Job総研による『2023年 自己都合退職の実態調査』を実施 都合よく処理される退職者 6割が強制や促しで渋々自己都合に

〜 失業給付”遅い”が8割 制度見直しで給付制限撤廃に期待8割 〜

Job総研(パーソルキャリア)

 キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ(※1)」を開発・運営する株式会社ライボ(本社:東京都渋谷区 代表取締役:小谷匠 以下「ライボ」)の調査機関『Job総研(※2)』は、423人の社会人男女を対象に「2023年 自己都合退職の実態調査」を実施しました。同調査は自己都合退職に対する印象やその経験有無及び自己都合退職への不服有無、また自己都合退職の際の会社側の説明や具体的な対応、さらに失業給付見直しによる転職のしやすさなどについて調査しました。


【自己都合退職と失業給付】
 昨今日本ではジョブ型雇用やリスキリングなどの政策を実施しており、成長産業への労働移動の活発化を促す動きが見られます。2月には自己都合退職による失業給付のあり方を見直すことも発表しました。現在は自己都合で離職した後、原則2ヶ月間受給できない制限措置がありますが、改善された際には実際に労働移動の円滑化に影響するのでしょうか。また自己都合退職の実態や現状の失業給付のあり方について社会人はどのように考えているのでしょうか。
 Job総研では423人の社会人男女を対象に、自己都合退職に対する印象やその経験有無及び自己都合退職への不服有無、また自己都合退職の際の会社側の説明や具体的な対応、さらに失業給付見直しによる転職のしやすさなど調査した「2023年 自己都合退職の実態調査」を実施しました。

 

【調査概要】
調査対象者    :全国 / 男女 / 20~50代
調査条件     :1年以内~10年以上勤務している社会人
          20人~1000人以上規模の会社に所属
調査期間     :2023年2月22日~2月28日
有効回答数    :423人
調査方法     :インターネット調査
【TOPICS】
・全体の89.1%が自己都合退職の経験あり この内20.2%が「実際は会社都合だった」と回答
・自己都合退職の処理について64.5%が「会社から口頭での説明がなかった」と回答
・自己都合退職に不服64.8% 「説明なく処理された」38.2%で最多 促しや強制的処理も顕著
・全体の82.1%が「自己都合退職は不利」と回答 「失業給付の受給までが遅い」が88.8%
・政府による失業給付見直し「賛成派」83.0% 転職など「労働移動が円滑になると思う」81.1%



【自己都合退職の割合】
 これまでの退職経験の有無では、「経験あり」が71.4%で、「退職経験なし」が28.6%でした。退職経験のある302人に退職の種類を聞くと、89.1%が「自己都合退職」の経験があると回答し、「会社都合退職」は21.5%でした。


【会社側の処理と実際の退職理由】
 自己都合退職の経験がある292人に実際の退職理由を聞くと、20.2%が「実際は会社都合だった」と回答し、「実際に自己都合だった」は79.8%でした。
また回答者全体の423人に失業者にとっての自己都合退職に対する印象を聞くと、「とても不利だと思う」19.2%、「不利だと思う」20.5%、「どちらかといえば不利だと思う」42.4%を合算した82.1%が”不利だと思う派”の回答をしました。


【自己都合退職時の会社の対応】
 退職経験のある302人に自己都合退職時の会社側の対応について聞くと、「全く説明がなかった」が46.7%で最多回答になり、他に「口頭での説明はなく書面で確認した」が13.2%、「口頭での説明はなく書面でも確認できなかった」が4.6%で、これらを合算すると、自己都合退職時に64.5%が “口頭での説明がない”ことがわかります。また自己都合退職経験のある292人に会社側の具体的な対応について聞くと、「会社側から説明なく自己都合退職にされた」が38.2%で最多になり、次いで「会社側から説明はあったものの自己都合退職に促された」が12.7%、「ほぼ強制的に自己都合退職にされた」が13.9%でした。このことから64.8%が自己都合退職に不服を感じていることがわかりました。

※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 自己都合退職の実態調査 報告書」をご参照ください(※3)


【転職までの期間と失業給付金の受給】
 退職経験のある302人に退職してから次の仕事に就くまでの期間を聞くと、「1ヶ月未満」が51.0%で最多になり、次いで「1〜3ヶ月未満」が22.2%、「3〜6ヶ月未満」が10.4%で上位3つの回答結果でした。「6ヶ月以上」の回答は16.2%でした。また失業給付金の受給経験の有無を聞くと、「経験あり」が41.1%で、「経験なし」が58.9%でした。


【失業給金の受給期間について】
 退職経験のある302人に失業給金の手続きから受給できるまでの期間への印象を聞くと、「とても遅い」26.8%、「遅い」25.2%、「どちらかといえば遅い」36.8%を合算した88.8%が”遅い派”の回答をしました。また失業給付金を受給できる期間への印象を聞くと、「とても短い」18.9%、「短い」25.5%、「どちらかといえば短い」32.1%を合算した76.5%が”短い派”の回答をしました。


【政府の失業給付金の見直しについて】
 回答者全体の423人に、政府による失業給付の見直しへの賛否では、「とても賛成」20.1%、「賛成」30.7%、「どちらかといえば賛成」32.2%を合算した83.0%が”賛成派”の回答をしました。”反対派”の回答は全体の17.0%でした。また失業給付の見直しで転職などの労働移動への影響について聞くと、「とても円滑になると思う」24.8%、「円滑になると思う」37.8%、「どちらかといえば円滑になると思う」18.5%を合算した81.1%が”円滑になる派”の回答をしました。「特に変わらないと思う」は全体の18.9%でした。

※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 自己都合退職の実態調査 報告書」をご参照ください(※3)


【回答者自由記述コメント】
自己都合退職による失業給付金の受給早期化についてのコメントが顕著でした
・自己都合でも会社都合のように即日失業手当が支給されるようにした方がいいと思う
・人員カットの際に退職を選択せざるを得ない状況に追いやられたが自己都合で処理された
・自己都合で退職した際は転職先が決まった状態だったので失業手当を受給しなかった
・ブラックな環境ですぐにでも退職したかったが失業手当をすぐに貰えないことから結局我慢していた
・退職を考えてから転職活動して仕事が見つかるまでに意外と時間がかかるのでなかなか動けない
・自己都合でも失業手当をすぐに受給可能になれば、退職した後に転職先を探すという選択ができる

 


【調査まとめ】
 今回実施した「2023年 自己都合退職の実態調査」では、9割が自己都合退職を経験していますが、これは退職すること自体転職を前提にすることが多いので、9割の回答になることが自然といえます。しかしこの自己都合による退職経験者のうち2割が、実際には会社都合の退職だったにも関わらず自己都合退職と処理されていたことがわかりました。また6割強が自己都合退職の際に「会社側から口頭での説明がなかった」と回答していて、具体的には「説明なく自己都合にされた」「会社都合の退職を自己都合にするよう促された」「ほぼ強制的に自己都合にされた」など、半数以上が会社側の対応に不服を感じている結果になりました。
 現在の制度では退職してから次の職に就くまでの期間に、手続きを踏むことで失業給付金を受給することができますが、これには自己都合退職か会社都合退職かで受給への条件が大きく異なっています。会社都合退職は倒産や解雇が理由で、自己都合退職は転職やキャリアアップなどが理由と大きく分かれます。会社都合退職では7日間の待機期間後に給付されますが、自己都合では7日間に加え、原則2カ月間の「給付制限」を経た上で受給開始となります。これに対して同調査の8割の回答者が「自己都合退職は失業者にとって不利」と回答している他、自己都合退職による失業給金の手続きから受給できるまでの期間について9割が「遅い」と回答し、受給できる期間についても8割が「短い」と回答しています。
 政府による失業給付の見直しの焦点は上記のような、自己都合退職で失業給付金を受給できるまでの制限撤廃などになりますが、これに対して岸田首相は「成長産業への労働移動の円滑化を目的としている」と発表しています。実際に同調査でも8割が失業給付の見直しに”賛成派”を回答し、同じく8割が「労働移動が円滑になる」と回答しています。
 このことからも、自己都合退職による失業給付が見直されることで、転職を考えたり実際に転職をする人の数は増加すると推測できますが、一方で会社都合を自己都合に促したり、強制的に自己都合退職として処理する会社が増加してしまう懸念もでてきます。自己都合退職が失業者にとって給付金の面で不利に働く現状の制度でも、前述した通り同調査では2割が「会社都合の退職を自己都合として処理された経験がある」と回答しています。制度が見直されることで、自己都合退職が求職者にとって不利にならないことを逆手にとって、会社側にとって都合の良く促しやすい状況になることも考えられます。とはいえ失業者にとってメリットが大きくなるような制度の見直しがされることで、今後さらに転職が一般化していく流れが推測できる調査になりました。ライボでは今後も就職・転職・働き方などに関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。
 

株式会社ライボ 経営企画室
広報グループ長 兼「Job総研室長」
堀 雅一(ほり まさかず)

2021年にJob総研を立ち上げ、その後”働く社会人や就活生”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施。市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで働く社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的としている。
またJob総研の調査をもとに各大学で「キャリア設計」の授業を実施する他、多くのメディアでキャリアや働き方など社会との関連などを解説している

※取材についてのお問い合わせはプレスリリース最下部にある連絡先からお願いします


【(※3)2023年 自己都合退職の実態調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます
https://job-q.me/articles/14874

【(※2)Job総研について】
 Job総研は就職・転職やキャリア全般に関する研究や各種調査の実施により、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで就転職関連市場に貢献する事を目的とし立ち上げられました。
 就職・転職・働き方・ランキング・働く女性など多数のジャンルで信頼できる情報を発信していくことにより、就転職活動に役立てていただくことや、キャリアに関する不安や悩みを解決する一助として”個が活躍する社会により良い選択の機会”を提供し就転職市場に貢献してまいります。

【(※1)JobQについて】
 「あなたが知りたい”働く”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。
■JobQ”退職”に関するQ&A
https://job-q.me/categories/corporate/retirement

【会社概要】
会社名        :株式会社ライボ
設立         :2015年2月3日
代表取締役      :小谷 匠
所在地        :〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目19-9第一暁ビル3階
事業内容       :キャリアや転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」の企画・開発・運営
グループ会社     :2019年3月1日 パーソルキャリア株式会社にグループイン
ホームページ     :https://laibo.jp/
JobQ         :https://job-q.me/

【報道関係者様お問い合わせ先】
株式会社ライボ 広報担当:堀 雅一
Tel        :03-6416-1760
Fax       :03-6416-0503
携帯直通     :080-4193-1810
Mail       :masakazu.hori@laibo.jp
問い合わせフォーム:https://laibo.jp/contact_press/
※現在主にテレワークの勤務形態をとっておりますので、誠に勝手ながらお問い合わせは携帯直通かメール及び問い合わせフォームよりお願い致します

【プレスリリース原稿】
https://prtimes.jp/a/?f=d13597-20230309-5a2596e40caa9d08716c80b8f66f0ff1.pdf
 

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業種
サービス業
本社所在地
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電話番号
03-6213-9000
代表者名
瀬野尾 裕
上場
未上場
資本金
-
設立
1989年06月