日本という国と外国籍居住者の架け橋となりたい。コミュニティから生まれた多国籍就職フェア・展示会「GaijinPot Expo」に込めた想い

プロジェクトの裏側

2023年9月28日 10時00分株式会社ジープラスメディア

1999年、二人の外国人によって立ち上げられた英語ウェブメディア「GaijinPot（ガイジンポット）」。日本国内での求人や住まい、語学学習からエンタメまで、生活に関わる情報を20年以上提供し続け、いまや日本に住む英語圏出身者であれば誰もが知っているメディアとなりました。

私たちは小さな外国人コミュニティから生まれ、変わり続ける社会情勢の中で、常に日本という国とそこに住む私たち外国籍居住者の架け橋となるべく活動しています。

情報提供を通じて私たちが目指すのは、外国人にとっての日本社会を「活躍できる第二の祖国」とすること。

このストーリーでは、その取り組みの一環として私たちが開催するイベント「GaijinPot Expo」を通して私たちが伝えたい想いを発信します。

イベント詳細・お問合せ：https://events.gaijinpot.com/gaijinpot-expo-2023-ja/

日本での仕事や生活情報を探せる、グローバルコミュニティ「Gaijinpot」

日本に住む在留外国人数は、令和4年度末時点で約307万人（※1）と、過去最高を記録しました。私たちは様々な目的と理由で日本に住み、働き、生活しています。

「Gaijinpotとは、日本に住んでいる、日本に住みたい、日本に住んでいたことのある多国籍な人々が集まる人種のるつぼであり、グローバルなコミュニティです。私たちのユーザーの多くが、日本社会の一部になりたい、ここに住みたい、または日本を訪れたいと思っています。日本文化を愛する人もいれば、自国では得られない機会を日本に見出している人もいます」

GaijinPotを運営する株式会社ジープラスメディアの現代表取締役社長、ケビン・ホーダウェイがニュージーランドから来日したのは2000年代初期。当時日本での生活情報を英語で提供するウェブメディアはほとんど存在せず、SNSも今ほど普及していませんでした。

GaijinPot Expo 2022にて、自身もスタッフとして参加したホーダウェイ（画像：株式会社ジープラスメディア）

「来日当時、私の日本語能力は限られていて、日本での生活に関する情報もほとんど持っていませんでした。GaijinPotは当時からコミュニティの中では有名なウェブサイトで、日本での仕事や生活情報を探すならここだとみんなが知っていました。ウェブサイトを通じて他の外国人居住者からアドバイスを受けることもできました」

それから20年以上が経ち、多くの情報がSNSを通じて飛び交う現在もGaijinPotは当時と同じ立ち位置にあり、様々な方法で外国人居住者と日本社会を繋いでいます。

本年で５回目の開催となる多国籍就職フェア・展示会「GaijinPot Expo」も、その方法の一つです。

※1：R5年法務省出入国在留管理庁「令和４年末現在における在留外国人数について」

多国籍外国人の能力と人間性を正しく評価し、日本企業とフラットに出会える「GaijinPot Expo」

日本文化は素晴らしく、日本は住みやすい国です。同時に、他国籍居住者に対する理解度が相対的に低く、マイクロアグレッションに出会いやすい国でもあります。

日本語が話せて、日本文化にも親しんでいるのに、見た目で判断されいつまでたっても「外国人」扱いされる
在住10年以上たっても「お箸が上手ですね」と言われる

「またか」と笑い飛ばせるものもある一方で、「外国人だからこうだろう」という決めつけが実際に私たちが社会で活躍する場を奪うこともあります。

オンラインの採用選考において、国籍や人種による先入観によって書類選考を通過できない
サービスの営業を受けるにあたって、外国人だから理解できないだろう/購入しないだろうという決めつけで潜在顧客として扱われない
サービスの利用に際し、外国人であることを理由に日本人とは違う条件を要求される

GaijinPotが過去に実施したユーザー調査（※2）では、回答者の７割が「外国人であることを理由に日本企業での活躍・昇進が阻まれていると感じたことがある」と回答しています。中でもその具体的な例としてもっとも多く挙げられたのは、「外国人社員が昇進できるポジションが用意されていない」という点でした。

※２、上図：株式会社WEIC/ジープラスメディア「日本で働く外国人に関する就労調査」より

しかし私たちは、多くの日本企業が外国人社員を単純労働の頭数としてではなく、会社の重要な職務を担うメンバーとして迎えたいと考え始めていることを知っています。日本人と同じ条件で利用が可能で、多言語サポートも備えた商品やサービスが増えつづけていることも。

足りないのはその情報とユーザーを結びつける場なのです。実際に面と向かって話し、国籍や見た目や来歴ではなく、能力と人間性を正しく評価される場。多国籍外国人と日本企業がフラットに出会い直せる場所。

それが「GaijinPot Expo」であると私たちは考えています。

外国人採用フェアや展示会とは異なる点は、「コミュニティ発祥のイベント」であること

GaijinPot Expoでは就職フェアエリアとExpoエリアを設け、外国人採用や商品/サービスPRの他、各種専門学校の学校紹介等を目的とした様々な企業にご出展いただけます。本イベントが他の外国人採用フェアとも展示会とも異なる点は、「コミュニティ発祥のイベント」であることです。

昨年開催時は出展企業25社、来場者528名を迎えた本イベント。今年ははさらに規模を拡大し、来場者数700名以上を見込んでいます。イベントでは日本在住インフルエンサーを招待して行う講演会の他、ユーザー投票により優勝者が決まる「アートコンテスト」など、来場者参加型のアトラクションも提供されます。また会場内では複数のバイリンガルスタッフが出展企業/来場者双方のコミュニケーションをお手伝いします。

GaijinPot Expo 2022の様子（画像：株式会社ジープラスメディア）

過去開催時、来場者からは「自分の評価を正しく見直せた」「歓迎されていると感じた」「今まで知らなかった企業やサービスの担当者と話せてよかった」などのコメントがありました。出展企業からは「開場から閉場まで来訪者が途切れることなくよかった」「集客パワーに驚いた。参加者の出身国もアジア圏だけでなく、バランスよく感じた。日本にいながら外国のフェアにいる感覚だった」「普段とターゲット層が違う層への営業ができて良かった」などの声をいただきました。

これらフィードバックを受けながら、私たちは今後も本イベントの規模拡大・内容の向上を続け、よりコミュニティが輝く場としてのGaijinPot Expoに成長させていきます。

外国人居住者の、自分なりの方法で日本を良くしたいという想いに応えられるコミュニティに

ホーダウェイは、私たちのユーザーであり私たち自身でもある外国人居住者が望んでいることについてこのように話します。

「私たちのユーザーは、仕事、家族、休日の余暇などを通じて、日本で成功し、やりがいのある生活を送りたいと考えています。私たちは皆、この第二の祖国で、本当の意味で受け入れられることを望んでいるのです。ユーザーの多くは、仕事やコミュニティでの活動を通じて、自分なりの方法で日本を良くしようと懸命に取り組んでいます」

「私たちジープラスメディアは、彼ら一人一人にとって必要な情報提供を続けていきます。オンラインだけでなく、オフラインイベントの開催もその方法の一つです。情報を通じて、日本社会とコミュニティとの関係をよりよくしていきたい。またその活動が、日本企業、ひいては日本社会全体に対する貢献に繋がると信じています。私たちは今後も、これらのリソースをより良くし、より大きくすることで、コミュニティの成長をサポートし続けていきます」

ジープラスメディアでは、今後さらに種類豊富なオフラインイベント（ソーシャルイベント・ビジネスマッチングなど）を企画しています。またオンラインサービスでは、今年度リリースした外国人居住者と不動産賃貸会社のマッチングサービス「Room Finder」や、海外から日本の大学進学を目指す学生向け「Universityセクション」に続き、日本在留外国人と企業を結ぶ各種サービスの新規開発を行っています。

私たちはあらゆる方面/方法を用いて、「誰もが住み良い日本」の実現に向けて、活動を拡大していきます。