効率の先にある「選ばれる企業」への転換:組織行動科学®

信頼を生む文化と生成AIの共創による、新しい組織づくりの提言を公開

組織行動科学®︎

リクエスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 甲畑智康)は、企業文化と人的資本経営の未来に向けた提言書『効率の先にある「選ばれる企業」への転換』を2025年4月16日に公開しました。

本提言書は、「効率の最適化」が飽和した社会において、“信頼され、選ばれる企業”が何を守り、何を継承していくべきかを、価値観・制度・育成・AI支援の観点から、構造的かつ感情知的に整理した提言です。この取り組みは、私たちが提唱する組織行動科学®の最新知見と実践に基づいています。

提言書 目次

  1. 創業時にあった効果志向の価値観はなぜ失われたか?

  2. 「行動の質」が削られた結果、何が起きているか?

  3. 効率化では差別化できない時代に入った

  4. 外部の仕組み導入と組織の“空洞化”リスク

  5. 「行動の質」を決めるのは、スキルではなく価値観

  6. 価値観の違いがもたらす事業・組織・人材への影響

  7. 意味ある行動が埋もれない“職務設計”とは?

  8. 「行動の意味」を再定義する17の経験ステップ

  9. 価値観を育てる組織が、選ばれる企業になる

  10.  生成AIが支える行動の再構成とリーダー育成

  11. 最後に:問うべきは「何を削り、何を守るか」

  12. あとがき

  • 参考①:価値観リスト

  • 参考②:巻末用語解説

  • 参考③:思考の訓練ガイド

  • 参考④:立場別「この視点で読むと良い」読解ガイド

  • 参考⑤:弊社について

  • 補足資料:価値観を職務評価・人事制度に接続するための設計案


▼ 提言書 無料ダウンロード

  • サマリー:5ページ

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  • 本文(前編):12ページ

  • 本文(後編):10ページ

  • 参考資料:9ページ

本文と参考資料は以下より無料ダウンロードができます

https://requestgroup.jp/download


※ リクエスト株式会社は、「Behave:より善くを目的に」を掲げ、国内336,000人の組織で働く人たちの行動データに基づいた組織行動科学®を中核ブランドとし、人間の行動と思考を研究開発する5つの機関が連携。これまで930社以上の人的資本開発を支援してきました。

https://www.requestgroup.jp/


【提言書:サマリー】

❶ 現状の組織の問題(組織行動科学®より)

効率の限界と、「意味のある行動」が失われつつある現場のいま:

多くの企業では、業務スピード・正確性・コスト削減といった「効率化」がすでに一定の水準に達し、短期的な成果の最大化には大きく貢献してきました。これは、少子高齢化・人手不足・時間制約といった社会的制約への合理的な適応でもあり、経営判断として正当なものであったといえます。

しかし今、その“成果の裏側”で、見過ごせない兆しが現れ始めています。それは、特に自ら考え、全体構造を見て動けるごく一部(およそ10%程度)の社員層から発せられる、静かだが鋭い声です。

  • 「誰の役に立っているのかがわからない」

  • 「成果は出ているが、やりがいを感じない」

  • 「対応は早いけれど、心が通わないと顧客に言われた」

こうした声は、今はまだマイノリティかもしれません。けれどもこの層は、組織において「価値観と行動のズレ」に最も早く気づける存在。彼彼女らが感じているのは、単なる不満や疲れではありません。そこには、言葉になりきらない違和感と共に、組織の未来に向けた“問い”が込められています。

たとえば、

  • 顧客対応のスピードは上がったが、「冷たくなった」と言われるようになった

  • 数字は伸びているのに、離職率は下がらず、愛着を語る声が減ってきた

  • KPIは達成されていても、社内の関係性に温度が感じられない

こうした現象は、単発の出来事ではなく、“行動の意味”が失われつつある兆候といえるでしょう。そしてこの意味の喪失は、放っておけばやがて組織全体に波及し、取引先や顧客との信頼、社内メンバーの誇り、そして文化としての企業らしさを徐々に損なっていきます。


❷ 意味ある行動とは何か?それは“より善くなる関係”を生む工夫

“意味ある行動”とは、単に丁寧で親切なふるまいを指すのではありません。それは、顧客・取引先・社内メンバーにとって、「より善い状態」への一歩を生み出す工夫と判断のことです。たとえば、

  • 工程の混乱を察知し、納品タイミングを調整する

  • 顧客の曖昧な要望を読み解き、背景にある本質的な課題を提案に落とし込む

  • チームメンバーの詰まりに気づき、仕事の手を止めて声をかける

これらは、マニュアルやルールでは指示できません。しかし、いずれも“誰かの安心や成功を支える行動”として、確実に信頼を築いていきます。

その背後には、「効率」だけでなく、「効果を生む価値観」が根づいています。「何を早く・正確にやるか」ではなく、「誰に・どんな関係で価値を届けるか」という視点が、行動の質を決定づけているのです。


❸ なぜ、“意味ある行動”は取引の維持・拡大につながるのか?

取引が続き、広がっていく企業には、数値では測れない共通の評価があります。

  • 「こちらの状況をよく理解してくれている」

  • 「困ったときに、まず相談したくなる」

  • 「提案が一歩先を読んでいて助かる」

これらの言葉は、単なる親切さや対応スピードを指しているのではありません。その背後には、“こちらの立場や構造、関係性まで踏まえて動いてくれている”という安心感と信頼があります。

たとえば、

  • 「こちらの状況をよく理解してくれている」とは、目の前の依頼だけでなく、その背景にある現場の事情や工程全体の流れ(バリューチェーン)をくみ取りながら、最適な関わり方を選んでくれているということ。

  • 「困ったときに、まず相談したくなる」とは、こちらの意図や制約をふまえつつ、表面的な応答ではなく、“どう関われば価値が出せるか”を一緒に考えてくれる存在であること。

  • 「提案が一歩先を読んでいて助かる」とは、与えられた情報だけでなく、事実の奥にある“構造のズレ”や“関係性の変化”まで想像し、先回りして対応してくれていることへの信頼です。

このように、“意味ある行動”は、単なる作業や礼儀ではなく、相手の状況・背景・人間関係を含む全体文脈への想像と接続から生まれるのです。そして、それが積み重なることで、

  • 値引きではなく“信頼”で選ばれるようになる

  • 「相みつによる比較対象」ではなく「共働」の対象となる

  • 「この人・この会社とならやっていける」という関係性の資産が築かれる

すなわち、“意味ある行動”とは、価格競争を超えて、継続的な取引と紹介を生み出す“無形の競争力”でもあるのです。


❹ どうすれば、“意味ある行動”を再現できるのか?

このような行動は、感覚や性格に依存するものではありません。実際には、誰もが通る「内面的な変化のプロセス=価値観の成長ステップ」を経て、意味ある行動を獲得していきます。

主体性と信頼を育てる「価値観の成長ステップ」

(行動アンラーニング® :「既存の思考や行動の前提を問い直し、意味を再構築する成長プロセス」)

  1. 違和感に気づく:「このままでいいのか?」と自分の行動をふり返る

  2. 内省する:自分の行動が誰にどう影響しているのかを考える

  3. 相手を想像し、対話する:相手の背景(バリューチェーン)に目を向け、対話を重ねる

  4. 意味を実感する:相手の反応を通じて「やってよかった」という手応えを得る

  5. 行動が波及する:周囲の行動にも影響を与え、信頼の循環が生まれる

  6. 文化になる:行動の意味が言語化され、共有・継承されていく

このステップは、個人の気づきを起点に、チーム・組織へと波及していく流れを生み出します。そして、それが再現可能な仕組みとして根づいた時、組織の文化は「行動の質」に支えられたものへと進化する


❺ 再現可能にする鍵=生成AIの活用

属人的な「良い動き」を組織に定着させるには、行動の背景・構造・意味を整理し、言語化・共有するプロセスが欠かせません。その知的補助役として、私たちは生成AI:人的資本開発アシスタント®「育成・評価・継承支援を行う知的補助者として機能する仕組」を活用しています。

生成AIの主な役割:

  • 構造化の補助者:実践経験を「事実・背景・意味」に分解・整理

  • 多視点評価の分析者:目的・関係性・変化・再現性など多角的に評価

  • 次の行動のヒント提供者:気づきを次の行動につなげる“問い”を生み出す

生成AIは単なる効率化ツールではありません。行動の意味を構造的にひもとき、再現性のある“学び”として可視化・共有する存在です。これにより、個人の経験が組織の知へと翻訳され、文化として定着していきます。


❻ 経営層の皆様へ ― 次世代に残すべき行動とは?

ここまで見てきたように、「意味ある行動」は、成果だけでなく信頼も生み出す、企業にとって最も本質的な価値創出の源泉です。だからこそ、今こそ問い直すべきです:

  • 御社にとって、“削ってはいけない行動”とは何でしょうか?

  • その行動は、誰にとって、どんな“より善い変化”を生んでいますか?

  • それを再現可能にし、組織の仕組みとしてどのように継承していきますか?

経営とは、短期成果を最大化する「仕組み」を整える営みであると同時に、長期的な信頼を育てる「行動」を選び取り、守り抜く意思決定の連続でもあります。いま私たちが守るべきなのは、誰かがより善くなるために、自ら考えて動いたその一歩”なのではないでしょうか。


用語解説

■ 行動アンラーニング®

これまでの思考や行動の前提を一度手放し、現場での経験を通じて「意味」を再構成していく学習・変化のプロセス。既存の“正しさ”にとらわれず、違和感や内省、対話を通じて、主体的な行動と信頼関係を再構築していく道筋を指す。→ 変化の時代において、過去の成功パターンを手放し、“信頼される行動”に進化するための必須プロセスである。

■ 組織行動科学®

人と組織の間にある行動・心理・関係性の変化を科学的に捉える学問領域。行動の背後にある「構造・関係・文脈」を分析し、持続的な組織の進化を支援する設計思想でもある。→ “表面的な行動の良し悪し”ではなく、その背景にある構造的要因まで見抜き、組織全体の質を高める視点を提供する。

■ 人的資本開発アシスタント®

生成AI(GPT)を活用し、リーダーの育成・実践経験の内省・行動の意味づけ・知の継承を支援する仕組み。人間の思考を補い、意味の再構築と対話の質を高める“知的共創パートナー”として機能する。→ 育成や評価において、“何を大切にして動いたか”を言語化し、組織全体での学びと継承を可能にする。


【提言書無料ダウンロード】

『効率の先にある「選ばれる企業」への転換』

〜 信頼を生む行動の文化化 × 生成AIによる知の継承 〜

▼ この資料で得られること

  • 行動の「質」が成果と信頼の両立を可能にする構造とは?

  • 行動が文化になる6ステップと再現のプロセス

  • 生成AIが人的資本開発アシスタント®として担う支援とは?

  • 経営層への問い:「削ってはいけない行動」とは何か?

▼ こんな方におすすめ

  • 人的資本経営を“言語と仕組み”で支えたい経営・人事・現場責任者

  • 生成AIを育成・評価に本質的に活かしたいリーダー

  • 「組織文化はどう育つか?」を探求している方

▼ 提言書ダウンロード:

サマリー:5ページ

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  • 本文(前編):12ページ

  • 本文(後編):10ページ

  • 参考資料:9ページ

本文と参考資料は以下より無料ダウンロードができます

https://requestgroup.jp/download


【本件に関するお問い合わせ】

リクエスト株式会社

Human Capital Development XR HRD® Team

E-mail:request@requestgroup.jp


【会社概要】

社名:リクエスト株式会社

  • 所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F

  • 代表者:代表取締役 甲畑智康

  • 事業内容:組織開発・人材育成・AI活用支援 等

  • ブランド基盤:組織行動科学®

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会社概要

URL
https://requestgroup.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都新宿区新宿3丁目4番8号 京王フレンテ新宿3丁目4F
電話番号
090-4183-2525
代表者名
甲畑智康
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年10月