TIS、国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所のAIコールセンターを短期間・低コストで構築
~住民の問い合わせ電話に対話型AIで応対する、全国の河川系事務所のDXモデルを推進~
TISインテックグループのTIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史、以下:TIS)は、国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所(所在地:東京都北区志茂、以下:荒川下流河川事務所)に、TISの「Dialog Play®」と「Amazon Connect」で構築したボイスボットであるAIコールセンターを導入したことを発表します。
AIコールセンターは、TISが提供するAI搭載型チャットボットサービス「Dialog Play」と、AWSが提供するクラウド型コールセンターサービス「Amazon Connect」を組み合わせ、電話での問い合わせに対し音声AIで回答するボイスボットです。これにより、インターネットを使わない方からの問い合わせにも24時間365日音声で回答することが可能となり、ユーザー向けサービスの質の向上と、職員の業務負荷軽減が期待できます。
背景
荒川下流河川事務所は、埼玉県・東京都を流れて東京湾へつながる荒川の下流部約30kmの河川管理を担い、首都圏を大規模水害から守るため、ハードとソフトの両面で、堤防の整備・強化、震災対策などに取り組んでいます。河川巡視(パトロール)や工事の監督などの業務を受け持つ荒川下流河川事務所の小名木川出張所は、ウエアラブルカメラで映像を伝送する河川巡視や、3Dを活用したデジタル河川管内図を利用した工事進捗管理を行うなど、全国に先駆けたDXの導入で業務効率化を図っていることから、全国初の“河川系DX出張所”としても知られています。
このような取り組みをはじめとするDX施策のひとつに、住民などからの問い合わせに応対する窓口業務の効率化が挙げられます。そこで、2023年に公式ホームページ上にチャットボットを公開し、PCやスマホからの問い合わせへの自動対応を開始しました。チャットボットでは、テキストによる質問への回答や、河川のライブカメラ映像、水位情報へのリンクを提供することが可能になり、ほしい情報をいつでも素早く入手できるよう対応しました。
チャットボットに続き、住民サービスの向上と、職員の電話応対の負荷を減らし働き方改革に役立てるため、問い合わせ電話に対し音声AIが回答する音声AI電話応答(ボイスボット)の導入を計画、2024年5月に稼働を開始しました。
TISとAIコールセンター選定理由
TISとAIコールセンターは、以下の理由から選定されました。
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会話の途中で電話機のボタンを押す必要がなく、より気軽に利用できる点
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運用中のチャットボット構築でも使われているTISの「Dialog Play」に、クラウド型コールセンターサービス「Amazon Connect」を組み合わせた新しい技術に挑戦することで、コスト縮減を図れる点
導入効果
今回導入したAIコールセンターでは、代表番号にかかってきた電話をまずクラウドの「Amazon Connect」へ転送し、AIの自然言語処理技術で会話をテキストデータ化します。これを「Dialog Play」で受け取ってAIで文脈を解析することで、用意された回答の中から最適なものを音声合成技術で読み上げることができるようになりました。柔軟なAPI連携ができる「Dialog Play」の高い拡張性により、今回目指した河川系事務所として初のボイスボットを実現できました。ボイスボットへ電話を転送する仕組みは、新しく取得した外線番号を「Amazon Connect」に割り当て、代表番号への着信をボイスワープで転送することで実現しています。国土交通省の全国組織では、災害に備えて堅牢な独自の電話網が構築されており、ボイスボット用の新しい外線番号をクラウド上に割り当てることで、内線電話網に影響なく計画を進めることができました。
今回、問い合わせの中で頻度が高い約50項目をボイスボットでの回答に対応しました。会話シナリオは、既存のチャットボットで使用されているFAQを流用することで、準備にかかる期間や手間を削減しています。なお、災害時等に備えて、緊急の場合は担当者に電話を転送する有人対応のフローを組み合わせて運用しています。発信者の音声を正確に聞き取るためのチューニングにも取り組み、ボリュームの最適化や音程調整などの精度を高めています。
コメント
国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所 副所長 渡辺 健一氏
国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所 河川情報課長 山谷 明氏
国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所 小名木川出張所 DX専門調査官 志賀 久枝氏
「初の音声AI電話応答(ボイスボット)導入にあたり、TISが親身にレスポンスよく対応してくれたことをありがたく思います。荒川下流河川事務所のDX施策は、全国組織の参考となる先行モデルと位置づけられます。効果があると認められた場合、音声AI電話応答(ボイスボット)の導入経験を紹介し、情報を横展開していくことが非常に重要だと考えています。また、現状はシナリオ型での音声回答ですが、より多くの問いに柔軟に答えられる生成AIの技術の可能性にも注目しています。TISによれば、「Dialog Play」は既に生成AIと連携させるシステム構築の実績があるとのこと。将来的に荒川下流河川事務所のボイスボットが目指す最終形態として、生成AIをどのように活用できるのか慎重に考えていきたいと思います。」
本件の詳細は以下URLもご参照ください。
https://www.tis.jp/casestudy/casestudy_168.html
インタビュー動画:https://youtu.be/M1wxIV12P-8
「Dialog Play」について
「Dialog Play」はオフィスにおける情報・コミュニケーションに関わるさまざまな業務のDX化を実現するAI搭載型チャットボットサービスです。従来の機能と生成AIを連携することでハイブリットなチャットボットにグレードアップしました。
詳細は以下をご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/dialogplay/
「Amazon Connect」について
Amazon Connect はAWS が提供する100%クラウドベースのコンタクトセンター向けサービスです。AIコールセンターの中核機能として、さまざまな外部サービスと連携し先進的なオムニチャネルを実現することが可能です。
詳細は以下をご参照ください。
https://www.tis.jp/service_solution/cti-amazon-connect/
国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所について
荒川下流河川事務所は、国土交通省関東地方整備局に所属する河川を管理する機関で、荒川の河口から笹目橋までの約30キロメートルを管理しています。
詳細は以下をご参照ください。
https://www.ktr.mlit.go.jp/arage/index.html
TIS株式会社について(https://www.tis.co.jp/)
TISインテックグループのTISは、金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種3,000社以上のビジネスパートナーとして、お客さまのあらゆる経営課題に向き合い、「成長戦略を支えるためのIT」を提供しています。50年以上にわたり培ってきた業界知識やIT構築力で、日本・ASEAN地域の社会・お客さまと共創するITサービスを提供し、豊かな社会の実現を目指しています。
TISインテックグループについて
TISインテックグループは、国内外グループ2万人を超える社員が『ITで、社会の願い叶えよう。』を合言葉に、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」を中心としたさまざまな社会課題の解決に向けてITサービスを提供しています。デジタル技術を駆使したムーバーとして新たな価値を創造し、人々の幸せと持続可能な豊かな社会の実現に貢献します。
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※ 記載されている情報は、発表日現在のものです。最新の情報とは異なる場合がありますのでご了承ください。
◆本サービスに関するお問い合わせ先
TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 デジタルイノベーション営業統括部
デジタルイノベーション第2営業部 CTIサービス担当
ビジネスイノベーション事業部 ビジネスイノベーションM&S部
E-mail:solution_info@tis.co.jp
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