豚肉生産者の悩みを解決する売れ残り部位を無駄にしない工夫

豚のモモや腕肉は１トンも余っているという事実。余った部位に付加価値をつけられないか考えるように。

生産者様の冷凍庫には1トンもの売れ残り部位があるそうです

飲食店は通常、肉業者さんから仕入れ、ほとんどの店舗は使いたい部位だけを使っています。トンカツや角煮などに使われるロースやバラ、ヒレは使いやすく人気料理には欠かせない部位です。 　

それ以外の腕肉やモモ肉は飲食店では使われることはあまりないのです。

スーパーや量販店でもあまり見かけず、稀に、もも肉をブロックで見かける事が

ありますが、その他はひき肉になり商品陳列されています。

当店では肉を注文する時は1頭単位で注文します。店舗規模から1頭の半分を注文させて頂き用途ごとに調理しています。お店では今までに、すべての部位を使い楽しい料理を心がけお客さまにお楽しみいただいておりました。

カツオ風味の重曹水に漬け込んだ内腿肉のコールドポーク　

腕肉の一部のミスジを使った炭焼き

外もも肉をスモークして薄切りしてスモークサーモンに合わした一品

そんな中、生産者の方に余った部位を使って欲しいと相談があったのがきっかけで生産農家さんの悩みを知りました。

詳しく話を伺うと、モモ肉や腕肉が冷凍庫に1トンも余っているという事実をお聞きして、とても驚きました。 

豚肉を使う飲食店で代表的なトンカツ屋さんではロースとヒレ肉。

スーパーなどの量販店に並ぶのはバラ肉やロース、ヒレ肉。少しのもも肉。

あとはひき肉になってが陳列されています。

生産者さんの扱う豚肉は人気部位以外のほとんどが冷凍になるそうです。 

ひき肉にするには手間もかかり機械も必要なので、できれば精肉として買っていただくのが理想なのですが現実そうはいかないようです。

飲食店側もメニュー以外の部位を仕入れる必要もないので使う部位のみを買うのがほとんどです。 そんな悩みを聞いていると悲しい気持ちになり、なんとかできないか考えるようになりました。

当店は専門店と言うこともあり、旨みの強い長期肥育されている豚を中心に使用しています。ですが、長期肥育された豚は旨味は増すのですが、肥育日数に比例して脂も多くなり歩留まりが悪くなるという事もあり、私は積極的に余った部位を使うと同時に新しい付加価値をつけられないかを考えるようになりました。

脂が多く飲食店では使いづらいけれど脂の品質と肉質は和牛に匹敵する　 

製品を思いついたきっかけは固まったラード。長期肥育される豚には脂が一般豚の倍以上乗ってきます。ですが、脂の融点は低くなり口に入れるだけで溶けるほどです。

そんな口溶けのよい脂をなんとかうまく使えないか？、知恵のない頭を振り絞って考えました。 そんなある日、固まったラードをみて思いついたのが『バターのように使う』ことでした。

お店でも使う『ガーリックバター』『トリュフバター』のバターをラードを使えばどうなるか？を試作しました。これが予想以上に美味しかったのです。 

バターの融点よりも低く、口溶けが良いのでかなりあっさりしていました。

さらっとした胃の負担もなく自宅ではなかなか食べられない美味しい『合わせバター』が出来たのです。

融点の低いラードとマッシュルームやトリュフを混ぜ込んだトリュフペースト

さらに腕肉やすね肉を合わせて作ったのが『フロマージュドジャレ』で、すね肉や腕肉を煮込みそこから出るコラーゲンで固め、口溶けの良い脂を加えたものです。 

肉加工品としてよりわかりやすいシャルキュトリも完成しました。

不人気NO.１の腕肉を使ったフロマージュドジャレ

売れ残った部位を、誰もが知る『チャーシュー』に。商品名と知名度で大きく売れ行きが変わることを実感する。

商品は出来たもののさっぱり売れません。 

売れ残った部位を使って様々な料理を作りましたが、料理自体の認知度が低く、どんな料理なのか想像がつかないのです。

トンカツ、豚の角煮、豚汁、餃子

のような誰にでもわかる料理は何なのか？。豚肉が主役で誰もが知っている人気のある料理は？？　

悩んだ挙句ようやく思いついたのが『チャーシュー』 でした。

チャーシューは誰もが知っている豚肉料理です。 

その名前を聞くと、丸い形でラーメンに乗っていておつまみにもなるあれか！？と誰もが想像がつくのではないでしょうか？

売れ残った部位の肩バラ肉を使ってチャーシューを作りました。

テイクアウトでのテスト販売を開始したのですが、わかりやすい商品だったのか反応が取れるようになってきました。 

そこで、味付けもバルサミコ酢を使いオリジナルの味わいにすることで、今までにない新しいチャーシュー『大人のチャーシュー』が 完成しました。 フックの効いた商品だったせいか、テレビの取材もあり少しずつ認知があがり、一定数のファンができるようになってきました。 

バルサミコ酢で肩バラ肉を煮込んだ【R28 大人のチャーシュー】

私は飲食の仕事に就く前は音楽活動をしていて、自分の好きな音楽のみをやっていました。当時自分の好きな音楽に対して 

『なぜこんなにも素晴らしい音楽が世にでないのだろう？』 

『日本という土壌がダメなのか？』 

など自己中心的な考え方を持っていました。 

この自己中心的な考え方を料理の世界に当てはめたのが『フロマージュドジャレ』やラードを使った料理だったわけです。今まで勉強してきた西洋料理は素晴らしく美味しいものなので売れるはず！！そう思っていました。　

現実はまったく違いました。お店に来るお客さまからは　

『どんなものなのか想像がつかない』

『どうやって食べるかわからない』

色んなお言葉を頂きました。　 

どんな業界にも当てはまるものだと思うのですが、専門知識を持った世界にいると一般の人の考えや生活を無視しがちです。チャーシューを作って少しずつ売れるようになったのは、凝り固まった価値観を壊し、一般の方に向けた商品に落とし込んだのが良かったのだと思います。 

肉文化の歴史が浅い日本で、一般の方でも手に取りやすい製品を作るために。

肉食文化の本場のヨーロッパでは、牛肉、豚肉にかかわらずお肉をすべて使い、精肉や肉の加工品になります。ポピュラーなソーセージやパテなど、お肉屋さんの店先には自慢のシャルキュトリがずらっと並びます。　 

日本の肉文化はまだまだ後進国です。お客様の中にシャルキュトリなどの名前も知らない方が沢山いらっしゃいます。お店ではシャルキュトリの説明をする時に

『お肉の惣菜』

『たこさんウィンナーや丸ハムの手作り版』

のような説明をしていて、まだまだ人に知って頂く工夫や認知の必要性を感じています。そして、一般の方にも、より手に取りやすく食べて頂けないか？を試行錯誤中です。　 

大人のチャーシューを知って頂き、フロマージュドジャレという商品をもっと多くの人にも知って欲しい。そして骨や皮などのあらゆる部位を製品にしてSDGsに貢献したおいと思っています。

自店で扱う豚肉は生産コストのかかる豚肉で、レストランでもお取り扱い頂けるお店自体がまだまだ少なく、一般的ではありません。　 

テーブルミートと呼ばれる一般の豚とは別路線ではありますが、今後は生産者様も含め多くの人に知っていただくために展示会などに積極的に参加して広めて行きたいと思っています。 その第一歩として、12月にビッグサイトで『中小企業　新ものづくり・新サービス展』に出店させて頂く運びとなりました。

肉だけでなく、骨、皮まで無駄なく製品にして本当の意味でのSDGs を目指すお手伝いをして行きたいと思っております。　 

豚肉をもっと美味しく！ご馳走料理に！

『豚肉が好き』『豚肉の方が美味しい！』

当店に足を運んで頂いたお客様に嬉しいお言葉を頂きます。ですが、まだまだ豚肉の価値は低いです。

焼肉、焼き鳥

などのように豚肉にはわかりやすい料理ジャンルがありません。

しかしながら、豚肉は色んな料理に変化できますし、加工品も星の数ほどありとても魅力的な食材です。そんな魅力的な食材の価値をもっと多くの方に知って頂き、豚肉料理を焼肉や焼き鳥のように『ご馳走』にしていきたいと思っております。

生産者様と手を繋ぎ未来のご馳走豚肉料理を目指して行きたいと思います！

部位ごとに調理法を変える豚肉専門店　 グロワグロワ　　

店主　栗山　裕二

店舗情報とECショップ

yahooショッピング

豚肉料理専門店　グロワグロワ

https://store.shopping.yahoo.co.jp/groin2-pork/

BASE　

チャーシュー焼豚工房　グロワグロワ

https://groin2.shopselect.net/

部位ごとに調理法を変える豚肉専門店　グロワグロワ

HP：https://www.groin2.com/

店舗情報

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店名：部位ごとに調理法を変える豚肉専門店 グロワ　グロワ

住所：台東区浅草2-26-5 SDSビル102

電話番号：03-6231-6309 

営業時間：　ランチ 12:00～14:00(L.O)

ディナー 18:00～21:30(L.O)

定休日：火曜日　月一回不定休あり

FACEBOOK： https://www.facebook.com/groin2008/

Mail：info@groin2.jp