三井ダイレクト損保、コールセンターAIで「デジタルデバイド解消」へ苦情ゼロ・夜間の問い合わせ52.7%を自動完結
セキュリティ強化に伴うログイン難民を「KARAKURI voice agent」で防ぐ
カスタマーサポートDXを推進するカラクリ株式会社(東京都中央区:代表取締役CEO 小田志門、以下カラクリ)は、三井ダイレクト損害保険株式会社(本社:東京都文京区、取締役社長:佐久間 美奈子、以下三井ダイレクト損保)のお客さまセンター部に、ボイスエージェント「KARAKURI voice agent」を提供し、2026年4月から本格稼働したことをお知らせいたします。
三井ダイレクト損保では、本ソリューション導入によりマイページへのログインに関する問い合わせを24時間365日対応できる体制を整え、顧客体験の向上とコンタクトセンターの業務効率化を同時に実現しています。稼働後、AIへの苦情は0件(2026年5月時点)を記録しており、幅広い層のお客さまへの受け入れと、デジタルデバイドの解消につながっていることが確認されています。

導入背景:二段階認証に向けて、さらに「強くてやさしい」コンタクトセンター体制を構築
契約件数100万件を突破した三井ダイレクト損保では、お客さまとの月間総接点数が約8万〜9万件にのぼり、そのうち約65%(月5万〜6万件)を電話チャネルが占めています。同社が電話応対の体制強化を急いだ背景には、セキュリティ強化に伴う問い合わせの急増がありました。
2024年7月のウェブサイトリニューアルによるパスワード要件変更をした際、ログインに関する問い合わせが2〜3倍に急増。さらに、2026年9月に予定されている二段階認証(2FA)の本格導入により、さらなる入電数の増加が見込まれていました。当時のログイン関連の問い合わせは月約5,000件に達し、1件あたりの平均応対時間は10分に及んでいました。
また、応対現場ではお客さま層の特性に応じた丁寧なサポートも求められていました。ログインに関する問い合わせの対象となるお客さまは平均年齢が61歳、最頻値が72歳です。スマートフォンの操作に不慣れなお客さまにとって、電話は最も安心できる確実な相談手段であるため、ご案内が丁寧になるほど1通話あたりの応対時間が長くなる傾向にありました。
同社は、今後の入電数増加への備えと、すべてのお客さまへのデジタルシフト支援という2つの重要課題を解決するため、カラクリのボイスエージェントの導入を決定しました。電話チャネルの混雑を緩和しつつ、チャットボットやSMSなどノンボイス対応を含めたハイブリット化をすることで、誰もが快適に利用できる新たな応対インフラの構築を進めています。
ボイスエージェントの活用方法
「KARAKURI voice agent」は、三井ダイレクト損保のマイページへのログインに関する電話問い合わせに対し、24時間365日のサポートチャネルとして稼働しています。AIが顧客の状況をヒアリングしながら必要な設定方法や操作手順をステップごとにご案内します。
ハルシネーションリスクの低減
保険業界では、AIが誤った契約情報や手続き手順を案内することが顧客トラブルや規制リスクに直結します。回答精度の担保に寄与しているのが、カラクリのRAG(検索拡張生成)アーキテクチャです。三井ダイレクト損保が「KARAKURI chatbot」の運用を通じて長年整備してきたデータをナレッジソースとして参照し、回答を生成します。回答範囲が確認済みの社内情報に限定されるため、誤情報を音声で案内するハルシネーションリスクを構造的に低く抑えられています。
音声品質の滑らかさ
カラクリのボイスエージェントが採用するspeech to speech方式は、テキスト変換を介さずに音声で直接入出力を処理します。従来のシナリオ型ボイスボットは対応範囲が限定的で、自然な会話や途中発話への対応に課題がありました。本ソリューションは顧客の発話を文脈ごと把握し、途中で「ちょっと待って」と言えば待機し、話が脱線しても会話の流れを自然に戻すリカバリー能力を持つことで、「人間らしい」対話品質を担保しています。
KARAKURI voice agent:https://karakuri.ai/service/cs
ボイスエージェントの初期効果
2026年4月の本番稼働から約2ヶ月(2026年5月現在)の実績として、営業時間外(18時以降)における問い合わせの解決率は527%に達しています。これまで「ただいま営業時間外です」とお伝えするしかなかった夜間・休日のログイン問い合わせに、初めて自己解決の機会を提供できるようになりました。
全時間帯の自動解決率は目標(60〜70%)に向けて改善過程にあるものの、稼働以降の顧客からの苦情は0件を維持しています。60〜70代の顧客層においても拒否反応は少なく、AIとの会話を最後まで完了するユーザーが継続して確認されています。2026年5月からはAIへの動線をさらに拡大しており、今後の指標改善が見込まれます。
三井ダイレクト損害保険株式会社
お客さまセンター部 品質・業務グループ
グループマネージャー 和田 英典 さまコメント
お客さまがマイページの入口に立っているのに入れない——その状況をなんとかしたかったのが、すべての出発点でした。シナリオ型のボイスボットでは決まり切ったことしか対応できず、ログインに苦労されている方の多くはその後の操作にも不慣れなため、柔軟な対話が欠かせませんでした。カラクリを選んだ決め手は、音声の滑らかさ、ハルシネーションリスクの低さ、そして長年の関係から業務を一から説明しなくていいという安心感の3点です。IVRを経ずに直接AIへ繋ぐ設計を取ったため、正直ある程度の苦情は覚悟していました。ところが高齢のお客さまでも違和感なく会話してくださっており、苦情は0件。カスタマーサポートにAIを導入する際に顧客体験を下げては意味がない——品質がそこまで到達しているからこそ踏み切れた、というのが正直なところです。2026年9月の二段階認証導入という大きな山が控えており、そこでいよいよ真価が問われると考えています。
詳細インタビュー: https://karakuri.ai/case/mitsui-direct-voice-agent
▶ 会社概要
カラクリ株式会社は「Friendly Technology」をミッションに掲げる、カスタマーサポート領域特化のAIスタートアップです。SBI証券、大和証券、星野リゾートをはじめ大手企業150社以上へ、KARAKURI chatbot/KARAKURI assist/GeN(Generative Navigator)/KARAKURI CXM/などの製品群を提供しています。
また、経済産業省・NEDOのGENIAC第3期に採択され、AWS Trainiumを活用した国産LLM「KARAKURI LM」、ビジョン・ランゲージモデル「KARAKURI VL」の開発も進めています。
住所 : 〒104-0045 東京都中央区築地2-7-3 Camel 築地 II
設立 : 2016年10月3日
代表者 : 代表取締役CEO 小田 志門
事業内容 : カスタマーサポート特化型AI「KARAKURI」シリーズの開発・提供・運営など
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