ” 継承者による特別講義」を開催し、特別講義として、京料理 鳥米・田中氏による「二十四節気に合わせた季節料理の“わざ”の実演」と、いづう・佐々木氏による「伝統食文化「鯖姿寿司」に関する講義と実演」を実施しました。

受講者は、田中氏から継承された「四季で変化する自然の恵みを生かす“ひと手間”」や、佐々木氏から伝えられた「京の食文化が生んだ伝統の調理法」の奥深さに触れ、講義と実演を通して、目の前の技が「手順」ではなく、季節や素材への向き合い方そのものだと体感しました。

田中氏は、二十四節気ごとの食材の捉え方に触れながら、食材の特徴・歴史・調理・目利きという基盤の上に“ひと手間”が成り立つことを示し、鴨ロースの火入れや切り付け、旬の栗を添える意味などを解説しつつ実演しました。受講者は香りや色の変化、厚みのある切り方で柔らかさと旨味を両立させる工夫、食感や味の流れを設計する考え方を間近で学びました。

佐々木氏の鯖姿寿司の実演では、鯖を運ぶための塩詰めの知恵や、京都に届く頃に程よい塩加減になる“塩梅”の由来、酢締めや昆布巻きの狙いなどが語られ、時間を味方につけて旨味を重ねる伝統の技法を五感で理解する機会となりました。さらし一枚で美しく巻き上げる所作や、乾燥を防ぐために今も氷の冷蔵庫を使う工夫、器で季節感を添える美意識に触れ、技術と文化が一体で受け継がれていることを実感する様子が見られました。

田中氏の「二十四節気に合わせた季節料理の“わざ”の実演」には「日本料理ならではの技法で“仕掛け”を作り、季節ごとの味の記憶を育てたいという意欲が湧いた」という声をいただきました。また、佐々木氏の「伝統食文化「鯖姿寿司」に関する講義と実演」には、「昆布で巻き、時間をかけて旨味を染み込ませる工程から、歴史と知恵が積み重なった技法であることを実感した」との感想をいただきました。

講義を終えて、講師の京料理 鳥米・田中氏からは「技は継承するだけでなく、新しい解釈や新技の開発にもつながる。温度や湿度、季節の違いに応じて技が変化する奥深さを、若い世代に体感し自分のものにしてほしい。」とコメントいただきました。また、いづう・佐々木氏からは、「技は一度身につけば手に残り続けるもの。まずは難しく考えすぎず、料理の面白さに触れる気持ちで飛び込んでほしい。」とお話しいただきました。

参考

〈和食とは〉

南北に長く四季がはっきりした日本の自然環境のもとで育まれてきた、食材の選び方から調理・盛り付け、食べ方や行事との結びつきまでを含む日本人の伝統的な食文化。

「自然を尊ぶ」という日本人の気質に支えられ、季節の移ろいを食卓に取り入れること、地域ごとの多様な食材や知恵を生かすこと、年中行事や人生儀礼と結びついて受け継がれてきた食の習わし全体を指す。

〈伝統的酒造りとは〉

日本各地の気候風土や水、米・麦などの原料に根差して発展し、麹菌を用いて原料を糖化させ、酵母の発酵によって酒を醸すという日本独自の発酵技術を基盤とする酒造りの総体。

清酒・焼酎・泡盛などを含む、杜氏や蔵人が代々受け継いできた知識・技能・作業体系(麹づくり、酒母づくり、もろみ管理、温度や発酵の見極め、道具や蔵の使いこなし等)と、それを支える地域の慣習・祭礼・共同作業の文化までを含めた伝統的な醸造文化。

〈菓銘をもつ生菓子(煉切・こなし)とは〉

茶の湯の文化と結びつきながら発展してきた、季節の自然や故事・和歌・文学、あるいはその日その場の趣向を題材として意匠化された生菓子に、作り手が意味や情景を込めた固有の名前(菓銘)を付けて表現する日本の伝統的な菓子文化。

餡や餅、薯蕷などの素材と繊細な造形・彩色を通じて季節感や物語性を映し出し、菓銘とともに味わうことで美意識やもてなしの心を共有する作法を含む。

〈京料理とは〉

京都という歴史都市の中で発展し、昆布や鰹節などによる出汁を味の基盤として、素材の持ち味や季節感を最大限に引き出すことを重んじ、宮中・公家文化、寺社文化、町衆文化など多様な背景のもとで洗練されてきた料理の体系。

料理人たちが継承してきた伝統的な調理技術・作法・美意識(薄味での仕立て、繊細な切り物や炊き方、器や盛り付けによる季節表現等)によって表現される京都の食文化。

〈手揉み製茶とは〉

煎茶を機械に頼らず手作業のみで仕上げる日本茶の伝統的製造技法。

蒸した茶葉を焙炉(ほいろ)の上で乾燥させながら、「揉む・ほぐす・伸ばす・形を整える」といった工程を段階的に行い、手の動きや圧の加減、温度と水分の見極めを通じて香り・味・色・形状を高めていく。

職人の熟練による微妙な感覚が品質を左右し、茶葉一本一本を針のように細く美しく仕上げる点に特徴がある。

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会社概要

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
京都府京都市上京区下長者町通新町西入藪之内町85番4
電話番号
075-451-4111
代表者名
都倉俊一
上場
未上場
資本金
-
設立
1968年06月