お米の代わりに何を食べますか?~お米を減らした世帯で増加した意外なメニューとは~
~コメ価格高騰による食卓での消費実態を食MAP®にて調査~

お米メニュー(ご飯食)の減少
2024 年8 月 総務省小売物価統計調査によると米5Kg の小売価格は前年1.3 倍を超え上昇。同じ頃、食卓では お米メニュー(ご飯食)の出現頻度が前年割れとなりました。さらに2025 年3 月には、お米メニューは前比95.8%とさらに低下。お米離れが進む中、食卓ではどのような変化が起きているのでしょうか。
日々の食卓に登場するメニューや材料(商品)のほか、登場した背景(インサイト)などを調査・分析している株式会社ライフスケープマーケティング(本社:東京都千代田区、代表取締役:上田健司)の食MAP®にて、生活者の食の変遷(メニュージャーニー)に注目することで意外な代替メニューが浮かび上がりました。

6 割の世帯でお米メニューは減少
【図2.】は、お米メニューの前年増減状況とモニター数の分布を示しています。
2024 年1月~2025 年3 月(15 か月間)の通期在籍モニターを対象に、1~3 月のお米メニューの出現頻度を算出。モニター毎の前年増減状況でセグメントしたところ、59%の世帯でお米メニューは前年割れ。なかでも30%の世帯は1 割以上も減少しておりました。お米高騰は生活者に広く影響を与えていることが分かります。
次に、この減少世帯について食卓の様子を掘り下げてまいります。【図3.】はお米メニュー以外に、パン、麺に関するTI 値変化を示しています。
お米メニューの減少が大きい世帯①では、パンが前年同期比102%、麺が110%と、より麺類が伸びておりました。また、お米メニューの減少がわずかであった世帯②でも同様に麺が102%と増加しておりました。このことから、お米需要の一部は麺類へ代替されているようにも思います。しかし、どちらの世帯でもお米メニューの減少分を、パンや麺では補いきれていない様子です。どうやら需要がシフトしたメニューは他にもありそうです。

図2.:2024/1~2025/3 における通期在籍世帯(n214)を対象に、1~3 月のお米メニュー出現率を算出。
前年同期比よりモニタを4 つに区分
図3.:食卓機会/三食計 指標/TI値(1,000 食卓あたりの出現回数) モニタ条件/2024/1~2025/3 における通期在籍世帯
お米の代わりに何を食べますか?
【図4.】は前年と比べ増えたメニューと、減ったメニューの10位を表しています。①・②どちらの世帯でも、かけご飯やご飯が減少し、ラーメンなどの麺類、テーブルパンやサンドイッチが代わりに増えていることが分かります。しかし、最も増えていたのはヨーグルト? お米代替としては、なかなか想像しえないメニューですから、たまたま増えているだけなのでしょうか?

図4.:食卓機会/三食計 指標/TI値(1,000食卓あたりの出現回数) モニタ条件/2024/1~2025/3における通期在籍世帯
どうやら、その答えは「お米が減ったシーン」にあるようです。
【図5.】は、食シーン毎のお米メニューのTI値変化を示しています。①・②どちらの減少世帯でも、夕食のTI値が最も高いこと、そして朝食や昼食で、お米メニューは減少幅が大きいことが分かります。
お米メニューは朝食や昼食では何かに置き換えても、やはり”夕食ではお米を食べたい”という生活者の気持ちが表れているようにも感じます。この朝食を詳しくみると【図6.】ご飯やおにぎりの他、味噌汁や納豆、煮物が減少し、サンドイッチやシリアル、スープへと置き換わっています。
つまり、お米の置き換えに留まらず、「和食」から「洋食」へと献立自体が変わり、結果的にヨーグルトの出現も増えていたようです。
お米高騰により直接的な代替に注目しがちですが、生活者の食の変遷(メニュージャーニー)にフォーカスすることで、新たな便益が見つかります。

図5.:食卓機会/朝食、昼食、夕食 指標/TI値(1,000食卓あたりの出現回数)
モニタ条件/2024/1~2025/3における通期在籍世帯

図6.:食卓機会/朝食 指標/TI値(1,000食卓あたりの出現回数) モニタ条件/2024/1~2025/3における通期在籍世帯

炊飯にも ひと工夫
最後に、お米の置き換えだけでなく、炊飯にも工夫が表れていることをご紹介いたします。【図7.】は、お米を炊く時に一緒に使われた食材の使用率です。このところ大麦やもち麦、燕麦といった麦の利用が増えているようです。お米の かさ増し か、はたまた食物繊維摂取のヘルスケアニーズか? この深掘りはまたの機会にご紹介したいと思います。



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出典:株式会社ライフスケープマーケティング「食MAP®」
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株式会社ライフスケープマーケティング
食MAP®とは当社が提供するマーケティング情報システム。首都圏30㎞圏内在住の家族世帯(1998年10月~)と単身世帯(2008年11月~)を対象に、食品の購入・調理・消費までをパネル形式で調査したもの。主に食品メーカー様・食品流通業様・食品小売業様における商品開発や販売促進、生活者調査などのマーケティングデータとしてご利用いただいております。
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