極上の肌触り追い求めたタオル「Over the Moon」。タオル業界に挑戦した開発の裏側

開発ストーリー

2024年10月29日 11時40分株式会社WINBE

株式会社WINBEは、家業である株式会社白和の伝統を守りつつ、次の時代に合った新たなビジネスとして立ち上げました。

白石雄輝は、5代目後継者にあたり、大学と並行して新しいタオル「Over the Moon」を開発しました。

このタオルは、極上の肌触りを追求し、使った人が笑顔になってくれることだけを考えて生まれました。開発にあたっては、素材選びや製造方法にこだわり、試行錯誤がありました。

最終的に完成した「Over the Moon」は、まるで月の光に包まれるような、柔らかく上質な使い心地を実現し、幸せなひとときを提供します。このタオルには、私たちの想いと情熱が込められています。このストーリーでは、「Over the Moon」の開発の裏側についてお話します。

斜陽産業とも呼ばれるタオル業界で伝統を守り、新しい価値の供与へ

今治タオルは、かつて日本国内外で高く評価される伝統産業として栄えてきましたが、近年では中国やベトナムなどからの安価な海外製品の台頭により、厳しい状況に直面しています。ピーク時に比べ、企業数は83.5％減少し、生産量も84.9％減少するなど、今治タオル産業全体が深刻な危機に瀕しており、毎年のように倒産する会社が出ています。

そのため、今の日本のタオル産業は斜陽産業と呼ばれることも少なくありません。こうした現実を考えると、現社長の父親が「家業を継ぐのは避けた方が良い」と考えるのも理解できます。

しかし、私は株式会社白和の５代目にあたり、会社は創業から９２年を迎えており、曾祖父の時代からこの仕事を守ってきたおかげで、今日の私の生活が有る事を考えると、私の代で会社を継がないという選択肢を選ぶことができませんでした。

また、自社だけでなく、それを取り巻く環境を守っていかなければならないと思いました。これまで、株式会社白和には色々な助けがあり、現状があると思います。

そういったものを感じ、責任感があると思い、会社を継承することを決めました。

今までにない最高のタオルの開発に挑戦。情熱と技術が結集して「Over the Moon」の開発に成功

タオルの開発には数々の挑戦が伴いました。特に、理想とする柔らかさと吸水性を両立させることが最大の課題でした。私たちは、試行錯誤を繰り返しながら、無撚糸（むねんし）加工やマーセライズ加工、自組織の密度の調整など細部にわたる改良を行いました。

無撚糸加工とは、糸に撚り（ねじり）を加えずに糸を作る技術です。

この加工により、柔らかさ、吸水性、そしてボリューム感が生まれ、肌に優しい仕上がりが実現します。

マーセライズ加工とは、綿糸を水酸化ナトリウム水溶液に浸し、同時に張力をかけることで繊維の構造を変化させる加工方法です。

このプロセスにより、綿素材に光沢が生まれ、繊維が滑らかになり、毛羽落ちが抑制されます。また、シルクのような光沢と手触りを持ち、染色性も向上して鮮やかな色合いが長持ちします。

地組織も独自の密度を採用しています。タオルの「地組織（じそしき）」は、タオル全体の基礎を支える織りの構造のことです。タオルを作る際、表面にあるふわふわした「パイル（ループ状の繊維）」の下には、これを支えるベースとなる織り地が存在します。

この地組織を独自の密度にすることによって、耐久性を保ちつつ、軽量化することができ、また速乾性も高くなっています。

これは、今治の伝統的な工場の技術を最大限に活用し、設備と技術力を駆使して実現したものです。これは、このタオルを使う人が笑顔になって欲しいということを考えて設計しました。

「Over the Moon」は、私たちの情熱と協力者たちの技術が結集した革新の結晶であり、他にはない特別な体験を提供します。

「非常に幸せ」という意味が込められた「Over the Moon」。タオルを通じて日常生活を幸せに導くことを目指して

「Over the Moon」は、ただのタオルではありません。こだわり抜いた綿花、非常に手間暇掛けた無撚糸加工の糸を採用することで、従来の今治ブランド基準のタオルよりも優れた柔らかさと肌触り、毛羽落ち、見た目、を実現しました。

「Over the Moon」には、「非常に幸せ」という意味があります。私たちのタオルを通じて、その感動を日々のスキンケアに取り入れていただきたい。タオルの柔らかさや質感を肌で感じるたび、心と身体をいたわる時間が今まで以上に愛おしくなることでしょう。小さなひとときの積み重ねが、あなたの毎日をより豊かで幸せなものへと導きます。