サンエイト貿易株式会社は、1979年に設立の洋菓子を中心とした高級製菓原材料の専門商社。チョコレートをはじめ、フルーツピューレ、洋栗ペーストやナッツ商品など、世界の製菓材料を扱う、輸入製菓材料のパイオニアです。現在、ヨーロッパを中心に、シンガポール、チリ、タヒチなど世界各国から約30ブランドの商品を取扱いしています。

このストーリーでは、当社のブランドのひとつ、KAOKAオーガニック・フェアトレードチョコレートとの出会い、そして９月１日～１か月間実施する「未来チョコプロジェクト」の誕生秘話をお話しいたします。

きっかけはサロン・デュ・ショコラ・パリでのKAOKA創業者との出会いから

その出会いは、当社の創業者が訪れた、2003年開催のサロン・デュ・ショコラ・パリ。その時、KAOKAは小売用チョコレート（タブレット）を紹介していましたが、KAOKAの創業者アンドレ・ドゥベール氏のチョコレートづくりへの情熱に魅せられ、即座に業務用チョコレート製造の提案を申し出ました。

アンドレ・ドゥベール氏は、地球環境と生産者に配慮したチョコレートづくりに情熱を掲げる現場主義者で、有機農法や土壌を回復させながらカカオを栽培する森林農法（アグロフォレストリー）を用い、いかなる非常時にもカカオを買い、カカオ生産者から絶大なる信頼をよせられていました。

当社は製菓材料の販売が主であり、小売品の販売ルートがなかったため、業務用チョコレートの製造を提案することで、日本市場への導入を推し進めようとしました。当社創業者の思いを組んだアンドレ・ドゥベール氏は、その提案を受け入れ、コインタイプの製造及びオーガニック認証の充填工場を探索し、2008年に日本で販売を開始するに至りました。

【写真上】リオアリバ70％（現在、リオアリバを含む全13品を販売しています。）

頑なにカカオの味を生かすKAOKAは、日本市場で苦戦した

しかし、発売当初の売れ行きは決して順調ではありませんでした。

品種の特性を活かしたアロマ豊かなチョコレートですが（例：エクアドル産カカオ：ナショナル種を使用）、当時の日本のチョコレートは滑らかさや口溶けの良さが求められ、カカオバターの追油が少なく、頑なにカカオの味を生かす製法を採るKAOKAのチョコレートは口溶けが良くないという声がありました。さらに、KAOKAのフィロソフィー（理念）に共感いただけても、“オーガニック＝高くておいしくない”というイメージがあり、二の足を踏むケースも。加えて、フェアトレードについて、その仕組みやその価値への関心が低く、オーガニックやフェアトレードが浸透していない時代だったと思います。

KAOKAの良さを日本のパティシエたちに伝えるために、わたしたちにできることを考えた

KAOKAの良さを伝えるにはどうしたらいいか、社内で議論を重ねた結果、作り手の皆さんをカカオ農園にお連れする、エクアドルツアーを企画しようということになりました。

南米という場所がら、時間的拘束や異なる環境下においてお客様に負担を強いることになりますし、現地の移動手段、宿泊・食事の手配など、KAOKAや現地スタッフのサポートが必要となります。

簡単ではないことは分かっていましたが、同企画の目的や当社の思いを丁寧に伝えることで、KAOKAの理解を得てツアープランを練り上げることができました。そして、2006年から継続的にツアーを行うことで、延べ62名のパティシエをお連れすることができました。コロナ禍の3年間は残念ながら中止せざるを得ませんでしたが、今年より再開することができ、とても嬉しく思っています。（2023年11月実施予定）

KAOKAの情熱に感銘を受け、カカオ生産者の支援活動を当社独自に開始

当社創業者からKAOKAの話を聞いていくうちに、その情熱や思いは社員にも広まり、KAOKAやカカオ生産者の支援をしたいという声が上がるようになりました。

それが、『Happy Organic Cacao Project』の始まりです。

このプロジェクトは、KAOKA製品1kgにつき10円をKAOKA FOUNDATION（カオカ基金）に寄付する、当社独自のカカオ生産者支援活動です。2008年から2023年3月時点で1,770万円の寄付（2022年4～2023年3月分は年内に振込予定）を行いました。

これらの寄付は主にエクアドルでのカカオの苗木購入費に充てられます。

購入した苗木に、生産者とともに選んだエリートツリー（特にアロマが優れているカカオの木のこと）の優れた遺伝子を苗につなぐ「接ぎ木（つぎき）」という作業を行い、香りがよいアロマティックカカオを育てます。

【写真左】接ぎ木をしているところ　　　　　

【写真右】接ぎ木された苗木

その苗木を植樹すると（写真下）、２年後にはカカオの実がなりはじめます。1本の苗木からカカオ分70%のアロマ豊かなチョコレートが1kg（相当）作られ、そしてわたしたちの手元に戻ってきます。

実は、同プロジェクト名は社内で募集したものなんです。社員それぞれが、KAOKAの活動に感銘を受け、その想いをプロジェクト名に託しました。

その中から選ばれたこのプロジェクト名は、このチョコレートを通して、カカオ生産者も作り手の皆さんも、そしてわたしたち輸入者も幸せを分かち合う、そんな気持ちが込められています。

「生産者がまともに生活できないような価格でカカオを買うことなど絶対にできません」と語ったKAOKAの創業者

日本では、2015年9月に採択されたSDGsへの関心が高まり、サステナブルなチョコレートに注目が集まりました。KAOKAの活動をSDGs17項目にあてはめると、うち９項目の達成に貢献しています。そのため、オーガニック・フェアトレードチョコレートであるKAOKAブランドを多くの方に知っていただく絶好の機会と思い、日本の状況を当時のKAOKAに伝えると、

「われわれは、設立当初から地球環境と生産者に配慮したチョコレートづくりをしている」

と。私たちは、その言葉をきいて、ハッと気づかされました。

KAOKAは、SDGsが採択されるずっと前に、創業者アンドレ・ドゥベール氏の「生産者がまともに生活できないような価格でカカオを買うことなど絶対にできません」という言葉からはじまり、それらを企業理念として誕生した会社であること、そして、創業者が変わり２代目のギーCEOになっても、その理念は変わることなく継承されていることに。

有機農法と森林農法によるカカオ栽培は、こどもたちの未来のために

KAOKAは創業以来、有機農法と森林農法を用いて地球環境に優しい手段を用いて、カカオ生産者の心と生活を豊かにする活動をしていますが、その栽培方法は地球温暖化の抑制につながっています。

農林水産省のホームページによると、世界の温室効果ガスの排出量の約11％は森林が農地など、他の用途に転用されたことによるものとされています。森林には樹木や草花などの多くの植物が生育しており、その植物の花や実をエサににしたり、樹の幹や土の中などをすみかにしている生き物がたくさん生息していますが、世界の森林は年々減少・劣化しており、生物多様性の宝庫である熱帯雨林に住む動物は、毎日１００種が消失していると言われています。このように地球温暖化の影響で海面水位上昇、極端減少（水害、森林火災、ハリケーン、熱波、干ばつによる影響）・災害、蚊や水を媒介した感染症の拡大が進み、農作物の収穫などに影響が出ています。

樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収し、炭素を樹木内に蓄積し、酸素を放出する役割を果たします。KAOKAは、森林破壊をすることなく、カカオの苗木のほかに、カカオのシェードツリーとなる高層の樹々やカカオ生産者の副収入となり得るパパイヤ、コショウ、バニラなどを植えることで、大気中の二酸化炭素を吸収し、温室効果ガスの排出量削減に貢献しています。また、主に鳥類の生育場所になり得る果樹などの中層の樹々を植えることで、ペルーでは220種以上の鳥類が確認されるなど生物多様性の保全にも貢献しています。

2023年5月に2代目CEOギー・ドゥベール氏が来日した時の話です。2児の父親である彼は、「地球温暖化が進み、様々な災害などが世界で頻発する昨今、子供たちの未来をとても危惧している。そして、子供たちが過ごしやすい未来にできるよう、私たちの活動がその一助となれば・・・。」と。

【写真】KAOKA２代目CEOギー・ドゥベール氏

わたしたちも、KAOKAの活動を支えることで、こどもたちの未来を守っていきたいと思います。

『未来チョコレートプロジェクト』スタート！

現在実施中の「未来チョコレートプロジェクト」は、そうしたKAOKAの想いや活動を、より多くの方に届けたいと考え企画したものです。

同企画のベースには弊社独自のカカオ生産者支援活動である「Happy Organic Cacao Project」があります。前文のとおり、弊社の寄付金は主にエクアドルの苗木購入費として使用されています。通常はKAOKA商品1㎏につき10円の寄付を行いますが、同プロジェクトではKAOKA商品1㎏につき苗木1本が上乗せで寄付されます。

未来チョコレートプロジェクトでは、消費者の皆さんにもプロジェクトに参加いただきたいという思いから、対象メニュー（商品）を購入し、対象メニュー（商品）の写真に「＃未来チョコ」をつけてインスタグラムに投稿いただくことで、弊社にて１投稿につき苗木１本分の寄付をさせていただく、消費者参加型の企画にしました。

KAOKAとわたしたちの思いが、多くの方に届きますように。

名称：  第１回KAOKA未来チョコレートプロジェクト～未来につなげるチョコレート～

詳しくは、サンエイト貿易株式会社 公式ホームページをご参照ください。

https://www.sun-eight.com/project-kaoka-2023/

実施期間：2023年9⽉1⽇（金）〜2023年9⽉30⽇（⼟）

参加店舗：参加店舗一覧はこちらから（リンク）

主催：  サンエイト貿易株式会社

後援      ：エクアドル⼤使館、PRO ECUADOR

【サンエイト貿易株式会社】

所在地 : 〒107-0062 東京都港区南青山1-1-1 新青山ビル西館22階

事業内容 : 製菓・製パン原材料など高級食材の輸出入販売

公式HP：https://www.sun-eight.com/

公式Instagram： https://www.instagram.com/sun_eight_trading/

公式YouTubeチャンネル：

https://www.youtube.com/channel/UCVREH9hs2EdDmte7mwF42kg