Job総研による『2023年 副業・兼業の実態調査』を実施 今後始める8割 本業で賃金上がらず 月2万円を副業で補填
〜 収入あげるため副業 40代に顕著 始めたいけど職場から禁止も 〜
【副業・兼業の実態】
2022年7月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」改定を発表し、副業を認める企業も増加傾向にあります。またコロナ禍を境にテレワークが普及したことも影響して働き方の多様性が進む中、今後も副業人口が増加することが推測できます。そして昨今では物価高騰に対応して賃金アップをする企業ある一方、ギリギリの生活を強いられている状況下にある層も少なくありません。こうした背景から、本業以外で収入を見込める副業を社会人はどのように捉えているのでしょうか。
Job総研では336人の社会人男女を対象に、 年代別を含めた現在の副業率や今後の副業予定とその理由、また2018年~2022年における副業実施推移及び今年副業を始める割合や、副業を始めたきっかけと副業における労働時間と収入面などを調査した「2023年 副業・兼業の実態調査」を実施しました。
【調査概要】 調査対象者 :全国 / 男女 / 20~50代 調査条件 :1年以内~10年以上勤務している社会人 20人~1000人以上規模の会社に所属 調査期間 :2023年2月15日~2月21日 有効回答数 :336人 調査方法 :インターネット調査 |
【TOPICS】 ・全体の22.6%が「現在副業をしている」と回答 年代別では40代の副業実施率が31.7%で最多 ・「今後副業を始めたい派」の回答は全体の85.5% 年代別では40代が87.5%で最多 ・副業の実施は毎年増加していて2018年からは2倍 65.8%が「今年(2023年)中に始めたい」と回答 ・副業を始めたい理由「収入アップ」が70.4%で最多 始めたきっかけは「テレワークの普及」が最多 ・副業の週間労働時間は平均で8.7時間 副業のみの年収は平均で20万円 最頻は50万円 |
【現在の副業について】
現在副業をしているかについて、全体の22.6%が「している」と回答し、「していない」は77.4%でした。またこれを年代別で見ていくと、「している」の最多回答は40代の31.7%で、次いで50代の22.4%、30代の20.7%と続き、20代は最低回答の14.6%という結果になりました。
【今後の副業について】
今後副業をしたいと思っているかについては、「したいと思う」55.1%と「どちらかといえばしたいと思う」30.4%を合算した、85.5%が”したいと思う派”の回答をしました。”したいと思わない派”の回答は14.5%でした。また、これを年代別で見ていくと、”したいと思う派”を最多回答した年代は40代の87.5%になり、次いで30代が86.2%、50代が83.6%、20代が83.4%でした。
【副業実施の推移と今年の実施意欲】
現在副業をしていると回答した76人に、2018年〜2022年で副業をしていた年を聞くと、2018年が35.5%、2019年が46.1%、2020年が50.0%、2021年が63.2%、2022年が72.4%で、毎年増加している傾向にあることがわかりました。2018年と比較した2022年の実施率は約2倍の結果になりました。
また今年(2023年)の内に副業を始めようと思っているかを聞くと、「始めようと思う」35.4%と「どちらかといえば始めとうよ思う」30.4%を合算した65.8%が”始めよう思う派”の回答をしました。”始めようと思わない派”の回答は34.2%で、内訳は「始めようと思わない」が20.5%で「どちらかといえば始めようと思わない」が13.7%でした。
※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 副業・兼業の実態調査 報告書」をご参照ください(※3)
【副業する人・しない人の理由】
現在副業をしていないと回答した260人にその理由を聞くと、「会社から禁止されている」が33.8%で最多回答になり、次いで「本業が忙しくて時間がない」が30.8%、「同時進行する自信がない」が28.8%で上位3つの回答結果になりました。また今後副業をしたいと回答した287人にその理由を聞くと、「収入を上げるため」が70.4%で最多回答になり、次いで「小遣い稼ぎ」が48.4%、「自身のスキル向上のため」が42.5%で上位3つの回答結果になりました。
【副業を始めたきっかけ】
現在副業をしていると回答した76人に始めたきっかけを聞くと、「テレワークで始めやすくなったから」が43.4%で最多回答になり、次いで「老後のための資金が心配になったから」が39.5%、「法改正で副業が認められ始めたから」が36.8%で上位3つの回答結果になりました。
また現在副業を何社しているかを聞くと、「1社」が61.8%で最多回答になり、2社以上は38.2%でした。さらに副業のみの週間労働時間では、平均8.7時間で中央値は5時間の結果になりました。
【本業と副業の収入】
現在副業をしていると回答した76人に、本業のみで得ている年収について記述回答から集計すると、平均が600万円、中央値が631万円、最頻値が550万円でした。また副業のみで得ている年収では、平均が20万円、中央値が128万円、最頻値が50万円でした。
【回答者自由記述コメント】
副業に関する様々なコメントが寄せられました
・現在は本業企業から禁止されているが、解禁されたら副業してみたい ・もっと日本で副業文化が浸透して、当たり前になるような社会になってほしい ・副業を禁止している企業もあるが、禁止にするなら賃金を上げるべきだと思う ・現在ほぼリモートワークなので通勤時間など空いた時間を副業にあてていきたい ・本業だけの収入では毎月ギリギリなので仕方なく副業を行なう必要性がある |
※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 副業・兼業の実態調査 報告書」をご参照ください(※3)
【調査まとめ】
今回実施した「2023年 副業・兼業の実態調査」では、現在副業をしている割合は全体の2割でしたが、コロナ前から毎年増加の推移で、2018年と2022年では2倍超増加していることがわかりました。また8割強は今後副業をしたいと回答していて、その中でも6割強が今年(2023年)の内に始めたいと回答していることから、今後副業人口は増加していくことが推測できます。その背景には、コロナで普及が進んだテレワークの働き方や副業に関する法改正が大きく影響していると考えられます。その裏付けとして副業を始めたきっかけに「テレワークで始めやすくなった」の回答が最多回答になっていることや、法改正により企業による副業への理解が進んだことも上位回答になっていることが挙げられます。
特に年代別では40代が副業に興味を示している傾向が見られ、実際に「現在副業をしている」と「今後始めたいと思う」で最多回答だったのが共に40代になっています。
副業を始めたい理由では、「収入アップや小遣い稼ぎ」が上位を占めていることから、昨今の物価高騰や上がらない賃金により収支のバランスが崩れ始めていることも背景の1つになりそうです。実際に副業のみで得ている年収は平均20万円で、月収換算すると1.6万円になっていることから、副業で収入を大きくアップさせるというより、プラスアルファとして小遣い程度の収入として捉えていることがわかります。
一方で副業をしていない理由では「職場から禁止されている」が最多回答になっていることから、企業の副業に対する理解の広がりが一定で止まっていることも推測できます。また「本業が忙しく副業する時間がない」の回答も上位を占めていることから、現実的に副業をしたくてもできない環境があることもわかりました。
近年のコロナ禍によって働く場所を選ばないテレワークや移住ワークなど働き方の多様性が進み、副業を始めやすくなったことから、副業する人が増加しており、今後においてもさらに増加していることが予測できる調査結果になりました。
ライボでは今後も就職・転職・働き方などに関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。
株式会社ライボ 経営企画室
広報グループ長 兼「Job総研室長」 堀 雅一(ほり まさかず)
2021年にJob総研を立ち上げ、その後”働く社会人や就活生”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施。市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで働く社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的としている。
またJob総研の調査をもとに各大学で「キャリア設計」の授業を実施する他、多くのメディアでキャリアや働き方など社会との関連などを解説している
※取材についてのお問い合わせはプレスリリース最下部にある連絡先からお願いします
【(※3)2023年 副業・兼業の実態調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/14864
【(※2)Job総研について】
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