C Space Japan「顧客体験価値(CX)ランキングTM2020」日本「顧客体験価値」によるランキングTOP50を発表
- 第1位「ディズニー」、第2位「くら寿司」、第3位「オーケー」
- コロナ禍でも変わらぬ強さの「ディズニー」
- 新しい生活様式への迅速な対応で顧客体験価値を高めた「くら寿司」「ヨドバシカメラ」
- 業種別では「食品・飲料メーカー」「日用品販売」「旅行・交通」が高評価
インターブランドジャパンのグループの一員であるC Space Japanは、今年で第2回目となる顧客体験価値(CX:Customer Experience)のランキングを発表しました。本ランキングは、欧米で実施してきた「顧客体験価値(CX)調査」を日本で実施し、顧客視点でのすべての体験を通じた、ブランドの「顧客体験価値(CX)スコア」を数値化し、分析したものです。CXスコアは購入意向との強い関係性が見られます。
今年のランキング第1位は、「ディズニー」が躍進しました。「ディズニーランド」も7位にランクインし、コロナ禍においても「ディスニー」の強さが際立つ結果となりました。第2位は「くら寿司」が昨年の圏外よりランクインしました。「withコロナ」時代のニーズをいち早く捉え、持ち帰りや宅配、店舗での感染防止対策を徹底したことが躍進の理由です。第3位は、「オーケー」。昨年も第13位にランクインし、安定して顧客の高い評価を得ています。第4位には、「ヨドバシカメラ」が昨年の圏外からランクインしました。送料無料や配送の速さなど、テレワーク関連のニーズに応えた購買体験が、ランキングの躍進に繋がっています。
Top20のうち9ブランドは昨年に引き続きTop20にランクインしました。「ディズニー」を除く8ブランド(オーケー、J A L、任天堂、サントリー、ファンケル、ANA、じゃらん、味の素)は、昨年とのスコア差が±1.00以内で、環境の変化に影響されずに高い顧客体験価値を維持しています。また、Top20のうち5ブランド(くら寿司、ヨドバシカメラ、阪急百貨店、星野リゾート、マクドナルド)が、昨年のランキング圏外からTop20にランクインしました。これらのブランドは、新しい生活様式への対応で顧客体験価値を高めています。①コロナ禍でビジネスの状況が厳しくとも、「心に刻まれた強い記憶」で「高い経験価値」を保ち続けるブランドと、②コロナ禍での迅速、徹底した対応で、体験価値を上げたブランドが高い評価を得ており、これは、「ピーク・エンドの法則」*1が働いていることを物語っています。
コロナ禍により顧客と直接接する機会は減少しても、テクノロジーを活用し、変化を捉え、顧客の気持ちや求めることの本質を理解し、その期待を超え顧客を軸にビジネスを進めていくブランドが顧客体験を高く評価されています。
*1ピーク・エンドの法則 (peak–end rule):一連の体験において、もっとも感情が動いたとき(Peak)と、終わったとき(End)の記憶だけで、その経験の全体的な印象が決定される。ピーク以外の情報は、たとえそれが感情の持続性や総和量であったとしても喪失はしないが、比較にはあがらない。Kahneman, Daniel. (1999)
C Space 顧客体験価値(CX)ランキングTM 2020(1位〜50位)
*2020年は12人以上から想起されたブランドを対象にランキング
上位ブランドの顧客体験評価詳細
注目ブランドの顧客体験が実際に顧客からどのように見られているかをご紹介します。
ディズニー:1位(前年17位) CXスコア7.52(+1.25)
特に30代以下からの高い支持を得て、昨年の第17位から大躍進しました。顧客体験の5つの要素のうち、「私向けのものだと思える」以外のすべてでトップで、特に「オープンで正直である」が高く、高い信頼を得ています。評価の理由として「ユーザーが楽しめるように追及をやめない」「カスタマーファースト」など、具体的なサービスに限らず企業の姿勢を挙げる多くの声が寄せられ、「(コロナ禍での)ごみ箱の工夫」など、コロナ禍でも顧客中心主義の姿勢が随所で評価され、信頼感に繋がっています。
くら寿司:2位(前年圏外) CXスコア7.25(-)
幅広い年代から支持を得て、第2位に急上昇しました。顧客体験の5つの要素のうち、「私向けのものだと思える」が特に顕著です。顧客のニーズや好みを理解し、価値観にあった体験を提供してくれるブランドとして他を引き離しています。「私向け」と感じる要素は人それぞれで、評価の理由としても①メニューの豊富さや工夫・おいしさ、②コロナ対策も含めた安全・衛生対策の徹底・迅速さ、③顧客を楽しませるサービスなど様々挙げられ、価格を理由に挙げた人は一人もいませんでした。
オーケー:3位(前年13位) CXスコア7.17(+0.62)
一都三県を中心に約120店舗と限られた店舗展開にも関わらず、40代男女と、60代以上の女性から強い支持を得て、2年続けてTop20入りを果たしました。顧客体験の5つの要素のうち、「私向けのものだと思える」と「いい気分にさせてくれる」で高いスコアを獲得しています。特に後者の中の「自分が賢い消費者であると思える」という項目は全ブランドでトップとなっています。
ヨドバシカメラ:4位(前年圏外) CXスコア7.03(-)
30代男性を中心に支持を得て、昨年の圏外から一気に4位にランクインしました。「私の立場で考えてくれる」が全体の3位で、特に「何より私のニーズを優先してくれる」「私のニーズや好みをわかってくれる」といったニーズ理解が強みとして捉えられています。コロナ禍でオンラインショッピングやテレワーク関連商品ニーズが高まる中、無料配送も含めたデジタルでの購買体験の評価が躍進に繋がりました。
コメダ珈琲店:5位(前年43位) CXスコア7.01(+2.26)
幅広い年代の女性から支持を獲得、昨年から2pt以上スコアを伸ばし、43位から5位にランクアップしました。「私にとって意味がある」は今年の全ブランド中第2位で、「顧客サービス意識の高さ」や「最高の品質へのこだわり」などが評価されています。評価の理由としても「接客」に関することが多く、「店員さんが丁寧」「お客さんをよく見ている」など、「細やかな気配り」が体験価値を上げ、「タブレット注文、商品提供の速さ、密を避けるテーブル配置」というコメントに代表されるように、コロナ禍の細やかな対応も躍進に繋がりました。
ユニクロ:6位(前年47位) CXスコア7.00(+2.51)
昨年47位から今年の6位へ大躍進、2年連続ランクインのブランド中最もスコアが上昇しました。性別年代問わず広く支持され、特に60代女性からの支持を得ています。昨年から「私向けのものだと思える」「私にとって意味がある」の2要素が特に上がり、前者の中の「考え方や価値観があっている」がトップクラスとなりました。評価の理由としてコストパフォーマンスや機能性だけでなく、レジの利便性や店員の対応、マスクの開発など「快適で必要なものを必要な時に開発、供給してくれる」ブランドとして認識されている点が、スコア上昇の理由と考えられます。
年代別ランキング
年代別に評価の高いブランドは異なり、すべての年代で共通して評価を得るブランドは、多く存在していません。その中で、幅広い年代でランクイン(=3年代区分でランクイン)したのは、「ディズニーランド」「ユニクロ」「JAL」「ANA」の4ブランドとなっています。年代別の特徴としては、若年層では「娯楽・ゲーム・エンターテインメント」業種が上位に多くランクインしているのに対し、年齢が上がるとともに「食品」や「日用品/雑貨販売店」などが増え、30-50歳代では「旅行・交通」などのカテゴリーのブランドが上位にあげられる結果となっています。
*各年代で5人以上から想起されたブランドを対象にランキング
業種別CXスコア
昨年同様「食品・飲料メーカー」がトップとなりました。「日用品販売」「旅行・交通」も変わらず上位にランクインしています。「飲食店・ファストフード・カフェ・持ち帰り」が大幅UP。「くら寿司」「コメダ珈琲店」「マクドナルド」など「withコロナ」対応をいち早く行ったブランドが躍進を牽引しています。
*2020年は12人以上から想起されたブランドのCXスコアの平均値(2019年は15人以上)
*業種分類は回答者の認識に基づくため、ひとつのブランドがいくつかの異なる業種に分類されることもある
顧客が求める体験価値の5要素(Five Emotional Cues)
過去5年間以上のグローバルでの「顧客体験価値(CX)調査」の分析を通じて、顧客体験価値(CX)を高めるには以下の5つの要素を顧客に感じてもらうことが重要だということが明らかになっています。
CXスコア算出方法及び スコアと購入意向の関係
CXスコアは、「好きなブランド」や「優れた顧客体験を提供するブランド」を直接質問した結果ではありません。一般消費者に「顧客の気持ちや求めることをよく理解している」ブランド/企業をまず頭に思い浮かべてもらい、そのブランドについて「顧客が求める体験価値の5要素」を具体的な項目に分解した21項目を評価してもらいます。同様に、「顧客の気持ちや求めることをあまり理解していない」ブランド/企業を思い浮かべてもらい、そのブランドについても21項目を評価してもらい、それらの数字からなる合成変数としてブランドのCXスコア(-10〜 +10)を算出しています。2020年は12人以上から想起されたブランドのみをランキングの対象としています。また、CXスコアと購入意向の有無には強い関係性が見られます。
<CXスコアと購入意向との関係性>
C Space について
C Spaceはグローバルに展開する「カスタマー・エージェンシー」です。世界的な企業に対して、経営に顧客視点を組み込む支援を行い、Customer Inspired Growth(=顧客によってインスパイアされるビジネス成長)をもたらしています。C Spaceのクライアントは、顧客との継続的な関係を活かしてより良い顧客体験を生み出すことで、顧客にとって必要な存在であり続けます。世界で450名のスタッフを擁するC Spaceはボストンおよびロンドンに本社を置き、ニューヨーク、サンフランシスコ、メキシコシティに続く第6の拠点として、2019年に東京でC Space Japanを設立しました。C Space Japanはインターブランドジャパングループの一員です。
C Spaceについての詳しい情報は https://cspace.com/tokyo/ をご覧ください。
インターブランドについて
インターブランドは、1974年のロンドンでの設立以来、40年以上にわたり、常に世界をリードするブランディング専門会社として、戦略、クリエイティブ、テクノロジーの組み合わせにより、クライアントのブランドとビジネス双方の成長を促進する支援を行っています。
社会環境の不確実性が増す一方で、選択肢はかつてないほど豊富となりイノベーションのスピードが加速を続ける時代の中で、顧客の期待はビジネスよりも速く動き、価値観も変化し多様化しています。変化を続ける人々のインサイトの奥に潜む真理を探求し、その想いや期待するところをいち早く捉え、期待を超える体験を提供することを決断し、実践すること。インターブランドではこうした決断と実践のアクション(Iconic Moves™️)が必要だと考えています。
インターブランドではISO(国際標準化機構)により世界で最初にブランドの金銭的価値測定における世界標準として認められた「Brand Valuation™(ブランド価値評価)」をはじめとする先端的な分析手法を用いる戦略チームと、数多くの受賞歴と高い創造性を持つクリエイティブチームが一つのチームとなり、分析から戦略構築、クリエイティブ開発、社内外エンゲージメント、そしてブランドを経営指標に取り入れ組織革新を実現するサポートまで、全ての流れを自社のリソースで完結しプロジェクトを推進します。
インターブランドジャパンについて
インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次ぐ、インターブランド第3の拠点として、 1983年に東京で設立されました。「カスタマー・エージェンシー」として、オンラインコミュニティ運営、顧客との共創ワークショップなどを通じて経営に顧客視点を組み込む支援をグローバルで展開しているグループ会社 C Space(本社:ボストンおよびロンドン、国内拠点:東京都渋谷区)とともに、日系企業、外資系企業、政府・官公庁など様々な組織・団体に対し、トータルなブランディングサービスを提供しています。インターブランドジャパンについての詳しい情報はhttps://www.interbrandjapan.comをご覧ください。
お問い合わせ
株式会社インターブランドジャパン 担当:中村正道、山室元史、岡本カヨ、齋藤麻菜美
Tel: 03-5448-1200 Fax: 03-5448-1052 e-mail: ibj-pr@interbrand.com
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