【市場調査会社ミンテル】2026年:世界の消費者トレンド予測を発表-企業はアルゴリズムへの懐疑心、多様化するライフステージの節目にどのように対応し、人間らしい触れ合いへの期待にどう応えられるか?
来年トレンドになると予測される世界の消費者動向をアナリストが提示
ロンドンに本社を置く、グローバルな市場調査会社であるミンテルは「2026年:グローバル消費者トレンド予測」を本日発表しました。

消費者動向は絶えず変化をしており、ブランドに求められているのは、単なる消費者トレンドの把握ではなく、その背後にあるマクロ環境を的確に読み取り、将来の消費者像を先回りして捉えることです。人口動態、経済、テクノロジー、都市化、社会文化の変化は、消費者の価値観や行動を根底から揺さぶっており、ブランドが成長を続けるためには、これらの要因を無視することはできません。
本トレンド予測では、「アンチアルゴリズム」「若さの新定義」「愛情の欠如」の3つを、2026年のグローバル消費者トレンドとしてご紹介しています。この3つのトレンドを起点に2030年に向けて消費者がどこへ向かうのかを提示し、最後に「各企業やブランドが問うべき質問」で締めくられています。
本レポートの無料版は、こちらからダウンロードが可能:
https://www.mintel.com/jp/2026-Global-Consumer-trends-predictions

アンチアルゴリズム:
消費者がアルゴリズムによる影響に嫌悪感を抱き、より人間らしく直感的な体験を求めるようになる中で、各企業やブランドは「どのように価値を生み出すのか」という問いを、より深く考える必要があります。
若さの新定義:
従来のような「ライフステージ」の区切りがあいまいになる中で、消費者は「若さ」とは何か、そしてそれをどう楽しむかを見直し始めています。人生の中盤がこれまでより長く、柔軟なものになった今、人々はより深い充実感を求めています。こうした変化に対応するために、各企業はイノベーションのあり方を改めて考え直す必要があります。
愛情の欠如:
人との関わりがより「取引的」になり、つながりが希薄になる中で、ブランドは単に目立つことや話題になることだけでなく、「感情的なつながり」や「文化的な意味」を重視した戦略を取る必要があります。
毎年、新しい変化が起き、人々はそれに振り回されることになります。AIは「創造性」と「効率性」の境界を変え、経済の不安定さは人々の優先順位を見直させ、地政学的な緊張は各企業やブランドを取り巻く環境を大きく変えています。2026年以降、世界中の消費者は年齢やライフステージの境界をあいまいにしながら、「自分でコントロールすること」と「創造的であること」のバランスを取り、より自動化が進む社会の中で人とのつながりを求めるようになるとミンテルは予測します。
アンチアルゴリズム
もともとは「便利なレコメンデーションツール」として始まったアルゴリズムですが、その拡大によって、生活が本当に便利になったのか、それとも管理されすぎて息苦しくなったのか、消費者は疑問を感じ始めています。
2030年までには、アルゴリズムの「最適化」の裏側が明らかになり、便利さと自分らしさの間に不均衡が生まれるでしょう。消費者は、自分のアイデンティティやデータをアルゴリズムにどう扱われるかをより意識するようになり、不透明な仕組みを持つテクノロジーは支持されなくなります。人々はアルゴリズムに支配されるのではなく、それを理解し、自分で調整し、さらには共に作り上げていけるような、より人間的で直感的な体験を求めるようになるでしょう。
ブランドは、単にトレンドを追うのではなく、アルゴリズムの力を活かして人々との「感情的なつながり」を深めることで、瞬間的な話題性だけでなく、長く続く信頼と愛着を生み出すことができます。
消費者は、デジタルとの関わりを通じて新しい「信頼の基準」を築いていきますが、その根底にあるのは「正しいと感じること」や「納得感」です。これからの時代、ブランドは「自分たちは何を大切にするのか」という立ち位置を明確にし、人々の共感を得られるような戦略を描くことが求められます。
【根拠となるミンテルのデータ】
日本の消費者の57%が、インフルエンサーから紹介される製品は購入しないと回答
出典:ミンテルジャパンレポート:ソーシャルメディア・トレンド(インフルエンサー) – 日本 – 2024年
イギリスの消費者の63%が、AIの台頭により人間が作ったものに対してさらに価値を感じるようになったと回答
出典:Consumers and AI – UK, 2025
若さの新定義
寿命が延び、これまでのような人生の節目があいまいになる中で、「年齢」にとらわれずに生きる人が増え、人生の中盤がより長く、自由な時期になりつつあります。2030年までには、こうした人口構成の変化がはっきりと表れ、教育、資産形成、働き方など、あらゆる分野で大きな見直しが求められるでしょう。人生はこれまでのように段階的に進むものではなく、より流動的で柔軟なものへと変わっていきます。
人々は、まだ十分なエネルギーがある今のうちに、経験そのものにお金を使いたいという気持ちを強めています。人生の充実を「若い時期」だけに求めたり、「退職後」に先送りしたりするブランドは、長く続く人生の中盤にある多くのチャンスを逃してしまうかもしれません。
30代から60代の人たちが、新しい人生のステージに大胆に踏み出す例も増えています。たとえば、海外移住や転職、再び恋愛に挑戦すること、長年温めてきた夢や情熱を実現することなどです。先を見据えたブランドは、こうした変化を前向きに支え、人々が自分らしい生き方を楽しめるようなツールやサービス、ストーリーを生み出すことで、そのニーズに応えていくことができるでしょう。
【根拠となるミンテルのデータ】
カナダのミレニアル世代の36% が、今後5年間で最も重要なのは人生を楽しむこと、思い出を作ることだと回答しているのに対し、老後の貯蓄を重視しているのは23%
出典:Marketing to Millennials – Canada, 2025
日本は高齢者の割合が世界的に見て最も高く、65歳以上の人口は2045年にピークに達すると予想され、高齢者率は1950年の5%から2070年には39%まで上昇する見込み
出典:ミンテルジャパンレポート:シニアのライフスタイル – 日本 – 2024年
愛情の欠如
オンラインでの生活が進化する一方で、人と人との交流は失われつつあり、消費者の孤独感や疎外感は深まっています。2030年までには、「注目されること」と「本当に理解されること」の間に、大きなギャップが生まれる恐れがあります。いまや愛情や関心さえも「コスパ」で測られるようになり、手軽で即時的なオンラインでの交流が、時間をかけて築くリアルなつながりよりも優先されがちです。
各企業やブランドは、人と人との「本当のつながり」を生み出す上で特別な立場にあります。もし物理的なコミュニティを守りたいのであれば、人々が「愛情を伝え、受け取ること」のハードルを下げることが、企業にとって最も大切な役割になるでしょう。
人々は、より深く誠実な関係を築くために時間をかけるようになり、その中で「愛情」をこれまで以上に多様な形で受け入れようとしています。これは、企業やブランドにとって、恋愛や家族といった従来の関係に限らず、「選んで築く絆」「コミュニティによる支え」「ペットとの友情」「自分を大切にする心」などを通じて、感情的な安心や意味を提供するチャンスとなります。
人は誰しも「誰かや何かを育むこと」を求めています。これからの社会では、「育む」という行為をもっと広い視点でとらえ、人との関係だけでなく、「食」「消費」「体験」を通じて心のつながりを深めていく方向へと変わっていく必要があるでしょう。
【根拠となるミンテルのデータ】
日本のミレニアル世代の33%が、人生における最も重要な要素として「一人で過ごせる時間」を挙げているのに対し、「友人と過ごす楽しい時間」を最も重要な要素として挙げたのは12%
出典:ミンテルジャパンレポート:ミレニアル世代へのマーケティング – 日本 – 2025年
AIになじみのあるアメリカの消費者の29%が、過去3か月に話し相手や寂しさを紛らわせる存在としてAIを活用したと回答
出典:Consumers and AI – US, 2025

■市場調査会社ミンテルの強み
ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、GNPDに蓄積されたデータや独自の消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しています。
■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)
ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。
■会社概要

企業名 :株式会社ミンテルジャパン
本社所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号
丸の内ビルディング18階
代表 :リチャード・カー
設立日 :2008年03月
事業概要 :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等
WEBサイト:https://japan.mintel.com/
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