J.D. パワー 2024年米国個人向け生命保険顧客満足度調査℠
情報の明確さとパーソナライゼーションの面で、特に若年層の顧客の期待に応えられず
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. Power(本社:米国ミシガン州 トロイ)は、現地時間10月10日に、J.D. Power 2024 U.S. Individual Life Insurance Study℠(J.D. パワー 2024年米国個人向け生命保険顧客満足度調査℠)の結果を発表した。
11回目となる本年調査では、調査設計の変更が行われ、ファクターと評価スケールが変更されている。
生命保険業界は転換期にある。成長の鈍化が続き、ミレニアル世代*¹ やZ世代*¹ への転換がますます重要視されている。世代交代に直面している生命保険業界は、顧客とのコミュニケーションを改善し、新たな顧客層との信頼関係を構築しようと懸命に努力している。本調査によると、保険会社は依然として多くの課題を抱えており、顧客の大半が、保険会社は不必要に物事を複雑にしている、と回答していることがわかった。この問題は、特に若い世代の顧客の間で顕著となっている。
*¹ J.D. パワーでは、1946年より前に生まれた人をプレブーマー世代、1946-1964年に生まれた人をブーマー世代、1965-1976年に生まれた人をX世代、1977-1994年に生まれた人をY世代、1995-2006年に生まれた人をZ世代と定義している。Y世代の中で、特に1982-1994年に生まれた人をミレニアル世代と定義している。
2024年調査の主なポイントは以下の通り:
複雑さゆえに、多くの顧客が契約内容を十分に理解できていない
保険会社が複雑な契約内容をより簡単にしてくれていることに「強く同意する」と答えた人はわずか29%で、代理店やアドバイザーが理解できる言葉で説明してくれる、と答えた人は61%にとどまった。Z世代では、この数字は57%に低下する。全体では、生命保険の顧客の64%が、契約内容を十分に理解している、と答えている。
生命保険明細書の再考が求められる
生命保険の明細書をわかりやすくするために保険会社ができることは何か、という質問に対して、ほとんどの顧客は「複雑さを減らす/明細書を読みやすくする」と答えている。Z世代やミレニアル世代の若い顧客は、明細書の読み方に関するガイドや図表、あるいは読み方を説明する教育用ビデオや資料へのリンクを求めている。
現在の保険契約と将来のニーズとの乖離
契約中の生命保険が将来のニーズを完全に満たしている、と答えた人は7割(72%)にとどまっている。保険会社は、特定の顧客のニーズに合わせてコミュニケーションを調整し、適切な頻度でコミュニケーションを行い、契約内容を完全に理解してもらうことで、この割合を飛躍的に高めることができる。
J.D. パワーインシュアランス・インテリジェンス部門 ディレクター ブリアン・アームストロングのコメント
「生命保険会社は、若年層の消費者を取り込むにあたり、新たなコミュニケーション上の課題に直面している。現在、生命保険の顧客のうち、保険会社が複雑な契約内容をより簡単にしてくれていることに「強く同意する」と答えたのはわずか29%で、Z世代では、代理店やアドバイザーが理解しやすい言葉で説明してくれる、と答えた割合が最も低い。文字が多く、専門用語が詰まった資料集といった従来のモデルはもはや通用しない。若い顧客は、保険を評価する際に、よりシンプルなガイド、図表、わかりやすい用語を求めている。」
顧客満足度ランキング
第1位:State Farm(ステート・ファーム)(699ポイント、5年連続の総合満足度第1位)
第2位:Guardian Life(ガーディアンライフ)(685ポイント)
第3位:MassMutual(マスミューチュアル)(673ポイント)
《J.D. パワー 2024年米国個人向け生命保険顧客満足度調査℠概要》
年に1回、米国の大手生命保険会社が提供する個人向け生命保険の加入者を対象に、個人向け生命保険に対する満足度を聴取し明らかにする調査。今回で11回目の実施となる。今回は調査設計の変更が行われ、ファクターと評価スケールが変更された。
■実施期間:2024年4月~7月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:米国の大手生命保険会社が提供する個人向け生命保険の加入者
■調査回答者数:4,731人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「信頼性」(18%)、「価格」(15%)、「保険証券・支払方法」(14%)、「顧客対応(対人チャネル)」(14%)、「契約内容」(12%)、「サービスの利便性」(11%)、「問題解決」(8%)、「顧客対応(デジタルチャネル)」(8%)の8ファクターとなっている(カッコ内は影響度)。
*本報道資料は、現地時間2024年10月10日に米国で発表されたリリースを要約したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2024-us-individual-life-insurance-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
米国に本社を置くJ.D. パワーは消費者インサイト、アドバイザリーサービス、データと分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。ビッグデータや人工知能(AI)、アルゴリズムモデリング機能を活用して消費者行動を捉える先駆者であり、消費者に関する鋭い業界インテリジェンスを提供してきました。J.D. パワーは半世紀以上に渡って、顧客とブランド・製品に関わり続け、主要産業における世界の大手企業から、顧客対応戦略の指針として信頼されています。
J.D. パワーは、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋にオフィスを構えています。事業内容の詳細については、https://japan.jdpower.com/jaをご覧ください。
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