相手の仕事を思い描くところから。「相手の立場から勝手に想像する訓練™」

提案したのに返事がない。説明したのに仕事が進まない。相手が次に進めたい仕事から、自分の関わり方を考える。

組織行動科学®︎

2026年10月25日 改訂|発表当時の実践・観察と開発の経緯を残し、仕事の場面から現在の資料を選べるよう、説明と参照先を整えました。発表当時の日時と元の表紙を保持しています。

提案書を送ったのに返事がない。依頼には応えてくれたが、その後の仕事が進まない。そんなとき、相手が受け取った後に何を決め、何をしようとしていたかに目を向けると、関わり方を考える手がかりが見えてきます。2021年に発表した本プログラムは、顧客・他部署・部下の仕事を思い描く経験を、日々の仕事の中につくる訓練として開発しました。

実験・検証とOJTの現場から生まれた訓練

「相手の立場から勝手に想像する訓練™」は、クライアントとの実験・検証で、知識とスキルを与えるだけでは自分で相手の問題を解く仕事につながりにくかったことから開発しました。当時の現場では、流暢にプレゼンをしても結果につながらない、研修で学んだことが使われない、ヒアリングやSFAへの入力そのものが仕事の目的になる、といった状況を捉えています。2021年3月19日の原発表では、こうした現場への関わりから、相手の立場で考えることが仕事中の習慣になっている人を「10人中1人いるかいないか」と整理しました。

当時は全3回・各4時間の訓練として、社員数30,000人の組織から年商30億円の中堅企業まで導入されていました。扱ったのは、相手はどう反応しそうかを想像すること、うまくいかなかった自分の行動・思考を見直すこと、その背景にある相手の感情や心理を考えることです。職場のOJTが機能している組織では、リモートワークが広がるなか、管理者が相手の立場を想像させる問いを意図して増やしていたことも、原発表に記しています。

初めの想像は仮説です。実際に相手へ関わると、想像していなかった事情が分かる。相手と仕事を進めるなかで、必要なことを構想して提案し、さらに相手を知っていく。この往復を、顧客・他部署・部下との仕事に組み込んだことが、当時からの取り組みです。

想像と対話を考える、研究との接点

Eyal, Steffel & Epley(2018)Perspective mistaking

一次研究を読む

Eyalら(2018)は、他者の感情や好みの理解を対象に、想像することと、本人と直接会話して情報を得ることを比較しました。一連の実験の最後には、直接会話して相手の見方を得た条件で、理解の正確さが高まる結果を示しました。初めの想像を結論にせず、相手へ関わって理解を増やす点で、当社の訓練を考える手がかりになります。研究と職場の訓練では対象・条件が異なるため、どんな想像をし、相手から何を知り、関わり方をどう変えたかを一件ずつ見ていきます。

想像を、相手に確かめる問いへ

図:相手への仮説から関わり、理解を増やし、共働と提案へ進む。

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相手の利益を、具体的な仕事の場面へ

当時の訓練では、①相手が実際に言っていたことを思い出す、②相手が日常している行動と思考を想像する、③見えない感情や心理を想像する、④相手が今後どうなっていくかを想像する、という四つの段階も整理しました。聞いた事実を足場に、まだ分からないことを見つけて相手へ関わる。この着想を、現在の提案や引き継ぎにも生かせます。

相手の利益は、金額だけではありません。社内説明に使える情報が揃う、次の担当者に相談できる、予定を決められる。誰のどの仕事が前へ進むと相手の役に立つのかを、具体的に思い描きます。

想像したことを、次の対話の手がかりにする

当時の実践とは別に、使い方を伝えるために組み立てた説明用の例です。営業担当者は、返事のない顧客を「価格が合わないのだろう」と考えていました。顧客の使い道を聞くと、社内説明のために、導入後の運用負担を知りたいことが分かりました。次に用意するものは、値引きの案ではなく、誰の作業がどう変わるかを比べる資料でした。

自分も似た見方をしていたかもしれない、と感じたら、「相手を、どう見ていたか。」の四つの場面を眺めてみてください。最近の対話に近いものを選ぶだけでも、自分の想定と、実際に聞けたことの違いを考え始められます。

一つの受け渡しから、相手の仕事を知る

まず、最近送った提案書や引き継いだ資料を一つ思い出します。「相手は、これを使って何を決めるのだろう」。思い描いたことのうち、本人からまだ聞いていない一つを次の対話に持っていきます。相手の説明を得たら、資料や頼み方のどこを変えるかを一緒に考えます。

相手がいま使っているもの、迷っている箇所、説明が必要な相手を見せてもらうことも、一つの始め方です。相手の仕事に触れるほど、最初は思い浮かばなかった問いや、必要な支援を見つける材料が増えます。

想像の先に、相手と進める一歩をつくる

提案・指導・引き継ぎの進め方まで考えたい方には、「相手の仕事から、考え始める。」を公開しています。自分が渡したものと、相手がその後に進める仕事を並べる図解から、ご自身の一件に近い場面を選べます。

長い振り返り文を書くところから始める必要はありません。資料を眺めて「ここは近い」「ここはまだ聞けていない」と感じる一箇所を選び、次の対話で何を聞くかに結びつけてみてください。

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現在の発行主体と公開方針(2026年10月25日追記)

リクエスト株式会社は、980社・33.8万人の働く人のデータを基盤に、組織行動科学®の研究・教育開発を行っています。「成果につながる方法を、本人が使える仕事へ。」を軸に、仕事の問いから使える図解資料と実践の場を公開しています。

会社名:リクエスト株式会社

代表者:代表取締役 甲畑 智康(こうばた ともやす)

本社:東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F

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メール:request@requestgroup.jp

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会社概要

URL
https://requestgroup.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
電話番号
090-4183-2525
代表者名
甲畑智康
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年10月