この街を愛し、お客さまの人生に寄り添い続ける。

新宿から箱根、小田原まで幅広い路線とコアなファンを持つ小田急沿線。小田急不動産の仲介事業は、小田急沿線に21店舗を展開し、地元に密着した街のプロとして、55年にわたり不動産の売却、購入、住み替えなどのお手伝いをしてきました。街に深く根付いた不動産屋としてシェアを拡大してきた同社ですが、近年、大企業数社による一括査定サイトが登場、他社との差別化に苦戦している状況がありました。そこで、2019年5月、事業理念策定のプロジェクトをスタート。社員の気持ちを一つにする事業理念誕生までのストーリーとこれからの展望をプロジェクトの責任者を務めた取締役仲介営業部長の河村が語ります。

数字ではない、社員全員の道標となる言葉を。

「競争が激しくなっている中で、お客さまの選択肢は無限にあります。『なぜ小田急を選ぶのか』という理由が明確でないと、お客さまに選んでいただけませんので、その理由をみんなで考えたいと思いました。」河村は事業理念策定の背景についてこう語ります。本プロジェクトの直前まで、仲介事業から離れていた河村が12年ぶりに戻って、まず最初に必要だと思ったのが事業理念だったと言います。その理由について河村は話を続けます。

▲    小田急不動産株式会社 取締役仲介営業部長 河村康伸

「昔と変わらず、目標というと売り上げ目標しかなく、辿り着くまでの方法も各営業社員、店長に委ねられている状況でした。これでは、数字を上げることが最優先になってしまい、場合によってはお客さまが二の次になってしまいます。数値目標の上にのる、意義目標がなくてはと思ったんです。」不動産という、数字が求められる世界であるからこそ、数値だけでない目標に、全員が向かっていくべきではないか。お客さまに真摯に向き合うことで、その姿勢を評価いただき、その結果として売上が上がっていく。そういった思いで、事業理念策定の動きがはじまりました。

小田急沿線が好き、という無二の価値。

1店舗につき1時間、事業理念の必要性を説きながら同志を集めた河村ですが、最初は反発も多かったと振り返ります。「その場では聞いてくれていても、帰った後に『こんなことをして何になるのか』『それよりも、もっと普通の宣伝をして欲しい』といった声があったと聞きました。」日々売上目標と対峙する営業社員からすれば、未来の話よりも、1人でも多くのお客さまにご連絡する優先度の方が高い。そういった現場の率直な意見は、ミッションやバリュー検討セッションの初回にもあったと言います。

そんな中で、どのようにメンバーを一つにまとめていったのか、河村は続けて語ります。「最初は懐疑的だった参加者21名も、それぞれが想いや考えを付箋に記入する中で、徐々に本音をぶつけ合うように変わっていきました。ミッションの大きなキーワードは『みんな、小田急沿線が好き』ということ。小田急沿線を中心に高密度で展開してきたからこそ言えることです。優れた営業力や価格競争力以上に、この街を深く知っているからこその提案、その先にある感動をお客さまは自分たちに求めているのではないか。そして、自分たちは『この街のプロ』として、この街を愛し、誰よりも街に詳しく、誰よりも具体的な未来を描いていこう。そのような意志で、新たなミッション、バリュー、スピリットを、メンバー一丸となり、決めていきました。」

セッションがひと段落した後には、ミッションをもとにした小田急不動産仲介営業部のシンボルマークも制定しました。地域に根差し成長する木の幹は、小田急不動産の強みでもある小田急沿線の路線図を模したデザインに。ハートの形になる葉は、お客さまの人生の景色をモチーフにしたものです。仲介営業部の街への愛と人生の景色を描く意志を、表現しています。

▲   ミッション・スピリット・バリューをひとまとめにしたシンボルマーク

2020年1月には、キックオフイベントを開催。小田急沿線の”愛おしい景色”をパネルとして展示するなどの工夫を凝らしつつ、ミッションとともに今後の指針を伝えました。お客さまのインタビューをもとに作られたムービーも投影され、自分たちの仕事の意味を改めて考えるきっかけにもなり、涙ぐむ社員もいました。

叱る文化から、褒める文化へ。

イベント後も河村はじめ、プロジェクトメンバーは様々な施策に取り組んでいます。「社内への理念浸透施策では“褒め活”が、社内の雰囲気を徐々に変えています。社内SNSを使用し、1週間に1度、マネジメント層がメンバーに対して、理念に沿って褒める投稿を行っています。」“1WEEK1GOOD”と名付けたこの活動は6月から始まり、最初こそ投稿者が数名だったものの、今ではほぼ全ての店舗マネジメント者が参加。今では「直接部下を褒めたい」と言った声が出るなど、褒めの風土へと変わっています。

ここにしかない愛おしい景色を、物語に。

また、ミッションを軸にしたブランドの取り組みの一つである「まちまちストーリーズ」を発行。沿線の街を舞台にした「ここにしかない、愛おしい景色」として、フィクションの短編集を掲載しています。架空の物語でありながら、制作にあたっては、社員が実際に街を巡り、取材を重ね、実際にある店舗や施設、街の景色を組み込んでまとめています。ブックをもとに地元の皆さまとも連携しながら、ノンフィクションのドキュメンタリー映像も展開。コロナ禍であっても、前向きに、懸命に生きるお店や団体のいまをお伝えしています。小田急不動産の会員顧客の皆さまには一足先にお届けしましたが、「コロナ禍で人との距離を取らざるを得ない中、街のストーリーはどれもほのぼの心温かくなりました」(70代女性)、「それぞれの街に住む人の姿が思い浮かび幸せな気持ちになった」(40代男性)などのお声をいただいています。特設サイトも制作し、ブック、動画ともに閲覧ができるようになっています。

最後に、今後の期待について、河村は語ります。

「ミッションに書いてあることは、本当にその通りだと思っています。お客さまには良い思い出だけを、その街で築いて欲しい。安心してお取引いただき、お客さまの悩みに寄り添い、解決し続けることで『小田急に頼みます』と言ってもらえる事業にしなくてはと思っています。同時に、社員全員が、この仕事をライフワークと言えるような会社になっていきたいですね。お客さまからの感謝の言葉やお客さまとの末永い関わりで幸せを感じる社員がこれからも増えていってもらえれば。」

事業理念の誕生を機に、小田急不動産仲介営業部では、街に密着したブランドして、新たな1ページをスタートさせました。今後も様々な方向から、「この街を愛し、ここにしかない人生の景色を描く」私たちの思いを発信し続けていきます。

企業情報

会社名：小田急不動産株式会社 仲介営業部

　　　　 https://www.odakyu-chukai.com/

住所：東京都渋谷区初台1丁目47番1号

取締役社長：金子 一郎

事業内容：「この街を愛し、ここにしかない人生の景色を描く。」をミッションに、不動産仲介事業を通じて、街と街に住む人々に真摯に向き合い、小田急沿線に住む人々の幸福と感動を創造します。小田急グループの「お客さまのかけがえのない時間（とき）」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献するという経営理念のもと、当社は「まちづくり×愛着」および「くらし×楽しさ」の事業領域を担い、小田急沿線の価値向上に貢献しています。

報道発表資料

２０２０年１１月１７日

「小田急沿線が物語に？！愛おしい街の景色が一冊のブックと動画になって登場　小田急不動産各店で無料配布中！」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000054964.html