イスラム教徒の方々にも安心して楽しんでいただける日本産食材の魅力を世界へ「AUTHENTIC CULTURAL DINING」をジャカルタで初開催

「AUTHENTIC CULTURAL DINING」PR事務局

 日本食品海外プロモーションセンター(以下、JFOODO)は、イスラム教徒の方々にも安心して楽しんでいただける日本産食材の魅力を訴求するイベント「AUTHENTIC CULTURAL DINING」(以下、本イベント)を2025年11月13日(木)にインドネシア・ジャカルタで初開催いたしました。

 世界のムスリム人口は現在およそ19億人、2030年には22億人に達し、世界の4人に1人を占めると見込まれています*1。こうした背景から、ハラール市場は世界的に拡大を続けており、食品やサービスにおける注目が高まっています。

輸出拡大を目指す日本政府の戦略においても、主要輸出先に加え、世界的に人口が増加し続けるイスラム教徒に向けたハラール食品やサービスは、今後の成長が期待される分野です。

 「ハラール」とは、イスラム教の教えに基づき“食べても・使ってもよい”とされるものを指します。食品の場合は、豚肉やアルコールを含まないこと、また決められた方法で処理された食材であることなどが条件となります。

 ジャカルタでは、日本食への関心が年々高まり、日本食を提供するレストランも増加傾向にあります。しかし、イスラム教徒の方々が安心して口にできる日本産食材の存在は、まだあまり知られていません。また、日本産食材は品質の高さが大きな強みですが、ハラール認証を取得している商品であっても、現地での流通や情報発信が十分ではありませんでした。

 こうした背景を踏まえ、ハラールの考え方にも配慮した日本産食材の多様な品目と高い品質に加え、クラフトマンシップを理解いただくイベント「AUTHENTIC CULTURAL DINING」をジャカルタで初開催しました。

 当日は、「ミシュランガイド京都・大阪2024」において一つ星として掲載され、京都ハラール評議会より、ハラールメニューを提供するムスリムフレンドリーレストランの認証を取得している、京都の老舗日本料理店「本家 たん熊」の若主人 栗栖純一氏によるハラールの考え方にも配慮した日本料理の提供や、観光施設としても人気が高く、ジャカルタでも非常に有名なレストランHutan Kota by PlataranのCorporate Executive Chef Reiyan Trisandraによる、日本和牛を使用したスペシャルメニューなどを提供。現地メディアやインフルエンサーに加え、現地のシェフなど合計50名以上にご来場いただき、日本和牛のジューシーさと、とろける食感がすごく美味しいなどという声が聞かれ、多くの方に日本産食材の魅力を実感していただく機会となりました。

 また、インドネシアから日本へ訪れる人口は、2024年に約51万7千人を記録*2し、今後も増加が見込まれます。こうした背景の中、本イベントを通じて日本への渡航を検討するインドネシアの方々に向けて、ムスリム向けメディア&実名制口コミレストラン検索アプリ「HALAL NAVI」とタイアップし、イスラム教徒の方々も安心してレストラン選びができる仕組みを本イベントで提供してまいりました。

*1:2024年3月15日公表 日本貿易振興機構「ASEAN主要国における ハラール認証制度比較調査」より

*2:日本政府観光局(JNTO)「訪日外客統計 2024年 国籍別 / 目的別 訪日外客数」より

ハラール認証について

 インドネシアでは、イスラム教徒が安心して口にできる食品やサービスを判断する基準として、国家機関であるBPJPH(ハラール製品保証実施機関)がハラール認証を一元的に管理し、高い国際的信頼を得ています。日本では複数の民間団体が認証を行っていますが、近年は輸出やインバウンド需要の拡大を背景に、インドネシアのBPJPHと海外認証機関(LHLN)との相互承認の動きが進展しています。

 日本国内にもBPJPHにより相互承認を受けた認証団体が存在しており、これらの団体が発行する認証はインドネシアにおいても有効とされています。今後、両国間での承認・連携のさらなる拡大が期待されています。

イベントレポート

■日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO) 小林 栄三 センター長によるご挨拶

 JFOODOは、世界中の皆さまに日本の素晴らしい食材・食品を楽しんでいただきたいという思いから2017年にスタートし、日本食品の価値向上とブランド発信に取り組んでまいりました。

 今回、ジャカルタでイベントを開催した背景には、昨年度だけでも50万人を超えるインドネシアの皆さまに日本を訪れていただき、日本食を堪能いただいているという事実があります。一方で、ハラール対応は十分なのかという不安を抱かれた方もいたのではないかと感じています。

 こうした思いから本イベントでは、安心して日本食の魅力を体験いただけるよう、ハラール対応を最優先に据え、準備を進めてまいりました。21世紀において最も成長が期待される国のひとつであるインドネシアの皆さまに、日本の多彩な味わいを心ゆくまでお楽しみいただける機会を提供できることを、大変嬉しく思っております。

在インドネシア日本国大使館 明珍 充 臨時代理大使によるご挨拶

 ハラールに適応した日本食のおいしさと魅力をより多くの皆さまにお伝えしたいという想いから、本イベントを開催する運びとなりました。日本の伝統的な食文化である和食は、2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。すし、さしみ、天ぷら、うどん、そばなど多彩な料理があり、素材の味を活かす調理法や、美しい盛り付け、四季の食材を取り入れる点が特徴です。魚や野菜を中心とした日本食は低脂肪で栄養バランスに優れ、宗教や文化を超えて多くの方に親しまれています。インドネシアでも4,000店以上の日本食レストランが存在し、広く受け入れられています。今回のイベントを通じ、日本食の魅力とハラール対応の安心感をさらに多くの皆さまに知っていただければ幸いです。

■栗栖 純一氏(本家 たん熊)×Reiyan Trisandra(Hutan Kota by Plataran)による解説

栗栖 純一氏

 今回のイベントで大切にしたのは、すべての料理がハラールのルールに沿って調理されていることです。約15年前、京都のレストランを訪れたムスリムのお客さまが何を食べてよいかわからず、ホテルで本国のカップ麺を食べていたという記事を目にし、胸が痛みました。料理のおいしい京都で、誰もが安心して食事を楽しめる場をつくりたいという想いから、私の店ではハラール対応を続けています。

 ハラール対応には難しさもあります。たとえば味噌や醤油など、一般的な日本の調味料にはアルコールが含まれていることが多く、工夫が必要です。また、今回最初にお出ししたお造りは、実は最も難しい料理のひとつです。生の魚をただ切るのではなく、包丁の切れ味を活かし、いかに細胞を潰さず、美しい断面で切るかが重要です。こうした食材を生かした繊細な技術も、日本料理の魅力だと考えています。

Reiyan Trisandra氏

 インドネシアで親しまれているサテには、一般的に現地産の牛肉やニュージーランド産の肉が使われますが、今回はすべて日本和牛でご用意しました。一見シンプルな料理に見えて実は難しく、肉の選び方を誤ると固くなってしまいます。質の高い日本和牛を用いることで、インドネシア特有の甘辛い味付けと、日本和牛ならではの柔らかさと旨味が調和した特別な一品に仕上げ、ローカルテイストと日本のプレミアム品質の両方を楽しんでいただけるよう工夫しました。

■ハラールの考え方にも配慮したメニュー

OTSUKURI(Sashimi)
WANMONO(Soup)
YAKIMONO(Grilled dish)
日本和牛を使用したサテ
GOHAN(Rice)
MIZUMONO(Dessert)

■トークセッション

 トークセッションでは、元JKT48第1期メンバーのMelodyさんとインドネシアの著名なセレブリティシェフであるAiko Sarwosriさんが日本食の魅力やハラール対応の進化について語りました。

日本食の印象について、Melodyさんは「日本食はいつも美味しく、特に日本和牛はジューシーでやわらかい」と絶賛。Aikoシェフも「全部、美味しい。グッドジョブ!」と笑顔で応じ、日本食の品質の高さを称賛しました。

 ハラール対応の日本食を見つけるのが難しかった当時を振り返り、Melodyさんは「寿司や刺身、たまごなど限られたものしか選べなかったが、今は安心して日本産食材を選べる」と語りました。また、Aikoシェフも「HALAL NAVIなどのアプリで簡単に検索できるようになった」と変化を実感していました。
 日本を訪れたいかという問いにMelodyさんは「食べ物は私たちを幸せにする。今はハラール認証の料理が多く、品質も高いので安心して楽しめる。」とコメント。Aikoシェフは「夫はハラールに厳格だが、今は気軽に選べる環境になり、いつでも日本に行ける。」と期待を語りました。ハラール対応が進んだことで、日本食をより自由に楽しめる時代になったことを感じるセッションとなりました。

■日本人シェフ プロフィール

栗栖 純一

日本の京都の老舗「本家 たん熊」若主人。京料理の伝統を基盤に、現代の食文化や国際的な感性を取り入れた新しい日本料理の表現を追求している。国際ソムリエ資格を持ち、「京料理の伝統」と「食の多様性(ハラール・フタンコタ等)への対応」を両立させた新世代の料理人として国内外で活躍。国内外の公式行事や食文化交流イベントにも多数参加し、日本料理の魅力と文化的価値を広く発信している。現在は京都を拠点に、後進の育成とともに、伝統的な京料理の伝承、日本食を通じた国際的な理解促進に取り組んでいる。

■インドネシアシェフ プロフィール

Reiyan Trisandra

プラタラン・インドネシア コーポレートヘッドシェフ。2016年の入社以来、「自然・文化・地域社会」を理念に掲げるプラタランの料理哲学を体現し、インドネシア料理の豊かな伝統と革新を融合させてきた。ボロブドゥール、メンジャンガン、コモド、フタンコタなど主要施設の立ち上げに携わり、各ブランドの料理アイデンティティ確立に貢献。2020年より現職として、全店舗およびケータリング部門を統括。第7代インドネシア大統領ジョコ・ウィドド氏の専属シェフも務め、G20、ASEAN首脳会議など国際的な晩餐会でも料理を提供。伝統と現代性を調和させた彼の料理は、多くの人々を魅了している。

■インフルエンサー プロフィール

Melody Nurramdhani Laksani

元JKT48第1期メンバー(2011年~2018年)。パジャジャラン大学農業工学科卒業。2018年より日・ASEAN食料・農業友好親善大使として、日本の食と農業分野の協力促進や発信活動に携わっている。

Aiko Sarwosri

料理界とエンターテインメント業界の両方で活躍するインドネシアの著名なセレブリティシェフ。数多くの料理番組やライフスタイル番組に出演し、創造的なインドネシア料理のアプローチと魅力的なパフォーマンスで高く評価される。テレビ司会者、ゲスト出演者、料理コンテストの審査員としても幅広く活動。インドネシア産の食材の魅力を発信し、伝統料理を現代的にアレンジすることに情熱を注いでいる。

■開催概要

イベント名称

AUTHENTIC CULTURAL DINING

Japanese food meets halal

主催

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)

開催日

2025年11月13日(木)

会場

Hutan Kota by Plataran – Melati Glass House

登壇者

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)センター長 小林 栄三

在インドネシア日本国大使館 臨時代理大使 明珍 充

日本人シェフ 栗栖 純一(本家 たん熊 若主人)

インドネシアシェフ Reiyan Trisandra(Hutan Kota by Plataran Corporate Executive Chef)

Melody Nurramdhani Laksani(元JKT48第1期メンバー/日本食普及の親善大使)

Aiko Sarwosri(シェフ/モデル/TV司会者/女優)

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)について

「日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)」は、2017年4月1日付で設立された、日本産農林水産物・食品のブランディングのためにオールジャパンでの消費者向けプロモーションを担う組織です。日本の農林水産物・食品の更なる輸出拡大のためには、海外での更なる需要創出が必要です。JFOODOは、海外消費者向けのプロモーション強化を通じて需要を喚起し、日本の農林水産物・輸出拡大に貢献してまいります。

ウェブサイト:https://www.jetro.go.jp/jfoodo/

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会社概要

URL
https://www.jetro.go.jp/jfoodo/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区赤坂1丁目12-32 アーク森ビル
電話番号
-
代表者名
小林栄三
上場
未上場
資本金
-
設立
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