「マイナビ 中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」を発表
2025年中途採用に積極的な企業は9割超、未経験者採用も活発化。中途採用時に転職回数を考慮する採用担当者は77.6%。約4割の企業が“やっぱり離職(懸念がありつつ採用→離職)”を経験

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、全国企業の中途採用担当者に実施した、「マイナビ 中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」の結果を発表しました。
【TOPICS】
◆2024年の中途採用人数は1社平均20.8人。採用費用総額は平均650.6万円で前年より20.4万円増加【図1、2、3】
◆2025年の中途採用に積極的な企業は9割を超える。前年と比較し、未経験者も積極的に採用する動きもみられる【図4】
◆中途採用担当者の77.6%が選考時に転職回数を懸念。20代の応募者に対して転職回数3回以上で採用を躊躇する採用担当者は66.4%【図5、6】
◆約4割が「やっぱり離職(離職リスクが高い懸念がありつつ採用したがやはり離職となった)」を経験。採用前後で認識齟齬が起きないよう注意が必要【図7】
【調査概要】
◆2024年の中途採用人数は1社平均20.8人。採用費用総額は平均650.6万円で前年より20.4万円増加
2024年の中途採用人数は1社あたり年間平均20.8人で2年連続20人を超えた。また、中途採用費用は平均650.6万円で、前年から20.9万円増加となった。前年よりも積極的に費用をかけて採用活動がおこなわれたことがうかがえる。【図1】
前年(2023年)より中途採用に積極的だったと答えたのは20代が23.5%で最も高く、次いで30代が21.9%だった。属性別では「DX関連など専門職の分野(17.1%)」が最も高く、積極的に採用数を増加する姿勢だったことがわかった。【図2】
また、職種別に正社員人材の不足感について聞いたところ、正社員の人手不足感が強い職種1位が3年連続で[ITエンジニア]となるなど、専門職分野や20代などの若手採用に意欲的な1年であったと類推される。【図3】
【図1】

【図2】

【図3】

◆2025年の中途採用に積極的な企業は9割を超える。前年と比較し、未経験者も積極的に採用する動きもみられる
2025年の中途採用において積極的な企業は90.2%(前年比1.6pt減)と前年に続き9割を超えており、今後も活発な中途採用が続く見通しである。
年代別では、20-40代の採用に積極的という回答は8割を超え、前年に引き続き高水準を維持している。50代以上の採用については68.4%と他年代と比べて低いものの、前年より2.2pt増加した。少子高齢化により若年層の採用難度が上がっていることもあり、2025年はミドル・シニア層も中途採用のターゲットとして積極的に活動していくことが考えられる。
また、年代が高いほど「未経験者採用に積極的」の割合が前年と比較して増加傾向にあり、慢性的な人手不足や定年延長などの背景から、ミドル・シニア層まで応募間口を広げて未経験者を採用する企業が増えてきていると推察される。【図4】
【図4】

◆中途採用担当者の77.6%が選考時に転職回数を懸念。20代の応募者に対して転職回数3回以上で採用を躊躇する採用担当者は66.4%
中途採用担当者に応募者の転職回数を気にするか聞いたところ、気にする割合は77.6%となり、約8割が転職回数を気にしていることがわかった。次に、転職回数を気にする人に年代別で採用を躊躇する転職回数を聞いた。転職回数が3回以上の場合に採用を躊躇すると回答した割合は、20代で66.4%と過半数におよぶ結果となり、転職回数が1-2回でも採用を躊躇するという回答も3割以上となった。転職市場が活発化しているなかでも、転職回数が多い応募者に対して懸念を感じる企業もあることがわかった。【図5】
一方で、「人柄が良かった」などを理由に、当初求めていたレベルや条件でなくとも「最終的に採用したケースが多かった」との回答は43.7%であった。企業によっては人柄を重視する場合や、早急な人員補充が必要だったなどの理由で、求めていたレベルや条件に合わずとも採用になることも多いと考えられる。【図6】
【図5】

【図6】

◆約4割が「やっぱり離職(離職リスクが高い懸念がありつつ採用したがやはり離職となった)」を経験。採用前後で認識齟齬が起きないよう注意が必要
採用後に退職してしまったケースについて、「選考時に離職リスクの高さを懸念しつつ採用したが、やはり離職となってしまったケース(やっぱり離職)」の経験があるか聞いたところ、39.6%の企業が今までに「経験あり」と答えた。また、6.7%は「2024年にあった」と回答した。
「やっぱり離職」を経験した採用担当者に要因として考えられるものを選んでもらったところ、「仕事内容のミスマッチ(24.5%)」が最も多く、「社風・仕事文化とのミスマッチ(18.7%)」「上司との相性が合わなかった(18.4%)」が続いた。採用数確保のためにスピード感を優先したり、求めていたレベルや条件には合わないが人柄で採用した結果、ミスマッチが生じて「やっぱり離職」に繋がったケースも考えられる。
「やっぱり離職」を防ぐためには、選考時に仕事内容のすり合わせを徹底したり、入社前に職場見学や上司となる予定の社員に会わせるなど、企業や社員と応募者の相性確認を強化することが求められるだろう。【図7】
【図7】

【調査担当者コメント】

2024年の中途採用者数は前年に続き高水準となり、2025年の採用についても積極的な意向がみられました。採用費用が拡充(増加)していることからも、中途採用に積極的な様子が見られます。
企業は人材不足の中で採用目標を達成するため、未経験者の採用にも力を入れるだけでなく、転職回数の多さや求めるレベルや条件に満たないなど、選考時に不安を感じる応募者も採用するケースがあるようです。今回の調査では、離職リスクを懸念しつつ採用した人が、結局離職となってしまう「やっぱり離職」を経験した採用担当者が多いこともわかりました。
広告費や人件費など、多くのコストをかけて採用した人材が定着しないことは、企業にとって費用対効果の不満感にもつながると考えられます。
転職活動が活発化しているいま、企業は採用人数を確保するだけでなく、採用後のミスマッチをできる限り無くせるような工夫や、採用後のフォローを丁寧に行うなどの定着支援施策がより重要なのではないでしょうか。
マイナビキャリアリサーチラボ 研究員 元山 春香
「マイナビ 中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」
【調査期間】スクリーニング調査:2024年12月16日(月)~12月19日(木)/本調査:12月18日(水)~12月25日(水)
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】従業員数3名以上の企業において、2024年1~12月に中途採用業務を担当し
「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者
【有効回答数】1,500名
※調査結果の詳細は下記からご確認いただけます。
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