「カスハラに関する調査」

32.0%がカスハラを受けた経験有。うち24.9%が複数回〜日常的にカスハラを経験。カスハラ理由の50%が「スタッフが自分の要求を理解していないと感じたから」。

株式会社ネオマーケティング

生活者を起点にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年9月9日(月)~2024年9月10日(火)の2日間、全国の20歳以上の男女を対象に「カスハラ」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。

<調査背景>

昨今、深刻な問題となっている「カスタマーハラスメント(カスハラ)」。2024年2月に東京都が、全国初の「カスハラ防止条例」の制定に動き出したことが話題を集めました。

そこで今回は、実際にカスハラを目撃した人・被害にあった人・カスハラを行ったことのある人など、さまざまな立場の人に対し、カスハラへの考えを調査しました。実際にあったカスハラ内容や、カスハラによる影響なども調査しているため、今後のトラブル防止策の一助として、是非ご活用ください。

【調査概要】

調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施

調査の対象:全国の20歳以上の男女

有効回答数:1,000名 

調査実施日:2024年9月9日(月)~2024年9月10日(火)



「カスハラに関する調査」主な質問と回答

◆実際にカスハラを受けた経験がある割合は32.0%。

32.0%のうち「よくある」「たまにある」と、複数回〜日常的にカスハラを受けている割合が24.9%を占めていた。性年代別では、経験率で比較すると60代男性が42.0%で最多、「よくある」割合で比較すると30代女性が11.0%で最多となった。

◆カスハラを行った理由TOP2は「スタッフが自分の要求を理解していないと感じたから」「サービスや商品に明らかに欠陥があったから」。

「イライラしていたから」「自分の主張を通したかったから」といった自分本位な理由も30%前後の割合で集まってはいるものの、「サービスや商品に明らかに欠陥があったから」に47.2%、「サービスや商品に強い不満があったから」に41.7%と、サービス・商品の不備・欠陥を発端としたカスハラがより多かった。

直近3年以内に、顧客などからの著しい迷惑行為(以後、カスハラ)を受けているのを目撃した経験、もしくは自身が顧客などからカスハラを受けた経験はあるかお聞きしました。

※カスハラとは、顧客などからの著しい迷惑行為、過剰な要求、商品やサービスへの不当な言いがかりなどの悪質なクレームを指します。


 

■直近3年以内に、カスハラを受けているのを目撃した経験/カスハラを受けた経験はあるか

 (n=1,000)

全体の46.3%が、カスハラ目撃経験ありという結果に。

生活者の半数近くの人にとって、カスハラは身近な問題であることがわかります。

また、実際にカスハラを受けた経験がある割合は32.0%に上りました。そのうち「よくある」「たまにある」と、複数回〜日常的にカスハラを受けている割合が24.9%を占めています。

性年代別では、経験率で比較すると60代男性が42.0%で最多、「よくある」割合で比較すると30代女性が11.0%で最多となりました。

前掲した設問【直近3年以内に、カスハラを受けているのを目撃した経験/カスハラを受けた経験はあるか】にて「よくある」「たまにある」「一度だけある」と回答した人に対し、どのような内容だったのかお聞きしました。以下は、上位11項目を表示しています。

 

■目撃したカスハラは、どのような内容だったか(n=463)/経験したカスハラは、

 どのような内容だったか(n=320)

回答者の半数以上が「威圧的な言動」「執拗なクレームや電話」を目撃していることが明らかに。

また、実際に被害を受けた人のカスハラ内容TOP2も、この2つでした。

特に電話越しに顧客対応する場合は、顔が見えないため上手く意思疎通が取れず、客側の怒りがヒートアップしてしまい、結果としてハラスメント化するケースも多いのではないでしょうか。

顔が見えないことで客側も大きな態度が取りやすくなってしまうなど、さまざまな要因がありそうです。

なお、刑法上の犯罪に該当し、かつ対面のみでおこるハラスメント「暴行」「土下座強要」は、目撃・経験ともにBottom2でしたが、それでも4.3〜6.9%集まっています。

特に30代女性においては「暴行」経験率21.6%、「土下座強要」経験率18.9%にも上りました。なお、30代女性は「インターネット上やSNSへの従業員情報の投稿」「土下座強要」を除く全9項目において経験率20%超えと、全体的に高い傾向です。

カスハラの具体的な内容は、自由記述でもお聞きしています。

データをダウンロードしてぜひご確認ください。

前掲した設問【直近3年以内に、カスハラを受けているのを目撃した経験/カスハラを受けた経験はあるか】にて「よくある」「たまにある」「一度だけある」と回答した人に対し、どのような対応をとっていたか・どのような対応をしたかをお聞きしました。

■目撃したカスハラに対し、スタッフ・店側はどのような対応をとっていたか(n=463)/

 経験したカスハラに対し、どのような対応をとったか(n=320)

前掲した設問【目撃したカスハラは、どのような内容だったか/経験したカスハラは、どのような内容だったか】では、脅迫罪や侮辱罪など、刑法上の犯罪に直接該当するハラスメント「名誉棄損(名誉毀損)、暴言、侮辱」は目撃・経験率ともに26.6%と、全体で3番目に多くなっていました。

それにもかかわらず、本設問では「毅然とした態度で対応」「法的対応を示唆する」よりも、「ひたすら謝罪」という対応をとる割合が上回っているという結果に。

多くの日本企業では、たとえ客側の行為が過剰であっても、まずは「ひたすら謝罪」して相手の怒りを鎮める、という対応がメジャーであることがうかがえます。

また、性年代別で見ると、特に30代以上の女性は年代にかかわらず「他の同僚や上司の助けを求める」割合が30%超えとなっていました。

ハラスメントをエスカレートさせないためにも、女性一人で対応することは避ける、というのがスタッフ内での共通認識なのかもしれません。

前掲した設問【直近3年以内に、カスハラを受けた経験はあるか】にて「よくある」「たまにある」「一度だけある」と回答した人に対し、カスハラを受けたことにより、その後どのような影響があったかをお聞きしました。以下は、「影響はない」を除く全10項目を表示しています。

 

■カスハラを受けたことで、その後どのような影響があったか(n=320)

男女ともに「精神的なストレスや不安が増えた」と回答した割合が最多でした。

また、10項目中8項目において、女性の回答割合が男性を上回っています。女性の方がよりカスハラによる影響を心身ともに受けやすいということでしょうか。

特に男女差が大きかったのが「カスハラに対する恐怖や不安が残った」。男女で15.4ポイントもの差が生じていました。

性年代別で見ると、特に30代女性においては精神への影響のみならず、「職場の雰囲気が悪化した」「同僚や上司との関係が悪化した」と、職場環境への影響をも感じ取る割合が他の層よりも高い傾向が見られます。

ハラスメントを受けた側であるにもかかわらず、対応後も職場で腫れ物扱いされているように感じたり、スタッフ間で気まずさを感じたりすることが多いのかもしれません。

これまでにカスハラを行ったことがあるか、お聞きしました。

 

■カスハラを行ったことがあるか(n=1,000)

あくまでも自己判断であるため、無自覚に威圧的な言動をとっている層、店側の不備・欠陥に対し、度を越した恫喝や物品の要求をしていることに気づいていない層はここには含まれていないものの、少なくとも全体の3.6%はカスハラ加害経験あり、ということがわかりました。

また、30代女性は前掲した設問【直近3年以内に、カスハラを受けた経験はあるか】にて「よくある」と回答した割合が最多となっていましたが、「カスハラを行ったことがある」と回答した割合においても最多となっています。

前掲した設問【カスハラを行ったことがあるか】にて「カスハラを行ったことがある」と回答した人に対し、その理由をお聞きしました。

 

■カスハラを行った理由(n=36)

「イライラしていたから」「自分の主張を通したかったから」といった自分本位な理由も30%前後の割合で集まってはいるものの、「サービスや商品に明らかに欠陥があったから」に47.2%、「サービスや商品に強い不満があったから」に41.7%と、サービス・商品の不備・欠陥を発端としたカスハラが、より多いことがわかりました。

たとえそれが客側の勘違い・理解不足であっても、「店側の不手際が発端となっている」という意識を持ったままスタッフと接するため、スタッフのちょっとした言動に敏感になり、ただの苦情がカスハラに発展してしまっている可能性もありそうです。

とはいえサービス・商品の不備について店側の謝罪があったにもかかわらず、スタッフの態度が不誠実・失礼と感じた、など主観的な部分を問い詰め続けるのは、「お客様は神様だ」という誤った認識から来るものであり、容認できるものではありません。

最後に、カスハラは店側・客側のどちらに問題があると思うかをお聞きしました。

 

■カスハラは店側・客側のどちらに問題があると思うか(n=1,000)

性年代別でやや差はあったものの、カスハラは客側に問題がある(「どちらといえば客側に問題がある」「客側に問題がある」)という意識が優勢でした。

しかし、「わからない」と回答する割合が、どの年代においても30%以上集まっています。

生活者の中には、カスハラはしなかったものの、店側の不備をスタッフに伝えた際に、その対応で不快な思いをした経験があるという人も多いのではないでしょうか。

ハラスメントは言語道断ですが、どちらか一方にのみ原因があるとは言い切れないケースを知っているからこそ、「わからない」と判断したのかもしれません。

■この調査のその他の質問

・自身が経験したカスハラの具体的な内容(自由記述)

・普段利用している店舗やサービスなどで、カスハラの現場を目撃した場合の、今後の利用意向(単数回答)

・カスハラの現場を目撃した場合、今後その店舗やサービスを利用したくないと答えた理由(複数回答)

など

■この調査で使用した調査サービスはコチラ

ネットリサーチ:https://corp.neo-m.jp/service/research/quantitation/netresearch-domestic/

■引用・転載時のクレジット表記のお願い

※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。

<例>「生活者を起点にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」

■「ネオマーケティング」

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会社概要

株式会社ネオマーケティング

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URL
https://corp.neo-m.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区南平台町16-25 養命酒ビル
電話番号
03-6328-2880
代表者名
橋本 光伸
上場
東証スタンダード
資本金
8518万円
設立
2000年10月