23卒新入社員の「パワハラ」「セクハラ」に対する意識調査の実態 該当する行為を、誤りなく選択できたのは「パワハラ」65.0%、「セクハラ」37.1%にとどまる
〜「ハラスメント」、誤解したまま覚えていない? 46.1%の企業が「ハラスメント」に関する研修予定がないと回答〜
調査概要
調査概要:23卒新入社員のハラスメントに関する意識調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年5月25日〜同年6月9日
有効回答:2023年4月に入社した会社員280名(男性130名:女性150名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
23卒新入社員の9割以上が「パワハラ」「セクハラ」を認知していると回答
2022年4月より、すべての事業主を対象にパワハラ防止措置が義務化されています。
23卒新入社員が入社して2ヶ月経ちましたが、23卒新入社員が「ハラスメント」についてどう捉えているのかを調査しました。
まず、「ハラスメント」という言葉を聞いた経験(n=280)について質問したところ、「ある」が91.2%と高い割合に。また、内容までよく理解しているハラスメントの項目として、「セクハラ」「パワハラ」が9割以上を占める結果となりました。また、「ハラスメント」という言葉を聞いたことがある方の約7割が「職場でのハラスメント防止策が、法律上、企業に実施する義務があること」も知っており、ハラスメントに関して、多くの方への認知が進んでいる実態が明らかになりました。
パワハラに当てはまるものはどれ? 第1位「ミスしたときに、「こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!」と怒鳴られた」
そこで、認知が高かった「パワハラ」と「セクハラ」について、具体的なシチュエーションを提示し、ハラスメントと感じるかどうかを聞いてみました。
職場で「パワハラ」だと感じるシチュエーション(n=280)として、「ミスしたときに、「こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!」と怒鳴られた」が65.0%、「仕事ができないことを理由に、今月末で自主退職をしろと指示された」が61.1%と2トップに。実際にハラスメントに該当するのか、ハラスメント対策専門家としての見解も交えてお伝えすると、前者は、繰り返せばパワハラに該当しますが、後者においては、これだけの内容では直ちにパワハラに該当するとは言えません。以降の項目はどれもパワハラには当てはまらず、正しいパワハラの理解がされているとは言えない結果となりました。
<正しい「パワハラ」アンサー|弁護士監修> ・ミスしたときに、「こんなこともできないなら、小学生からやり直せ!」と怒鳴られた →繰り返せばパワハラに該当する ・仕事ができないことを理由に、今月末で自主退職をしろと指示された →これだけではパワハラには該当しない ・同僚の前で(みんなの見ている前で)上司から、遅刻したことを叱られた →これだけではパワハラには該当しない ・経験のない難しい仕事をするように指示された →パワハラには該当しない ・リモートワークの予定だったのに、前日になって出社するように命じられた →パワハラには該当しない ・毎日忙しいのに、上司から新しいプロジェクトにも参加するように命令された →これだけではパワハラには該当しない ・自分が苦手に感じる仕事を命じられた →パワハラには該当しない ・自宅からリモート会議に参加した際、顔を映すように(カメラオンにするように)指示された →パワハラには該当しない |
セクハラに当てはまるものはどれ? 第1位「体をじろじろと見られた」、第2位「上司から2人きりで食事に誘われた」
一方、「セクハラ」だと感じるシチュエーション(n=280)については、「体をじろじろと見られた」が58.2%、「上司から2人きりで食事に誘われた」が39.3%という結果が出ました。しかし、どちらもこれだけでは「セクハラ」には該当しません。結果として、Q2で9割以上が理解していると回答した2つのハラスメントに対しても、誤った理解をしていることが判明しました。また、仮に自分がハラスメント被害に遭った場合のとるべき対応について(n=280)も5割超が、「あまり知らない」と回答しています。
<正しい「セクハラ」アンサー|弁護士監修> ・体をじろじろと見られた →これだけではセクハラには該当しない ・上司から2人きりで食事に誘われた →これだけではセクハラには該当しない ・飲み会の席で交際経験を質問された →セクハラに該当する ・肩に「ポン」と手を置かれた →これだけではセクハラには該当しない ・懇親会で、上司の恋愛体験談を聞かされた →卑猥な内容であればセクハラに該当する ・髪を切った翌日、「髪切ったんだね」と先輩から言われた →セクハラには該当しない ・「その服よく似合うね」と嫌いな先輩から言われた →セクハラには該当しない |
約半数が勤務先で「ハラスメント」に関する研修を受けた経験/予定がないと回答
これらを裏付けるように、お勤め先での「ハラスメント」に関する研修について(n=280)は、約5割の方が「ない」と回答しています。
ハラスメントに対し、”理解しているつもり”の方が9割を超えている一方で、正しくハラスメントのシチュエーションを回答できた方は「パワハラ」で65.0%、「セクハラ」で37.1%に留まっていることから、ハラスメント研修が十分でない状態のままでは、上司は業務上正しい指導がしにくく、会社全体の成長にも影響することが懸念されます。
まとめ
社会人になりたての新入社員は、入社した途端先輩社員や上司に教わることばかりです。ところが、上司として当たり前に注意したことであっても、「パワハラを受けた」と相談窓口に駆け込んでくる若手の部下が増加し、対応に困っているという声を多く聞くようになっています。そこで本調査では、23卒の新入社員を対象に「ハラスメント」についての捉え方を調査しました。
結果としてわかることは、新入社員が「パワハラ」「セクハラ」について“理解したつもり”になっていることです。「パワハラ」(93.3%)や「セクハラ」(92.9%)についてよく理解していると回答する一方で、具体的な「パワハラ」「セクハラ」のシチュエーションで該当行為に当てはまる選択肢を選べた方は、「パワハラ」で65.0%、「セクハラ」で37.1%となりました。
各シチュエーションで見解も述べているとおり、ハラスメントについての正しい理解や知識が足りていない実態が露呈。ご自身が「パワハラ」「セクハラ」だと受け取った時点で、「パワハラ」「セクハラ」であると理解しているようです。
早いうちに正しい理解を促さないと、今後大きな問題に発展することが危惧されます。
様々な価値観を持った人が集まる会社組織においては、上司だけが正しい知識を持っていても指導育成はうまくいきません。指導される側においても、正しい知識を身につける必要があると思います。
事実、「ハラスメント」に関する研修については、約半数が受講の経験・予定が「ない」ことが明らかに。企業は、全従業員が「ハラスメント」を正しく理解し、知識を常にアップデートし続けられる環境整備に尽力する立場にあります。事業主と従業員とが、ハラスメントに対する共通認識を持つことで、従業員のメンタルヘルスが正常に保たれ、組織力も向上するのではないでしょうか。
会社概要
名称 :ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社
所在地 :神奈川県横浜市瀬谷区本郷1-54-4 アムールA&A204
代表 :山藤祐子(ざんとう ゆうこ 旧姓:倉本)
事業内容:企業研修、キャリアカウンセリング、企業コンサルティング
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