「作り手が見えない」食の現場を変える。食品製造業として初めて種麹メーカーがFactory Pride Associationに参画
一社の問題提起から業界を越えて、作り手の誇りと技術に光を当てる。

麹菌の研究と技術開発を行う株式会社ビオック(本社:愛知県豊橋市、代表取締役社長:村井三左衛門)は、2026年7月1日、日本の製造現場をアップデートすることを目指す一般社団法人Factory Pride Association(FPA)に、食品製造業として初めて参画しました。
当社はこれまで、外からは見えにくい食品製造の現場と、そこで働く人や技術の価値を、広く社会に伝えるための発信を続けてきました。今回の参画は、この取り組みを業界全体へと広げるものです。
食品製造業が抱える構造課題
食は、私たちの暮らしに欠かせない営みです。しかし、それらを生み出す製造現場は、「顔の見えない裏方」として扱われ、存在や価値が社会から見えづらくなっています。
高い技術に支えられた日本の食品製造は、工場という閉じた空間の中にあり、担い手の姿も、技術の価値も、外に伝わることがありません。さらに、人手不足や原材料高騰といった外部環境の変化が重なり、優れた技術が次世代に継承されず、産業そのものが衰退しかねない危機も広がっています。
ものづくりを支えているのは、現場に立つ一人ひとりの「人」です。その担い手が誇りを持ち、正当に評価されなければ、産業は続きません。「食品製造業のプレゼンスをどう高めるか」、これは業界全体で向き合うべき社会課題です。
FPA参画の背景と意義
この課題に、当社も当事者として長年向き合い、発信を重ねてきました。食品製造業として初のFPA参画は、問題意識を一社の取り組みに留めず、業界の枠を超えた開かれた仕組みの中で議論し、社会に実装していくための第一歩です。
FPAが掲げる「工場を、誇ろう。」という理念や、製造業で働く人の誇りと技術を可視化しようとする姿勢は、当社がかねて訴えてきた「発酵は、人と技術によるデザインである」という考えと一致しています。FPAの場を通じて、種麹メーカーならではの視点から業界横断の対話や「誇れる工場」づくりに取り組み、食品製造業全体のプレゼンス向上に貢献してまいります。
一般社団法人Factory Pride Associationとは
一般社団法人Factory Pride Association(FPA)は、「工場を、誇ろう。」を理念に掲げ、2025年6月に設立されました。ものづくりの現場で働く一人ひとりの誇りと、そこで培われてきた技術に光を当て、製造業のプレゼンスを社会の中で高めていくことを目的としています。
活動の柱は、業種の垣根を越えて経営者や現場が学び合う年次カンファレンス「Factory Pride Summit」、優れた取り組みを称える「Factory Pride Award」、互いの現場を訪ね合う「Factory Tour」の3つ。金属加工・部品製造・鋳造をはじめ、規模も業種も異なる製造業の企業が会員として参画し、3年間で会員500社を目標に活動を広げています。
「つくる誇りを次の世代に。」——FPAは、ものづくりに携わるすべての人が自らの仕事に誇りを持ち、その姿が社会から正当に評価される未来を目指しています。
これまで参画企業は金属加工や部品製造などの分野が中心であり、食品製造業からの参画は、ビオックが初となります。
FPAご担当社様コメント
株式会社ビオック様を、Factory Pride Associationの仲間としてお迎えできること、心より嬉しく思います。室町時代から続く糀屋三左衛門の技を受け継ぎ、麹菌という目に見えない世界のものづくりへと発展させてこられた歩みは、私たちが掲げる「つくる誇りを次の世代に」という理念に深く重なります。
これまで金属加工や部品製造を中心に広がってきたFPAに、食品製造という新たな現場が加わることは、「工場を、誇ろう。」という言葉が業種の垣根を越えて響き合っていく、大きな一歩です。食を支える現場の技術と誇りにも光が当たることで、製造業全体のプレゼンスはさらに厚みを増していくはずです。ビオック様とともに、その未来をつくってまいります。
当社のこれまでの取り組み
当社は、室町時代から約600年続く種麹屋・糀屋三左衛門の名を受け継ぎ、グループ企業として麹菌の研究・技術開発を行ってきました。グループでは、種麹づくりで培った知見を土台に、食に携わる人とその仕事の価値を社会に伝える講演や自主イベントを続けてきました。
2026年2月には、糀屋三左衛門として、食品製造業の現場をテーマにしたシンポジウム「KOJI THE KITCHEN Academy vol.6」を開催。全国から集まった作り手や業界のリーダーとともに、作り手の技術や誇りに正当な光を当てることの意義について議論を交わしました。
こうして重ねてきた一連の取り組みの延長線上に、今回のFPA参画があります。
▼「KOJI THE KITCHEN Academy vol.6」当日の詳細
https://kojiyasanzaemon.store/blogs/koji-the-kitchen/event-report_ktk260221
ビオック代表取締役社長・村井三左衛門コメント
私たちは創業以来約600年、種麹を通じて全国の作り手の皆さまとともに、日本の食を支えてきました。その歩みのなかで感じてきたのは、日本の食品製造の本当の強み、そして「伝統」は、再現性と安定した品質を追い求める中で培われた"技術"と、それを受け継ぐ"人"にある、ということです。
その価値は、これまで十分に社会へ届けられてきたとは言えません。私たちはこの課題に向き合い、発信を続けてきました。食品製造業として初めてFactory Pride Associationに参画したのは、この取り組みをさらに大きな動きへと広げていきたいと考えたからです。
業界の垣根を越えた仲間とともに、食を支える現場の一人ひとりが、より一層自らの仕事に誇りを持ち、その姿が社会から適切に評価される産業となることが、食品産業の未来を次世代に繋ぐために必要不可欠だと考えています。その未来に向けて、私たちにできることを果たしてまいります。
会社概要

株式会社ビオック (http://www.bioc.co.jp)
代表取締役社長:村井三左衛門
所在地:愛知県豊橋市牟呂町内田111-1
室町時代に京都で創業した糀屋三左衛門の種麹(麹菌)造りの知見をベースに創業した、微生物の研究開発企業。約3000社の味噌・醤油・清酒・焼酎などの醸造メーカーとの取引実績を誇り、種麹を製造・販売するほか、特殊原料を活用した麹素材開発や、共同研究を推進している。世界的なミシュランレストランや、国際規模の食品メーカーをはじめ、世界45ヵ国以上への出荷実績を持つ。
グループ企業の糀屋三左衛門では、キッチンスケールの種麹や麹、甘酒販売のほか、麹というテーマを軸にした「KOJI THE KITCHEN アカデミー」のイベント企画運営や、麹の正しい知識を普及するための教育事業として「麹検定」を実施している。
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