シニアの健康管理、意識が高くても5割弱が挫折する「継続の壁」を突破する方法とは?
~継続のカギは「ポイ活」と「自動化」~
企業と消費者のニーズをつなぐマーケティングプラットフォームを提供するジー・プラン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役執行役員社長:竹内 庸真)は、当社が運営するポイントサイト「Gポイント」の会員12,039名を対象に「フレイル予防・健康管理アプリ」に関する意識調査を実施しました。
(※フレイルとは:加齢により心身の活力が低下した状態のこと)
ヘルスケアビジネスにおいて、シニア層の取り込みは急務ですが、多くの企業が「ユーザーが定着しない」という課題を抱えています。 本調査では、健康意識が高い層であっても健康管理アプリの利用を5割弱が「挫折」しているという事実が浮き彫りになりました。
この結果を踏まえ、健康管理アプリ利用における「入口の障壁」と「継続の課題」、そしてそれらに対する具体的な解決策を分析します。
※本調査は、当社が運営するポイントサイト「Gポイント」の会員を対象に、2025年11月にインターネット調査を実施しました。調査対象者の特性上、一般層と比較し、スマートフォンの操作やアプリ利用への抵抗が少なく、ポイントサービス(ポイ活)への関心が高い層の回答が中心である可能性にご留意ください。
※本調査は、回答者のうち約85%が50代以上が占めており、主にミドルシニア・シニア層の意識を反映した調査結果となります。
調査の背景・目的
近年、健康寿命の延伸において、身体的な衰えだけでなく心身の活力が低下する「フレイル」を予防することの重要性が高まっています。
その有効な手段としてスマートフォン(健康管理アプリ)の活用が注目されていますが、特にミドルシニア・シニア層(50代以上)にとっては「日々の入力が面倒」「操作が難しそう」といったイメージも先行し、その利用は必ずしも一般的ではありません。
本調査は、「フレイル予防」や「健康管理アプリ」についてどのような意識を持っているのか、なぜ健康管理アプリ利用に踏み出せないのか、なぜ利用を継続できないのか、また、どのような機能があれば利用したいと思うのか、その実態と深層にある要因を包括的に把握することを目的として実施しました。
調査の結果
■「フレイル」の理解が具体的な予防行動の差を生む「分岐点」に
フレイル予防をサポートする重要なツールである健康管理アプリの利用経験を、フレイルの理解度別に分析したところ、顕著な差が見られました。
フレイルを「よく理解している」層(2,262名)においては、健康管理アプリ利用率(現在も利用している)が49.6%(1,123名)と約半数に達しました。
一方、フレイルを「初めて聞いた・詳しく知らない」という非理解層(9,777名)では、健康管理アプリ利用率が31.5%(3,078名)に留まりました。
「フレイル」を知っているかどうかで、健康管理アプリの利用率に1.5倍以上の開きがあり、「フレイル」の理解が具体的な予防行動の大きな「分岐点」となっていることが明らかになりました。
Q. 健康管理アプリの利用経験
これまでに、ご自身の健康管理を目的としてスマートフォンアプリ(歩数計・睡眠記録アプリなど)を利用したことがありますか?
※「“フレイル(加齢により心身の活力が低下した状態)”という言葉をご存じでしたか?」の設問に「よく理解している」と回答した方 2,262名による回答

フレイル「よく理解している」層 (N=2,262)
・はい、現在も利用している: 49.6% (1,123件)
・はい、過去に利用していたことがある: 41.1% (929件)
・いいえ、利用したことはない: 9.3% (210件)
Q. 健康管理アプリの利用経験
これまでに、ご自身の健康管理を目的としてスマートフォンアプリ(歩数計・睡眠記録アプリなど)を利用したことがありますか?
※「“フレイル(加齢により心身の活力が低下した状態)”という言葉をご存じでしたか?」の設問に「初めて聞いた」または「詳しく知らない」と回答した方 9,777名による回答

フレイル「それ以外(知らない・詳しく知らない)」層 (N=9,777)
・はい、現在も利用している: 31.5% (3,078件)
・はい、過去に利用していたことがある: 0.9% (88件)
・いいえ、利用したことはない: 67.6% (6,611件)
■フレイル予防の意識が高い「理解層」ですら、健康管理アプリ利用の5割弱が「挫折」
「フレイル」の理解が行動の「入口」となる一方で、本調査で大きな課題が明らかになりました。
フレイルを「よく理解している」層においても、「健康管理アプリを現在も利用している」が1,123件に対して「過去に利用していたことがある=すなわち利用をやめてしまった」が929件となり、健康管理アプリ利用経験者(合計2,052名)のうち45.3%が利用を挫折しまったということになります。
フレイル予防が重要だと強く認識している層ですら、「継続」することがいかに困難であるかを示す、深刻な「継続の壁」が浮き彫りになりました。
(グラフ1参照)
■ 「壁」の正体は「面倒」「必要なし」「不安」
予防意識が高い層ですら5割弱が健康管理アプリの利用を「中断」しています。では、なぜ健康管理アプリの利用を「継続」できないのか、あるいはそもそも「開始」できないのでしょうか。
そのヒントを探るため、健康管理アプリを一度も利用したことがない人(6,821名)に、利用しない理由(利用開始の障壁)を尋ねました。その結果、シニアの行動を阻む「3つの壁」が明らかになりました。
最も多かったのは「特に必要性を感じないから」(3,354件)でした。 この回答には、現時点で健康状態に問題がない層だけでなく、加齢による心身の変化に気づいていない、あるいは「自分はまだ大丈夫」と捉えている「フレイル予備軍(無自覚層)」も相当数潜在していると考えられます。本来は予防が必要な層が、自身の現状に気づいていないために利用に至らないという、利用開始における最大の「意識の壁」と言えます。
注目すべきは2位の「日々の入力が面倒・忘れてしまうから」(1,761件)です。これは、利用前から「入力が面倒そうだ」と感じている「手間の壁(イメージ)」が利用開始を妨げていることを示すと同時に、「利用中断層」にとっても、実際に使い始めた後に「面倒」さが継続を阻んだ最大の要因(=継続の壁の正体)であったと強く推測されます。
3位には「プライバシーやセキュリティが心配だから」(1,346件)が続き、利用開始を妨げる根強い「不安の壁」も示されました。
Q. 健康管理アプリを利用しない理由として当てはまるものをすべてお選びください
(複数回答, N=6,821)

1位: 特に必要性を感じないから (3,354件)
2位: 日々の入力が面倒・忘れてしまうから (1,761件)
3位: プライバシーやセキュリティが心配だから (1,346件)
■課題の解決策は「手間なし」と「お得」
健康管理アプリの利用における「入口の壁(意識・不安)」と「継続の壁(面倒さ)」を乗り越える解決策について、「新しい健康管理アプリに最も魅力を感じる機能」を尋ねたところ、明確な答えが示されました。
【入口の壁】への解決策:「お得なポイ活」
利用開始の最大の障壁である「特に必要性を感じない」という「意識の壁」に対し、1位の「ポイントが貯まるなど、お得に続けられる機能」(5,539件)が、強力な解決策となります。「健康のため」という目的意識が低い層に対しても、「お得になる(ポイ活)」という実利的なメリットを提示することで、健康管理アプリ利用開始の強い「きっかけ(フック)」となることが期待されます。
【継続の壁】への解決策:「自動記録」+「ポイ活」
予防意識が高い層ですら4割が挫折する「継続の壁」。その最大の要因と推測される「日々の入力が面倒」という課題に対する直接的な解決策が、2位の「歩数や活動量が自動で記録・分析される機能」(2,563件)と言えるでしょう。挫折しやすい「入力の手間」を根本から解消するこの機能は、継続利用の必須条件と言えます。
さらに、1位「ポイ活機能」は、この「継続」においても、「面倒くささ」を上回る強力なモチベーションとして機能することが期待できます。
Q. 新しい健康管理アプリに、どのような機能があれば最も魅力的だと感じますか?
(単一回答, N=12,039)

1位: ポイントが貯まるなど、お得に続けられる機能 (5,539件)
2位: 歩数や活動量が自動で記録・分析される機能 (2,563件)
3位: 脳トレなど、楽しみながら認知機能もケアできる機能 (1,151件)
4位: 簡単な質問に答えるだけの健康チェック機能 (1,032件)
5位: 専門家からの個別のアドバイス機能 (735件)
【総括】
シニアの健康管理は「きっかけ」と「継続」の両輪で。
「フレイル認知」で始め、「お得・手間なし」で続ける仕組みを。
今回の調査で、シニアの健康行動には二段階の課題があることが判明しました。第一に「フレイル」を知らないことによる「行動の入口の壁」(利用率1.5倍の差)。そして第二に、意識の高い層ですら4割以上が挫折する「継続の壁(=面倒)」です。
これらの課題を解決し、シニア層が健康予防に踏み出すための「ヒント」は以下になります。
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「フレイル理解」の啓発(入口の壁を越える)
「知れば利用率が1.5倍以上になる」という結果に基づき、まずは「フレイルとは何か」を広く啓発し、行動の「きっかけ」を提供することが最重要です。 -
「自動記録」で「手間の壁」を取り払う
4割以上が挫折する最大の要因「入力が面倒」を、「自動記録」で徹底的に削減します。「頑張らなくても記録される」手軽さが、継続の必須条件です。 -
「ポイ活」で「意識と継続の壁」を乗り越える
「必要性を感じない」層への「入口」の動機づけとして、また「面倒」を乗り越える「継続」のモチベーションとして、「ポイントが貯まる」という実利的なメリットが有効です。 -
「丁寧なガイド」で「不安の壁」を解消する
「プライバシーやセキュリティが心配」という懸念に対し、「わかりやすい操作ガイド」に加え、個人情報がどのように扱われ、どのような範囲で利用されるのかについて、透明性を最大限に高める必要があります。
ジー・プランは本調査結果を踏まえ、皆様が「フレイル」への理解を深めるとともに、「お得に」「簡単に」「安心して」健康管理を継続し、フレイル予防に役立つ情報やヒントを提案してまいります。
今後の展望──シニアの“リアルな声”を価値に変える新サービス『HajiQto(はじくと)』
ジー・プランは、ポイントサイト『Gポイント』の運営で培ったノウハウを活かし、シニア層に特化したリサーチを簡便に行える新サービス『HajiQto(はじくと)※仮』を開発しています。
本サービスは、シニアのリアルな声(インサイト)を収集・分析し、企業の製品・サービス開発を支援するリサーチプラットフォームです。今回の調査も、その構想の一環として実施しました。
ジー・プランは、シニア層の真のニーズを社会へ届けることで、誰もが安心して暮らせる未来の実現に貢献してまいります。

シニアリサーチサービス『HajiQto(はじくと)※仮』
サービス紹介: https://www.g-plan.net/HajiQto/
調査概要
調査テーマ :フレイル予防・健康管理アプリに関するアンケート
調査方法 :インターネット調査
調査期間 :2025年11月8日~11月11日
調査対象 :全国の全年齢
有効回答数 :12,039件
ジー・プラン株式会社について
ジー・プラン株式会社は、ポイント・人・情報をつなぐ「マーケティングプラットフォーム」を提供しています。20年以上にわたり培ってきたポイント事業の知見を基盤に、ポイント交換プラットフォーム事業をはじめ、広告代理事業やメディア事業を展開。企業のマーケティング課題を解決するとともに、生活者へ価値ある体験を届けています。
【会社概要】
社名 : ジー・プラン株式会社
設立 :2001年2月9日
代表者 : 代表取締役執行役員社長 竹内 庸真
所在地 : 〒140-0002 東京都品川区東品川4-12-4
品川シーサイドパークタワー3F
事業内容 :Gポイント事業、メディア事業、ポイントプラットフォーム事業、
広告代理事業
ホームページ: https://www.g-plan.net/
<本件に関するお問い合わせ先>
ジー・プラン株式会社
広報担当:コミュニケーションデザイン戦略部
E-Mail:pr@g-plan.net
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