マイナビ、「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」を発表

約2人に1人が、「賞与が少ない」ことが理由で転職を経験。夏の予想賞与額は平均51.8万円で理想とのギャップは40万円以上。6割以上の人が「夏ボーナスに賃上げの機運を感じていない」

マイナビ

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、20-50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人と、今後3カ月で転職活動を行う予定の人1,342人を対象に実施した「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」の結果を発表しました。

<TOPICS>

  • 約2人に1人が「賞与が少ない」ことを理由に転職したことがある。そのうち「1番大きな転職理由だった」と答えた人は20代が最多【図1、2】

  • 予想している夏の賞与額は平均51.8万円、理想は平均94.8万円とギャップは40万円以上。6割以上が「夏ボーナスに賃上げの機運を感じていない」と回答【図3、4】

  • 前年夏の賞与額に納得していない人は半数以上。「賞与」への納得感が低い人は、「評価」への納得感も低い傾向【図5】

  • 評価への納得感がない理由は「評価基準の不明瞭さ」「フィードバックの欠如」。評価に納得できたら「仕事の満足度」が高まる人は半数以上【図6、7】

【調査概要】


◆約2人に1人が「賞与が少ない」ことを理由に転職したことがある。そのうち20代の3人に1人以上が「1番大きな転職理由だった」と回答

賞与が少ないことを理由に転職をしたことがある人は49.2%(「1番大きな転職理由だった」21.0%+「1番ではないが転職理由だった」28.2%)となり、転職理由となった賞与の平均額は28.3万円だった。年代別では20代において、「1番大きな転職理由だった」の割合が35.2%と最も高く、若年層ほど賞与額の少なさが転職の理由になっていることがわかる。

また、「1番ではないが転職理由だった」と回答した人に1番の転職理由を聞いたところ、最も多かったのは「賞与以外の給与(月給)が低かった(17.3%)」だった。賞与に限らず金銭的な点が転職理由で多いようだ。【図1、2】


【図1】

【図2】


予想している夏の賞与額は平均51.8万円、理想は平均94.8万円とギャップは40万円以上。6割以上の人が「夏ボーナスに賃上げの機運を感じていない」と回答

前年夏の賞与額は平均50.1万円、今年予想している夏の賞与額は平均51.8万円で大きな変化は見られなかった。自分の仕事に見合う理想の賞与額は平均94.8万円となり、予想と理想の賞与の差は43.0万円だった。

また、今年の夏ボーナスに「賃上げの機運を感じているか」を聞いたところ、「そう思わない(34.1%)」が最も多かった。「あまりそう思わない(28.1%)」と合計すると、62.2%が「今回の夏ボーナスに賃上げの機運は感じていない」と回答している。役職別に見ると、夏ボーナスに賃上げの機運を感じていないという回答が特に多かったのは「役職には就いていない」人で70.2%だった。【図3、4】


【図3】

【図4】


前年もらった夏の賞与額に納得していない人は半数以上。「賞与」への納得感が低い人は、「評価」への納得感も低い傾向

前年夏の賞与額に納得感があるかを聞いたところ、もっとも多かったのは「どちらかといえばそう思う(31.2%)」だった。一方で、「そう思わない」は53.6%(「あまりそう思わない(30.8%)」+「そう思わない(22.8%)」)となり、半数以上は賞与額に納得していないことがわかる。

また、直近の自身の評価に納得感があるかを聞いたところ、もっとも多かったのは「あまりそう思わない(31.7%)」だった。「そう思わない(25.9%)」と合わせると、57.6%が評価に納得していないという結果になった。

「賞与への納得感」と「評価への納得感」の相関係数※は0.765となり、強い相関関係があるため、賞与への納得感が低い人は、評価への納得感も低い傾向にあるといえる。【図5】


※2種類のデータ間の関連性(相関関係)の強さを示す指標。「1」に近いほど相関関係は強くなり、一般的に「0.7」以上は「強い相関関係がある」と判断されている。


【図5】


評価への納得感がない理由は「評価基準の不明瞭さ」「フィードバックの欠如」。半数以上が、評価に納得できたら「仕事の満足度」が高まる

賞与への納得感がない理由は、「世間一般の平均額に遠く及ばない」「全員が一律の金額だから」など金額への不満のほか、「賞与額の計算方法の周知がされていない」など算定基準が不明瞭なため自身の成績が金額に反映されていないように感じるという回答が目立った。

また、評価への納得感がない理由としては、「上司との1on1ができていない」「評価基準がそもそも存在しない・不明瞭」など、フィードバックの有無や評価基準の不明瞭さ、「勤務期間で賞与が決まる」といった年功序列制への不満があげられた。

評価に納得ができた場合、仕事への満足度はどう変化するか聞いたところ、「満足度は高まる」と答えた人は55.7%(「高まる(22.7%)」+「やや高まる(33.0%)」)だった。賞与と評価の納得感には相関が見られているため、双方の納得感が得られることで、仕事に満足感を持って働く人が増えると考えられる。【図6、7】


【図6】

【図7】

【調査担当者コメント】

今回の調査では、正社員の約半数が賞与額に不満を持ち、それが転職の理由になっていることがわかりました。また、今年夏の賞与に“現在の賃上げ機運の高まり”が反映されるだろうと感じている人は少ないうえ、前年夏の賞与額に納得していない人も半数以上います。

調査結果によると、賞与額への納得感は、評価への納得感と密接に関連していることも明らかになりました。企業が従業員の納得感を高めるためには、賞与金額を増やすことが理想的ですが、それが難しい場合でも、賞与額や評価に対する丁寧な説明機会を設けたり、評価制度をより公平・公正だと感じられるよう改善したりすることが効果的だと考えられます。

賞与・評価への納得感の醸成が、従業員のモチベーションと企業へのエンゲージメントを高める鍵となり、今後の定着率向上にもつながっていくのではないでしょうか。

キャリアリサーチラボ 研究員 朝比奈あかり



「2024年夏ボーナスと転職に関する調査」

【調査期間】2024年5月1日(水)~7日(火)

【調査対象】

従業員数3名以上の企業に所属している全国の20-50代の正社員のうち、2024年4月に転職活動を行った人、今後3カ月で転職活動を行う予定の人(3カ月以内に中途入社した人を除く)

【調査方法】外部パネルによるインターネット調査

【有効回答数】1,342名

※調査レポートは下記URLよりご覧いただけます。

https://career-research.mynavi.jp/?post_type=column&p=78106

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業種
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東京都千代田区一ツ橋1丁目一番一号 パレスサイドビル
電話番号
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代表者名
土屋芳明
上場
未上場
資本金
21億210万円
設立
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