〈上司から毎日、複数回フィードバックをもらえる新人〉 87.2%が「成長につながる」と実感

社会人1年目社員の意識調査(上司とのコミュニケーション編)

ALL DIFFERENT株式会社

累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は2024年10月12日~10月15日、社会人1年目社員300人を対象に、上司とのコミュニケーションの実態について意識調査を行いました。本リリースでは社会人1年目社員が上司とどのようにコミュニケーションをとっているのか、それが成長にどのような影響を与えているのかなどについて調査・分析した結果を公表いたします。

◆ 背景

2024年入社の新入社員は、新型コロナウイルスが「5類」に移行した後、アフターコロナ第1世代として入社した世代です。学生時代の授業がオンラインで行われることも珍しくなく、それ以前の世代とは異なるコミュニケーションの価値観を持っていると言われています。

当社が2023年に実施した若手社員調査*では、上司とのコミュニケーションに苦労した社会人1年目社員は、離職を考える傾向が強いことが分かっており、新入社員が社会人として成長するためには、上司との良質なコミュニケーションが欠かせません。

では、社会人1年目社員の成長を促進するために、上司とのコミュニケーションはどうあるべきでしょうか。本調査では上司とのコミュニケーションの実態と、それに対する社会人1年目社員の感じ方についてアンケートを収集・分析した結果をリポートします。

*「若手社員の意識調査(社会人1年目)入社前後のギャップの実態」 https://www.all-different.co.jp/download/all/news_20231124.pdf

〈調査結果の概要〉

● 社会人1年目社員と上司のコミュニケーション頻度、半数超が「1日1回以上」

● 1日1回以上フィードバックを受ける社会人1年目社員、8割以上が「気づき・成長につながっている」

● 上司への相談頻度は、「していない」が25.1%で最多

〈考察〉

「上司が心掛けるべきコミュニケーションの量と質とは」

◆調査結果の詳細

1. 社会人1年目社員と上司のコミュニケーション手段、「対面」が約8割

社会人1年目社員に、職場で上司と主にどのような手段でコミュニケーションをとっているのか質問したところ、「対面」が78.9%で最大に。次いで、「オンライン会議」が19.8%、「チャット」が16.7%、「電話」が13.7%、「その他」が2.6%となり、上司とのコミュニケーションは、「対面」が圧倒的に多いことがわかりました。(図1)

2. 社会人1年目社員と上司とのコミュニケーション頻度、半数超が「1日1回以上」

続いて、上司とどれくらいの頻度でコミュニケーションをとっているのか質問したところ、「1日に複数回」が40.7%で最も高くなりました。

「1日に1回程度」の15.0%と合わせて、毎日コミュニケーションをとっている人の割合は55.7%と半数以上となりました。裏を返すと、44.3%が毎日はコミュニケーションをとっていないことがわかりました。

コミュニケーションを「とっていない」と回答した割合は24.3%でした。(図2)

3. 「毎日、上司とコミュニケーションをとる」社会人1年目社員の約7割が「十分」だと感じる

さらに、上司とのコミュニケーションが十分と感じているかどうかの回答割合を、上司とのコミュニケーション頻度ごとに分析しました。

1日に複数回、上司とコミュニケーションをとっている社会人1年目社員の73.0%が、コミュニケーションの量を「十分」(そう思う/ややそう思う)と思っていることが分かりました。また同じようにコミュニケーション量を「十分」と感じている割合は、1日1回程度の群が68.9%、1週間に2~3回程度の群が60.0%でした。

一方、1週間に1回程度の群では「十分」と感じる割合が18.8%で、1週間に2~3回程度の群と比較すると、3分の1以下に減少し、「不十分」(そう思わない/あまりそう思わない)と感じる割合が31.3%へと高まりました。

さらにコミュニケーション頻度が低くなるにつれて、不十分と感じる割合が高まることもわかりました。(図3)

4. フィードバックをもらう頻度、「1日1回以上」は4割超、「もらっていない」が約2割

次に、コミュニケーションの中でも、フィードバック(問題点を指摘し、ともに改善策を考える双方向型コミュニケーション)に焦点を当てた結果を見ていきます。

上司とコミュニケーションをとっていると回答した社会人1年目社員に対して、上司からどれくらいの頻度でフィードバックをもらっているか、質問しました。

最も回答割合が高かったのは、「1日に複数回」と「もらっていない」で、ともに20.7%でした。さらに「1日1回程度」が19.8%、「1週間に2~3回程度」が19.4%と続きました。

「1日に複数回」と「1日に1回程度」と合わせて、毎日1回以上フィードバックをもらっている割合は4割以上となりました。(図4)

5. 1日1回以上フィードバックを受ける社会人1年目社員、8割以上が「気づき・成長につながっている」

続いて、上司からのフィードバックを社会人1年目社員がどのように受け止めているか、調査しました。

上司からのフィードバックは気づき・成長につながっていると思うかという質問に対して、1日に複数回フィードバックを受けている社会人1年目社員の87.2%が「気づき・成長につながる」(そう思う/ややそう思う)と答えました。同じように回答した割合は、1日に1回程度の群が80.0%、1週間に2~3回程度の群が61.4%となりました。

上司からフィードバックをもらう頻度が1カ月に1回未満の群では、「気づき・成長につながらない」(そう思わない/あまりそう思わない)と回答した割合が66.7%でした。(図5)

6. 上司への相談頻度は、「していない」が25.1%で最多

上司とコミュニケーションをとっていると回答した社会人1年目社員に対して、どれくらいの頻度で上司への相談を行っているか質問しました。

結果、最も高かった割合は「相談していない」で25.1%。上司とコミュニケーションをとっている社会人1年目社員の中でも、約4人に1人が相談していない実態が判明しました。

次いで、「1日1回程度」が21.1%、「1週間に2~3回程度」が18.5%、「1日に複数回」が14.5%でした。

上司とコミュニケーションをとっていても、相談はできていない社会人1年目社員と、1日1回以上の頻度で相談できている社員とでばらつきが生じていました。(図6)

7. 「1日に複数回相談している」社会人1年目の6割超が「何でも相談できている」

続いて、上司への相談しやすさについて質問しました。

結果、1日に複数回、相談できている社会人1年目社員の66.7%が「臆せず、何でも相談ができている」と回答しました。「躊躇(ちゅうちょ)しながらも、相談できている」の18.2%と合わせると、相談できているとする回答は8割を超えました。

一方、相談の頻度が「2週間~1カ月に1回程度」と回答した社会人1年目社員は、「あまり相談ができていない」「躊躇し、相談ができていない」がともに27.3%で、合わせると半数以上が相談できていないと感じていることが分かりました。(図7)

◆まとめ

 本調査を通じて、社会人1年目社員の半数以上が1日1回以上、上司とコミュニケーションをとっていることが分かりました。1日1回以上コミュニケーションをとっている群の7割が、上司とのコミュニケーションの量が「十分」だと感じており、1日1回未満の群と比較すると高い割合となりました。コミュニケーションの頻度と「十分」と回答した割合の関係を見ると、頻度が高い群では「十分」が、頻度の低い群が「不十分」の割合が高くなる傾向が現れました。

さらにコミュニケーションをとっていると回答した人に対して、フィードバックと相談に焦点を当てた質問をしたころ、毎日フィードバックをもらえている割合は4割超、毎日相談できている割合は4割弱でした。一方で、フィードバックを「もらっていない」、相談を「していない」と回答した割合はどちらも約2割となりました。

これらの結果から、上司と社会人1年目社員の多くはコミュニケーションをとっているものの、成長を促すための「フィードバック」に踏み込めていなかったり、新人が疑問点などを自ら解消する「相談」を持ちかけられていなかったりするケースもあることが伺えます。

また、フィードバックの頻度と「気づき・成長につながっている」と感じる社会人1年目社員の割合の関係においては、フィードバックの頻度が高い群では「気づき・成長につながっている」、頻度の低い群では「気づき・成長につながっていない」と回答する傾向が現れました。

本調査の結果から、社会人1年目社員の成長を後押しするうえで、上司とのコミュニケーションの総量だけでなく、フィードバックや相談など、コミュニケーションの質を向上させることがカギを握ることが推察されます。

◆ 考察「上司が心掛けるべきコミュニケーションの量と質とは」

上司に話しかけたり相談したりすることへの躊躇は、多くの社会人1年目社員が感じることです。特に近年ではプレイングマネジャーが増え、忙しそうにしている上司に声をかけることは、社会人1年目でなくても難しく感じることもあります。

上司も業務遂行に追われる中で、育成への意識が下がってしまい、部下との会話が後回しになっている可能性があります。またハラスメントのリスクなどを恐れて、フィードバックの伝え方に迷う上司もいるでしょう。

【現場の上司が心掛けるべきこと】

日常的なコミュニケーション量が増えるほど相互理解が進み、上司からのフィードバックや社会人1年目社員からの相談といったコミュニケーションの質も高まります。日常的なコミュニケーション量を増やすためには、対面はもちろんですが、オンライン・電話・チャットなどさまざまな手法を組み合わせるとよいでしょう。

また、相談を受ける場面などでは、他の業務のことは一時的に横に置き、話の内容だけでなく、相手の表情・しぐさなどにも意識を向ける「集中的傾聴」を心がけると、相手はより話しやすくなります。

フィードバックや相談の質については、任せる業務の難易度などによって変わります。例えば、成長につながるストレッチ(背伸び)な仕事を任せなければ、社会人1年目社員は相談する必要がなく、上司は改善を促す機会が少なくなるかもしれません。そのため、時にはストレッチ業務を任せつつ、フィードバックや相談の機会を設けることで、社会人1年目社員の成功体験、成長実感の積み上げにつながっていくことでしょう。

【人事・会社が整えるべきこと】

上司と社会人1年目社員のコミュニケーションについて、現状の量・質を把握しましょう。定期的に相談したり、フィードバックを受けたりする機会が計画的に設定されているのか、計画倒れにならず、実効性を発揮しているのかという確認が必要です。計画倒れになっているとしたら、阻害要因を特定して、コミュニケーションプランの再検討に取り組むと良いでしょう。社会人1年目社員の育成計画についてのPDCAがしっかり回っているか、組織全体の定期的な確認が必要です。

ALL DIFFERENT株式

事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 部長

河合 司真子(かわい・しまこ)

事業会社を経てALL DIFFERENT株式会社(旧トーマツイノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。研修講師とコンサルタントを兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅~大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。その後、サービスの企画・開発部門のリーダーとして、アセスメント・サーベイ、対面研修、オンライン研修などの新サービスを企画・開発。研修講師育成のリーダーとしても活動。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、管理職研修を中心に年間100回以上の研修を実施。

◆調査概要

調査対象者

社会人1年目の就労者

調査時期

2024年10月12日~10月15日

調査方法

調査会社によるインターネット調査

サンプル数

300人

属性

(1)業種

農業,林業 19人(1.6%)

漁業 7人(0.6%)

鉱業,採石業,砂利採取業 9人(0.8%)

建設業 52人(4.3%)

製造業 171人(14.3%)

電気,ガス,熱供給,水道業 20人(1.7%)

情報通信業 80人(6.7%)

運輸業,郵便業 32人(2.7%)

卸売業,小売業 76人(6.3%)

金融業,保険業 53人(4.4%)

不動産業,物品賃貸業 23人(1.9%)

学術研究,専門,技術サービス業 27人(2.3%)

宿泊業,飲食サービス業 28人(2.3%)

生活関連サービス業,娯楽業 15人(1.3%)

教育,学習支援業 66人(5.5%)

医療,福祉 221人(18.4%)

複合サービス事業 23人(1.9%)

サービス業,他に分類されないもの 91人(7.6%)

公務 47人(3.9%)

その他 61人(5.1%)

わからない 79人(6.6%)

(2)企業規模

1-50名221人18.4%

51-100名182人15.2%

101-300名219人18.3%

301-1000名168人14.0%

100-5000名153人12.8%

5001名以上117人9.8%

わからない140人11.7%

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「社会人1年目社員の意識調査(上司とのコミュニケーション編)」】と明記ください

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています

*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

ラーニングイノベーション総合研究所について

当社の研究機関、ラーニングイノベーション総合研究所(以下、LI総研)は、「人と組織の未来創り」に関する様々な調査・研究活動を行っております。

LI総研はデータに基づいた最適な解決策もご提供し、お客さまの組織開発をサポートしております。

ALL DIFFERENT株式会社について

当社は、組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業です。「真の未来創りの伴走者」として、人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用に至るまでの組織開発・人材育成の全領域を一貫してご支援しております。

代表取締役社長 眞﨑 大輔

本社所在地 〒100-0006 東京都千代田区有楽町 2-7-1 有楽町ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F

支社     関西支社、中部支社

人員数    316名(2024年4月1日時点)

事業    組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施

サービス 定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」

ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」

IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」

管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」/人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」/転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほか

URL https://www.all-different.co.jp/corporate 

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眞﨑 大輔
上場
未上場
資本金
-
設立
2006年02月