【2024年版】66.3%の保育園が「インクルーシブ保育」を実施、2020年比6.0ポイント増に留まる

〜90.2%から、外国にルーツを持つ子どもの対応に難しさを感じる声、2020年より35.4ポイント高い結果に〜

株式会社 明日香

 株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、保育士107名を対象に、【2024年版】インクルーシブ保育に関する実態調査を実施しましたので、お知らせいたします。

 なお、本調査では、2020年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。


■調査サマリー

  • 01|保育士の82.2%が、インクルーシブ保育を「知っている」と回答、2020年比44.3ポイント増加

  • 02|インクルーシブ保育を実施している保育園は66.3%、2020年から6.0ポイント増に留まる

  • 03|90.2%が、外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを実感、2020年より35.4ポイント高い結果に


▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/47Rjcrm

■調査概要

調査名称:【2024年版】インクルーシブ保育に関する実態調査

調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査

調査期間:2024年9月19日〜同年9月20日

有効回答:保育士107名

※1|【2020年版】インクルーシブ保育に関する実態調査:2020年9月24日〜同年9月28日|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000043389.html

※2|構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

≪利用条件≫

1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。

2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。

URL:https://konnect-labo.jp/


■保育士の82.2%が、インクルーシブ保育を「知っている」と回答、2020年比44.3ポイント増加

 「Q1.国籍や障がいの有無にかかわらず、様々な子どもを受け入れるインクルーシブ保育が推進されています。あなたはインクルーシブ保育を知っていますか。」(n=107)と質問したところ、「知っている」が82.2%、「知らない」が17.8%という回答となりました。

Q1.国籍や障がいの有無にかかわらず、様々な子どもを受け入れるインクルーシブ保育が推進されています。あなたはインクルーシブ保育を知っていますか。

<2024年(n=107)>

・知っている:82.2%

・知らない:17.8%

<2020年(n=103)>

・知っている:37.9%

・知らない:62.1%


■インクルーシブ保育を知った場面、2020年に続き、「保育園が行う研修」が最多

 Q1で「知っている」と回答した方に「Q2.どこでインクルーシブ保育を知りましたか。(複数回答)」(n=88)と質問したところ、「保育園が行う研修」が64.8%、「保育士養成校の授業」が38.6%という回答となりました。

Q2.どこでインクルーシブ保育を知りましたか。(複数回答)

<2024年(n=88)>

・保育園が行う研修:64.8%

・保育士養成校の授業:38.6%

・参考書・教科書:27.3%

・勤めた経験がある保育園:27.3%

・インターネット:20.5%

・TV:13.6%

・実習先施設:10.2%

・友人・家族から:3.4%

・その他:3.4%

 ー42歳:外部研修

 ー42歳:大阪府の研修

 ー49歳:仕事がら


<2020年(n=39)>

・保育園が行う研修:38.5%

・参考書・教科書:30.8%

・保育士養成校の授業:28.2%

・勤めた経験がある保育園:25.6%

・インターネット:25.6%

・TV:23.1%

・実習先施設:17.9%

・友人・家族から:7.7%

・その他:5.1%


■子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの「違い」をすべて受け入れる「インクルーシブ保育」を実施している保育園は66.3%、2020年から6.0ポイント増に留まる

 「Q3.あなたがお勤めの保育園では、子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの「違い」をすべて受け入れる姿勢で保育を行っていますか。」(n=107)と質問したところ、「行っている」が66.3%、「行っていない」が8.4%という回答となりました。

Q3.あなたがお勤めの保育園では、子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの「違い」をすべて受け入れる姿勢で保育を行っていますか。

<2024年(n=107)>

・行っている:66.3%

・行っていない:8.4%

・わからない:15.0%

・答えられない:1.9%

・保育園で働いていない:8.4%


<2020年(n=103)>

・行っている:60.3%

・行っていない:10.7%

・わからない:6.8%

・答えられない:2.9%

・保育園で働いていない:19.3%


■90.2%が、外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを実感、2020年より35.4ポイント高い結果に

 Q3で「行っている」と回答した方に、「Q4.「違い」のうち、特に外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じますか。」(n=71)と質問したところ、「とても感じる」が55.0%、「感じる」が35.2%という回答となりました。

Q4.「違い」のうち、特に外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じますか。

<2024年(n=71)>

・とても感じる:55.0%

・感じる:35.2%

・あまり感じない:5.6%

・全く感じない:0.0%

・外国にルーツを持つ子どもはいない:4.2%


<2020年(n=62)>

・とても感じる:12.9%

・感じる:41.9%

・あまり感じない:32.3%

・全く感じない:1.6%

・外国にルーツを持つこどもはいない:11.3%


■「言葉で説明するのが難しく、意思疎通がなかなかできない」や「宗教上の約束事を知ることが大事」などの声も

 Q4で「とても感じる」「感じる」と回答した方に、「Q5.具体的に難しさを感じたエピソードがあれば教えてください。(自由回答)」(n=64)と質問したところ、「言葉で説明するのが難しく、意思疎通がなかなかできない」や「宗教上の約束事を知ることが大事」など47の回答を得ることができました。


<2024年(n=64):自由回答・一部抜粋>

37歳:言葉、文化の違いがあり、どうしても日本の感覚で保育を行ってしまうため、思いを十分にくみとることができない。また、こちらの意図も伝わらない場面が多い。

39歳:子どもはまだいいが、親に日本語が通じない、ひらがなのみは読めるため、お便りもルビを振ったり、翻訳機能を使って会話をしたり配慮が必要。

39歳:感じ方が全然違う。受け取り方も違う。歩み寄りがむずかしい。

42歳:生活や食べ物の違い、習慣、考え方などを理解しないと対応が難しい。

50歳:言葉で説明するのが難しく、意思疎通がなかなかできない。

27歳:言葉が通じない、文化の違いを子ども達が理解できない。

70歳:宗教上の約束事を知ることが大事。

<2020年(n=32):自由回答・一部抜粋>

33歳:日本語がうまく使えないので、伝えたいことがわからない時がある。

50歳:中国出身で日本語が話せない人の対応が大変だった。

48歳:生活環境の違いで当たり前のことが当たり前じゃないことがある。

54歳:インドネシアの子供は、定時にラマダンがある。

43歳:他の子どもとの調和が難しい。

■外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じた保育士は93.8%、2020年比17.3ポイント増

 Q4で「とても感じる」「感じる」と回答した方に、「Q6.外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じたことはありますか。」(n=64)と質問したところ、「ある」が93.8%、「ない」が6.2%という回答となりました。

Q6.外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じたことはありますか。

<2024年(n=64)>

・ある:93.8%

・ない:6.2%

<2020年(n=34)>

・ある:76.5%

・ない:23.5%


■外国にルーツを持つ子どもが増加する中、約半数が「保育者向け通訳機」の使用経験あり

 「Q7.近年、保育の現場で外国にルーツを持つ子どもが増加しています。業務を行う中で、保育者向けの通訳機を使ったことがありますか。」(n=107)と質問したところ、「ある」が47.7%、「ない」が52.3%という回答となりました。

Q7.近年、保育の現場で外国にルーツを持つ子どもが増加しています。業務を行う中で、保育者向けの通訳機を使ったことがありますか。

・ある:47.7%

・ない:52.3%


■92.2%が、保育者向け通訳機が「役に立っている」と実感

 Q7で「ある」と回答した方に、「Q8.保育者向けの通訳機は役に立っていると感じますか。」(n=51)と質問したところ、「非常に感じる」が39.3%、「やや感じる」が52.9%という回答となりました。

Q8.保育者向けの通訳機は役に立っていると感じますか。

・非常に感じる:39.3%

・やや感じる:52.9%

・あまり感じない:7.8%

・全く感じない:0.0%

・わからない/答えられない:0.0%


■その理由、約6割が、「言語的な不安が解消され、ストレスが軽減」「緊急時や重要な情報伝達の際に、迅速な対応が可能」と回答

 Q8で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q9.保育者向けの通訳機が役に立っていると感じる理由を教えてください。(複数回答)」(n=47)と質問したところ、「言語的な不安が解消され、ストレスが減ったから」が57.4%、「緊急時や重要な情報伝達の際に、迅速な対応が可能になったから」が55.3%、「通訳者を介する必要がなくなり、時間と労力を節約できるようになったから」が40.4%という回答となりました。

Q9.保育者向けの通訳機が役に立っていると感じる理由を教えてください。(複数回答)

・言語的な不安が解消され、ストレスが減ったから:57.4%

・緊急時や重要な情報伝達の際に、迅速な対応が可能になったから:55.3%

・通訳者を介する必要がなくなり、時間と労力を節約できるようになったから:40.4%

・子どもたちとの意思疎通が深まり、保育に良い影響が出たから:23.4%

・文化的背景や習慣の違いにも配慮した対応が可能になったから:23.4%

・その他:0.0%

・わからない/答えられない:2.1%


■「保育用語は一般の通訳機では不自然なことがあったが、その点が解消された」や「保護者の方の思いもオンタイムで知ることが出来る」などの理由も

 Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q10.Q9で回答した以外に保育者向けの通訳機が役に立っていると感じる理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=46)と質問したところ、「保育用語は一般の通訳機では不自然なことがあったが、その点が解消されたから」や「保護者の方の思いもオンタイムで知ることが出来る」など26の回答を得ることができました。


<自由回答・一部抜粋>

34歳:保育用語は一般の通訳機では不自然なことがあったが、その点が解消されたから。

30歳:ネットの翻訳ではなく、即座に会話できるようになったのがよい。

50歳:考えることが少なくてすみ、時間の節約につながる。

47歳:保護者の方の思いもオンタイムで知ることが出来る。

25歳:文化の違いを説明することができたから。

70歳:間が取れることも役立っている。


■まとめ

 今回は、保育士107名を対象に、【2024年版】インクルーシブ保育に関する実態調査を実施しました。


 まず、保育士の82.2%(2020年比44.3ポイント増)が、子どもの国籍や障がい、年齢、貧困などの「違い」をすべて受け入れる「インクルーシブ保育」を「知っている」と回答しており、インクルーシブ保育を知った場面は、2020年に続き、「保育園が行う研修」が最多となりました。一方で、インクルーシブ保育を実施している保育園は66.3%で、2020年から6.0ポイントの増加に留まっています。また、外国にルーツを持つ子どもへの対応に難しさを感じている保育士は90.2%(2020年比35.4ポイント増)、外国にルーツを持つ子どもの親への対応に難しさを感じている保育士は93.8%(2020年比17.3ポイント増)で、いずれも高い結果になりました。さらに、約半数が、保育者向け通訳機の使用経験があり、そのうち92.2%が、通訳機が「役に立っている」と実感しています。その理由として、「言語的な不安が解消され、ストレスが減ったから」などを挙げました。


 今回の調査では、保育士の間でインクルーシブ保育への理解が広がりつつある一方で、外国にルーツを持つ子どもと保護者への対応にまだまだ課題が多いことが明らかになりました。通訳機などの技術的な進歩によって保育業務に良い影響が起きている一方、文化や慣習の違いといった、人間的側面へのアプローチスキルや情報量が未だに不足気味な印象があります。「2025年問題」や少子化の加速など、保育分野は不確実で複雑な状況に今直面していますが、目の前にいる子どもたちや保護者のために、保育者は日々弛まぬ努力を続けています。そういった保育者を後押しするためにも、グローバルな分野で活躍する企業や団体などから技術やアイデアの提供・支援などがあると、より包括的な保育が実現できるのかもしれません。これからの保育・子育て支援においては、垣根を超えたより強固なパートナーシップが求められています。

▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/47Rjcrm


◼️<参加団体求む>保育に役立つプロダクト・サービスをお待ちしています|参考:明日香、浜松市と「保育専門通訳システム」の実証実験結果について

 株式会社 明日香は、浜松市協力の下、保育現場における有用性のある通訳システムについての実証実験を実施しました。この実験では、保育現場における有用性のある通訳システムを調査・開発し、効果的なインクルーシブ保育の実現と、 保護者支援を含む保育業務全般の質向上を目指しています。

(詳しくはこちら:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000043389.html


今後も、子ねくとラボは、翻訳機をはじめとした、インクルーシブ保育に役立つプロダクトやサービス等を用いた実証実験を企画・実施して参ります。是非ご一緒に未来を生きる子どもたちのために、保育環境を整備していきましょう。


実証実験のご相談はこちら:https://konnect-labo.jp/contact



■「子ねくとラボ」について

 「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。

事業名   :子ねくとラボ

事業責任者 :末廣 剛

URL   :https://konnect-labo.jp/

サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス

       ・保育施設向け研修&巡回サービス

       ・保育専門実証実験 コーディネートサービス

       ・スタートアップ支援サービス


■会社概要

会社名  :株式会社 明日香

設立   :1994年8月30日

代表取締役:萩野 吉俗

所在地  :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F

事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)

      ■自治体と連携した子育て支援事業

      (児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)

      ■保育に関わる人材の派遣・紹介

      (保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)

      ■居宅訪問型子育て支援

      (ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)

      ■臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)

      ■保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)

      ■新規保育事業の開発及びコンサルティング

URL   :https://www.g-asuka.co.jp/



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株式会社 明日香

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サービス業
本社所在地
東京都文京区小石川5丁目2番2号 わかさビル3F
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代表者名
萩野 吉俗
上場
未上場
資本金
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設立
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