Re Data Scienceと共同で3つのAIを活用した広告クリエイティブ制作ソリューション「Murmuration: Sequential Generator」による支援を開始
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「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」をパーパスに掲げ、LTVM(LTV Marketing)(※1)により、顧客の事業成長を先導する株式会社オプト(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:金澤 大輔、以下、オプト)は、機械学習技術を用いたサービス企画・開発を手がける、Re Data Science株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:高田 悠矢、以下、Re Data Science)(※2)と共同で、3つのAIでPDCAサイクルの質を上げ、高い広告効果を実現するクリエイティブ制作ソリューション「Murmuration: Sequential Generator(マーマレーション)」による支援を開始したことをお知らせいたします。
「OPTIPS CHANNEL」内ページ:https://optipschannel.opt.ne.jp/solutions/murmuration
なお、当ソリューションで見込まれる広告効果、関連指標、主要な提供価値は以下の通りです。
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提供背景
広告業界におけるAI活用の課題
昨今、急速に普及している生成AIは、クリエイティブ制作において、単位時間あたりの制作量を飛躍的に高めました。制作された多くのバリエーションは、事前に効果予測にて選抜を行うことで、広告効果の向上に貢献いたします。当文脈においては、2023年10月より、Re Data Scienceと共同で、効果予測AI Open CTR Predictorを開発・提供(※3)しており、すでに800人以上の方々にご愛用いただいております。
このような大量生成・事前予測による選抜を伴う制作プロセスは、新たな価値を創出している一方で、新たな課題も生んでいます。例えば、制作から配信までのプロセスを1周終えて、効果のよいクリエイティブを創出できなかった場合、2周目は制作の方向性自体を変え、1周目とは異なる軸のデザインを採用する必要があります。しかし、大量生成を行う場合、2周目で制作した候補の一部が、すでに効果が悪いと判明している1周目で採用されたデザインと似てしまうケースが散見されるほか、事前予測による選抜を行う際に、それらを採用してしまう傾向もあります。この場合、2周目は、1周目で採用されたデザインと似ていない候補のみを制作する必要があります。
つまり、大量生成・事前予測による選抜を伴う制作プロセスにおいて、常に質の高いPDCAサイクルを実現するためには、生成過程の制御を適切に実行するための制作フローが必要となります。
Murmuration: Sequential Generator(マーマレーション)とは
マーマレーションは3つのAIによる生成AI時代の新たなクリエイティブ制作フローです。生成AIを活用したクリエイティブの大量生成を行った後、入稿前に、効果予測AIによる順位付けを行います。そして、配信後は、その広告効果実績、文脈に応じ、AI技術を活用した類似性判定機構を用いて、2周目以降の大量生成過程を制御いたします。
3つのAIでPDCAサイクルの質を上げ、高い広告効果を実現するクリエイティブ制作ソリューション
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ヒトとAIの協創
マーマレーションは、ヒトとAIの協創により成り立っています。AIを活用し、クリエイティブの大量生成、効果予測による順位付け、類似性判定による方針決定・生成過程の制御を行いつつ、AIでは難しいブランドイメージの深い理解に基づいた企画提案、法律や倫理面を考慮したクリエイティブ制作の確認は、ヒトが担うなど、ヒトとAIそれぞれの長所を最大限に活かして、広告主様それぞれの特性に合わせた、安心で効率的な支援を実現いたします。
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PDCAサイクルを実現するための3つAI
1. クリエイティブの大量生成
ブランドイメージの深い理解に基づき、独自のクリエイティブフォーマット(※4)を活用しながら、クリエイティブ素材の大量生成を行います。その後、それらを広告として仕立てる際には、経験豊富なデザイナーが丁寧な作業を担います。この間、法律や倫理面について、丁寧に確認を行います。(※5)
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2. 事前予測による順位付け
次に、制作された大量のクリエイティブに対して、事前に広告効果を予測し、配信の優先順位付けを行います。試算(※6)によれば、事前の選抜によるクリック数の向上余地は1.4倍程度となります。
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効果の予測には、独自開発のマルチモーダルAIを利用します。当AIは、Open CTR Predictorの開発で培った技術を活用しつつ、Open CTR Predictorでは対応していない動画の効果予測機能を新たに搭載(※7)しているほか、よりきめ細やかな意思決定を可能にする多くの補足指標の出力が可能となっております。
3. 実績に応じたリプラン
ここまでの過程で、A:すでに十分効果のよいクリエイティブを創出できていた場合、以降は、何度も同じ広告の出稿を繰り返すことでユーザーが見飽きてしまわないよう、定期的に変化をつけていくといった方針を取ります。一方、ここまでの過程で、B:十分効果のよいクリエイティブを創出できなかった場合、以降は、制作の方向性自体を疑う必要があります。
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そこで、配信のたびに、実績に応じた適切な方針転換を行い、それを次の制作プロセスに反映させるため、AI関連技術を用いて、クリエイティブを適切なベクトル(数値情報)表現に置き換え、その情報を用いることで次の生成過程を制御いたします。
具体的には、配信済みのクリエイティブと新たに制作するクリエイティブとの類似性に着目し、A:配信済みのクリエイティブが十分に高い効果を示していた場合には、類似度を示す指標を一定以上の高さに維持した上で、既視感を排除いたします。B:配信済みのクリエイティブから十分によい効果を得られなかった場合には、類似度を下げ、同様の失敗を防ぎます。試算によれば、A:類似度を高く維持するよう生成過程を制御した場合には、インプレッションシェアの向上が+6.6%pt程度(※8)見込まれるほか、B:類似度を下げるよう生成過程を制御した場合には約△29.3%(※9)のCPA(1獲得あたり広告コスト)の低下が見込まれます。なお、上記はあくまで大枠の例であり、Bのケースで同時に複数のクリエイティブを新規配信する場合、新規のクリエイティブ間の相互類似度も一定以下となるよう制御するなど、状況に応じてさまざまなリプラン戦略を実行いたします。
現在、本支援はMeta広告にのみ対応しております。そのほかの媒体に関しましては、順次対応してまいります。
オプトは、今後もRe Data Scienceと連携し、AI技術を用いたサービスを通じて、広告主企業さまの事業成長に向けたマーケティング活動の支援に努めてまいります。
【注釈】
※1 LTVM:(Life Time Value Marketing)
LTV(顧客生涯価値:Life Time Value)は、従来、あるユーザーが商品・サービスを初めて利用してから、長期的な関係のなかで、サービスを提供する企業が、当該ユーザーから得られる利益を指していました。そのため、サービスを提供する企業側が「いかに一人の顧客から利益を得られるか」という視点で表現されることが多い状況にあります。
しかし、当社グループにおいては、企業側が得られる利益を示す観点でのLTVではなく、これまで以上にエンドユーザーを理解し、真に顧客に寄り添った支援に注力し、エンドユーザーへの本質的な価値提供に重きを置くことで、短期利益ではなく、顧客企業の永続的な事業成長に貢献するという概念として捉え、その実現を目指す手段として、「LTVM(Life Time Value Marketing)」と名付けました。
※2 オプト、データ解析・機械学習技術を用いたサービス開発を手がけるRe Data Scienceと協業を開始~AIプロダクトとデータ解析ソリューションの企画・開発を強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000949.000014848.html
※3 Open CTR Predictor
https://open-ctr-predictor.di-opt.jp/lp/index.html
※4 独自のクリエイティブフォーマット
遡及・表現の選択肢を幅広く網羅しており、これらの選択肢間の類似性・関係性を踏まえた上で、適切な訴求・表現のみを生成過程につなげることで、効率的な探索が可能となります。
※5 クリエイティブ制作については、生成AIを使用せずに行うことも可能です。
※6 過去オプトが配信したディスプレイ広告のうち、配信先、商材、媒体、日時等の条件が全て同一で、クリエイティブのみが異なる事例(同条件下で3件ずつ×40ケース=計120件)をサンプルとした場合、CTRの全件平均は0.37%、このうち同一条件下3件のうち最も効果のよいもののみを抽出すると、平均は0.51%と、事前選抜によるクリック数向上の余地は1.4倍近くあると見なすことができます。
※7 静止画よりも予測精度を担保するのが難しいとされる動画の効果予測タスクについては、訓練データを動画のみとするのでなく、静止画を補助的に利用した学習手法を用いることで、動画のみで学習したケースよりも高い精度を出すことに成功しています。
※8 過去にオプトがMeta ASCで配信した各ディスプレイ広告において「X:同キャンペーン内でのインプレッションシェアがトップ(かつ33%以上)の広告に対しての類似度の値」と「Y:当該類似度の同キャンペーン内での順位」について絞り込みを行った。「X>0.75」かつ「Yが3位以上」である場合のインプレッションシェアの平均は10.4%、「X≦0.75」もしくは「Yが4位以下」の場合では4.5%となり、当差分6%ptをインプレッションシェアの向上余地と見做しました。
※9 過去にオプトがMeta ASCで配信し、コンバージョンが生まれたディスプレイ広告において「同キャンペーン内でのインプレッションシェアがトップの広告に対しての類似度の値」を、0.5より大きい値/0.5以下の値で層別に分解した場合のCPAは、約29.3%異なっており、この比率をCPAの向上余地としています。
【株式会社オプトについて】
オプトは、「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する。」をパーパスに掲げ、“近く、深く、速く、そして永く。顧客を先導するグロースリーダー”になることを目指しています。顧客企業の先のエンドユーザーへの深い理解と、真に顧客に寄り添った「顧客視点でのLTV」支援を通じ、顧客企業の永続的な事業成長を先導いたします。そして、自らが深くその構造を理解する広告産業を変革(AX=Advertising Transformation®)することで、中長期的にはIX(産業変革=Industrial Transformation®)を実現いたします。
■株式会社 オプト
会社概要
設立年月:2015年4月1日
資本金:1億円 (2024年 12月末現在)
代表者名:代表取締役社長 CEO金澤 大輔
本社所在地:東京都千代田区四番町6番 東急番町ビル
事業内容:広告事業
■Re Data Science株式会社
会社概要
設立年月:2021年7月
代表者名:代表 高田 悠矢
本社所在地:千葉県柏市若柴178-4 柏の葉キャンパス148街区2 ショップ&オフィス棟 6階
柏の葉オープンイノベーションラボ(KOIL)
事業内容:機械学習技術を用いたサービス企画・開発支援/データ解析/データ活用におけるコンサルティング
■本件に関するお問い合わせ
株式会社オプト 阿部
E-mail:openctrpredictor@cg.opt.ne.jp
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