臨床組織科学(COS)の神経基盤設計──Neural Base Designと習慣形成・信頼形成・身体的気づき

神経基盤設計は脳への直接介入ではない。習慣形成、信頼形成、動機持続、身体的気づきを組織リズムに翻訳する基盤層。

ドロア

Neural Base Design(神経基盤設計)は、Field Gradient TheoryとLoop Conversion Designが機能するための基盤層として、可塑性、親和的絆形成、動機持続、身体的気づきを日次・週次・月次の組織リズムへ翻訳する。

複雑系科学と神経科学を基盤に、組織の「見えない相互作用構造」を観察し、設計する研究実践ファーム、株式会社DroR(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山中真琴)が国際学術誌『Frontiers in Psychology』で公開した論文は、臨床組織科学(Clinical Organizational Science、以下COS)の中核技法としてNeural Base Design(神経基盤設計)を定式化しています。


本論文に関する英語ニュースリリースはEurekAlert!で配信され、COS全体の問題提起は海外科学ニュースサイトPhys.orgでも紹介されています。本リリースでは、その中核技法の一つであるNeural Base Designを、習慣形成・信頼形成・動機持続・身体的気づきの観点から整理します。


本論文に関する英語ニュースリリースはEurekAlert!で配信され、COS全体の問題提起は海外科学ニュースサイトPhys.orgでも紹介されています。本リリースでは、その中核技法の一つであるLoop Conversion Designを、3Good1Moreとフィードバック循環構造の観点から整理します。

■ 臨床組織科学(COS)の固定定義

臨床組織科学(Clinical Organizational Science, COS)は、複雑系科学・神経科学・組織心理学・行動科学を統合し、組織の安定状態を能動的に再生産する相互作用構造を理論化し、その構造に介入するためのフレームワークです。COSは、組織変革を「個人の行動変容」ではなく「組織アトラクターの遷移」として捉え、中核技法として Field Gradient Theory、Loop Conversion Design、Neural Base Design を提示します。個人の習慣化と組織レベルの変化をつなぐ概念として、emergence bridge(創発の橋)を提案しています。

■ Neural Base Designは、COSの基盤層である

Neural Base Designは、Field Gradient TheoryやLoop Conversion Designと並列の技法ではなく、それらが機能するための基盤層です。


信頼、心理的安全性、反復的な組織リズム、ポジティブな関係的経験が形成されていない状態で上層技法を導入すると、場の勾配は圧力として、フィードバックは批判として知覚される可能性があります。


したがって、COSの実装順序は明確です。まず、Neural Base Designによって関係的・行動的基盤を形成する。その上で、Field Gradient TheoryやLoop Conversion Designを導入する。この順序が崩れると、構造的介入は効果を持たないだけでなく、既存アトラクターを強化する可能性があります。

■ 神経基盤設計は、神経への直接介入ではない

Neural Base Designという名称は、誤読されやすい名称です。しかし、COSは神経活動の測定や操作を行いません。脳波、fMRI、神経刺激、薬理学的介入は用いません。


ここでいう「神経基盤」とは、神経状態そのものではなく、習慣形成、信頼形成、身体的気づき、動機持続と整合する行動実践の構造を指します。神経科学は、これらの実践がなぜ自己持続性を持ちうるのかを説明する理論的枠組みです。


Phys.orgでの紹介においても、COSは神経測定、神経画像、神経刺激、不透明な操作を含まないことが説明されています。これはNeural Base Designを「脳への介入」ではなく、組織内の反復的な行動実践を設計する基盤層として扱うための重要な境界です。

■ 神経基盤設計の4つの軸

Neural Base Designは、以下の4つの軸で構成されます。

英語

役割

可塑性軸 

Plasticity Axis

新しい行動を反復により習慣化する

親和的絆形成軸

Affiliative Bonding Axis

感謝・承認を通じて信頼と心理的安全性を支える

動機持続軸

Motivational Sustenance Axis

予測可能な承認・報酬構造により参加を持続させる

身体的気づき軸

Somatic Awareness Axis

身体状態を集合的センスメイキングの資源にする

可塑性軸は、Kandelの神経可塑性研究とFoggの行動設計に基づき、新しい行動を既存の業務リズムにアンカーさせ、反復可能な形にします。

親和的絆形成軸は、感謝表現や肯定的相互作用を組織リズムに組み込み、信頼と心理的安全性を支える関係的条件を形成します。

動機持続軸は、予測可能な承認や小さな達成感を組織リズムに埋め込み、参加が外部強制に依存しない状態を目指します。

身体的気づき軸は、ストレス、緊張、違和感など、通常は言語化されにくい身体状態を、集合的なセンスメイキングの資源として扱えるようにします。

■ 日次・週次・月次の組織リズム

Neural Base Designは、単発の研修ではなく、組織リズムとして実装されます。


日次リズム:短い朝の構造化された時間

 感謝の共有、身体的チェックイン、今日の意図設定を行います。目的は、大きな議論ではなく、一日の相互作用の基盤を整えることです。

週次リズム:構造化されたチームレビュー

3Good1More、相互作用パターンの振り返り、問題共有、センスメイキングを行います。Loop Conversion Designが組織内に埋め込まれる主要な場です。

月次リズム:拡張されたリトロスペクティブ

組織優先事項、蓄積されたストレス、関係性の変化、アトラクター指標の変化を振り返ります。COS介入アーキテクチャ全体のレビュー点として機能します。

Neural Base Design(神経基盤設計)の概念図。脳への直接介入ではなく、可塑性、親和的絆形成、動機持続、身体的気づきの4軸を、日次・週次・月次の組織リズムに翻訳し、Field Gradient TheoryとLoop Conversion Designを支える基盤層として位置づける。

■ 臨床的姿勢との接続

Neural Base Designは、単発の外部助言では機能しにくい技法です。日次・週次・月次のリズムに埋め込まれるため、実践者は組織の内側で継続的に観察し、調整する必要があります。


この点で、Neural Base DesignはCOSの「臨床」という姿勢と深く結びついています。組織の外側から診断し、処方箋を渡すのではなく、組織の中で実践がどのように受け取られ、どこで抵抗が起き、どのように習慣化していくかを観察し続ける必要があります。

■ 本論文の位置づけ:概念分析としての理論提唱

本論文は、Conceptual Analysis(概念分析)として発表された理論提唱論文です。COSの各技法は、現時点で効果が実証済みであると主張するものではありません。既存の分散した科学的知見を統合し、組織変革を構造的介入の問題として捉え直すための理論枠組みと、今後検証・反証されるべき命題を提示するものです。

■ 代表・山中真琴コメント

Neural Base Designは、COSの中で最も地味で、同時に最も重要な技法です。場の勾配やループ変換のような上層技法は、関係的基盤がなければ機能しません。


組織変革では、すぐに大きな介入をしたくなります。しかし、まず必要なのは、日々のリズム、応答、感謝、身体的気づき、信頼の蓄積です。


これは派手な技法ではありません。けれど、組織が別の状態へ移るための土台は、こうした反復的な実践の中でしか作れないと考えています。

■ 次回予告

明日5月15日10時に「臨床組織科学(COS)の創発の橋──emergence bridgeが個人習慣と組織変革をつなぐ仕組み」を配信します。個人の習慣化された行動が、相互作用レベルを経て、組織アトラクターの遷移へどのように接続されるかを詳述します。

■ 掲載誌について

本論文は、心理学分野の国際査読誌『Frontiers in Psychology』Organizational Psychologyセクションに掲載されました。同誌は心理学・認知科学・組織心理学などの研究を扱うオープンアクセス学術誌であり、本論文はConceptual Analysis(概念分析)として公開されています。

■ 論文情報

  • タイトル: Clinical Organizational Science: An Integrative Framework for Structural Intervention in Complex Organizations

  • 和題: 臨床組織科学:複雑組織における構造的介入のための統合的フレームワーク

  • 著者: Makoto Yamanaka, Masaya Nakamori (両名とも株式会社DroR所属)

  • 掲載誌: Frontiers in Psychology, Section: Organizational Psychology, Volume 17 (2026)

  • 論文種別: Conceptual Analysis(概念分析)

  • DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1827324

  • 公開日: 2026年4月30日

  • 査読: 編集者および査読者による国際的な査読プロセスを経て採択

  • ライセンス: Creative Commons Attribution License (CC BY) ※オープンアクセス

  • 掲載URL: https://doi.org/10.3389/fpsyg.2026.1827324

■ 株式会社DroRについて

株式会社DroRは、複雑系科学と神経科学を基盤に、組織の「見えない相互作用構造」を観察し、設計する研究実践ファームです。臨床組織科学(COS)を理論的支柱とし、高度専門BPO(財務・HR・PM)、組織開発、ウェルビーイング、DX支援を統合的に提供しています。BPO契約を通じて組織内部に継続的に関与する「臨床的」スタンスにより、研究と実践を分離せず、現場から理論を生み、理論を現場へ返す循環を重視しています。
DroRでは、代表取締役・山中真琴を中心に、組織実践・社会実装・対外発信と、論文執筆・理論構築・研究開発を往復させることで、研究と実践を分離しない体制を構築しています。

  • 会社名: 株式会社DroR(ドロア)

  • 所在地: 〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-4-8 ウィンド恵比寿ビル8F

  • 代表: 代表取締役 山中真琴

  • 設立: 2023年8月

  • 資本金: 10,000,000円

  • 事業内容:
    - 組織ディープテック:複雑系科学×神経科学を基盤とした組織OSの設計・実装
    - 高度専門BPO:財務・HR・PMなど企業の核となる業務の伴走・代替
    - 組織開発/ウェルビーイング:MVV・文化醸成・1on1設計・コーチング
    - DX支援/補助金・認証支援:IT導入補助金、レジリエンス認証 他

  • 認証: 国土強靱化貢献団体認証(レジリエンス認証)、経済産業省 IT導入支援事業者

  • パートナー: 株式会社マネーフォワード

  • コーポレートサイト: https://dror.co.jp

■ 公式情報ページについて

株式会社DroRでは、臨床組織科学(COS)の定義、論文情報、用語集、FAQ、研究倫理、検証可能命題を整理した公式情報ページを順次公開予定です。公開後、本リリースおよび関連リリースの関連リンク欄に追記し、PR TIMES上の解説シリーズとDroR公式サイト上の正典ページを接続していきます。
本シリーズは、単発の論文掲載告知ではなく、COSの中核概念、既存理論との位置関係、国内組織論との接続、境界条件、独立検証への招待を段階的に公開する解説シリーズとして設計されています。

■ 関連リンク

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株式会社DroR 広報担当
Email: press@dror.co.jp

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会社概要

URL
https://dror.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿西2丁目4番8号 ウィンド恵比寿ビル8F
電話番号
-
代表者名
山中真琴
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2023年08月