ジェネシス、顧客体験のレポートを発表
25%の消費者が不快なやりとりを契機にブランドスイッチ
不快な体験は顧客ロイヤリティを低下させる
優れたカスタマーエクスペリエンス(CX)に対する期待は、多くの企業が追いつけないほどのスピードで高まっており、消費者は自分のニーズが満たされない場合、ためらわずに離れていきます。
日本の消費者の4分の1は、ビジネス上のやり取りで不満を感じたことがあり、そのうち21%の消費者は涙を流すほど不愉快な経験をした人もいます。APAC地域の消費者のうち、通話後に高く評価されたと感じたのはわずか41%であり、日本ではさらに低い33%という結果でした。
日本の消費者が最も不満に感じたのは、多数のスタッフに何度も話しかけられること(29%)と、通話が途切れたこと(25%)でした。
APAC地域全体では、約3分の2近くの消費者(63%)が、自分の価値観に合致した企業からのみ購入するか、または優先的に購入すると述べており、その過程でより高い金額を支払うことを厭わないとしています。日本の消費者の56%は、そのようなプレミアムを支払う覚悟があると回答しています。
不愉快な体験は、不満を募らせるだけでなく、ロイヤリティを低下させるものです: 日本の消費者の80%は、ブランドのカスタマーサービスで5回か、もしくそれ以下の不愉快なやりとりがあった場合、他社に乗り換えると回答しています。
顧客体験(CX)の最適化には、シームレスな体験と従業員への投資が必要
企業が投資を行う際、どの技術やツールを使うかを決定する上で、消費者の嗜好や態度は重要な指針となります。
優れたチャットボットと社員の連携
カスタマーサービスへのチャットボットの利用が増加する一方で、消費者の不満も増えています。実際、APAC全域の調査対象であるCXの意思決定者の44%が、現在、Webサイトの顧客とのエンゲージメントにおいて積極的にチャットボットを使用していると回答しており、これは世界のどの地域よりも高い割合です。しかし、チャットボットによるエンゲージメントが非常に満足度の高い体験だと感じている消費者はわずか20%です。
消費者は、チャットボットからエージェントに連絡できないこと、ボットとの会話をエージェントに繰り返さなければならないことを、不満の上位に挙げています。企業がボットの利点を最大限に活用するためには、チャネルと対話間で正しい情報のシームレスな流れを作り出し、顧客が目標を達成するのをより簡単かつ迅速にすることに注力する必要があるといえます。
顧客体験の連携がカギ
CXの意思決定者によると、シームレスな体験を提供するための最大の課題は、顧客の状況がチャネル間で引き継がれないことです。これを解決するために、ほとんどの企業は、消費者のあらゆるタッチポイントを調整するための強力な機能が必要であることを認識しています。APAC地域のCXの意思決定者の約74%は、システムを統合するカスタマーエクスペリエンスプラットフォームの導入が、2023年の最優先テクノロジーであると回答しています。オムニチャネルCXを推進し、カスタマーエクスペリエンスの各ステップを調整するために、企業レベルから個々の対話データに至るまで、可視性を高めることが重要視されています。
音声対応は今や主要なチャネルではない
デジタルチャネルの利用が加速する中、カスタマーサービスに連絡する最も一般的な方法として、Eメールが初めて音声対応を上回りました(Eメール利用72%対音声対応利用68%)。しかし、消費者の最も重要な基準である初回コンタクトでの解決につながらないため、CXインタラクションのトップランクのチャネルとしてEメールを選択した回答者は、APAC全体でわずか12%でした。選択肢がある場合、APACの消費者は依然として通話を好み、全体として音声対応によるコミュニケーションが主要な選択肢となっています。
日本におけるEメールと電話対応の矛盾
ジェネシスの調査結果では、日本におけるカスタマーサービスの現状と満足度のギャップも明らかになりました。他のAPAC諸国と日本の違いについて、注目すべき傾向は以下の通りです。
日本の顧客の40%が、カスタマーサービスにおける主要なコミュニケーション手段としてEメールの利用を希望しており、他のAPAC諸国(ANZ:32%、中国:26%、インド:28%、シンガポール:20%、韓国:19%)や米国(21%)を上回る利用率となっています。
日本は、ANZ(30%)やインド(36%)など他のAPAC諸国と比較して、エージェントとの電話の利用率が著しく低い(8%)ことが際立っています。
Eメールが好まれる一方で、日本の顧客は、Eメールでのやり取り(27%)に比べ、電話でのカスタマーサービス担当者とのやり取りで高い満足度(40%)を示しています。
日本の顧客の86%が、テキストメッセージ、ソーシャルメディア、モバイルアプリケーションなどのモバイルコミュニケーション手段に強い関心を示しており、モバイルデバイス上での便利でシームレスな顧客サービス体験への需要が高まっていることを示しています。
「今回の調査では、Eメールの使用割合やモバイルでの関心度など、世界と比較して日本のカスタマーサービスの独自性が浮き彫りになりました。ただし、これらのチャネルでの満足度はまだ電話と比べて低いことが明らかになっています。25%の消費者が不快な対応をきっかけにブランドスイッチを検討すると回答しているように、今や顧客体験は企業の業績に直結するようになっています。コロナ後の採用難からセルフサービスへのシフトが進んでいますが、テクノロジーを積極的に取り入れ、人を中心としたアプローチを採用することで、企業はパーソナライズされたカスタマーサービスの可能性を引き出し、大切な顧客とのより強いつながりを作ることができます」と、ジェネシス日本法人代表のポール・伊藤・リッチーは話しています。
ジェネシスの「顧客体験の現状」レポートは、現在の顧客と従業員の体験について、人間中心の統一されたアプローチを取ることが企業の成功に不可欠であることを強調しています。デジタルとAIテクノロジーを活用し、あらゆる体験においてパーソナライゼーションと共感の力を提供する企業は、ビジネスコストを管理しながらロイヤリティを構築することで、競合他社に差をつけることができます。
本調査レポート(英語)はこちら(https://www.genesys.com/resources/state-of-cx)からダウンロードしてください。
調査方法について
2022年11月、ジェネシスは独立系調査会社と共同で、世界18カ国の5,517人の消費者と646人のCX意思決定者(「CX Leaders」)を対象に調査を実施しました。ビジネス回答者のうち、代表的な業種は銀行、政府、医療、保険、製造、専門サービス、小売、テクノロジー、通信でした。アジア太平洋地域のレポートでは、オーストラリア、ニュージーランド、中国、インド、日本、シンガポール、韓国から集まった1,017人の消費者と166人のビジネスリーダーの回答に焦点を当てて分析を行っています。
ジェネシスについて
ジェネシスは世界100カ国以上において、毎年700億件以上の卓越したカスタマーエクスペリエンスを支えています。クラウド、AI、デジタル技術のパワーを通じて、企業はジェネシスのスケール可能で共感性の高いカスタマーエクスペリエンスのビジョンであるExperience as a Service®︎を実現できます。ジェネシスでは、マーケティング、セールス、サービスのすべてのチャネルにおけるカスタマーモーメントをつなぐとともに、従業員の体験も改善します。バックオフィス技術をモダンな収益源に変えることで、ジェネシスは真のパーソナライゼーションを大規模に、共感を持ってかかわり、信頼とロイヤリティを育むことをサポートします。詳しくは、www.genesys.com/ja-jpをご覧下さい。
©2023 Genesys. All rights reserved. Genesys, the Genesys logo, Genesys Cloud CX, Genesys Engage and Experience as a Service are trademarks, service marks and/or registered trademarks of Genesys. All other company names and logos may be registered trademarks or trademarks of their respective companies.
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像