PR TIMES 開発チーム Webクリッピング開発リーダーの植江田です。

私は先日以下のようなプレスリリースを出しました。

今回は、なぜ広報でもないエンジニアがプレスリリースを書いたのか？書いてみてどうだったのか？理由や実感など裏側のストーリーをご紹介します。

プレスリリースとは

プレスリリースとは、事業者・自治体・団体の新たな活動を世の中に届ける情報発表です。

新しい商品・イベント・キャンペーン等を開始する際、その第一声を自ら公式に発表するのがプレスリリースです。メディアの記事や番組の情報源になる他、大切な関係者やまだ出会っていない生活者へ情報を広く届けられます。

なぜ広報でもない私がプレスリリースを書くのか?

まず、プレスリリースは広報に限らず誰でも書くことができます。

今回私がプレスリリースを書いたのは、当事者が一番情報を持っているからという点と、PR TIMES のミッションに沿ったからです。

（株式会社PR TIMES 開発本部　植江田和成)

今回プレスリリースで発表した「PR TIMES Webクリッピングβ版」については、開発を担うクリッピングチームの再編当初（2021年の夏頃）から私は関わっていたので、当時の状況から今の状況まで知っている人は私ぐらいしかいないと判断し、それなら私自身が書くほうが事実を実感を持って伝えられると思い、プレスリリース初稿作成を担当することとしました。

PR TIMESは、ミッションに「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」を掲げています。実際に行動した人だからこそ発信できる情報があり、想いもあると思います。行動者が発信するからより深みも増します。この考えに同意していたので、これまでプレスリリースを書いたことがなかった私も、挑戦してみることにしました。

ユーザーを本当に理解しているか？考え直すきっかけに

今回私がプレスリリースを書き始めてみて、まず「思っていたより自分はユーザーのことを理解していない」ことに気づきました。

プレスリリースを書くときは「誰にどう伝わって欲しいのか」を考えながら書く必要がありましたが、それが難しく感じていました。

そこで一度、ご利用してくださるユーザーのことを考え直して、「なぜユーザーは Webクリッピングを使ってくださるのか」「なにを解決できたらユーザーは嬉しいのか」等々を再考することにしました。

まずは「Webクリッピング」ご利用ユーザーが普段行っている広報レポート業務の把握です。

社内の広報業務経験者に聞いたところ、以下のようなことがわかりました。

• 自社製品に関する外の反応を知るために google で記事などを検索する。
• 新聞などで自社に言及されたコマを切り取って、社内に共有する。

聞き取り調査後に私の考えは「クリッピングのこの機能は便利」という考えから「クリッピングのこの機能は、こういう場合にはこう使えば便利」という考えに変わっていきました。

対外的に発表する時には、初見の方にもサービスの価値が伝わるよう、対象となる方にとっての困りごとや知りたいことを出発点にする必要があり、相手目線で考える思考が強まります。

一方で、それ以前の開発に没頭していた時には、機能の改善をしたりバグを減らしたり、ユーザーのためにやっている行動さえも、知らず知らず相手目線で見ることなく作業を進められてしまう、という状況に陥っていたのだと振り返ることになりました。

一人の作業者としてはそれで問題があるわけではないのですが、開発リーダーとしては、ユーザーから見える景色の解像度が低いと、本当の意味でユーザーに求められるサービス開発はできないのだと実感しました。

ユーザーの視点からサービスを見つめ直すと、意外な気づきが沢山得られました。この、ユーザー視点の獲得に、プレスリリース作成が有効に働きました。

その結果、最初に言っていた「なぜユーザーはWebクリッピングを使ってくださるのか」「なにを解決できたら嬉しいのか」の部分は「google での検索やコマを切り取るなどの業務の手間を軽減したい」ということがわかり、プレスリリースをかなり書きやすくなりました。

そして、実際にプレスリリースを書いていくのですが、業務内容を把握すればスラスラ書けるかといえばそうではありませんでした。

Google Docs を用いて原稿を書き進めたのですが、原稿は社内の色んな方に確認をしてもらい、最終的にはコメントが100件以上付くぐらい修正を何度も繰り返しました。

（Google Docs上のやり取りの一部）

それに加えて、広報パートナーを今回担当していただいたPR管掌取締役の三島さん（PR TIMES 経営管理本部PR・IRチーム 三島映拓）からは、プリントされた原稿に赤ペンで多くの箇所に修正を入れていただき、それを元に相談と修正を行うということも、リリース発表の1ヶ月前ぐらいから何度も行っていました。

（初稿段階のプレスリリース）

具体的には、私が初稿であげた原稿は、プレスリリースではなく「誰を対象としているか分からないサービス紹介」記事になっていました。これは読者がWebクリッピングをある程度知っている前提で書いてしまったためです。

今回のプレスリリースでWebクリッピングを知る方もいらっしゃるかと思うので、その重要な視点を指摘いただけたのはよかったと感じています。

上記の修正を加えながら、前述で書いたような「ユーザー視点」「記事のターゲット」や「何を紹介したいのか」を明確にしていき、原稿をアップデートしていきました。

特にプロダクトの特徴を書いた箇所は、このサービスを使う判断材料にもなる大事な部分だと思っていますが、初めは一つの項目に羅列した紹介しかできていなかったところ、要点を絞って説明する指摘を受け、本当に紹介したいことを綺麗にまとめることができました。

（配信されたプレスリリースのキャプチャ画面）

PR TIMESではプレスリリース初稿を当事者が書き、広報PRを担うメンバーがパートナーとして広報チェックをフィードバックすることで、完成まで伴走するという方式を採っています。

これまでやってきた開発等々がようやく形になり対外的に発表できる喜びもありましたが、同時に初執筆のプレスリリースを書き上げるのは苦しい場面も少しありました。

思わぬ反響

そして、プレスリリースを発表した後、思っていたより社外でも反応があったことに驚きました。

自社に関する情報を共有する slack チャンネルが設けられているのですが、その場で以下のようなメディア掲載など反響の共有がいくつもありました。

発信した内容が外部でも気にされているということを知れたのはすごく新鮮でした。

掲載いただいた記事：https://webtan.impress.co.jp/n/2022/08/25/43234

エンジニアがプレスリリースを書くといいと私が考える理由

エンジニアの皆さんなら普段の業務でテストは書きますよね？テストを書く際には仕様を把握することがまず必要ですが、そのご利用ユーザーがどんな人たちで、普段何をしていて、実際どのように機能を使っているのかを知っておくことで、よりテストケースが想像しやすいと思います。

さらに、「このバグ早く治さないと困りそうだな」などが推測できるようになり、バグが出た場合などのタスクの優先度決めにも使えます。

仕様の把握と、それを使って誰の、どんな課題を解決しようとしているのか。なども考えることができるとより良いアプリケーション開発に繋がると思いました。

書くことで得た気付き

プレスリリースを書く過程でこんなに気づきを得られるなんて正直思っていませんでした。皆さんも機会があればプレスリリースを書いてみてください。新しい発見があるかもしれません！

【株式会社PR TIMES概要】

ミッション：　行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ

会社名 ：　株式会社PR TIMES （東証プライム　証券コード：3922）

所在地 ：　東京都港区赤坂1-11-44赤坂インターシティ8F

設立 ：　2005年12月

代表取締役：　山口 拓己

事業内容　：- プレスリリース配信サービス「PR TIMES」（https://prtimes.jp/）の運営

- ストーリー配信サービス「PR TIMES STORY」（https://prtimes.jp/story/）の運営

- 広報・PRの効果測定サービス「Webクリッピング」（https://webclipping.jp/）の運営

- クライアントとメディアのパートナーとして広報・PR支援の実施

- 動画PRサービス「PR TIMES TV」「PR TIMES LIVE」（https://prtimes.jp/tv）の運営

- アート特化型オンラインPRプラットフォーム「MARPH」（https://marph.com/）の運営

- クラウド情報整理ツール「Tayori」（https://tayori.com/）の運営

- タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」（https://www.jooto.com/）の運営、等

- 広報PRのナレッジを届けるメディア「PR TIMES MAGAZINE」（https://prtimes.jp/magazine/）の運営

- Webニュースメディア運営、等

URL ：　https://prtimes.co.jp/