Job総研による『2023年 残業に関する実態調査』を実施 7割が5類移行後に残業増加 出社組は不毛な”サボり残業”
〜定時で上がれない空気感も一蹴 “残業しない”20代に顕著〜
【残業意識の変化】
働き方改革により残業して成果を上げることよりも、生産性を上げる方が評価される時代へ変化する中、今年の4月に月60時間を超える残業の割増賃金率が50%以上に引き上げられる法改正が行われました。また昨今では、違法な長時間労働や残業代未払いがトラブルに発展するケースが多発している状況から不当残業の増加も懸念されています。このような中、社会人の残業に対する意識はどのように変化しているのでしょうか。
そこでJob総研では、終業時間の意識と実際のタイミング、コロナ以前と比較した残業時間の増減、そしてサボり残業の経験有無及びサボり残業による自身への影響と賛否などを調査した「2023年 残業に関する実態調査」を実施しました。
【調査概要】 調査対象者 :現在職を持つすべての社会人 JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者 調査条件 :全国 / 男女 / 20~50代 調査期間 :2023年8月25日~8月28日 有効回答数 :796人(男性6 / 女性4) 調査方法 :インターネット調査 |
【TOPICS】 ・全体の72.4%が「定時終業を意識」も実際は60.9%が定時終業 20代の定時終業が67.2%で最多 ・定時終業の理由は「会社からの推奨」が1位 上がれない理由は「仕事量の多さ」が最多 ・全体の67.2%がコロナ禍より残業が「増えた」と回答 出社頻度が高い回答者の残業時間増が顕著 ・全体の60.7%が残業代「出る」と回答 サボり残業経験は「ない派」が60.9%と多数 ・全体の60.8%がサボり残業に「反対」 サボり残業の影響は「心の余裕が生まれる」が1位 |
【終業の意識】
回答者全体の 796人に終業の意識を聞くと、「定時上がりを意識している派」が72.4%と過半数を占め、内訳は「かなり定時上がりを意識している」29.4%、「定時上がりを意識している」21.9%、「どちらかといえば定時上がりを意識している」21.1%となりました。年代別の回答では20代の「定時上がりを意識している派」が76.6%で最多となり、次いで40代が72.5%、50代が69.9%、30代が68.3%と、若手の次に中堅層の意識が高い結果になりました。
【実際の終業のタイミング】
回答者全体の796人に実際の終業タイミングを聞くと「定時に終業派」が60.9%と過半数を占め、内訳は「必ず定時に終業」16.3%、「定時に終業」25.5%、「どちらかといえば定時に終業」19.1%となりました。年代別の回答では20代の「定時に終業」が67.2%で最多となり、次いで40代が60.0%、30代が57.5%、50代が50.8%と、若手層の終業時間が早い結果となりました。
【終業時間の理由】
定時で終業すると回答した485人にその理由を聞くと「会社から定時上がりを推奨されている」が50.1%で最多となり、次いで「プライベートの時間を充実させたい」が38.6%、「効率のいい働き方を心がけている」が29.7%と上位3つの回答になりました。一方、定時で終業していないと回答した311人にその理由を聞くと「残業
しなければ終わらない仕事量がある」が64.3%で最多となり、「定時に上がれない雰囲気がある」が21.5%、「仕事を任せられる人がいない」が18.3%と、上位3つの回答になりました。
※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 残業に関する実態調査 報告書」をご参照ください(※4)
【コロナ以前と比較した残業時間の増減】
回答者全体の 796人に、コロナ5類移行前と比べた残業時間の増減を聞くと「増えた派」が67.2%と過半数を占め、内訳は「とても増えた」16.5%、「増えた」14.6%、「どちらかといえば増えた」36.1%となりました。またコロナ後に出社頻度が増加した507人に同質問を聞くと「増えた派」が78.5%と過半数を占め、内訳は「とても増えた」21.5%、「増えた」16.4%、「どちらかといえば増えた」40.6%となり、出社頻度が高い人ほど残業時間が増える傾向が見られました。
【残業代とサボり残業経験有無】
回答者全体の796人に会社からの残業代の有無を聞くと「出る」が60.7%、「出ない」が19.5%、「固定残業代が給与に含まれている」が19.8%と、”出る派”が過半数を占めました。同回答者にサボり残業の経験有無を聞くと「ない派」が60.9%と過半数を占め、内訳は「全くない」26.9%、「ない」17.5%、「ほぼない」16.5%となりました。
【サボり残業の影響と賛否】
サボり残業経験ありと回答した311人にサボリ残業による自身への影響を聞くと「心の余裕が生まれる」が54.0%で最多回答となり、次いで「気分転換になる」36.0%、「ダラダラ仕事をするようになる」15.4%が上位3つの回答となりました。また全回答者の796人にサボり残業の賛否を聞くと「反対派」が60.8%と過半数を占め、内訳は「とても反対」18.5%、「反対」21.9%、「どちらかといえば反対」20.4%となりました。
※更に詳細な集計データは別紙の「2023年 残業に関する実態調査 報告書」をご参照ください(※4)
【回答者自由記述コメント】
出社が増えることで残業時間が増えやすいというコメントが顕著でした。
・上司が退勤するまでは退勤できないので、業務が終わっても20分くらい様子を見てしまいます ・オフィスで残業していると仕事を頑張っている雰囲気が出せる ・出社はいいのですが準備で時間を取られるので、プライベートの時間が減ってしまいました ・テレワーク時は雑談が無かったが、職場で話す機会が増えたのでその分多めに仕事をしている ・残業代が出るなら日中少し私用を済ませて夜少し残った方が生活費の足しにもなる |
※その他残業に関するコメントは下記「JobQ Town」にて確認いただけます。
【調査まとめ】
今回実施した「2023年 残業に関する実態調査」では、全体の72.4%が定時上がりを意識しており、実際は60.9%の人が定時に上がれていると回答しました。年代別では20代が定時上がりの意識が強い傾向がありました。定時上がりができている人は「会社からの推奨」や「プライベート時間の充実意識」が関係しており、定時上がりができない人は「仕事量」や「退社ができない雰囲気」が関係する回答が多数となりました。さらに、コロナ5類移行前と比べた残業時間の増減を聞くと「増えた派」が67.2%と過半数を占め、出社頻度が増加した人の残業時間も「増えた派」が78.5%になっており、出社頻度と残業時間には相関関係があると読み取ることができます。これは、時間外労働の上限制定により残業ありきの働き方に馴染みがない層が増えたことに加え、コロナ禍でのテレワーク普及やZ世代を中心にタイムパフォーマンス意識が強まっていることが関係していると考えられます。
最後に、全体の60.7%が会社からの残業代が「出る」と回答し、39.1%の人がサボり残業をしたことが「ある」と回答しました。そして、全体の60.8%がサボり残業に「反対」を示している一方、サボリ残業による自身への影響は「心の余裕」や「気分転換」に繋がると回答した人が多数でした。
残業代が出るのにも関わらず業務以外のことを勤務時間中に行い残業をする、いわゆるサボり残業をしている社会人が一定数存在するのは、テレワーク時には想定されなかった業務や上司や同僚の就業状況が確認できる環境が、出社により作り上げられたことが関係していると考えられます。このようなデメリットがある一方でサボリ残業をすることにより、心の余裕や気分転換の機会を創出するメリットもあることがわかっています。企業側は心の余裕をもたらすサボり残業に賃金を払い、それを黙認しつつ制度などによって解決すべきか、企業の対応も求められる調査結果となりました。
ライボでは今後も就職・転職・働き方などに関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。
株式会社ライボ コミュニケーション戦略部 部長
広報グループ長兼「Job総研室長」
堀 雅一(ほり まさかず)
2021年にJob総研を立ち上げ、その後”働く社会人や就活生”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施。市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで働く社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的としている。
またJob総研の調査をもとに各大学で「キャリア設計」の授業を実施する他、多くのメディアでキャリアや働き方など社会との関連などを解説している。
※取材についてのお問い合わせはプレスリリース最下部にある連絡先からお願いします
【(※4) 2023年 残業に関する実態調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます。
https://job-q.me/articles/15294
【(※3)サボり残業の定義】
業務時間外(残業中)に業務に無関係な作業や活動をすること
【(※2)Job総研について】
Job総研は就職・転職やキャリア全般に関する研究や各種調査の実施により、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで就転職関連市場に貢献する事を目的とし立ち上げられました。
就職・転職・働き方・ランキング・働く女性など多数のジャンルで信頼できる情報を発信していくことにより、就転職活動に役立てていただくことや、キャリアに関する不安や悩みを解決する一助として”個が活躍する社会により良い選択の機会”を提供し就転職市場に貢献してまいります。
【(※1)JobQについて】
「あなたが知りたい”働く”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。
■JobQ”残業”に関するQ&A
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【会社概要】
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設立 :2015年2月3日
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所在地 :〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目19-9第一暁ビル3階
事業内容 :キャリアや転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」の企画・開発・運営
グループ会社 :2019年3月1日 パーソルキャリア株式会社にグループイン
ホームページ :https://laibo.jp/
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Mail :masakazu.hori@laibo.jp
問い合わせフォーム:https://laibo.jp/contact_press/
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