いきなりですが、皆さんスポーツは好きですか？テレビでは、野球、サッカー、ラグビー、さまざまなスポーツが放映されています。画面に映るアスリートはキラキラ輝いていますが、彼らのアスリート人生は怪我などにより急に閉ざされることも珍しくありません。私達は引退後のアスリートが現役以上のキャリアアップを行うことができるように、日々サポートを行っています。

今回は、現役を退いたレジェンドアスリートと金の卵である次世代のミライアスリート、そして参画企業の三者と共に応援し合うプロジェクト「AthTAG」に込められた想いについて、発起人であり当社代表である金沢の想いをお伝えします。

「家族で阪神の試合を見る」それが僕の日常でした

これまでの人生を振り返ると、いつも僕の側にはスポーツがありました。アスリートのために会社を立ち上げるくらいなので、と言っても過言ではありません。僕の親はとにかくスポーツが好き。大阪出身ですので、阪神タイガースの試合観戦に甲子園球場に何回も連れて行ってもらいました。野球だけではなく、サッカー、ボクシングなどのスポーツ中継を見る、なによりもスポーツの優先順位が高い家庭でした。

僕自身も中学高校は野球、大学はアメリカンフットボールに真剣に取り組んでいたのですが、日本一になるという目標を叶えることはできませんでした。大学での部活が終わり、社会人として次はどのフィールドに行くべきか。考えた末に出た答えが「スポーツに携わる仕事・スポーツの現場に行くことができる仕事に就くこと」でした。

そこで僕が選んだのがTBSでした。当時はスポーツ・エンタメ・ドラマ・報道などジャンルで分かれての募集だったため迷わずスポーツ部門を希望。無事入社したのですが、後から各部門に分かれての採用は僕の学年と1つ上の学年のみだったと知りました。僕は一浪して早稲田大学に進学し、その後に中退して京都大学に進学しているので現役で大学に合格していたら、TBSへ入社していなかったかもしれません。

入社後は世界陸上やオリンピック中継・格闘技中継などのディレクターを経験しましたが、現在でもアスリートやスポーツに携わる仕事を続けることができているのは運命だと思っています。

スポーツが持つ素晴らしさと課題を目の当たりに

TBSに入社し、トップアスリートの取材を行い驚いたのがアスリートの愚直な姿でした。同じトレーニングを永遠と何時間も行う。吐きそうなくらいに自分自身を追い込んでいるアスリートの姿を見たときに、スポーツが好きなだけでなく新たに「リスペクト」という想いが加わりました。

しかし、スポーツとは時として残酷で必ず勝敗がついてしまうものです。一生懸命に減量し追い込み、身体を作ってリングに上がったとしても、勝敗は必ずつきますし、KO負けすることも大いにあります。その儚さを目の当たりにした時に、「スポーツはこんなに感情が揺さぶられるものなのか」とスポーツが持つパワーに胸を打たれました。

勝つ喜び、負ける悔しさ。それらを感じることができるスポーツの魅力を強く実感することができました。世の中には人の感情を動かすシーンは幾度もあります。しかし、どんなに実力がある歌手であっても、オリンピックやWBCなどのスポーツイベントほど日本中を熱狂させることはできないと僕は感じています。

人々を熱狂の渦に巻き込むことができるスポーツですが、その裏にはスポットライトが当たらない部分もあります。間近でアスリートを見ているが故に目に留まったのが引退後のアスリートの姿です。若い時に巨額の年俸を手にすることにより麻痺する金銭感覚。スポーツ一本で頑張ってきたからこそ、社会にうまく順応できない。

そんな彼らの役に立ちたいと思い、僕はTBSを退職。プルデンシャル生命保険に入社しました。そしてまずはお金の正しい知識を伝えアスリートの退職金を作るために生命保険の営業マンとなったのです。

しかし営業マンとして仕事をするだけでは、引退後のアスリートのサポートをすることは不十分だと思いプルデンシャル生命保険を退職。アスリートが社会のことを学び、成長できる場所を作りたいと考え、2020年にAthReebo株式会社を設立しました。

AthTAGはアスリートと企業が「タッグ」を組み金の卵を支援するプロジェクト

今回僕たちが行うプロジェクト「AthTAG(アスタッグ)」ですが、「レジェンドアスリート×参画企業×ミライアスリート」がタッグを組む構図になっています。引退したアスリートのサポートはもちろんですが、未来のオリンピック選手や日の丸を背負う選手を育てることも非常に重要だと考えています。

そのためレジェンドアスリート×参画企業×ミライアスリートでタッグを組む。その想いも込めて、Athlete(アスリート)と企業がTAGを組む。AthTAGと命名しました。

AthTAGはこれまで輝かしい功績を残しているレジェンドアスリートの肖像を企業に提供し、企業からは肖像の利用と次世代を担うアスリートの支援として毎月定額の支援金をお願いしています。

レジェンドアスリートは企業の業績向上を応援し、企業はミライアスリートの支援を行う。アスリートと企業が一緒になってミライアスリートを育成する持続可能な取り組みこそが「AthTAG」なのです。

AthTAGは約1年前から準備を始め、今回レジェンドアスリートとして参画していただく柔道・野村忠宏さん。テニス・伊達公子さんとも何度も打ち合わせを重ねました。2023年1月にレジェンドアスリートの撮影を行い、4月からはAthTAGの取り組みに賛同してくださる企業様へ営業をスタート。

やっとの想いで2023年9月にAthTAGのプレスリリースを行うことができました。そして2023年11月21日にはパリ五輪や世界を目指す現役アスリートのためのピッチイベント「AthTAG GENKIDAMA AWARD 2023」を開催します。

こちらのイベントで見事受賞した選手は、その後の様子をドキュメンタリー番組のように密着取材することも検討しています。長期間カメラを回すことでアスリートの愚直さ、スポーツの面白さをお伝えできればと考えています。

スポーツの社会的位置づけを変え新たな時代へ

日本のスポーツ界は、学校教育の体育の延長として見られがちです。そのためスポーツを通じて収益を得ることがタブーのように思う人が多い気がします。しかし、海外に目を向けるとスポーツはエンターテイメントの一種として親しまれていますし、経済も成り立っています。

僕はまずは日本のアスリートに新たな価値をつけて収益化し、経済にする。そして産業にしていきたいと考えています。多くの企業がAthTAGに参画していただくことで、支援金が増えていく。その支援金でミライのアスリートを育てていく持続可能なビジネスモデルをAthTAGで確立していきます。

AthTAGに参画することにより、「GENKIDAMA AWARD」にて選んだ選手がオリンピックや世界選手権に出場しているのを社員全員で応援する機会があるかもしれません。応援している選手が頑張っている様子を見ることで生まれる新たな感情も皆さんにぜひ体験していただきたいです。喜怒哀楽を動かしてくれる、年齢性別関係なく一体感を生み出してくれるのがスポーツの最大の魅力です。

AthTAGは、スタートし始めたばかりのプロジェクトですがこれから参画する企業様が100社、200社、1,000社と増えていくように活動していきます。ぜひこれを機にAthTAG、AthReebo株式会社のことを知っていただき応援していただけると嬉しいです。

金沢 景敏　プロフィール

大阪府出身。東大寺学園高校では野球部に所属し、 卒業後は浪人生活を経て、早稲田大学理工学部に入学。 実家の倒産を機に、現役と浪人時代に落ちた京都大学に リベンジすることを決意。早稲田大学を中退後、およそ 2か月間の受験勉強を経て、京都大学工学部に合格。 京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍した。

卒業後はTBSに入社。世界陸上やオリンピック中継、格闘技中継などのディレクターを経験した後、編成としてスポーツを担当。 2012年よりプルデンシャル生命保険に転職。

1年目で個人保険部門において全国の営業社員約3,200人中の1位に。全世界の生命保険営業職のトップ0.01%が 認定されるMDRTの「Top of the Table（TOT）」には、 わずか3年目にして到達。また、TOTの基準の4倍の成績を上げ、個人の営業マンとして伝説的な数字をつくる。

2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo株式会社を起業した。

著書に『超★営業思考』（ダイヤモンド社）『影響力の魔法』（ダイヤモンド社）