Willverse株式会社が従業員の心理的兆候やエンゲージメントの変化をリアルタイムで可視化・分析するHR×AIコンサルティングサービスを開始
AIが非構造化データを解析することで経営層やマネージャーが気づきづらい変化や成長を観測可能に
サマリ
Willverse株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:朝比奈遥人)は、社内コミュニケーションツールに存在する非構造化データを活用し、従業員の心理的兆候やエンゲージメントの変化をリアルタイムで可視化・分析するHRxAIコンサルティングサービスを開始しました。
本サービスは、AIモデルのパッケージ提供ではなく、企業ごとの課題や組織構造に応じて最適化されたカスタム型のAI分析支援・AIコンサルティングサービスを提供するものです。従来のエンゲージメントサーベイでは把握しきれなかった「変化の背景」や「感情の揺らぎ」を、コミュニケーションツールから抽出・可視化。経営層やマネージャーが気づきづらい変化を補完し、より早く・より深く従業員の状態を理解するための意思決定を支援します。
背景・課題
少子高齢化による労働人口の減少と、優秀な人材の獲得競争が激化する中で、「いま組織で何が起きているのか」をタイムリーかつ深く理解することは、企業経営における重要課題のひとつとなっています。
しかし現在、多くの企業では月次や四半期単位のエンゲージメントサーベイやモチベーションサーベイ、人事データの定点観測に依存しており、従業員の心理的な変化や組織内の雰囲気の変化といった非構造・非言語のサインを十分に捉えられていません。
特にリモートワークやクロスファンクショナルな働き方が定着した現代では、マネージャーが日々の会話や1on1だけで全ての変化を把握することが困難になりつつあります。SlackやTeamsといったコミュニケーションツール上では、従業員の本音やストレスなどが軽微な表現や返信速度として現れ、蓄積されているにもかかわらず、従来の仕組みではその兆候を見落とすケースが多発しています。
また、従来型のサーベイではスコアや変化の"数値"は取得できても、「なぜそのスコアになったのか」という因果関係は具体施策が打てるほど手触り感のあるアウトプットが出ず、結果的に形式的なアクションや誤った施策に繋がってしまうことも少なくありません。
こうした課題に対し、Willverseは「リアルタイムかつ文脈的に従業員の変化を捉えること」に着目し、コミュニケーションログを"意味のあるデータ"として解析する新しいアプローチとして、今回のHRxAIコンサルティングサービスを開発しました。
3つのコアとなる価値
WillverseのHR×AIコンサルティングサービスは、単なるスコア可視化や自動レポーティングではありません。Slackなどに蓄積された「日常のやりとり」から、意味のある"兆候"を捉え、背景を読み解き、変化を前向きなアクションにつなげるための、実践的かつ個社最適な支援を提供します。
その中核となる価値は、以下の3つです。
1. 心理的兆候の検知
「業務負荷・感情変化・反応の遅れ」から、見えない疲労や違和感を早期に検知
SlackやTeams上に日々蓄積されるコミュニケーションデータから、従業員の業務負荷の変化や感情の揺れ、反応速度の低下などを多次元で分析。 一見問題なく業務を遂行しているように見えるメンバーでも、「実は限界が近い」「チームとの関係性に課題が生じている」といった兆候を事前に捉えることが可能です。
これにより、従来の1on1やサーベイでは見逃されがちだった変化を、リアルタイムで可視化。離職の一歩手前での対話や支援を実現し、組織の健全性を維持します。
2. ハイパフォーマー特定システム
「コミュニケーションツール上のふるまい」から成果創出行動を学習し、類似傾向を持つ人材を発見
従来の人材分析は、学歴や経歴、性格特性などの静的な属性情報に依存する傾向がありました。 本サービスでは、実際のコミュニケーションツール上のふるまい(レスポンスの速さ、対話の構造、言葉選び、チャンネル内での発信頻度や影響力など)なども含めて、ハイパフォーマーの行動パターンを学習。 これにより、単なる属性分析ではなく、日々の行動に基づいた「再現可能な成果創出スタイル」をモデル化し、類似傾向を持つ潜在的な高パフォーマーを早期に発見することが可能になります。
3. 個別成長診断エンジン
マネージャーが言語化できなかった"強み"をAIが可視化し、最適な成長支援へ
日々のチャットコミュニケーションには、従業員それぞれの仕事の向き合い方、伝え方、周囲との関わり方のクセや強みがにじみ出ています。 これまでマネージャーが「感覚的にしか捉えられなかった」特性を、AIが自然言語処理により構造化し、一人ひとりの強み・改善点・貢献スタイルを可視化します。 さらに、検出された個性や状況に応じて、「この人にはどのような環境・役割・フィードバックが最適か」といったパーソナライズされた成長支援の示唆を提供。 マネージャーは直感や経験だけに頼らず、データドリブンにメンバーの育成や適材適所を検討できるようになります。
テクノロジー概要
WillverseのHR×AIコンサルティングサービスを支えるのは、「雑多な日常会話から本質的な意味を抽出する」ために開発された独自のAI基盤です。Slackなどのチャットログは、業務と非業務、感情と事務連絡が入り混じるノイズだらけの非構造データです。この情報源を、組織マネジメントに活かせる"意味のあるアウトプット"に変換するための技術的柱は以下の通りです。(特許出願予定)
1. 独自前処理技術:ノイズだらけのチャットから"意味"を抽出
この革新を実現する上で最大の課題は、「膨大で非統一なチャットメッセージの中から、有意義な情報だけを取り出すこと」です。 SlackやTeams上の会話には、誤字脱字、顔文字、スタンプ、業界スラング、略語、文法的に不完全な文章などが多く含まれており、汎用的な自然言語処理技術のみでは処理効率の観点からこれらを正確に処理することが困難です。
Willverseではこれに対応すべく、独自の前処理エンジンを開発。以下のような処理をリアルタイムで行います。
・絵文字・スタンプを含む感情表現の定義化・定量化
・文脈に依存する略語や言い換えの解釈
・業界・企業特有の表現やプロジェクト名の同義語処理
これにより、「ノイズ」とされる要素をむしろ"手がかり"として活用し、精度の高い心理解析・行動傾向分析が可能になります。
2. リアルタイム解析システム:感情・負荷・関係性を"リアルタイムでスコア化"
蓄積されたチャットデータをただ後追いで月次分析するのではなく、「今、何が起きているか」に即応することも、本サービスの重要な特徴です。 そのため、Willverseでは、LLM(大規模言語モデル)と独自の分類器を組み合わせたリアルタイムスコアリングエンジンを開発しました。
・感情的な変化(ポジティブ/ネガティブ/不安定など)
・業務負荷の示唆(集中度/過負荷兆候/遅滞リスク)
・チーム内での役割傾向(主導/受動/孤立傾向)
といった要素を数値化・時系列で可視化し、管理者やHRが即座に状況を把握・判断できる仕組みを実現しています。
このリアルタイム性により、「びっくり退職」や「エンゲージメントスコアが下がってからの面談」などの"後手の対応"を防ぎ、より早く適切なコミュニケーションや支援施策へつなげることが可能です。
技術責任者コメント

このプロジェクトで一番大事にしているのは、“人が気づけなかった変化”に、AIが静かに気づくということです。
AIの活用価値はすでに数多く語られてきましたが、私が特に着目していることは従来人間が処理しきれなかった非構造化データを読み解く価値です。
本技術は単に会社が離職を抑制するための技術ではなく、その人がもっと自然体で働けるように、チームや上司が“よりよく支援できる状態”をつくるために開発しています。これからも人と組織にとって本質的なサポートができる技術に育てていきたいと考えています。
プライバシー保護への取り組み
本技術の開発において、最も重要視したのは従業員のプライバシー保護です。社内コミュニケーションという極めてセンシティブな情報を扱う以上、技術的な革新性と同時に、従業員が安心して自然なコミュニケーションを続けられる環境の維持が不可欠と考えています。
個人を特定可能な情報については、解析プロセスの最初の段階で完全に匿名化処理を実施し、個人名や部署名、プロジェクト名などの固有情報は自動的に除去されます。また、解析対象はパブリックチャンネルのメッセージのみに限定し、DM等のプライベート通信は一切対象外とすることが可能な設計としており、企業の方針に応じて柔軟な運用が可能です。
さらに、個人情報保護法に完全準拠した体制を構築し、データの収集・処理・保存・削除に関する厳格なガバナンスを確立しています。これにより、あらゆる企業様においても安心してご利用いただける法的基盤を整備しました。
会社概要

会社名 |
Willverse株式会社 |
代表者 |
代表取締役CEO 朝比奈遥人 |
本社 |
東京都渋谷区 |
事業内容 |
AI技術を活用したマーケティング・HR支援サービスの開発・提供 |
URL |
本件に関するお問い合わせ先
担当:小川洋平
E-mail:yohei.ogawa@willverse.io
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