メルク、ユニティSCを買収人工知能半導体向けの製品提供を強化
●半導体向け計測・検査装置メーカーであるユニティSCは、半導体の測定・検査装置の革新的なプロバイダーとして、マイクロチップおよび化合物半導体ウェーハ向けの先端パッケージングやヘテロジニアス・インテグレーション用のプロセス制御ソリューションを提供
●メルクの広範なオプトエレクトロニクスと半導体の専門知識にユニティSCの計測技術が加わることで、メルクのエレクトロニクス・ビジネスの可能性を拡大
●メルクの提供する半導体プロセス材料と先端パッケージングにおけるソリューションはAI向けを含む先端半導体製造において不可欠な技術
2024 年 7 月 18 日、ドイツ・ダルムシュタット発 – 世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業であるMerck(以下メルク)は、半導体業界向けに計測・欠陥検査装置を提供する仏Unity-SC(以下ユニティSC)を、1億5,500万ユーロと今後の業績に応じた中間報酬で買収する意向を発表しました。メルクとユニティSCの技術を組み合わせることで、半導体デバイス製造のための高付加価値ソリューションをグローバルで提供できるようになります。
人工知能(AI)、ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)、広帯域幅メモリ(HBM)や化合物半導体には、信頼性、品質、コストを改善し製造における歩留まり向上のための計測・検査ソリューションが求められ、特にヘテロジニアス 3D 先端パッケージングデバイスの製造においては不可欠となっています。フランス、グルノーブル近郊のモンボノ・サン・マルタンに拠点を置くユニティSCは、約160名の従業員を擁し、うち70名が研究開発に従事しています。
メルクの経営執行委員会会長兼CEOのベレン・ガリーホは次のように述べています。「ユニティSCの買収により、我々の半導体業界向けの科学技術主導のポートフォリオを補完できます。これにより、メルクは次世代半導体を開発するお客様のための包括的ソリューションプロバイダーとなることができ、AI市場がもたらすビジネスチャンスを成長に取り込む可能性を高めてくれます」
メルクの経営執行委員兼エレクトロニクス・ビジネスCEOのカイ・ベックマンは次のように述べています。「ライフサイエンス業界における製造機器や計測器と同様に、3D計測ツールが半導体材料業界を牽引すると期待しています。今回、当社のポートフォリオに計測技術が加わることで、お客様の課題を効果的に解決するための、より多くの材料とソリューションを提供できるようになります。最先端ノードとヘテロジニアス・インテグレーションの双方を活用し、お客様がムーアの法則に則って微細化・高集積化を追求するのをサポートできます」
ユニティSCの最高経営責任者(CEO)であるダン・リー氏は次のように述べています。「メルクの半導体材料製造に関する幅広い知識、オプトエレクロニクスの専門知識、ライフサイエンス機器のノウハウを組み合わせることでメリットが得られます。メルクと共に価値あるソリューションを創出し、両社の共通のお客様に貢献できます。お客様と密接な関係を保ちつつ、半導体業界に幅広い製品を提供するグローバル企業の一員になれることを楽しみにしています」
AIアプリケーションで生成され、絶えず増加し続けるデータ量へ対応するため、半導体は今後、より高速かつ強力で、より高いエネルギー効率を備えることが不可欠です。AI半導体においても、トランジスタはより高密度で集積され、迅速な応答が求められており、かつてないレベルの材料とアーキテクチャの革新が必要とされています。ユニティSCは、先端パッケージング、ヘテロジニアス・インテグレーション、ハイブリッド・ボンディング、および化合物半導体アプリケーションのイノベーターであり、大量生産を実現するための配線接続検査や計測に適した3D光学計測ソリューションを提供できる稀有な企業の1つです。量産時の歩留まり向上には、チップレットやデバイスなどの、すべてのコンポーネントを迅速に測定・検査することが鍵となります。
今回予定されている買収にはフランス労働評議会の協議が必要であり、今後も規制当局の承認やその他の条件を満たすことが求められます。関連要件を満たすことを条件に、買収は2024年末までに完了する見込みです。
Unity-SCについて
Unity-SCは、差別化されたプロセス制御ソリューションを提供することで、お客様の歩留まりを向上し、製造を加速化することを使命としています。Unity-SCは、先端技術を重視し、環境を意識した多文化で活気あふれる企業です。先端パッケージングと化合物半導体の分野の急速な成長に、イノベーションスキル、特許技術、アプリケーション開発における顧客との緊密な協力関係を基に対応しています。160人の従業員を擁し、フランスのグルノーブル近郊に本社を置き、米国、韓国、日本、中国本土、台湾、欧州に顧客を持ちます。現在、Fogale Nanotech、JOLT Capital、Supernova、French Tech Souveraineté、および経営陣によって所有されています。
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。がんや多発性硬化症のためのバイオ医薬品を用いた治療法から、科学研究と生産に関する最先端システム、スマートフォンや液晶テレビ向けの液晶材料にいたるまで、約63,000人の従業員が人々の暮らしをより良くする技術の一層の進歩を目指しています。2023年は65カ国で210億ユーロの売上高を計上しました。
メルクは1668年に創業された世界で最も歴史の長い医薬・化学品会社で、創業家が今でもグループを率いる上場企業の株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国ではEMDセローノ、ミリポアシグマ、EMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。
メルクエレクトロニクス株式会社について
メルクエレクトロニクス株式会社はメルクのエレクトロニクス・ビジネスの日本法人です。半導体製造用特殊化学品の研究開発、販売、液晶材料の輸入販売を行っています。エレクトロニクス・ビジネスの詳細についてはウェブサイトをご覧ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。