2020年春、世界中に広がった新型コロナウイルス。感染者数は日に日に増加し、自粛期間中は家から出られない毎日が続きました。皆様も不安な気持ちを抱えながら、日々を過ごしていたのではないでしょうか。

私たちタケヤリはこのコロナ禍で、「機屋として何ができるのか」を考え試行錯誤を重ねてきました。皆様にお届けしたいのは、そんなタケヤリのバックボーンとコロナ禍での商品作りにかける想いです。

今回は広報担当で商品開発にも携わっている枝松まな美が商品の持つストーリーに合わせて、そこに込められた想いを語ります。

■工場でありながら、小売部門を持つタケヤリ

株式会社タケヤリは、岡山県倉敷市にある創業1888年の帆布の老舗機屋です。

古くから綿花栽培に適した土壌を持ち、かつて幕府の直轄地として文化の栄えた倉敷は、国内で生産されている帆布の約70%を占める一大生産地。タケヤリはその中でも半数以上の生地を織っています。

明治後半から現在の主力製品である綿帆布に着手。新旧の織機を巧みに利用し、あらゆる帆布を織り上げる技術、手織りから革新織機までの変遷は、日本の織布工場の歴史そのものとも言えます。

帆布工場として業界を牽引しながら、現状で良しとせず、常に変革を重ねてきたタケヤリ。2010年には「帆布の可能性を広げたい」という思いから、小売部門を立ち上げ、帆布バッグや小物を作るファクトリーブランドを展開しました。最近ではリサイクル素材を使ったエコバッグや、帆布を織る際に出てしまう残糸を利用した軍手を商品化。

「ものを作っていく段階では、どうしても捨てざるを得ないものが存在します。そんな捨てるものが少しでもなくなるように、環境面に配慮したアップサイクルにも力を入れていきたいと考えています。」（枝松）

タケヤリの挑戦はまだまだ始まったばかり。帆布のよさを多くの方に知っていただけるようなものづくりが目標です。

■コロナ禍での商品開発にかける想い

帆布の機屋から小売部門を立ち上げ、様々な角度から帆布に向き合ってきました。今ある常識だけで満足しない姿勢は、コロナという未曾有の状況下になっても変わりません。マスクを販売したり、長年受け継がれてきた技術を応用して新しいものを作ったり、他の企業や作家さんとコラボしたり...帆布や帆布商品だけにとらわれず、柔軟に対応しています。

「外へ気軽に外出できなくなった中でバッグを売り続けることに心苦しさがありました。現在も機屋として何かできることはないかと、家の中で楽しめる商品を模索している最中です。その時々の世間の状況に合わせて、お客様のニーズに応えられるものを作りたいと思っています。」（枝松）

いまだに収束の兆しが見えない状況下の中、以前よりも思い切り外に出ることはできない生活。おうちで過ごす今だからこそできること、感じられる気持ちを楽しんでいただけたら、と思いを込めて商品作りをしています。

「マスク生活の一助に」

マスク販売とマスクケース のプレゼント

新型コロナウイルスの広がりで必須アイテムとなったマスク。感染拡大当初はマスクが品薄になり、「不織布のマスクを洗って再利用している」「手作りしたいけれど素材が売っていない」といった状況を目の当たりにし、マスクの販売を決めました。

帆布素材は丈夫で厚い生地ですが、マスクとして使うには適していません。そこで、タケヤリの背景で用意できる衣料用生地に洗いをかけて柔らかくした素材でマスクキットを発売。（※数量限定だったため完売）材料が揃い次第すぐに皆様にお届けできるよう、キット形式を取りました。

また、不織布は長時間つけていると肌荒れも気になるところ。現在は不織布のマスクも安定して出回るようになりましたが、布マスクの需要は依然として高いため、既製品マスクの販売を続けています。

タケヤリはマスクの専門業者ではありませんが、今、必要としている人がいるのであれば出来る事をしたいと考えています。あくまで飛沫を防ぐ補助的なものではありますが、人混みではない場所など、シーンに合わせてご活用ください。

オンラインストアでは9000円以上お買い上げの方にマスクケースをプレゼント中です。（※数量限定だったため完売）「食事の際、置き場所がない」「マスクをせず外出してしまった」そんな時に安心なマスクケース 。長く続くマスク生活を少しでも快適に過ごしていただきたいと思っています。

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「何かを育てる喜びを」

綿花の種のプレゼント

東京を始め全国的に緊急事態宣言が出され、多くの人が家から出られない自粛期間を過ごしました。ステイホームが呼びかけられ、家で過ごす時間がグッと増えた4、5月。「今この時期だからこそ、自宅でも楽しめるようなものをお届けしたい」と、5月中旬〜後半が種まきに適している、綿花の種のプレゼントを行いました。（※期間限定のため終了）

普段私たちが使っている布製品の材料となる綿ですが、実は自宅でも簡単に育てられるのです。綿花のタネの提供と育て方を教えてくれたのは、岡山県北部で綿農家をされている原田さん。自然を思い返すきっかけになってほしいという思いも込めて、地球環境に配慮したオーガニックコットンの種を提供していただきました。何かを育て、成長を見守る楽しさをお届けできていれば幸いです。

「おうちで一息つく時間へ」

倉敷コラボ商品の販売

おうち時間が長くなった生活に少しマンネリを覚えることもあるのではないでしょうか。思いきりリラックスして過ごせるようなお手伝いがしたいという想いから、ほっと息をつけるコーヒー時間にぴったりな商品をご用意。繊維とものづくりのまちといわれる倉敷のブランドたちとコラボ企画を行いました。

「コロナ禍で観光客が大幅に減少。近隣のカフェや実店舗は厳しい状況が続いていることを知り、倉敷を盛り上げるためにもコラボ企画を立ち上げました。全く違う業種のブランドさんとタッグを組むことで商品の幅が広がり、新しい試みとなりました。」（枝松）

コラボ企画では、kobacoffeeさんのコーヒー、ぐらすたTOMOさんのいぐさガラス、タケヤリのコースター＆ランチョンマットをセット販売。（※数量限定のためいぐさガラスセットは終了）また、現在もkobacoffeeさんのコーヒー、倉敷おからクッキーTETEさんのおからクッキー、タケヤリのエコバッグをセットで発売中です。県外で倉敷に行くのが今は難しい…という方にも、お手軽に倉敷を感じていただける組み合わせになっていますよ。

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「おうち時間を楽しく」

手作りキットの販売

外に出られない日々が続き、誰もが家の中にいる時間が増えましたよね。こんな時だからこそ、料理や読書など新しい趣味を発見した方も多いのではないでしょうか。タケヤリでは、少しでも家の中で過ごす時間が楽しいものになればと、「手作りキット」を発売しました。

「大切な人や友達に会えない、子供たちも外に出られない。そんな時

手作りキットが家族や親子で楽しむきっかけになれたら、と思っています。」（枝松）

ハンドメイド好きな方はもちろん、手作りに苦手意識がある方にも気軽に手に取ってもらえるよう、工程は少なめに調整。サコッシュ、エプロン、ロープバッグ、クリスマスオーナメントの作成キットを展開しています。（※数量限定のためサコッシュ、ロープバッグは終了）

エプロンのストラップには倉敷市児島地区にある坂本織物さんの真田紐を使用。美しい模様が特徴的な真田紐は4種類の中から選ぶことができ、バッグやエプロンの大きさも自分でカスタムできるように生地をご用意しました。

クリスマスオーナメントのキットは綿花や季節の花材など、タケヤリらしいナチュラルな材料をセレクト。自由度が高いから、凝ったアレンジが好きな方にもおすすめしたい商品です。

現在はお正月に向けて新たなキットを準備中。是非楽しみに待っていてくださいね。

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■皆様の生活に寄り添うものづくり

タケヤリでは帆布を織ることだけにこだわらず、小売部門を立ち上げた時と同じように、コロナ禍でも様々な取り組みにチャレンジしています。

新型コロナウイルスだけではなく、時代の変化に合わせて生活様式や価値観はアップデートされていくもの。どんな時でも、皆様の生活に寄り添うことのできるものづくりを目指し、これからも尽力していきます。