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だし専門店「日本橋だし場」 夏限定のヒットメニュー「飲む茶碗蒸し」から見えた“だし”の楽しみ方と無限の可能性

#ヒット商品  #商品開発ストーリー  #にんべん

2020年9月15日 10時57分 株式会社にんべん

東京・日本橋にある鰹節専門店にんべんが展開する、だしコミュニティ・だし専門店の「日本橋だし場」で、今年7月23日から販売中の冷やしグルメ「飲む茶碗蒸し」。すでに売上予想の300%超えを達成し、販売期間を9月末まで延長するという人気ぶり。“茶碗蒸しをストローで飲む”という新しいスタイルが日本橋界隈で徐々に広がっている。そんななか、飲む茶碗蒸しの仕掛け人である2人が顔を合わせ、メニューの誕生にまつわるエピソードから、各々の込めたアイデアや遊び心、さらには名脇役にして主役級の実力を秘める“だし”の可能性まで、夢あるトークを繰り広げた。




「株式会社にんべん」十三代当主 代表取締役社長 髙津伊兵衛(左)、「鈴なり」店主 村田明彦氏


熟練の職人技×にんべんの開発力で商品化

——「飲む茶碗蒸し」は、村田さんの持ち込み企画だそうですが、そもそも茶碗蒸しを“飲む”という発想が斬新です。


村田:茶碗蒸しは「鈴なり」の名物の一つで、思い入れがあるメニューなんです。そこで、茶碗蒸しをもっとお客様に喜んでもらえることはできないかと、だしプリンや、産地別の卵を使ったご当地茶碗蒸しなど、いろいろと考えていました。

そうしたアイデアのきっかけが、実はにんべんの「日本橋だし場」で、“だし”をドリンクメニューとして提供されている。それも、アイスでもホットでも楽しめるので、その光景に刺激を受けました。そして、ある時、冷やし茶碗蒸しをつくりながら、ふとストローで飲めないかと思いついたのが、「飲む茶碗蒸し」の始まりです。


髙津:村田さんとの出会いは「和食給食応援団」がきっかけです。これは国産食材を使って和食給食を普及しようと、若手の和食料理人を中心とした活動で、村田さんはそのお一人、うちはパートナー企業というつながりです。その縁から企画提案してくださったのですが、飲む茶碗蒸しをプレゼンしに来社されたのが2019年11月。その時すでに試作品を用意されていて、試食してすぐ「面白いですね。やってみましょう」と即決しました。


村田:あの時は、髙津さんの決断の速さに正直、驚きました(笑)。それも2020年夏には発売しようと、一気に開発が進みました。茶碗蒸しの味も、研究開発部の方が早い段階でほぼ完璧に再現してくださって、茶碗蒸しを飲んだ時の食感や喉越し、風味やうま味、全てに唸りました。


髙津:商品化するうえで課題となったのは、衛生面の安全性とストローでの吸いやすさです。長年培ってきた加工技術を駆使し、店頭で提供するまでの扱いもマニュアル化し衛生面で細心の注意を払いながら、作り立ての美味しさ追究しました。ストローもタピオカドリンクからヒントを得て太めにし、さらにエコを意識して紙製にしています。容器がプラスチック製なので、完全なエコ仕様とは言えませんけどね。まずはできるところから環境面にも配慮しています。


塩加減や彩りに配慮して、美味しさと遊び心をプラス

——紙製ストローは口当たりもソフトで、飲みやすさにもつながっていますね。“飲む”というだけでかなりインパクトのある商品ですが、「飲む茶碗蒸し」づくりで工夫されたことについて教えてください。


村田:決め手は「塩」です。「クリスマス島の塩」という赤道直下のサンゴ礁でできた島の塩を使っていて、この塩は主張し過ぎない絶妙なバランスで、不思議と素材の味を引き立ててくれるんです。飲む茶碗蒸しは、この塩があって味が決まったと言っても過言ではないですね。


髙津:「クリスマス島の塩」を使った商品は、店舗でもいくつかあって、塩そのものの販売もしています。この塩を使っている縁で、さらに「飲む茶碗蒸し」に楽しいアイデアを加えることができました。それが仕上げに振りかける「ぶぶあられ」です。


村田:味には自信のある「飲む茶碗蒸し」ができたのですが、見た目がどうもシンプルすぎて、何かできないかと考えていた時に、クリスマス島の塩のセールスマネージャーさんから提案してもらったのが「ぶぶあられ」というわけです。見た目に彩りが生まれ、飲む時に具が入っているような感覚を楽しめるようになりました。塩加減とあられを意識してぜひ飲んでもらいたいです。


絶え間ないチャレンジ精神で“だし”文化を拡散

——「飲む茶碗蒸し」は9月末までの限定販売ですが、今後の展開や“だし”を使ったメニューとしての可能性についてお聞かせください。


髙津:webニュースで紹介されたことからSNSでバズって、それを今度はテレビで「ネクスト・タピオカドリンク」として話題にしてくださり、多くの人に知ってもらうことができました。コロナ禍のなか、現状は「日本橋だし場 本店」のみのテイクアウト販売です。ひんやりと冷たく、暑さで食欲がない時にも食べやすくて、熱中症対策や年配の方の嚥下食としての可能性も感じているところです。来年の販売も前向きに検討中です。


村田:かつお節だしの風味、うま味が効いていて、腹持ちもいいです。食卓のひと品に、小腹が空いた時に、コンビニのおにぎりとも相性がいい。飲むシーンを選ばないので、気軽に楽しんでもらいたいです。


髙津:食べるものを“飲む”に変換して、レパートリーを増やすことはできそうです。例えば、飲むおでんとか飲む土瓶蒸しとか(笑)。


村田:面白そうですね。和食は“だし”を引くか引かないかで、同じ食材、調理をしても仕上がりがまるで違います。それでいて料理には、目に見えて“だし”の存在がありません。ここに日本人の奥ゆかしさとも通じる“だし”文化があるのですが、最近、フレンチやイタリアンの料理人も“だし”に注目していて、洋食でも“だし”を使ったり、ドリンク化の道が拓けるかもしれないです。欧米の和食ブームにのって“だし”の魅力が広がれば、海外展開もできそうですね。


社長:以前、ニューヨークでイベント参加した時も、現地の方からのかつお節だしの香りが、「スモーキーでいい」と好評価をいただいたことがあります。もしかしたら、かつお節だしを使った飲むドリンクで、アメリカのコーヒーチェーン店とコラボレート、なんてことも将来的には考えられますね。社内では宇宙食にできないかと画策している動きもあるようで、海外、宇宙へと“だし”の伸びしろはまだまだ広がっていきそうです。創業1699(元禄12)年の創業から320年間、これまでも「フレッシュパック」など、その時代にあった革新的な新商品を打ち出してきました。そうした、にんべんに脈々と息づくチャレンジ精神で、これからも多角的に“だし”の可能性を引き出していきたいです。



「食べる」を「飲む」に変換したドリンクが、茶碗蒸し以外でも登場しそうな期待が広がる対談でしたが、今度もにんべんからどんな商品が飛び出すのか、目が離せなさそうです。今夏、茶碗蒸しを「飲み物」に変換して、話題をさらった「飲む茶碗蒸し」が飲める期間もあとわずか。まずは日本橋だし場に立ち寄って、ストローを使った新食感の茶碗蒸しで、暑気払いしてみてはいかがしょうか。




髙津伊兵衛(たかつ・いへえ)

1970年、東京生まれ。大学卒業後、高島屋入社を経て1996年に家業のにんべんに入社。2009年に代表取締役社長に就任。2010年に日本橋だし場を開設。以後、鰹節やだしの新たな可能性を事業化し、展開中。2020年2月に13代髙津伊兵衛を襲名する。


村田明彦(むらた・あきひこ)

1974年、東京都生まれ。老舗本料理店「なだ万」で13年間修行を積み、2005年に独立して「鈴なり」を開店。和食の型に縛られない独創性のある和食が評判。2012〜2018年まで7年連続ミシュランガイド1つ星を獲得。テレビなど各メディアでも活躍中。


日本橋だし場

日本橋だし場(NIHONBASHI DASHI BAR)では、「一汁一飯」をコンセプトに、かつお節だし、月替りのだしスープメニュー、かつぶしめし、数量限定のお弁当、惣菜と幅広くメニューをご用意。日本型食生活(鰹節から始める健康生活)を提案しています。


〒103-0022

東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1・1F


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