JR西日本カスタマーリレーションズとELYZA、運用整備とモデル改善で生成AI要約を100名規模の業務で定着させ後処理時間を50%削減

「JR西日本お客様センター」を運営する株式会社JR西日本カスタマーリレーションズ(代表取締役社長:堤 恵理子、以下JWCR)と大規模言語モデル(LLM)の社会実装を進める株式会社ELYZA(代表取締役:曽根岡 侑也、以下ELYZA)は、「JR西日本お客様センター」におけるお客様から寄せられる「ご意見・ご要望」について、電話の応対履歴作成業務に生成AIを活用し、運用整備と継続的な改善を通じて、平均後処理時間(ACW)を約50%削減することに成功したことをお知らせします。
JWCRとELYZAの取組について
JWCRとELYZAでは、2022年より顧客対応業務の品質向上・業務負担軽減を目指し、生成AIを活用したDXのプロジェクトを共同で実施しています。その一つとして、JWCRが運営する「JR西日本お客様センター」で受け付けている電話およびメールのお問い合わせについて、全ての応対履歴を要約・テキスト化しており、その作業を生成AIによって実施しております。
詳細は以下のプレスリリースをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000047565.html
2023年のお問い合わせ内容要約業務への生成AI活用の導入以来、品質の向上およびオペレーターの対応後の後処理時間の削減に対して、機能およびオペレーションの改善を両社で取り組んでまいりました。
取組の成果について
今回成果が出た対象はお問い合わせの中でも「ご意見・ご要望」に分類されるもので、内容の複雑性が高く、要約業務の難度が高い領域のものです。これらは、たとえば「サービスや運用へのご意見」「改善要望」「過去経緯の説明」「事実関係の確認」「今後の対応希望」が一連の会話の中に連続して現れやすく、要約に残すべき情報が複数にわたるのが特徴です。さらに、後段での確認や折り返し連絡が必要になるケースでは、確認すべき論点や関係部署に引き継ぐべき前提条件を要約から追えることが重要になります。また、確認事項や前提条件の整理が難しく、従来は要約に残すべき情報の抜け漏れや記載粒度が担当者ごとに異なりやすいという課題がありました。
こうした要約難易度の高いお問い合わせに対して、メールおよび電話の要約業務に生成AIを導入した2023年8月には月次の平均後処理時間は12分47秒でしたが、2025年12月には6分23秒と、約50%の時間にまで削減することに成功しました。

また2025年11月から2026年1月の3ヶ月平均でも6分23秒となっており、安定運用されている状態といえます。
2023年の導入発表時点では、一部のデスクにて検証を行った実証実験の段階であり、当時は約21%の時間削減という実証結果でした。そこから両社で継続的な改善を行った結果、今回単なる実証の枠組みを超え、100名規模の組織的・集団的な実業務での活用を通じたリアルな成果として、ここまでの大幅な業務効率化を実現いたしました。
成果の要因について
2023年の導入以降JWCRにおけるルールブックの整備や研修実施、また精度向上のためのAIモデルの更新などを実施することで後処理時間の削減を実現してきました。主な改善施策として、以下を実施しています。
JWCRの施策
① 日々の啓蒙活動や運用ルールの改定
・運用を変更した箇所を社内で少人数チームに分けて説明し、コンタクトセンターとして、またVoCの分析としてあるべき姿を教育
・オペレーターに対し、AIがうまく処理できるような発話のトレーニングや通話時復唱を徹底するよう指導
ー評価基準として運用し、日々の業務の中で実践するメリットを創出
・運用変更内容に応じて、オペレーターのチェック業務をスーパーバイザーにシフトし、役割分担を徹底
ーオペレーター:アプリが要約した内容の事実確認を実施
ースーパーバイザー(チェック担当):エスカレーションされてきた案件をチェック
② 後処理&要約ルールブックの整備および2回の改訂
③ 定期的なオペレーターへの研修実施
ELYZAの施策
① 3度の生成AIモデル更新による要約精度の継続的な向上
② 文字や記号などの表記ルールの追加・修正
③ 要約結果の網羅性の向上
・スーパーバイザーのチェック要件を基に、網羅的かつ適切な粒度で要約結果を出すよう改修。実運用に合わせた条件で網羅的に会話内容を要約できるようになり、かつスーパーバイザーのチェックの負荷を大幅に軽減。
上記を実施するにあたり、課題を確認した上でその解決のためのアプリにおける業務フロー改善や、定期的な運用上の現状の共有など、両社のコミュニケーションが密に行われた結果として継続的に後処理時間を削減し続けることができ、現在の50%削減という成果を得ることができたといえます。
本取組に関する両社のコメント
▼株式会社JR西日本カスタマーリレーションズ 取締役 第1オペレーション事業部長 岩﨑 隆利
コンタクトセンターでは、お客様との会話内容を正確に記録する要約業務が欠かせませんが、オペレーターにとっては時間と労力を要する作業でもあります。特に当社では案内範囲が広く、お問い合わせ内容によって記録すべき要点も異なるため、応対内容を正確に把握し、重要点を的確にまとめる高度な要約スキルが求められてきました。
今回、ELYZAの生成AI技術を活用し、通話音声の文字起こしデータをもとに応対履歴を要約・テキスト化することにより、必要な情報が網羅された要約結果を残しつつオペレーションの効率化を実現することができました。その結果、平均後処理時間(ACW)を約50%削減するという大きな成果に繋がっています。 さらに、要約の品質が均一化され、応対履歴が整理された状態で蓄積されるようになったことで、お客様の声(VoC)として活用できるデータが質・量ともにが向上し、サービス改善に活かせる可能性も広がっています。
今後もAIの活用を通じてコンタクトセンターの高度化を進めるとともに、より良い顧客体験の提供に繋げていきたいと考えています。
▼株式会社ELYZA ソリューション事業部 マネージャー 松浦 大貴
生成AIアプリケーションの導入そのものはスタートラインに過ぎず、実証段階でだけでなく、実業務で組織的・集団的な活用を通じて成果を出し続けるには、現場の運用とAIモデルの双方を継続的に磨き上げていくことが不可欠です。
今回のACW50%削減という成果は、JWCR様が日々の啓蒙活動やルールブックの整備、オペレーター研修などを地道に積み重ねてこられたことと、当社がプロンプトの調整や出力内容の網羅性改善を繰り返してきたことの、まさに両輪によって実現できたものだと考えています。 特に「ご意見・ご要望」のような要約難度の高い領域で安定的な成果が出せていることは、両社が課題を共有し、業務フローとAIの両面から改善を重ねてきた積み重ねの賜物です。
今後もJWCR様と密に連携しながら、コンタクトセンター業務のさらなる高度化に貢献してまいります。
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