「ハラスメント」に関する実態調査ハラスメントを受けた経験がある方の3割が「誰にも相談しなかった」。職場のハラスメント対策、進展の一方で31%が未実施。
ー『エン転職』ユーザーアンケートー
エン株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役会長兼社長:越智通勝)が運営する8年連続満足度No.1(※)の総合転職サイト『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)上で、ユーザーを対象に「ハラスメント」についてアンケートを行ない、1,955名から回答を得ました。以下、概要を報告します。
※2018年~2025年オリコン顧客満足度調査「転職サイト」ランキング総合1位(https://career.oricon.co.jp/rank-job-change/)

結果 概要
★ 63%が「職場でハラスメントを受けたことがある」と回答。
★ 受けたことのあるハラスメントは「パワハラ」が90%で最多。
★ ハラスメントを受けた経験がある方の3割が「誰にも相談しなかった」と回答。理由は「相談しても解決にならないと思ったから」が最多。
★ 職場のハラスメント対策、進展の一方で31%が未実施。
調査結果 詳細
1:63%が「職場でハラスメントを受けたことがある」と回答。(図1~3)
「これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?」と伺うと、63%が「ある」と回答しました。年代別でみると、40代以上が68%と20代の44%より24ポイント高く、年代が高い方ほどハラスメントを受けた経験があることが分かりました。男女での差は、男性のほうが6ポイント高い結果でした。(男性:65%、女性:59%)。
また、職場でハラスメントを受けたことが「ない」と回答した方に「ハラスメントを受けない理由は何だと思いますか?」と伺うと、最多は「職場の人間関係が良好だから」(53%)でした。
【図1】これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?(年代別)

【図2】これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?(男女別)

【図3】これまで職場でハラスメントを受けたことが「ない」と回答された方に伺います。職場でハラスメントを受けない理由は何だと思いますか?(複数選択可/年代別)

2:受けたことのあるハラスメントは「パワハラ」が90%で最多。(図4~5)
職場でハラスメントを受けたことがある方に「職場でどんなハラスメントを受けましたか?」と伺うと、トップは「パワハラ」(90%)でした。年代別で見ると「セクハラ」と回答したのは、20代が36%であったのに対し、40代以上は17%と19ポイントの乖離がありました。男女別で見ると、男性は「パワハラ」と回答した方が女性と比較して12ポイント高く(男性:96%、女性:84%)、女性は「セクハラ」と回答した方が男性と比較して36ポイント高い結果となりました(男性:5%、女性:41%)。具体的なエピソードも紹介します。
【図4】これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方に伺います。どんなハラスメントを受けましたか?(複数回答可/年代別)

【図5】これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方に伺います。どんなハラスメントを受けましたか?(複数回答可/男女別)

Q. 具体的なエピソードを教えてください。
▼「パワハラ」と回答した方
・昼夜問わず電話がかかってくる。電話に出なければ、なぜ電話に出ないんだと叱られる。(20代男性)
・上司から「残業が多いのはお前が能力不足だからだ」と全員の前で叱責された。(20代女性)
・上司に進言して以降あたりが強くなり、業務上必要な会話もできなくなった。(30代男性)
・経営者の意にそぐわない発言をすると怒鳴られた。従業員がほぼ全員反対しているにもかかわらず、強制的に始業時間を早められた。(30代女性)
・上司から電話で突然怒鳴られた。その件を役員に報告すると伝えたが「言えるものなら言ってみろ」と恫喝された。(40代男性)
・作成した資料が上司の考えと異なり、大声で長時間叱責された。学歴についてバカにするような発言をされた。(40代女性)
▼「セクハラ」と回答した方
・社内のチャットツールを使用して猥談が行なわれていた。(20代男性)
・「ショートカットだとモテないから伸ばしたほうがいいよ」など容姿に関して言及される。(20代女性)
・ストーカー被害にあった。出社前後で立ち寄る所で待ち伏せされた。(30代女性)
・上司がプライベートの予定を何度も聞いてくる。声が可愛いと職場で言われ不快だった。(30代女性)
・「女はクリスマスケーキと同じで25までに売れないと売れ残る」といった発言があった。(40代女性)
・飲み会で異性の幹部の隣に座ることやお酌を強要された。(40代女性)
▼「カスハラ」と回答した方
・直接罵声を浴びせられたり、気持ち悪いとクチコミに書かれたりした。(20代女性)
・電話で怒鳴られた後、今から行くから待ってろと脅された。(30代女性)
・要求が通らずご立腹された方から、毎日所定の時間に電話をかけ続けろと要求された。(30代女性)
・他のお客様を対応しているのに自分の対応をしろと怒鳴られた。(40代男性)
・「こんな不良品売りつけやがって!」と商品を投げつけられた。(40代女性)
・使用済みの商品にクレームをつけて、新品への交換を強要された。(40代女性)
▼「マタハラ」と回答した方
・上司から「妊娠はまだしないよね?」と声をかけられた。(30代女性)
・「トイレ掃除していると可愛い子が生まれるそうよ」と妊娠中に毎回トイレ掃除をさせられてた。(30代女性)
・育児による時短勤務中、業務に対して意見をしたら「残業もしないくせに意見するな」と言われた。(30代女性)
・「大した仕事していないくせに子供が産まれたくらいで休むのか」と言われた。(40代男性)
・子どもが4人いるので産休・育休を4回取得したところ「4回も休んでいいな」と言われた。(40代女性)
・妊娠したことを上司に伝えたら「立場も考えず無責任だ」と叱責された。(40代女性)
3:ハラスメントを受けた経験がある方の3割が「誰にも相談しなかった」と回答。理由は「相談しても解決にならないと思ったから」が最多。(図6~9)
職場でハラスメントを受けたことがある方に「誰かに相談しましたか?」と伺うと、トップ3は「上司」(32%)、「誰にも相談していない」(31%)、「同僚」(25%)でした。年代別では、「誰にも相談していない」で9ポイントの差(20代:24%、40代以上:33%)、「家族」で11ポイントの差(20代:26%、40代以上:15%)、「先輩」で13ポイントの差(20代:24%、40代以上:11%)がありました。男女別で見ると、10ポイント以上差が開いたのは「誰にも相談していない」(男性:37%、女性23%)、「家族」(男性:14%、女性:24%)でした。
「誰にも相談していない」と回答した方に理由を伺うと、最多は「相談しても解決にならないと思ったから」(68%)でした。
続いて、相談先を「上司、同僚、家族、先輩、人事、社内の相談窓口、社長・役員、社外の相談窓口(労働局等)」のいずれかと回答した方に、相談した結果について伺いました。「解決した」「解決しないまでも改善した」と回答した方は27%(解決した:11%、解決しないまでも改善した:16%)に留まった一方で「解決しなかった」(63%)と「状況が悪化した」(10%)を合わせると73%にのぼり、状況が好転しないケースが多数を占める結果となりました。具体的なエピソードも紹介します。
【図6】これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方に伺います。職場でハラスメントを受けた際、誰かに相談しましたか?(複数回答可/年代別)

【図7】これまで職場でハラスメントを受けたことが「ある」と回答した方に伺います。職場でハラスメントを受けた際、誰かに相談しましたか?(複数回答可/男女別)

【図8】職場でハラスメントを受けた際「誰にも相談しなかった」と回答した方に伺います。相談しなかった理由を教えてください。(複数回答可)

【図9】職場でのハラスメントの相談先を「上司、同僚、家族、先輩、人事、社内の相談窓口、社長・役員、社外の相談窓口(労働局等)」のいずれかと回答した方に伺います。相談した結果について教えてください。

Q. 解決・改善したエピソードや、解決できなかった・悪化したエピソードなどについて教えてください。
▼解決したエピソード
・上司と私と加害者で話を収めないよう、先輩に相談して先輩から上司に伝えていただき、上司から加害者に対して厳重注意をして解決した。(30代女性)
・先輩や同僚、人事に相談したところハラスメントをした人が異動となった。(30代女性)
・ハラスメントした人が異動となり、社内でハラスメントの是正に向けた動きがあった。(30代女性)
・上層部が抜き打ちで事業所訪問をしてくれたことでハラスメントが収まった。(30代女性)
・先輩に間に入ってもらい、話し合いで解決した。(40代男性)
・ハラスメントをする人の素行が悪く、問題行動についてヒアリングを受けた後、解決した。(40代男性)
▼解決しないまでも改善したエピソード
・カスハラをしてくるお客様が来店した際、上司や同僚がその方と私が会わないように配慮してくれた。(20代女性)
・長めの休暇を取った間にハラスメントをしてくる先輩と部署を離してもらえたが、問題行為自体はパワハラとして認定されなかった。(30代女性)
・ハラスメントをしてくる人が異動処分になったため物理な距離は離れたが、業務上のつながりは残り、電話で話す機会は度々あった。(30代女性)
・カスハラ被害を相談してからは、その方が来店すると隠れさせてくれるようになり接触する機会はなくなったが、今度は上司が怒鳴られるなどの被害があり、職場に居づらくなったため退職した。(30代女性)
・上司から注意してもらった翌日にパワハラは収まったが、少し期間が経つと再開する。(40代男性)
・先輩に相談し、割り切って接するようにと言われ気持ちが楽になった。(40代女性)
Q. 解決・改善したエピソードや、解決できなかった・悪化したエピソードなどについて教えてください。
▼解決できなかったエピソード
・労働組合に相談したがまともに取り合ってくれなかった。(20代男性)
・課長からのハラスメントを部長に相談したが、課長が部長より年上のせいか注意さえしてもらえなかった。(20代男性)
・相手が「親切心で言っている」などと開き直ってきてどうにもならなかった。その時点で別の理由で退職が決まっていたため、それまでの辛抱と思ってそれ以上の対応は諦めた。(20代女性)
・上司が社長の親族だったため、周りは見て見ぬふり。怒鳴られた後に「大丈夫?」と声をかけてくれるだけ。(30代女性)
・相談窓口は会社に報告しただけで何の変化もなかった。その後先輩に相談したら今度は先輩がターゲットになり迷惑をかけてしまった。(30代女性)
・私が部署異動となり、該当の人物は処罰などを一切受けなかった。(40代男性)
▼状況が悪化したエピソード
・相談をしたら「メンタルが弱いだけだ」と逆にハラスメントを受けた。(20代男性)
・相談しても何も解決せず、むしろ誰かが不満を言っていると噂が流れ悪化した。(20代女性)
・相談した事がバレてより酷い扱いを受けるようになった。(30代男性)
・部長に相談し、本人に指導があったようだが「お前の担当は変わらないからな、ざまあみろ」と言われ、その後、パワハラが悪化した。(30代男性)
・「人生の先輩の言うことは正しいから」とさらに酷い待遇にあった。(30代女性)
・社内通報窓口に相談したところ犯人探しが始まってしまった。(40代男性)
4:職場のハラスメント対策、進展の一方で31%が未実施。(図10~12)
職場のハラスメント対策は45%が「実施している」と回答。昨年(2024年)の同調査(※)と比較して8ポイント上昇した一方、依然として約3社に1社は「実施していない」(31%)という実態が明らかになりました。「実施している」と回答した方に具体的な取り組みを伺うと、上位は「相談窓口の設置」(77%)、「ハラスメントに関する研修の実施」(52%)、「ハラスメントに対する自社の方針の周知」(50%)でした。続けて、ハラスメントのない職場にするために企業にして欲しいことを伺うと、最多は「相談窓口の設置」(43%)でした。企業に実施してほしい対策の詳細も紹介します。
※3500人に聞いた「ハラスメント」意識調査(2024):https://corp.en-japan.com/newsrelease/2024/39151.html
【図10】現在の職場ではハラスメント対策は実施していますか?(※離職中の方は、前職について回答)

【図11】現在の職場はハラスメント対策を「実施している」と回答した方に伺います。具体的な取り組みを教えてください。(複数回答可)

【図12】ハラスメントのない職場にするために、企業にして欲しいことは何ですか?(複数回答可)

Q. ハラスメントのない職場にするために、企業にして欲しいことは何ですか?(その他)
・企業ではなく国が率先して動いてほしい。(40代男性)
・外部の相談窓口を作ってほしい。(40代女性)
・公的な第三者に、社内を定期的に調査してほしい。(40代女性)
Q. 企業にしてほしいことの詳細やその理由を教えてください。
▼「相談窓口の設置」と回答した方
・SOSを出した人が特定されないような仕組みづくり。(20代男性)
・相談窓口は外部で設置する必要があると思う。また中小零細企業は、良くも悪くも距離が近いので職場の人間に相談しづらいと思う。大企業より、根が深い問題ではないかと感じている。(20代女性)
・相談窓口は今も設置されているが、上長に筒抜けだと噂されていたり、相談しても解決しなかったケースを聞いているので、もっと有効な相談窓口を設置してほしい。(40代男性)
▼「ハラスメントの実態調査」と回答した方
・私がハラスメントを受けた時は自ら上司に言うことでみんなに周知できたが、もし私がその時に言えなかったらみんなが気づかないままだったため、定期的にハラスメントを受けていないかの把握をして欲しい。(20代女性)
・明らかに現場から苦情や意見が入っているにも関わらず、原因究明もせずまともな対策もされていない。しっかりと現場に赴き意見を聞いてほしい。(20代女性)
・ハラスメントをされた側から本人に直接伝えるのは難しいので、第三者機関による実態調査を実施してほしい。(40代女性)
▼「風土の改革」と回答した方
・ベンチャー企業でありながら昭和気質。会社を大きくすることだけに一生懸命にならないで、既存の社員が続けたいと思える企業になってほしい。(20代女性)
・歴の長い社員や年配者の「昔はもっと酷かった。今のはパワハラでは無い」などの意識の低さが原因。企業が時代の変化やより取り締まりが厳しくなった事の周知を徹底してほしい。(30代女性)
・ハラスメントは自身が受けていなくても見ているだけで精神的につらく、職場全体の生産性も悪くなる。個人の好き嫌いはあっても、仕事では節度ある対応を徹底する文化が大切だと思う。(40代男性)
【調査概要】
■調査方法:インターネットによるアンケート
■調査対象:『エン転職』(https://employment.en-japan.com/)を利用するユーザー
■調査期間:2025年8月4日~8月31日
■有効回答数:1,955名
8年連続満足度No.1の総合転職サイト『エン転職』https://employment.en-japan.com/

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※2018年~2025年オリコン顧客満足度調査「転職サイト」ランキング総合1位(https://career.oricon.co.jp/rank-job-change/)
プレスリリースダウンロード
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