DroR、人的資本開示調査「DOCI 2026」の追加分析を公表 業種差を検定、8業種の開きは偶然でも起こりうる大きさ

ドロア

株式会社DroR(ドロア)は、人的資本開示の年次調査「DOCI 2026」の業種別の結果について、業種の差を検定した追加分析の結果を10月9日に公表し、同日、DOCIの公開ページに掲載しました。因果まで記述する企業の割合は5社以上の8業種で57%から14%に分かれましたが、業種による違いがなくても約8割の確率で生じる開きでした。数値はAI支援の一次コーディングによる暫定値で、因果は主張しません。

追加分析の結果:8業種の差は、偶然でも起こりうる大きさ(DroRの計算)

DroRは、DOCI 2026の業種別の結果について、業種による違いが偶然を超える大きさかを、レポートの社数と割合から計算する追加分析を行いました。結果は10月9日公開の解説記事で先に示し、同日、DOCIの公開ページに「追加分析」としてまとめて掲載しました。主な結果は次のとおりです。

  • 8業種全体の開き:5社以上が属する8業種(61社、到達23社)で、業種による違いがないとして到達の有無を割り振り直すと、今回と同じかそれ以上の開き(最大と最小の差43ポイント)が約8割の割り振り方で生じました。

  • 両端の2業種:輸送用機器(7社中4社)と医薬品(7社中1社)の差は、フィッシャーの正確検定(両側)でp値約0.27で、業種による違いがなくても起こりうる大きさです(結果を見てから選んだ組の比較)。

  • 隣り合う業種の順番:どの組も、下の業種で1社が到達すれば入れ替わります。

  • 読み方:業種による違いがないことを示したものではなく、1つの業種が5〜18社では違いがあっても見分けられない、という読みです。

8業種の割合はレポート(図表18)の値で、社数の内訳と検定の値は、レポート(第1.0版)にはない値です。

結果の掲載先(DOCI公開ページ「追加分析」):https://dror.co.jp/lab/doci

詳しい読み方(解説記事「人的資本開示の業種差は、どこまで読めるのか:DOCI 2026の業種別の結果から」、DroR Lab):https://dror.co.jp/lab/articles/doci-2026-industry-differences

追加分析のもとにした業種別集計(2026年7月公開のDOCI 2026から)

株式会社DroR(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:山中真琴)と臨床組織科学研究会が2026年7月5日に公開した年次調査レポート『DOCI 2026 — 人的資本開示の構造分析:施策列挙から、構造設計へ』(PDF・56ページ・登録不要・無料)には、人的資本開示の語り方を業種別に集計した結果が含まれています。追加分析の前提として、その業種別の結果を以下に紹介します。公開ページ:https://dror.co.jp/lab/doci

DOCIは、TOPIX100各社の有価証券報告書3期分(FY2023〜2025、299書類・296テキスト)の人的資本開示を、施策・方針・指標・因果の4次元で読む年次調査で、本稿で扱うのはそのうち「いかにして成果を生むか」の因果の仕組みを語っているかを見る次元D4(構造・因果記述)です。D4は0〜3の4段階(帯)で評価し、帯2以上(媒介を明示した因果、または多段の因果)を「到達」としています。業種は、EDINETのコードリスト(33業種)で対象100社すべてを照合して割り当てました。

数値の性格:暫定値で、因果を主張せず、業種は社数が少ない

D4の帯はAI支援の一次コーディングによる暫定値で、今後、複数の人による独立の再評価と一致度(信頼性係数κ)の報告をもって確定します。本調査は開示の語り方を記述したもので、業種の違いが語り方の違いを生んでいると主張するものではなく、組織の実態や業種・企業の優劣を示すものでもありません。

業種別の結果には、本稿固有の限界があります。TOPIX100の中で1つの業種に属する企業は多くても18社で、レポートは業種別の結果を「各業種は小Nのため仮説の水準」と位置づけています。1社の評価で割合が大きく動きます(業種の差の検定は本稿冒頭の「追加分析の結果」)。以下の数字は業種の順位や傾向を示すものではなく、追加分析の前提となる集計として示します。

結果1:5社以上の8業種で、因果記述の到達率は57%〜14%

DroRの分析では、FY2025の有価証券報告書で、5社以上が属する8業種のD4到達率(帯2以上の企業の割合)は次のとおりでした。

  • 輸送用機器(7社):57%

  • 機械(6社):50%

  • 化学(7社):43%

  • 情報・通信業(5社):40%

  • 電気機器(18社):39%

  • 銀行業(6社):33%

  • 卸売業(5社):20%

  • 医薬品(7社):14%

8業種のうち到達率が50%以上だったのは輸送用機器と機械の2業種で、残る6業種は5割を下回りました。最も社数の多い電気機器(18社)は39%でした。

結果2:全25業種では100%から0%まで。両端は1〜3社の業種

FY2025に有価証券報告書を提出した99社は、25業種にまたがっていました。全25業種の表(レポート付録C 図表A3)では、到達率が100%の業種が4つ、0%の業種が7つありましたが、いずれも1〜3社の業種です。1社だけの業種の割合はその1社の評価そのもので、業種の傾向としては読めず、個々の会社の評価を推し量る材料にもなりうるため、本稿では業種名を挙げません。

結果3:規模区分ではほぼ差がなく、業種別の開きも偶然と見分けられない大きさ

DOCI 2026では、規模区分(Core30/Large70)で分けるとD4到達率にほとんど差がありませんでした。一方、業種別では到達率の幅が57%〜14%に広がり、レポートはこれを「差は業種に出る」と整理しつつ、業種別の結果を「各業種は小Nのため仮説の水準」としています。DroRの追加分析で社数から計算したところ、この業種別の開きは、業種による違いがなくても約8割の確率で生じる大きさでした。規模区分でも業種でも、因果の語り方をはっきり分ける切り口は、今回のデータからは見えていません。

結果4:女性管理職比率の業種別中央値

DOCI 2026は、開示された実数値も原典(XBRL・開示PDF)と突き合わせて業種別に集計しています。女性管理職比率(提出会社単体)の業種別中央値は、開示した企業が4社以上の業種で次のとおりでした(FY2025)。

  • 化学(5社):19.5%

  • 医薬品(7社):18.3%

  • サービス業(4社):17.0%

  • 保険業(4社):11.8%

  • 情報・通信業(5社):11.6%

  • 卸売業(5社):10.3%

  • 機械(6社):6.3%

  • 電気機器(17社):5.8%

  • 輸送用機器(7社):3.5%

レポートは、全体の中央値は「平均像」にすぎず、業種で5倍以上の開きがある(化学・医薬品が高く、輸送用機器が低い)としています。なお、この集計は開示した企業が4社以上の業種が対象で、結果1のD4到達率(5社以上の業種)とは対象の社数の基準が異なる別の集計です。本稿では、両者を業種ごとに対応づけた比較はしていません。

業種別の結果をどう読むか

業種別の割合は、自社の位置を測る物差しにはなりません。1つの業種に属する企業は数社で、割合は1社の評価で大きく動きます。業種の到達率と自社を比べる代わりに、同業数社と自社の有価証券報告書を読み、主な施策について施策と成果の間で何が起きるか(媒介)が書かれているかを確かめる手順と、10月8日に公開した「DOCI確認シート」とのつなげ方は、解説記事にまとめています。レポートは、今後の拡張として、匿名化または許諾を得た代表事例と業種ごとの深掘り分析を追補するとしています。

人的資本経営の実装と組織開発の伴走支援

DroRは、同業他社の開示の型に合わせることにとどまらず、自社の施策が意思決定・役割・情報の流れを通じてどう成果につながるのかを捉え直し、組織の構造に実装する組織開発・組織変革を、研究に基づいて伴走支援しています(主な対象は、事業の拡大で組織が複雑になり始めた成長企業です)。施策を替えても同じ問題が繰り返される組織に向いており、まず数週間〜2ヶ月の観察フェーズから始めることもできます(本格的な伴走は6ヶ月以上が目安)。短期の研修だけで即時の成果を求める場合や、意思決定者が関与できない場合には、別の支援形態をご提案しています。初回相談は無料です。匿名の支援事例3件を https://dror.co.jp/case で公開しています。

調査概要

  • 調査名:『DOCI 2026 — 人的資本開示の構造分析:施策列挙から、構造設計へ』

  • 発行:株式会社DroR/臨床組織科学研究会

  • 公開日:2026年7月5日(PDF・56ページ・無料・登録不要)

  • 追加分析:株式会社DroR(レポート第1.0版の公開後に、レポートの社数と割合から計算。社数の内訳と検定の値はレポートにない)

  • 追加分析の公表:2026年10月9日(DroR Lab の解説記事「人的資本開示の業種差は、どこまで読めるのか:DOCI 2026の業種別の結果から」、著者 山中真琴)。同日、DOCI公開ページ「追加分析」に掲載

  • 調査対象:TOPIX100構成企業(FY2025は有価証券報告書を提出した99社。残る1社は当該年度の未提出を確認)

  • 分析データ:EDINETに提出された有価証券報告書3期分(FY2023〜2025)。910営業日の提出情報を全数走査して299/300件を特定(299書類・296テキスト)。数値は原典(XBRL・開示PDF)と突合し、業種はEDINETのコードリストで100社を照合

  • 本稿の範囲:業種別のD4到達率(FY2025・全25業種、本文の8業種は5社以上)、業種別の女性管理職比率の中央値(FY2025・開示4社以上の業種)。到達した社数・1社で入れ替わる組・業種の差の検定(割り振り直しの計算とフィッシャーの正確検定)は、DroRの追加分析で社数と割合から計算した値で、レポートにはない

  • 分析方法:4次元コーディング(施策記述・方針表明・指標連動・構造/因果記述、各0〜3の帯)。本文テキストの一次判定はAI(企業名・年度は伏せていない)。人による独立評定は、企業名などの表記を伏せたテキストで行う予定。定性評価はAI支援の一次コーディングに基づく暫定値で、複数の人による独立検証と信頼性係数(κ)の報告をもって確定

  • 分析の枠組み:臨床組織科学(COS)。Yamanaka, M., & Nakamori, M. (2026). Clinical Organizational Science: An Integrative Framework for Structural Intervention in Complex Organizations. Frontiers in Psychology, 17.

  • 引用時の表記例:株式会社DroR/臨床組織科学研究会(2026)『DOCI 2026 — 人的資本開示の構造分析:施策列挙から、構造設計へ』https://dror.co.jp/lab/doci

株式会社DroRについて

株式会社DroR(ドロア)は、臨床組織科学(Clinical Organizational Science, COS)に基づいて、成長企業の組織開発・組織変革を伴走支援する研究実践ファームです(東京・恵比寿)。会議・役割・意思決定・情報の流れなど、日々の行動を生み出している組織の構造を現場で観察し、手を入れる場所を絞って、変化が日常に残るまで伴走します(組織ディープテック)。財務経理・補助金などの実務を担う高度専門BPOも提供しています。COS の理論は査読論文(Frontiers in Psychology, 2026)として公表しています。

会社名:株式会社DroR(ドロア)/DroR Corporation

所在地:〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-4-8 ウィンド恵比寿ビル8F

代表:代表取締役 山中真琴

設立:2023年8月

資本金:10,000,000円

URL:https://dror.co.jp

事業内容:

  • 組織ディープテック:臨床組織科学(COS)に基づく組織開発・組織変革の伴走支援

  • 高度専門BPO:財務経理・補助金、SNS運用、マーケティングPM

  • M&A・PMI支援

研究・公開:臨床組織科学研究会(事務局)、人的資本開示の年次調査 DOCI、働く人の心理学・組織研究ナビ(research.dror.co.jp)

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会社概要

URL
https://dror.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿西2丁目4番8号 ウィンド恵比寿ビル8F
電話番号
-
代表者名
山中真琴
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2023年08月